24 / 96
それでも俺が好きだと言ってみろ.24
しおりを挟む
和香は猪俣と別れ、速足で最寄り駅へ向かった。
さすがに連チャンはないだろうと、勝手に決めつけていたが、なんと、昨日と同じ場所にまた人影が見えた。
恐らく桜庭だ。
どうしよう・・・。
いくら何でも二日も同じ服は勘弁して欲しい。
しかし、桜庭を無視することなどあり得ない。
和香が近づくとやはりそこにいたのは桜庭だった。
「おい、今日はお前のうちに行く」
「えっ・・・、う、うちですか?」
まさかの展開に、和香は思わず声をあげてしまった。
「女は着替えがどうのとか、面倒くさい。だから、俺がお前のうちに行く」
「で、でも、今度は桜庭さんの着替えが・・・」
「今朝、一式持ってきたから大丈夫だ」
ええっ・・・、なんて用意のいいことだろう。
セックスのためならどんなことも苦じゃないんだな・・・。
和香は自分の置かれている立場を忘れて、もはや関心してしまった。
「うちは、桜庭さんの住んでいる様な素敵なお部屋じゃないですよ」
「なんだ、汚部屋か」
「ち、ちがいますよ。ただ、古いだけです」
「そんなことはまったく問題ない」
それはそうだろう・・・、セックスするのに、建物が古いとかそんなことどうでもいいことなのだから。
「分かりました」
だけど、部屋も狭いし・・・、急に泊まるって言われても・・・。
和香も女の子だ。
男性が泊ると分かっていれば、もう少し綺麗にしておきたかった。
なんて、そもそも真という彼氏がいながら、他の男を泊める、しかもセックスをすることを前提に、という時点で、かなりのことが間違っているのだが。
「どうぞ・・・」
桜庭は何も言わず和香の部屋に入った。
「思ったほど汚部屋じゃないな」
「・・・だから、古いだけです」
やっぱり桜庭が家にいるというのは、想像以上に居心地が悪い。
というか生きた心地がしないといった方がいいだろうか。
壁には真とのツーショット写真が飾ってあるし、キッチンには真用のお茶わんや箸、そして洗面所には真の歯ブラシが置いてある。
桜庭には彼氏がいることは伝えたが、真にかかわるものを見られるのは何だか嫌だった。
だけど、今から慌てて隠しても時すでに遅しだ・・・。
「これが、お前の彼氏?」
「は、はい・・・」
「何か想像どおりで笑える」
どんな想像をしていたのだろう。
そもそも、桜庭が和香の彼氏を想像したことが信じられないのだが。
「真面目ないい子ちゃんって感じ」
「・・・」
そう言われても、桜庭に対して何と答えるのが正解かが分からない。
「セックスつまんなそうだな。お前、こいつとセックスしてイケるの?」
な、何てことを・・・。
だが痛いところを突かれたと言わねばならない。
さすがに連チャンはないだろうと、勝手に決めつけていたが、なんと、昨日と同じ場所にまた人影が見えた。
恐らく桜庭だ。
どうしよう・・・。
いくら何でも二日も同じ服は勘弁して欲しい。
しかし、桜庭を無視することなどあり得ない。
和香が近づくとやはりそこにいたのは桜庭だった。
「おい、今日はお前のうちに行く」
「えっ・・・、う、うちですか?」
まさかの展開に、和香は思わず声をあげてしまった。
「女は着替えがどうのとか、面倒くさい。だから、俺がお前のうちに行く」
「で、でも、今度は桜庭さんの着替えが・・・」
「今朝、一式持ってきたから大丈夫だ」
ええっ・・・、なんて用意のいいことだろう。
セックスのためならどんなことも苦じゃないんだな・・・。
和香は自分の置かれている立場を忘れて、もはや関心してしまった。
「うちは、桜庭さんの住んでいる様な素敵なお部屋じゃないですよ」
「なんだ、汚部屋か」
「ち、ちがいますよ。ただ、古いだけです」
「そんなことはまったく問題ない」
それはそうだろう・・・、セックスするのに、建物が古いとかそんなことどうでもいいことなのだから。
「分かりました」
だけど、部屋も狭いし・・・、急に泊まるって言われても・・・。
和香も女の子だ。
男性が泊ると分かっていれば、もう少し綺麗にしておきたかった。
なんて、そもそも真という彼氏がいながら、他の男を泊める、しかもセックスをすることを前提に、という時点で、かなりのことが間違っているのだが。
「どうぞ・・・」
桜庭は何も言わず和香の部屋に入った。
「思ったほど汚部屋じゃないな」
「・・・だから、古いだけです」
やっぱり桜庭が家にいるというのは、想像以上に居心地が悪い。
というか生きた心地がしないといった方がいいだろうか。
壁には真とのツーショット写真が飾ってあるし、キッチンには真用のお茶わんや箸、そして洗面所には真の歯ブラシが置いてある。
桜庭には彼氏がいることは伝えたが、真にかかわるものを見られるのは何だか嫌だった。
だけど、今から慌てて隠しても時すでに遅しだ・・・。
「これが、お前の彼氏?」
「は、はい・・・」
「何か想像どおりで笑える」
どんな想像をしていたのだろう。
そもそも、桜庭が和香の彼氏を想像したことが信じられないのだが。
「真面目ないい子ちゃんって感じ」
「・・・」
そう言われても、桜庭に対して何と答えるのが正解かが分からない。
「セックスつまんなそうだな。お前、こいつとセックスしてイケるの?」
な、何てことを・・・。
だが痛いところを突かれたと言わねばならない。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる