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それでも俺が好きだと言ってみろ.92

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「こ、こらっ・・・、そんなに締め付けたら・・・」

「・・・だって、・・・だって、嬉しくて・・・、宗理さんがそんなこと言ってくれるなんて・・・」

 和香は嬉しさのあまり泣きだした。



「ばか、泣くなよ・・・。そんなんじゃ困るな。これから何度だって言うんだぞ?俺の可愛い和香」

 その言葉は和香の涙を止めるどころか、本格的な号泣モードに突入させた。



 しゃくりあげながら泣く女の子を相手に、そのままセックスを続けるのはいかがなものか・・・。

 桜庭は優しさから、一旦動きを止めた。



「ヒック、どうしてやめるんですか?」

「い、いや・・・、お前があんまりにも泣くから・・・」

「嬉し泣きですから泣いてても笑ってるのと同じです。だから、やめないでください」

「そう言われても、これじゃあいじめてるみたいで・・・」



「何言ってるんですか?宗理さん、これまでに私とどんなセックスしてきたと思ってるんですか?もういじめてる以外に考えられない様なのいっぱいしましたよ?」

「そ、そう言われると・・・」



 確かに、これまでは自分の気持ちも和香の気持ちも不確かなままで、そのイライラをぶつける様なセックスばかりだった。

 相手を想ってはいるものの、それをストレートに表現できない事情があったため、つい歪んだ形のセックスになってしまったのだ。



「そんなセックスも、そんな宗理さんも好きなんです・・・。だから、お願い・・・」

 そう言った和香の瞳から涙はもう流れていなかった。

 かわりに可愛らしくて、エロチックな表情で桜庭のことを誘っている。



「くっ・・・」

 桜庭は態勢を立て直すと、再び激しく腰を動かし始めた。

「ああっ、いいっ・・・、宗理さん、あっ・・・、もっとして・・・、もっと激しく突いて・・・、ああ、もっと!」

 和香の出す艶っぽい声が鼓膜に響いてたまらない。



「はっ、・・・いやらしい身体だ・・・」

 何も隠しごとがなくなった和香は、その欲情を剥き出しにする。

 自分の髪をかき揚げ、乳房をつまんでみせ、腰をくねらせる。

 魂のすべてをセックスに陶酔させているその様を目の当たりにすれば、三度目だというのに、桜庭は早くも絶頂に近づいている。



「全部、宗理さんのものです・・・」

 潤んだ瞳で見つめられれば、もうひとたまりもなかった。

「・・・あっ、あっ、はぁっ!」

 桜庭は三度目の精を和香の中に放った。



「ああっ、素敵・・・。宗理さんの熱いのが、私の中に広がってく・・・。宗理さん・・・、キスして」

「あぁ」
 
 感極まったあとのキスは濃厚でエロティックで、信じられないけれど、桜庭のモノは再び元気を取り戻し始めた。



「やだ・・・、宗理さんの、もう元気になってる」

「う、うるさい!お前がやらしいキスするからだ!」

「しかたないじゃないですか・・・。今日のセックスめちゃくちゃいやらしい気持ちになっちゃうんだもん・・・」

 そう言って和香はまた舌を絡ませてきた。



「・・・んんっ」
 
 もう何だかんだ言っても、完全に和香が主導権を握っていないか?

 今頃気付いた桜庭だったが、不思議と嫌な気はしなかった。
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