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それでも俺が好きだと言ってみろ.13

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「もっと口を締めろ。お前はどこもかしこも締まりが悪いな」

 またしても悪態をつかれながら、和香は唇をきつく閉じて続きを行った。



「・・・んっ・・・、そうだ・・・、いいぞ・・・」
 
 桜庭の言葉どおり、口に咥えていたそれは徐々に硬くなり、下を向いていたはずが、いつの間にか上を向いている。



 私のつたない口淫で桜庭さんが感じてる!

 こんなこと不謹慎極まりないというのに、自分はなぜか興奮していた。

 人が自分の行為で反応するという、ダイレクトな情動の変化に和香にはほぼ初めてと言っていい感覚を覚えた。



 それは、感動なのか、驚きなのか、どう呼んでいいのか分からない感情ではあったが、和香の心の深い部分い確実に訴えるものだった。

 和香はそのまま行為を続けた。

 上向きになったそれは、ますます大きく、硬度を増していく。



「・・・ふっ、・・・はぁっ、・・・んんっ・・・」

 男の人のこんな声・・・。

 しかも、テレビもついていない部屋では、桜庭の吐息だけが聞こえてしまう。

 体を仰け反らせ、快楽に身を任せて喉を鳴らす桜庭の姿はひどく扇情的だ。



 その一方で、罰のようなこの行為に興奮している自分に和香はひどく戸惑った。

 和香のことを人間扱いしないようなひどい人物である桜庭なのに、自分の愛撫に反応し、感じて、吐息を漏らしている事実に、和香の体は熱くなっているのだ。



 認めたくない・・・。

 だけど、自分の体の反応は自分には隠せない。

 いや、体だけじゃない・・・。

 興奮しているといことは、気持ちの問題なのだから。

 だとしたら、さらにたちが悪い。



「もっと・・・、強く・・・。はぁっ・・・、手でも扱け・・・」

 和香は言われるままに、咥えられる部分は口で、そして残りの部分を手で扱いた。



 チラリと見上げた桜庭は、目を潤ませた色っぽい表情で快楽に身を任せていた。

 いつもの厳しい雰囲気とは違う顔を見てしまい、和香はいよいよ混乱する。

 しかも、桜庭にそんな顔をさせているのは自分なのだと思うと、なぜかたまらなかった。



 桜庭のそれがグンとカサを増したかと思うと、和香の口の中に精が放たれた。

 ゴホッ、ゴホッ。

 和香は、それをどうすればいいのか分からず、溢れたものが唇から床に滴り落ちた。



「これで拭け」

 桜庭は乱れた呼吸で、和香にティシュを手渡した。

 和香は青臭いそれを吐き出し、床に落ちたものを拭った。



「おい、風呂に行け」

「えっ・・・」



 今日はこれで解放してもらえるのだろうか。

 何かを尋ねれば、どうせ毒を吐かれるだけだ。

 和香は黙って桜庭のあとについて風呂に入った。



 今日もこの間も、和香だけが全裸で、桜庭は大事な部分だけを出して行為を行った。

 当然のことだがここは風呂場で、桜庭も服を脱いでいる。

 和香が直に見ていたのは桜庭の顔と局部だけという、これまた普通でない状況だった。



 だが、今、目の前には一糸まとわぬ姿の桜庭が立っている。

 色白なのはもちろん顔だけでなく、隠れていた胸も腹も、背中も尻も、全てが白い。

 細くて手足の長いその体躯は悔しいけれど美しい。
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