上 下
6 / 96

それでも俺が好きだと言ってみろ.06

しおりを挟む
「お前、今度はちゃんとエロい声出せよ」

 もうジェルを塗る必要がなくなったその部分に、桜庭は遠慮なく侵入してきた。

 腰を掴まれ、最初から激しい挿入が始まった。



 声を出せと言われても、無理やり出せるものではない。

 そして、そんなことまでちゃんとやらなければならないのかと、いまさらながらに悲しくなる。



 相変わらず声を出さない和香の胸に、桜庭の手が伸びて来た。

 今度はキツくではなく、やけにじっくりと刺激される。

 桜庭は手馴れた様子で和香が感じる場所を探ってきた。



 声自体は我慢できても、呼吸はしている。

 尻に激しく腰が打ち付けられるたび、和香の口からは吐息がもれる。



 その声が、徐々に甘さを帯びてくる。

 それは、やはり桜庭が確実に和香の感じる部分をつきとめたせいだ。

 頭でいくら嫌だと思っても、身体が気持ちいいと感じてしまえば、出したくなくてもそんな声が出てしまう。



「出せるじゃないか、エロい声」

「・・・こ、これは・・・、ちがっ・・・、あっ・・・」

 いやだ・・・、こんなの・・・。

 気持ちは拒絶してるのに、身体が勝手に反応するなんて・・・。

 もう死んでしまいたい・・・。



「セックスに女の喘ぎ声は必須なんだよ」

 桜庭は和香の気持ちになどまるでかまうことなく、自分の快楽を追求した。

 桜庭は、和香が声をあげる場所を集中的に強く突いた。



「ああっ・・・、いや・・・、あああっ」

「いいねえ、犯されてる感じ?興奮するな~」

 桜庭は和香をいじめるのにすっかり味を占めたようだ。



「・・・やっ、やめっ・・・、あああっ!」

「いい、いいよ。もっと叫べよ」

 桜庭は声を上ずらせた。

 和香の中で桜庭のものが大きくなるのが分かる。



「はぁっ、いいっ・・・、もうイク・・・」

 桜庭は再び和香の中に精を放った。



「なかなかいい・・・」

 桜庭は満足げに自身についた精液を拭っている。

「これ使えよ」

 桜庭は和香にタオルを投げてよこした。

 和香は渡されたタオルでこそこそと処理を済ますと、今度こそ服を着た。



「じゃあな、ご苦労さん」

 桜庭はスッキリした表情で、和香のことを送り出した。



 時刻は午後十時。

 なんでこんなことに・・・。

 自分がされたことは理解できるけれど、なぜなのかは全く理解できない。

 そんなことをグルグル考えているうちに、いつの間にか自宅のアパートに着いていた。



 外では泣くわけにはいかなくて我慢していた。

 だけど、本当は怖くて、悲しくて、悔しくて・・・。

 そんな感情の全てが家というプライベートな場所についたことで、爆発した。



 と言っても大声を出して泣くわけにはいかない。

 和香の住んでいる安アパートの壁は薄いのだ。

 思いきり泣きたいのに、そんなことに気を使わなければならない自分の状況が悲しい。

 和香はベッドに潜り込むと頭から布団をかぶって、やっと心の底から泣くことが出来た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...