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それでも俺が好きだと言ってみろ.78
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「だけど、もうこれは、心配っていうより、自分が納得したいだけなんだ。和香ちゃんが、ちゃんと幸せになるっていうなら、僕も潔く諦められる。だけど、今の状態じゃあ、とても幸せとは程遠い。だから、和香ちゃんが選んだ道が、幸せに通じているって確信したいんだよ」
まあ君って、こんなにたくましかったっけ。
自分は真とつきあっていた時、いったいどこを見ていたのかというくらいに・・・。
しかし、今はそんなことにフォーカスしている場合ではない。
真は自分の答えを待っているのだ。
「まあ君の気持ちは嬉しいけど・・・、私たちの関係は変わらないよ」
桜庭が自分のことを好きだなんて、どこをどう間違えばそういう発想になるのだろう。
和香の方は・・・、認めたくはないけれど・・・、多分好きになってしまったのだろう。
それを真に言うつもりはないけれど。
「でも、このまま和香ちゃんの気持ちを伝えなかったら、あの人きっと自分からは言い出せないよ?それでもいいの?」
「な、なんでまあ君に、そんなことが分かるの・・・?」
「さあ、全部僕の戯言たと思って聞くだけ聞いて。ただ、さっきも言った様に和香ちゃんが幸せになれるって確信するまで諦めるつもりはないから」
「諦めるつもりはないって・・・、どうするつもり?」
「う~ん、まあ、こうやってあの人と和香ちゃんのところにお節介を焼くくらいかな」
「まあ君の言ってること分かんないよ・・・。それじゃあ、私だけが幸せになって、まあ君は幸せじゃないじゃん」
「そんな、勝手に決めないでよ。僕は和香ちゃんのことを見届けたら、やっと次の恋にチャレンジ出来るんだから」
「ええっ!」
真は本当にまるで別人の様だ・・・。
このポジティブ思考は一体どこから来るのだろうか。
「自分で振っておいて聞くことじゃないと思うんだけど、まあ君はどうしてそんなに早く気持ちを切り替えられたの・・・?それって、つまり、私のことあんまり好きじゃなかったってこと?」
自分のことは棚に上げて和香は興味本位で聞いてしまった。
「和香ちゃんのことは好きだったし、正直今もまだ好きだよ。ただ、恋愛が僕の生活の全てじゃないっていうだけ。僕の人生で大切なものの割合で一番が仕事なんだ。そして、多分他のひとよりその割合が大きいんだと思う。だから、僕の人生を形づくるもののなかで、仕事の他に恋愛や趣味や友人関係とかがあるとして、仕事が占める割合が突出して大きいんだよ。でも、てっきり和香ちゃんもそうだと思ってた」
「それは・・・、私もそうだと思ってた・・・。こうなる前は、だけど・・・」
そうなのだ・・・。
自分はどうしてもゲノム解析の仕事がやりたくて、せっかく正社員で就職した会社を辞めたのだ。
そのくらい仕事に人生を懸けていた・・・、はずだった。
「あとね、和香ちゃんから見たら理解できないかもしれないけど、このやり方が僕には一番しっくりくるんだよ。だから、うっとうしいかもしれないけど、しばらくは僕のワガママにつきあってもらうよ」
「・・・・・・・」
そう言われても、真の桜庭に対する見立てには納得できなくて、素直にYESとは言えなかった。
ただ、自分勝手に別れを切り出した手前、真の言うことを無視するわけにもいかない。
まあ君って、こんなにたくましかったっけ。
自分は真とつきあっていた時、いったいどこを見ていたのかというくらいに・・・。
しかし、今はそんなことにフォーカスしている場合ではない。
真は自分の答えを待っているのだ。
「まあ君の気持ちは嬉しいけど・・・、私たちの関係は変わらないよ」
桜庭が自分のことを好きだなんて、どこをどう間違えばそういう発想になるのだろう。
和香の方は・・・、認めたくはないけれど・・・、多分好きになってしまったのだろう。
それを真に言うつもりはないけれど。
「でも、このまま和香ちゃんの気持ちを伝えなかったら、あの人きっと自分からは言い出せないよ?それでもいいの?」
「な、なんでまあ君に、そんなことが分かるの・・・?」
「さあ、全部僕の戯言たと思って聞くだけ聞いて。ただ、さっきも言った様に和香ちゃんが幸せになれるって確信するまで諦めるつもりはないから」
「諦めるつもりはないって・・・、どうするつもり?」
「う~ん、まあ、こうやってあの人と和香ちゃんのところにお節介を焼くくらいかな」
「まあ君の言ってること分かんないよ・・・。それじゃあ、私だけが幸せになって、まあ君は幸せじゃないじゃん」
「そんな、勝手に決めないでよ。僕は和香ちゃんのことを見届けたら、やっと次の恋にチャレンジ出来るんだから」
「ええっ!」
真は本当にまるで別人の様だ・・・。
このポジティブ思考は一体どこから来るのだろうか。
「自分で振っておいて聞くことじゃないと思うんだけど、まあ君はどうしてそんなに早く気持ちを切り替えられたの・・・?それって、つまり、私のことあんまり好きじゃなかったってこと?」
自分のことは棚に上げて和香は興味本位で聞いてしまった。
「和香ちゃんのことは好きだったし、正直今もまだ好きだよ。ただ、恋愛が僕の生活の全てじゃないっていうだけ。僕の人生で大切なものの割合で一番が仕事なんだ。そして、多分他のひとよりその割合が大きいんだと思う。だから、僕の人生を形づくるもののなかで、仕事の他に恋愛や趣味や友人関係とかがあるとして、仕事が占める割合が突出して大きいんだよ。でも、てっきり和香ちゃんもそうだと思ってた」
「それは・・・、私もそうだと思ってた・・・。こうなる前は、だけど・・・」
そうなのだ・・・。
自分はどうしてもゲノム解析の仕事がやりたくて、せっかく正社員で就職した会社を辞めたのだ。
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「あとね、和香ちゃんから見たら理解できないかもしれないけど、このやり方が僕には一番しっくりくるんだよ。だから、うっとうしいかもしれないけど、しばらくは僕のワガママにつきあってもらうよ」
「・・・・・・・」
そう言われても、真の桜庭に対する見立てには納得できなくて、素直にYESとは言えなかった。
ただ、自分勝手に別れを切り出した手前、真の言うことを無視するわけにもいかない。
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