上 下
33 / 96

それでも俺が好きだと言ってみろ.33

しおりを挟む
 口に出すことは出来ないが、桜庭に聞きたいことがいっぱいある。



 ギシッと音を立ててベッドに乗ると、桜庭は和香の隣に寝っ転がった。

 ゴロリと体を回転させ和香の上に四つん這いになった。



 えっ、な、なに・・・?

 桜庭が和香のことをじっと見つめている。

 どうしよう・・・、どうすればいいの・・・?

 いつもと明らかに様子が違う桜庭に、和香は混乱する。 



 桜庭の指が伸びてきて、和香の唇をなぞった。

「・・・っ!」

 ええっ!!

 指が離れたかと思った瞬間、桜庭の顔が近づき、和香の唇に桜庭の唇が重なった。

 っ!!!!

 どうして?キス?



 セックス依存の人はセックスがしたいだけなんじゃ・・・。

 桜庭はそのまましばらくの間は探るようなキスをしていた。

 それだけでも和香にとっては全く理解不能だった。



 しかし、桜庭のキスはさらに続いた。

 舌を侵入させると、和香の舌を追い始めた。

 これにはさすがにパニックになった。

 その舌に応えればいいのか、逃げ回ればいいのか、正解が分からない。



 しかし、程なくその熱い舌の誘惑に逆らえなくなった。

 ただでさえ色っぽいのに、今日の桜庭ときたら、その物欲しそうな表情のせいなのか、いつもにも増してエロさがダダ漏れなのだ。

 しかも、いつもは即物的に性交だけを求めてくるのに、なぜか今日はキスというイレギュラーなことを仕掛けられ、和香は完全にやられてしまった。



 セックスに対するテクニックも執着も普通以上だが、キスも負けず劣らず情熱的だった。

 いつもはただの性欲のはけ口の様な扱いしか受けていないだけに、こんな恋人にするようなキスをされては、和香はひとたまりもなかった。

 完全にキスに夢中になった。



「んっ・・・、ふっ・・・」

 激しいキスの合間に、熱い吐息が漏れる。



 いつものSッ気たっぷりのセックスにも、最近では不本意ながら和香は感じてしまっていた。

 しかし、今日のキスは体の芯が疼きまくって、和香は自分の体を持て余した。



 自分から桜庭を求めてどうするのだ?



 そうこうしているうちに、形を現してきた桜庭の男性自身が和香の腹を刺激しはじめた。

 そんな状況になってしまうと、もう和香はそれが欲しくて仕方なくなってくる。



 自分はこんなにふしだらな女だったのだろうか・・・?



 いや、こんな風になったのは桜庭が毎日の様に異常な執念で和香にセックスを迫ったからだ。

 そうやって全部桜庭のせいにしてしまいたかった。



 だけど、本当のところは分からない。

 他人とくらべることが出来ないからだ。



 あいかわらず激しいキスを続けながらも、桜庭の手は和香の髪を撫で、指で髪をすいた。

 そんな愛撫のような触れ方をされ、和香の心臓は痛いほどに騒いでいる。



 どうなってるの?

 桜庭さん、どうしちゃったの?

 訳は分からないけど・・・、もう和香は与えられるものを享受するので精一杯だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...