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それでも俺が好きだと言ってみろ.01
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最先端の研究設備が整った、ここヘルシーライフラボは遺伝子分析を行う会社だ。
親会社である製薬会社の出資で作られた創業五年の若い企業である。
所長の三村のもと、桜庭宗理(さくらばそうり)、早乙女倫也(さおとめひろや)、植松桃代(うえまつももよ)のベテラン三名、そして、竹内和香(たけうちわか)、猪俣康生(いのまたこうせい)の若手二名の計六名のチームで業務に取り組んでいる。
若手の中でも猪俣康生は今年採用された正社員で、竹内和香は今月入ったばかりの中途採用の契約社員という、軽い格差が発生している。
和香は、今日が初日ということもあり、緊張した面持ちでオフィスのドアを開けた。
朝のミーティングで皆が集められた。
「え~、今日から竹内和香君が、新しい仲間になります。みんな、よろしく頼むよ。では、竹内君、一言挨拶を」
「竹内和香です。一日でも早く仕事を覚えて、皆さんと一緒に頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします」
パラパラと拍手が起こった。
「では、竹内君は桜庭君について、仕事を覚えてもらうから。桜庭君、頼んだよ」
「昨日も言いましたけど、何で俺なんすか?」
「だからね、植松君はすでに猪俣君の指導をしてるだろう?早乙女君はまだ三年目で荷が重い。そうなると、君しかいないんだよ」
この会社の事情などまるで分からないが、どうやらこの桜庭という人物にとって、和香はあまり歓迎されていないことだけは理解できる。
「・・・分かりました。じゃあ、やりますけど、俺のやり方でやらせてもらいますから」
「まあ・・・、それは君に任せるよ」
「その言葉忘れないでくださいね」
このラボでは所長の三村が一番偉いはずなのに、なぜこんなにグダグダになっているのか、今日入ったばかりの和香に理解できるはずもなかった。
ミーティングが終わると、皆は担当している仕事に取り掛かるため、それぞれ別の作業場へと移動していった。
桜庭はスタッフルームのデスクに戻ると、和香を呼びつけた。
「お前、出身大学はどこだ」
「名山大学です」
「二流大学だな」
「えっ・・・」
「今日からお前のことは二流と呼ぶ。いいな」
「えっ、でも・・・、私、竹内和香っていう名前があります」
「二流大学が偉そうな口を叩くな」
「は、はい・・・」
入社初日、しかも、初めて会ったばかりの上司に逆らえるはずもなく、和香は逆らいたい気持ちをグッと飲み込んだ。
桜庭は色白で中性的な顔立ちの美男子だ。
さらに高身長、そして頭脳明晰とくれば文句のつけようのない好青年のはずなのに。
そんな桜庭がまさかこんな人物だったとは・・・、彼が口を開くまで全く想像できなかった。
しかし、こうして人を見下すようなひどいことを言われても、その外見に惑わされて、どうしてもそれが本心とは思えない。
本当の桜庭という人間がどういう人物なのか、今日出会ったばかりの和香には理解できるはずもないのだが。
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パラパラと拍手が起こった。
「では、竹内君は桜庭君について、仕事を覚えてもらうから。桜庭君、頼んだよ」
「昨日も言いましたけど、何で俺なんすか?」
「だからね、植松君はすでに猪俣君の指導をしてるだろう?早乙女君はまだ三年目で荷が重い。そうなると、君しかいないんだよ」
この会社の事情などまるで分からないが、どうやらこの桜庭という人物にとって、和香はあまり歓迎されていないことだけは理解できる。
「・・・分かりました。じゃあ、やりますけど、俺のやり方でやらせてもらいますから」
「まあ・・・、それは君に任せるよ」
「その言葉忘れないでくださいね」
このラボでは所長の三村が一番偉いはずなのに、なぜこんなにグダグダになっているのか、今日入ったばかりの和香に理解できるはずもなかった。
ミーティングが終わると、皆は担当している仕事に取り掛かるため、それぞれ別の作業場へと移動していった。
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「お前、出身大学はどこだ」
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「えっ・・・」
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「えっ、でも・・・、私、竹内和香っていう名前があります」
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本当の桜庭という人間がどういう人物なのか、今日出会ったばかりの和香には理解できるはずもないのだが。
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