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それでも俺が好きだと言ってみろ.20
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そう言えば今度の土日は久しぶりに真とデートする約束をしていた。
だけど、今の状況では、もはや土日が休みかどうかも分からない。
和香は簡単に事情を説明した内容を送った。
こんな遅くだから、もう眠ってるかもしれないな。
そう思っていたけれど、すぐに返信が来た。
『そんな大変なことになってるなら、デートはまた今度でいいよ。無理して体壊さないようにね』
真らしい、優しいメッセージだった。
『ありがとう。ごめんね』
和香はそうメッセージを送った。
でも、桜庭との間に他人に言えない関係を築いてしまったせいで、どんな顔をして真に会えばいいのかという戸惑いが和香の中に生まれていた。
真にはもちろん会いたい。
だが、秘密を抱えたままで会うのは苦痛だった。
家に着いて、気合でシャワーを浴びた和香は、あっという間に深い眠りに落ちていった。
翌日は何とか寝坊することなく起きて、出社した。
ミーティングが始まると、三村に紹介され、赤ちゃんを抱っこした伊沢さんが挨拶をした。
そのあとに、本社の関連会社から助っ人でやってきた二人が紹介された。
伊沢さんは早乙女さんが教えてくれたとおり、すごく綺麗な女性だった。
三ヶ月前に出産したばかりだというのに、スタイルも抜群だ。
しかも、授乳中といことで、細身の体に不似合いなくらいにその胸は膨らんでいる。
「時々お腹が空いたり、おしめが濡れたりして泣いちゃいますけど、ほとんど眠ってますから、大目に見てください」
「何を言ってるんだ。こっちが無理にお願いしたんだから赤ちゃん最優先でかまわないよ」
三村にそう言われ、伊沢はニッコリと笑うと、ありがとうございますと言った。
そんな二人のやり取りを、桜庭は落ち着かない様子でチラチラと見ていた。
ミーティングが終わると、早乙女と植松は伊沢のところに駆け寄り、代わる代わる赤ちゃんを抱っこしていた。
久々の再会、そして可愛い赤ちゃんとの対面に盛り上がる二人も、いい加減にしなさいと三村にたしなめられ、しぶしぶ仕事に取り掛かった。
桜庭だけは、さっきまであんなに伊沢のことをチラ見していたくせに、今度は不自然なくらい関心を示さず、さっさと仕事に取り掛かっていた。
新人の二人はそんなことをしている余裕はなく、今日こなさなければならない数を三村に告げられると、一目散に作業場にすっ飛んでいった。
昼休みになり、和香は相変わらずのコンビニ弁当を取り出す。
隣を見ると、さすがの猪俣も今日はコンビニ弁当だった。
「いやあ、今日は早起きできなかったよ。こういう時こそ、ちゃんとした食事摂らなきゃいけないんだけどね」
「猪俣君って、ほんとちゃんとしてるね」
そんなことを話しながら弁当をつついていると、後ろから声がかかった。
「新しく入った人達ね。どう?初めての修羅場は。大変じゃない」
そこにはいつの間にか伊沢さんが立っていた。
近くで見ると益々綺麗だ。
猪俣などはすでに耳まで真っ赤になっている。
「は、はい・・・、めちゃくちゃ大変です」
伊沢はクスっと笑うと、素直ねと言った。
だけど、今の状況では、もはや土日が休みかどうかも分からない。
和香は簡単に事情を説明した内容を送った。
こんな遅くだから、もう眠ってるかもしれないな。
そう思っていたけれど、すぐに返信が来た。
『そんな大変なことになってるなら、デートはまた今度でいいよ。無理して体壊さないようにね』
真らしい、優しいメッセージだった。
『ありがとう。ごめんね』
和香はそうメッセージを送った。
でも、桜庭との間に他人に言えない関係を築いてしまったせいで、どんな顔をして真に会えばいいのかという戸惑いが和香の中に生まれていた。
真にはもちろん会いたい。
だが、秘密を抱えたままで会うのは苦痛だった。
家に着いて、気合でシャワーを浴びた和香は、あっという間に深い眠りに落ちていった。
翌日は何とか寝坊することなく起きて、出社した。
ミーティングが始まると、三村に紹介され、赤ちゃんを抱っこした伊沢さんが挨拶をした。
そのあとに、本社の関連会社から助っ人でやってきた二人が紹介された。
伊沢さんは早乙女さんが教えてくれたとおり、すごく綺麗な女性だった。
三ヶ月前に出産したばかりだというのに、スタイルも抜群だ。
しかも、授乳中といことで、細身の体に不似合いなくらいにその胸は膨らんでいる。
「時々お腹が空いたり、おしめが濡れたりして泣いちゃいますけど、ほとんど眠ってますから、大目に見てください」
「何を言ってるんだ。こっちが無理にお願いしたんだから赤ちゃん最優先でかまわないよ」
三村にそう言われ、伊沢はニッコリと笑うと、ありがとうございますと言った。
そんな二人のやり取りを、桜庭は落ち着かない様子でチラチラと見ていた。
ミーティングが終わると、早乙女と植松は伊沢のところに駆け寄り、代わる代わる赤ちゃんを抱っこしていた。
久々の再会、そして可愛い赤ちゃんとの対面に盛り上がる二人も、いい加減にしなさいと三村にたしなめられ、しぶしぶ仕事に取り掛かった。
桜庭だけは、さっきまであんなに伊沢のことをチラ見していたくせに、今度は不自然なくらい関心を示さず、さっさと仕事に取り掛かっていた。
新人の二人はそんなことをしている余裕はなく、今日こなさなければならない数を三村に告げられると、一目散に作業場にすっ飛んでいった。
昼休みになり、和香は相変わらずのコンビニ弁当を取り出す。
隣を見ると、さすがの猪俣も今日はコンビニ弁当だった。
「いやあ、今日は早起きできなかったよ。こういう時こそ、ちゃんとした食事摂らなきゃいけないんだけどね」
「猪俣君って、ほんとちゃんとしてるね」
そんなことを話しながら弁当をつついていると、後ろから声がかかった。
「新しく入った人達ね。どう?初めての修羅場は。大変じゃない」
そこにはいつの間にか伊沢さんが立っていた。
近くで見ると益々綺麗だ。
猪俣などはすでに耳まで真っ赤になっている。
「は、はい・・・、めちゃくちゃ大変です」
伊沢はクスっと笑うと、素直ねと言った。
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