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初恋がこじれにこじれて困ってます.34
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「でもね、そのレッスンも実際にはそんなに長くは続かなかったの。何でか分からないけど、私が急にレッスンが嫌になっちゃって、触れてくる瞬ちゃんを拒んじゃったんだ。それからなの、瞬ちゃんが私の事を避けるようになったのは。」
「ほうほう。」
「それで、私は避けられたまま瞬ちゃんは他県の全寮制の男子校に行っちゃったんだ。」
「なるほどね~。」
「その頃の私って、何の趣味も無くて、得意なこともないし、好きだった直には彼女が出来ちゃうし、もう何を目的に生きたらいいのか分からないって感じになっちゃってたの。」
「うんうん。」
「そんな時、担任の先生の言った言葉が私の人生を変えたんだ。」
「へえ~、なになに?」
「お前が男だったら旭高校だって行けるって言ってくれたの。瞬ちゃんが行ったのが全国レベルの旭高校だったのね。それで、私変なスイッチが入っちゃって、瞬ちゃんの後を追いかけるんだって決めちゃったんだ。」
「なるほどね。」
「それで、もうストーカーみたいに同じ大学に行って、同じサークルに入って、実はアパートもすごく近いところなんだ。全部計画的なの。」
「それで、今何が問題になってるの?」
「はあ~、やっとここまでたどり着いた。」
誰にも打ち明けていなかった秘密を打ち明けるというのは、精神的に疲れるものだ。
「それで、問題はサークルに入ってから起きたのね。最初は瞬ちゃんに完全に無視されてたんだけど、最初の登山で足を挫いちゃった私をずっとおぶってくれたの。」
「うわあ、なになに、良い感じじゃん。」
「でも、そのときはまだ私たちがお隣同士で知りあいだってことはサークルのメンバーには内緒にしてたんだけど、その、私が足を挫いちゃったときに瞬ちゃんが私の事を沙耶って呼んじゃって、それを部長に追求された結果、私が瞬ちゃんを勝手に追いかけて来たってことは通用しなくて、もう面倒だからみんなの前ではカップルとしてふるまえって言われちゃったの。」
「おお、すごい展開。」
「でも瞬ちゃんには、みんなの前以外では話しかけるなって言われてて、実際、ふつうに話すことはほとんどなかったの。」
「へえ、そうなんだ。」
「その登山のあと、余りの体力の無さに自主トレをすることになったんだけど、その自主トレに瞬ちゃんがずっと付き合ってくれてたの。」
「ふうん、話しかけるなって言ってた割には、えらく面倒見がいいんだね。」
「そうなんだよね、その辺が私もよくわからなくって。」
「ふうん、なかなか込み入ってるね。」
「それから、今日急展開なんだけど、自主トレしてる公園でサークルの同期の男の子に告らちゃったの。」
「はあ?ほんと急にくるね。その彼のことはどう思ってるの?」
「何とも。ただの仲間だよ。」
「恋愛感情はなしと。」
「うん。」
「それで、マンガみたいなんだけど、その告られたのを瞬ちゃんが見てたんだ。」
「ほんと?まさにマンガじゃん。楽しすぎる~、その展開!トキメク~!!で、どうなったの?」
真由は沙耶のリアルが妄想に近い状況にかなり興奮しているようだ。
「そのあと、瞬ちゃんがその男の子のことをボコったんだ。びっくりしたよ。そのうえ、瞬ちゃんは私の手を取って、なんと瞬ちゃんの家につれていかれちゃったんだ。」
「ひえ~!!もう、たまんない、たまんない。なにその夢みたいな展開~!!ああ、もうキュンキュンがとまらない~!」
真由はアニメキャラクターのクッションを形が変わるほどギュウギュウ抱きしめている。
「それで、瞬ちゃんの家でね、瞬ちゃんに好きだって言われたの。」
「きゃあ~!!もうダメ、キャパオーバー!なにそれ、もう、なにが問題?ああ~、うう~。」
真由は床をグーでたたきながら、クッションに頭を突っ込んんでグリグリしている。
「それで、そのあとキスされたんだけど…。」
「き、き、キスまで~!!うわああああああ~!!沙耶、私を殺す気~?」
「そ、そうゆうわけじゃないよ。ねえ、聞いて。そのキスの途中で、私、中学の頃のこと思い出しちゃって、自分の気持ちが分からなくなっちゃったの。」
「おやおや、それが今困ってることって訳ね。」
「はあ~、やっと言い終わった。」
沙耶は、ぐったりとソファにもたれかかった。
「ねえ、沙耶、聞いていい?」
「うん、何?」
「そのさ、キスされた時って、ドキドキしなかったの?」
沙耶は質問の意味が分からなかったけれど、正直に答えた。
「ドキドキしたよ。だって、瞬ちゃんなんだもん。」
「でさ、中学の時のキスってドキドキしてた?」
「う~ん、キスっていう行為自体にはドキドキしてたかもしれなけど、どうだろう、あのころは直のことが好きだったから、これが直だったらどんなにいいだろうって思ってた。」
「な~るほどね。じゃあ、何にも困ることなんかないじゃん。」
「え、何で?」
「瞬ちゃんだからドキドキしたんでしょ?だったら、ちゃんと好きって気持ちがあるっていうことじゃん。」
沙耶は真由に言われるまでそんな単純なことにも気がつかなかった。
「そ、そうか。そうなんだ。私、ちゃんと瞬ちゃんのこと好きなんだ。」
「そうだよ。何にも問題ないじゃん。」
「よかった。私、自分の気持ちを知るのが怖くて、ちゃんと人のこと好きになれない人間になっちゃったのかと思ってた。」
「あ~、でもリアルでこんなこと経験できるなんていいな~。私だったらもう死んでもいい~。」
真由は妄想の世界へ突入してしまった様だ。お気に入りのイケメンキャラクターの抱き枕にしがみついてぼんやりと空を見つめている。
「真由、話きいてくれてありがとうね。何だかすっきりした。」
真由は寝っ転がったまま手を振った。
遅まきながら、沙耶は自分の瞬ちゃんに対する気持ちをちゃんと意識することが出来た。
そして、昨日瞬ちゃんから告白されたわけで、なんと晴れて両想いになれたのだ。
でも、まだ実感が湧かない。
自分のこれまでの目標は瞬ちゃんに出会うということがMAXだったため、その先のことを全く考えていなかったというお粗末なものだった。
そんなわけで、沙耶は幸せな気分に浸る間もなく、これからのことを思い悩むのだった。
「ほうほう。」
「それで、私は避けられたまま瞬ちゃんは他県の全寮制の男子校に行っちゃったんだ。」
「なるほどね~。」
「その頃の私って、何の趣味も無くて、得意なこともないし、好きだった直には彼女が出来ちゃうし、もう何を目的に生きたらいいのか分からないって感じになっちゃってたの。」
「うんうん。」
「そんな時、担任の先生の言った言葉が私の人生を変えたんだ。」
「へえ~、なになに?」
「お前が男だったら旭高校だって行けるって言ってくれたの。瞬ちゃんが行ったのが全国レベルの旭高校だったのね。それで、私変なスイッチが入っちゃって、瞬ちゃんの後を追いかけるんだって決めちゃったんだ。」
「なるほどね。」
「それで、もうストーカーみたいに同じ大学に行って、同じサークルに入って、実はアパートもすごく近いところなんだ。全部計画的なの。」
「それで、今何が問題になってるの?」
「はあ~、やっとここまでたどり着いた。」
誰にも打ち明けていなかった秘密を打ち明けるというのは、精神的に疲れるものだ。
「それで、問題はサークルに入ってから起きたのね。最初は瞬ちゃんに完全に無視されてたんだけど、最初の登山で足を挫いちゃった私をずっとおぶってくれたの。」
「うわあ、なになに、良い感じじゃん。」
「でも、そのときはまだ私たちがお隣同士で知りあいだってことはサークルのメンバーには内緒にしてたんだけど、その、私が足を挫いちゃったときに瞬ちゃんが私の事を沙耶って呼んじゃって、それを部長に追求された結果、私が瞬ちゃんを勝手に追いかけて来たってことは通用しなくて、もう面倒だからみんなの前ではカップルとしてふるまえって言われちゃったの。」
「おお、すごい展開。」
「でも瞬ちゃんには、みんなの前以外では話しかけるなって言われてて、実際、ふつうに話すことはほとんどなかったの。」
「へえ、そうなんだ。」
「その登山のあと、余りの体力の無さに自主トレをすることになったんだけど、その自主トレに瞬ちゃんがずっと付き合ってくれてたの。」
「ふうん、話しかけるなって言ってた割には、えらく面倒見がいいんだね。」
「そうなんだよね、その辺が私もよくわからなくって。」
「ふうん、なかなか込み入ってるね。」
「それから、今日急展開なんだけど、自主トレしてる公園でサークルの同期の男の子に告らちゃったの。」
「はあ?ほんと急にくるね。その彼のことはどう思ってるの?」
「何とも。ただの仲間だよ。」
「恋愛感情はなしと。」
「うん。」
「それで、マンガみたいなんだけど、その告られたのを瞬ちゃんが見てたんだ。」
「ほんと?まさにマンガじゃん。楽しすぎる~、その展開!トキメク~!!で、どうなったの?」
真由は沙耶のリアルが妄想に近い状況にかなり興奮しているようだ。
「そのあと、瞬ちゃんがその男の子のことをボコったんだ。びっくりしたよ。そのうえ、瞬ちゃんは私の手を取って、なんと瞬ちゃんの家につれていかれちゃったんだ。」
「ひえ~!!もう、たまんない、たまんない。なにその夢みたいな展開~!!ああ、もうキュンキュンがとまらない~!」
真由はアニメキャラクターのクッションを形が変わるほどギュウギュウ抱きしめている。
「それで、瞬ちゃんの家でね、瞬ちゃんに好きだって言われたの。」
「きゃあ~!!もうダメ、キャパオーバー!なにそれ、もう、なにが問題?ああ~、うう~。」
真由は床をグーでたたきながら、クッションに頭を突っ込んんでグリグリしている。
「それで、そのあとキスされたんだけど…。」
「き、き、キスまで~!!うわああああああ~!!沙耶、私を殺す気~?」
「そ、そうゆうわけじゃないよ。ねえ、聞いて。そのキスの途中で、私、中学の頃のこと思い出しちゃって、自分の気持ちが分からなくなっちゃったの。」
「おやおや、それが今困ってることって訳ね。」
「はあ~、やっと言い終わった。」
沙耶は、ぐったりとソファにもたれかかった。
「ねえ、沙耶、聞いていい?」
「うん、何?」
「そのさ、キスされた時って、ドキドキしなかったの?」
沙耶は質問の意味が分からなかったけれど、正直に答えた。
「ドキドキしたよ。だって、瞬ちゃんなんだもん。」
「でさ、中学の時のキスってドキドキしてた?」
「う~ん、キスっていう行為自体にはドキドキしてたかもしれなけど、どうだろう、あのころは直のことが好きだったから、これが直だったらどんなにいいだろうって思ってた。」
「な~るほどね。じゃあ、何にも困ることなんかないじゃん。」
「え、何で?」
「瞬ちゃんだからドキドキしたんでしょ?だったら、ちゃんと好きって気持ちがあるっていうことじゃん。」
沙耶は真由に言われるまでそんな単純なことにも気がつかなかった。
「そ、そうか。そうなんだ。私、ちゃんと瞬ちゃんのこと好きなんだ。」
「そうだよ。何にも問題ないじゃん。」
「よかった。私、自分の気持ちを知るのが怖くて、ちゃんと人のこと好きになれない人間になっちゃったのかと思ってた。」
「あ~、でもリアルでこんなこと経験できるなんていいな~。私だったらもう死んでもいい~。」
真由は妄想の世界へ突入してしまった様だ。お気に入りのイケメンキャラクターの抱き枕にしがみついてぼんやりと空を見つめている。
「真由、話きいてくれてありがとうね。何だかすっきりした。」
真由は寝っ転がったまま手を振った。
遅まきながら、沙耶は自分の瞬ちゃんに対する気持ちをちゃんと意識することが出来た。
そして、昨日瞬ちゃんから告白されたわけで、なんと晴れて両想いになれたのだ。
でも、まだ実感が湧かない。
自分のこれまでの目標は瞬ちゃんに出会うということがMAXだったため、その先のことを全く考えていなかったというお粗末なものだった。
そんなわけで、沙耶は幸せな気分に浸る間もなく、これからのことを思い悩むのだった。
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