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第1章

日常③

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大広間





18時ちょうどになり、【プリヤーチェリ】の生放送が始まった。



「はい皆さんこんばんわ!【プリヤーチェリ】のクールなイケボ、ウーです!今回はプレイヤー兼進行係を務めまーす!よろ!!」



司会のウーから始まったゲーム組&歌組のごちゃまぜカードゲーム大会が始まった。

みんなうるさいぐいに盛りあがっている。



「はいはいみんなちょっと黙れ~・・・今回の参加者はわたくしウーと」



「好青年コンと」



「謎多き男ムーラントと」



「元気いっぱいロンと」



「常識人トトと」



「歌組のクールビューティーな猫さんと」



「低音ボイスなたぬポンと」



「お兄さん的存在なナナでーす」



「せーの」



『よろしくお願いします』





それぞれ考えた自己紹介をし、始まっていくのだ・・・地獄が・・・











ゲーム始める前の雑談







「準備始める前に、おいコン。誰が好青年だよ。お前はおっさんで上等だろ」



「それ言うなら人のこと言えねえぜウー。誰がクールなイケボだよ」



いつもながらのコンとウーの言い合い。この配信ではおなじみ・・・というか、コン&ウーが揃うとこうなるのだ。

幼馴染だからこその喧嘩に発展しない言い争いがみんなにうける。



「言い合いもほどほどにだぞ二人とも」



二人のいつもの言い合いもある程度でナナがとめる。

やり始めたら長いのだ、この二人の掛け合いは。



脱線していくのがいつもの流れで、みんなが程よい時にとめるかカットになる。

みんなで始まる前の雑談も終え、ゲームが始まっていくのだ。











ゲーム開始10分後・・・・







「やめろムーラント」



「お前はここで終わりだぜウー!」



緊迫した雰囲気の中、ムーラントとウーがにらみ合っていた。



今回のカードゲームは文章能力で戦う心理戦ゲーム。

配信者だからこそなのか、みんな言葉が上手く、誰も負けがいない状態だったのだが、ムーラントがウーを責めピンチに。



このカードをしのがねばウーの負けなのだ。

ウーは山札からカードを一枚とり・・・



「俺の負けだ~」



『いえーい!!!』



今回の最初の敗北者はウーに決定した。

ものすごくみんな嬉しそうだ。



それもそのはず、【プリヤーチェリ】のゲームでは最初の敗北者には罰ゲームがあるのだ。

罰ゲームをしたくなくて、みんな必死に勝つのだ。

罰ゲームにも軽いものから重いものまであり、ボックスに入った罰ゲームの紙をとり決めるので、何が当たるかお楽しみ。



今回の罰ゲームは・・・・モノマネ(メンバーのみ)

重くなさそうに見えて、実は重い罰ゲームが来た。



「まじかよ・・・」



「楽しみだな~」



「これはいい罰ゲームですね~」



すごく憂鬱そうなウーに比べ、嬉しそうなコンとめちゃくちゃいい笑顔なナナ。



これはメンバー内で何かが起こる予感がする。

亀裂は入らなさそうだが、しばらく晒されそう。主にコンとムーラントの悪ふざけによって。



「じゃ行きまーす」



やる気なさそうにモノマネをするウー。







この時、部屋の気温が少し下がったように感じた。
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