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誰かイケメン達を止めてくれませんか!!.14
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今日は放課後、おすすめ書籍のポスターを作ることになっている。
チラシはもうできたので、あとは掲示板に貼るポスターを作れば作業終了だ。
まずは大きめの用紙に下書きだ。
実際に描くのは比較的絵を描くのが得意な美馬君に任せた。
みゆうと伊吹はチラシを元にあれこれと指示を出す。
ようやく下書きが終わったので、みゆうと伊吹も手伝ってポスターカラーで色付けをした。
およそ二時間かけてポスターは完成した。
「なかなかよくできたよね」
伊吹が言うと、みゆうは美馬君の腕前を褒めた。
美馬君はクラスが違うので図書委員以外で話すことは余りないのだが、筋金入りの本好きだ。
みゆうも美馬君のすすめられて好きになった作家がたくさんいる。
実はその美馬君も密かにみゆうに思いを寄せていた。
控えめな性格の彼が自分から告白することなど、これっぽっちも考えていないが、伊吹は何となくそのことに気づいていた。
だから、みゆうが美馬君を褒めたり、美馬君が勧めた作家を好きになったりするのはしゃくに障るのだ。
だからと言って、大っぴらに態度で表すわけではない。
伊吹としては、コミュニケーション能力の高さでは美馬君に勝っていると思っている。
だから、いざとなればみゆうの気持ちを自分の方に向けることは可能だと、根拠の無い自信を持っていた。
ただ、それは美馬君に対してだけであって、その他大勢の隠れみゆうファンの存在など、伊吹の知るところではなかった。
出来上がったポスターを掲示板に貼り、チラシを各教室に貼ってもらうよう職員室に持って今日の仕事は終わった。
伊吹と美馬君に別れを告げると、みゆうは家路についた。
今日はいったいどうなるのだろう。
みゆうは、もう何が来ようと逃れられないと覚悟したつもりなのに、その足取りは重かった。
いつもどおり玄関を開ける。
家の中はシンと静かだ。
とりあえずホッとする。
次は二階の自室だ。
慎重にドアを開けた。
しかし、ここにも誰もいなかった。
ただ、これで安心してはいけない。
昨日などは、すっかり安心しきってベッドに入ってからが大変だったのだから。
彼らはいつやってくるのか分からないのだ。
みゆうはとりあえず部屋着に着替え、今日美馬君にすすめられた本をカバンから取り出した。
ページをめくると、一気にその世界に引き込まれた。
いつの間にか帰ってきた母が、キッチンから夕ご飯だと呼んでいる。
「はあ~い、今行く~」
みゆうはしおりを挟むと本を閉じた。
食卓につき、母と二人で食卓を囲んだ。
テレビで歌番組を見ながらおかずに箸を伸ばした瞬間、画面の中でたった今まで歌っていたアイドルグループの一人が忽然と消えた。
みゆうは箸でつまんだおかずをポトリと落とした。
これは、まさか…。
いやいや、いくらなんでも、そんな…。
みゆうは、その可能性が濃厚であるにもかかわらず、必死で否定しようと試みた。
しかし、今自分の部屋に行かないと、更にまずいことになるという心の声が聞こえてくる。
チラシはもうできたので、あとは掲示板に貼るポスターを作れば作業終了だ。
まずは大きめの用紙に下書きだ。
実際に描くのは比較的絵を描くのが得意な美馬君に任せた。
みゆうと伊吹はチラシを元にあれこれと指示を出す。
ようやく下書きが終わったので、みゆうと伊吹も手伝ってポスターカラーで色付けをした。
およそ二時間かけてポスターは完成した。
「なかなかよくできたよね」
伊吹が言うと、みゆうは美馬君の腕前を褒めた。
美馬君はクラスが違うので図書委員以外で話すことは余りないのだが、筋金入りの本好きだ。
みゆうも美馬君のすすめられて好きになった作家がたくさんいる。
実はその美馬君も密かにみゆうに思いを寄せていた。
控えめな性格の彼が自分から告白することなど、これっぽっちも考えていないが、伊吹は何となくそのことに気づいていた。
だから、みゆうが美馬君を褒めたり、美馬君が勧めた作家を好きになったりするのはしゃくに障るのだ。
だからと言って、大っぴらに態度で表すわけではない。
伊吹としては、コミュニケーション能力の高さでは美馬君に勝っていると思っている。
だから、いざとなればみゆうの気持ちを自分の方に向けることは可能だと、根拠の無い自信を持っていた。
ただ、それは美馬君に対してだけであって、その他大勢の隠れみゆうファンの存在など、伊吹の知るところではなかった。
出来上がったポスターを掲示板に貼り、チラシを各教室に貼ってもらうよう職員室に持って今日の仕事は終わった。
伊吹と美馬君に別れを告げると、みゆうは家路についた。
今日はいったいどうなるのだろう。
みゆうは、もう何が来ようと逃れられないと覚悟したつもりなのに、その足取りは重かった。
いつもどおり玄関を開ける。
家の中はシンと静かだ。
とりあえずホッとする。
次は二階の自室だ。
慎重にドアを開けた。
しかし、ここにも誰もいなかった。
ただ、これで安心してはいけない。
昨日などは、すっかり安心しきってベッドに入ってからが大変だったのだから。
彼らはいつやってくるのか分からないのだ。
みゆうはとりあえず部屋着に着替え、今日美馬君にすすめられた本をカバンから取り出した。
ページをめくると、一気にその世界に引き込まれた。
いつの間にか帰ってきた母が、キッチンから夕ご飯だと呼んでいる。
「はあ~い、今行く~」
みゆうはしおりを挟むと本を閉じた。
食卓につき、母と二人で食卓を囲んだ。
テレビで歌番組を見ながらおかずに箸を伸ばした瞬間、画面の中でたった今まで歌っていたアイドルグループの一人が忽然と消えた。
みゆうは箸でつまんだおかずをポトリと落とした。
これは、まさか…。
いやいや、いくらなんでも、そんな…。
みゆうは、その可能性が濃厚であるにもかかわらず、必死で否定しようと試みた。
しかし、今自分の部屋に行かないと、更にまずいことになるという心の声が聞こえてくる。
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