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それでも俺が好きだと言ってみろ.70
しおりを挟む「まあ君・・・、お願い、もう帰って・・・」
「えっ・・・、どうしてだよ・・・、和香ちゃん?どうしてそこまでしてこの男に従う必要があるの?」
「ごめん・・・、まあ君・・・、お願いだから帰って・・・。それから、もう二度と桜庭さんに会わないって約束して」
「和香ちゃん!!どうしちゃったの?変だよ、そんなこと言うなんて」
「変じゃない!私のこと勝手に決めつけないで!!」
和香はつい声を荒げてしまった。
そんな和香の顔を真は引きつった表情で見つめた。
「おいおい、俺の家で痴話げんか始めるなよ。だいたいお前、俺のこと殴りに来たんじゃなかったの?」
「・・・うるさい!全部お前のせいだ!!僕は許さないからな!!クソッ!」
真は吐き捨てるように言うと、部屋を出ていった。
「俺の顔の傷、どうしてくれるの?慰謝料請求しちゃおうかな~」
「す、すみません・・・、お金なら私が払いますから」
「お前の給料じゃ足りないよ。ちゃんとあいつに償ってもらわないと」
「お願いします、まあ君のことは許してあげてください。時間がかかるかもしれませんが、全部私が払いますから・・・」
「や~だね。俺、あいつ嫌い。つまんねえ男のくせに、いい人ぶりやがって・・・。どんな目に合わせてやろうかな~。慰謝料だけじゃ、気がすまないから、あいつが困るようなことしてやろう・・・。そうだ、あいつの会社教えろよ。あいつの会社にこの間の映像を送りつけてやるんだ。彼女を寝取られた情けない男だってこと、バラしてやる」
「桜庭さん!私、何でもしますから、お願いです、まあ君のことは許してください」
和香は必死に頭を下げた。
「ふうん・・・、何でもか・・・。分かった、じゃあ、あの男のことは許してやるよ」
「本当ですか?」
桜庭はニヤリと笑うと、思案気に顎をさすった。
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「伊沢さんのところにですか?」
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「そうだ、明日仕事が終わったら行ってこい。住所はここだ」
「だけど、私なんかが突然行ったら迷惑じゃ・・・」
「お前は伊沢さんと何のしがらみもない。ただの愚痴聞きとして彼女の気持ちを吐き出させるんだ」
上手くいくかどうかなんて分からない。
でもやらないという選択肢はない。
「分かりました、やってみます」
「よ~し、いい子だ」
桜庭は途端に機嫌がよくなった。
そして和香のことを抱き寄せると、気前よくキスをした。
「せっかく来たんだ・・・、久しぶりに抱いてやる」
桜庭はそう言うと和香を寝室に連れて行った。
そのまま二人は裸になり、いつものように桜庭の欲求が満たされるまで行為が続けられた。
そんな無茶苦茶なセックスでも、和香の乾ききった心にはまるで砂漠のオアシスのようだった。
もう完全に感覚がおかしくなっているのは分かっている。
だけど、もうそんなことはどうでもよかった。
いつまで続くか分からなくても、とにかく一度でも多く桜庭とこうして身体を重ねることができるのなら、和香にとってはそれが一番の喜びだった。
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