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初恋がこじれにこじれて困ってます.13
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「沙耶、大変じゃないか?。」
すでにメンタルが疲弊しきったところに、天の声ならぬ直の声が降ってきた。
「ううん、大丈夫だよ。直たちこそ、凄いね!毎日こんな大変な練習こなしてたんだね。」
「ハハッ、そんな大げさなもんじゃないよ。うちはそんな強豪校でもないし、このくらい普通だよ。」
そんな風に言われると普段だらけきった生活を送っていた沙耶としては益々肩身が狭くなるのだが、そういう別世界があるのだと納得するしかない。
時間はあっという間に過ぎ、お昼のチャイムが鳴る。「みんな集まれー。」
コーチの声でみんなが集まり、今日の反省点などが伝えられた。
くるみと沙耶は、すっかり乾いたタオルとスポーツドリンクを部員に配った。これが毎日続くのだ。沙耶は直がいなかったらとてもやっていられなかっただろう。
くるみは、頼まれてマネージャー代理になったけれど、きっと動機は沙耶のように不純ではないはずだ。むしろ、得意を生かして本当にみんなの役にたっている。
一応解散となったところで、くるみは例の大きなお弁当箱を持ってきてみんなの前に広げた。
オオーッという歓声が上がる。
「みんなお疲れ様。どうぞ、召し上がれ。」
「いっただきまーす。」
中学生男子の食欲は半端ではない。決して少なくなかったお弁当箱の中身はあっという間に姿を消した。「ごちそうさまー。」
「どういたしまして。」
くるみがお弁当箱を片付けていると、さっそく健太が飛んできた。
「俺きがえてくるから、一緒に帰ろう。」
「うん。」
いたって普通に答えるくるみを、沙耶は畏敬の念を持って見つめた。マネジャーの仕事はきちんとこなし、メンバーの体調管理から練習メニューの管理までこなし、おまけにあんな量のお弁当も作っちゃうし。
「ねえ、くるみ、私もお弁当…。」
料理なんてからっきしダメな自分が出来るはずもないのに、ついそんな言葉が口をついて出てしまった。
「沙耶、私、料理は昔から好きだったから作ってるだけ。だから、私と同じことなんてしなくていいんだよ。大体、沙耶はいてくれるだけで元気でるんだから。それ以上なんにもいらないよ。」
「え、えっと、ありがとう。」
えらく大人びたくるみの発言に、沙耶は面食らう。でも、そんな風に思っていてくれるなんて、嬉しい。少しだけ気が楽になった。単純な沙耶は、くるみの言葉を素直に受け取った。
「おーい、くるみー、帰ろう。」
ニッコニコ顔の健太様のお出ましだ。
「じゃあね、沙耶。また明日。」
「じゃあね。」
沙耶は何だかホッコリした気持ちで二人を見送った。
「くるみちゃんっていい奴だな。お前、いい友達もってんな。」
突然後ろから話しかけられて、沙耶は飛び上がる程びっくりした。声の主は直だ。
「どうせ帰り道おなじなんだ。一緒に帰るか。」
「え、う、うん。」
ついこの間まで一緒に通学していたというのに、ちょっと間が空いただけで、妙に気恥しい。
「私、自転車取って来る。」
「ああ。」
(うわああああああ、直と一緒に帰れるなんて…、どうしよう、どうしよう、嬉しいけど、緊張ー!!)
「お待たせ。」
力が入りまくっている沙耶とは対照的に、直はごく普通に話しかけてくる。
「しっかし今さらだけど、お前がマネージャーやるなんてどういう風の吹きまわしだ。」
直は未だに女心には疎いらしい。特にバスケが好きでもなくて、人の世話をするよりも世話を焼かれる方が多い自分がマネージャーをやるなんて、何か別の目的が(つまりはお目当ての男子がいる=直)あるということには思い至らないらしい。沙耶は作り話をするのもいやだったので、半分本当の話をした。
「瞬ちゃんが、やってみたらってアドバイスしてくれたんだ。」
「兄貴が?どういうこと?」
「私、瞬ちゃんに家庭教師してもらってるでしょ。それで、くるみがマネージャーをするって話したら、慣れないうちは一人じゃ大変だろうって。どうせ私が暇人だって瞬ちゃんにはバレてるし。」
「ふうん。兄貴は沙耶のことになると変に面倒見がいいからな。弟の俺より、お前の方が絶対大事にされてるよ。」
「そ、そんなことないよ。」
沙耶は瞬ちゃんとレッスンしたあれこれを思い出してアタフタしてしまう。
「それにしても、くるみちゃんってすごいなー。めちゃくちゃ頼りになる。代理のつもりで頼んだんだけど、このままマネージャー続けてくれないかな。なあ、沙耶からも聞いてみてくれよ。」
「べ、べつにいいけど。私たち一応テニス部なんだよ。」
バスケ部の練習を見た後でどの口が言っているのかとは思うけれど。
「掛け持ちってのでもいいぜ。テニス部ってゆるいんだろ?」
そう言われると返す言葉がない。練習風景を直接目にしたあとの今となってはなおさらだ。
「い、一応聞いといてあげる。」
「おー、サンキュー助かるよ。」
未だにドキドキが止まらない沙耶とは反対に、直は鼻歌を歌って上機嫌だ。
「そ、それにしても、くるみと健太君付き合ってるなんてびっくりしちゃった。」
何気ない振りをよそおい、そういう話題にもっていってみる。
「ああ、あれな。俺は今は生活がバスケ中心に動いてるから、あんな風にあれもこれもってできるやつは器用だなって思うわ。」
「ふ、ふーん。でも直は好きな子とかいないの?」
沙耶は久しぶりに話せたこのチャンスを逃すまいと、ダメもとで尋ねた。
「はあ、何でお前にそんなこと言わなくちゃいけないんだよ。」
え、ちょっと待って、その言い方はつまり、好きな子はいるけど、私には言えないって、そういうこと?
「そういうお前はどうなんだよ。」
まさかそう来るとは思っていなかった。
「わ、私?私は、い、いるよ。」
「へえ、じゃあ教えてよ?」
直が急にイジワルになる。
「だ、誰が。教える訳ないでしょ。」
「なんだよ、ひとには聞いといて、サイテー。」
「ううーっ。」
浅はかすぎるこの性格が恨めしい。
「じゃあなー。」
あっという間に家に着いてしまった。バスケ部のマネージャーになったというだけで、現状、沙耶の恋に関しては一歩も進んではいない。直との関係を進展させることが出来なければ、マネージャーになったことは沙耶にとっては、ただの時間の無駄遣いだ。
しかし、どうやって二人の関係を今までと違ったものにすればいいのか皆目見当がつかない。
これまで頼りにしていた瞬ちゃんにはあんな態度をとってしまったし…。
沙耶は地獄の様な暑さの中、明日から毎日汗だくで洗濯や掃除、メンバーのサポートもろもろを行わなければならないことに、早くもへこたれそうになっていた。
「じゃあ、また明日。」
「おう、よろしく頼むな!」
そう言ってニコッと笑った直の八重歯が、やっぱり沙耶の胸をキュンとさせる。
「う、うん。任せといて。」
などと、心にも無いことを思わず言ってしまった。
アホな私。とりあえず、直が喜んでくれるんなら、やる価値はあるかな…。恋愛対象とは相変わらず見られていないとしても。でも、やっぱり空しい…、お隣同士なのに。近くても遠い二人の心の距離。
すでにメンタルが疲弊しきったところに、天の声ならぬ直の声が降ってきた。
「ううん、大丈夫だよ。直たちこそ、凄いね!毎日こんな大変な練習こなしてたんだね。」
「ハハッ、そんな大げさなもんじゃないよ。うちはそんな強豪校でもないし、このくらい普通だよ。」
そんな風に言われると普段だらけきった生活を送っていた沙耶としては益々肩身が狭くなるのだが、そういう別世界があるのだと納得するしかない。
時間はあっという間に過ぎ、お昼のチャイムが鳴る。「みんな集まれー。」
コーチの声でみんなが集まり、今日の反省点などが伝えられた。
くるみと沙耶は、すっかり乾いたタオルとスポーツドリンクを部員に配った。これが毎日続くのだ。沙耶は直がいなかったらとてもやっていられなかっただろう。
くるみは、頼まれてマネージャー代理になったけれど、きっと動機は沙耶のように不純ではないはずだ。むしろ、得意を生かして本当にみんなの役にたっている。
一応解散となったところで、くるみは例の大きなお弁当箱を持ってきてみんなの前に広げた。
オオーッという歓声が上がる。
「みんなお疲れ様。どうぞ、召し上がれ。」
「いっただきまーす。」
中学生男子の食欲は半端ではない。決して少なくなかったお弁当箱の中身はあっという間に姿を消した。「ごちそうさまー。」
「どういたしまして。」
くるみがお弁当箱を片付けていると、さっそく健太が飛んできた。
「俺きがえてくるから、一緒に帰ろう。」
「うん。」
いたって普通に答えるくるみを、沙耶は畏敬の念を持って見つめた。マネジャーの仕事はきちんとこなし、メンバーの体調管理から練習メニューの管理までこなし、おまけにあんな量のお弁当も作っちゃうし。
「ねえ、くるみ、私もお弁当…。」
料理なんてからっきしダメな自分が出来るはずもないのに、ついそんな言葉が口をついて出てしまった。
「沙耶、私、料理は昔から好きだったから作ってるだけ。だから、私と同じことなんてしなくていいんだよ。大体、沙耶はいてくれるだけで元気でるんだから。それ以上なんにもいらないよ。」
「え、えっと、ありがとう。」
えらく大人びたくるみの発言に、沙耶は面食らう。でも、そんな風に思っていてくれるなんて、嬉しい。少しだけ気が楽になった。単純な沙耶は、くるみの言葉を素直に受け取った。
「おーい、くるみー、帰ろう。」
ニッコニコ顔の健太様のお出ましだ。
「じゃあね、沙耶。また明日。」
「じゃあね。」
沙耶は何だかホッコリした気持ちで二人を見送った。
「くるみちゃんっていい奴だな。お前、いい友達もってんな。」
突然後ろから話しかけられて、沙耶は飛び上がる程びっくりした。声の主は直だ。
「どうせ帰り道おなじなんだ。一緒に帰るか。」
「え、う、うん。」
ついこの間まで一緒に通学していたというのに、ちょっと間が空いただけで、妙に気恥しい。
「私、自転車取って来る。」
「ああ。」
(うわああああああ、直と一緒に帰れるなんて…、どうしよう、どうしよう、嬉しいけど、緊張ー!!)
「お待たせ。」
力が入りまくっている沙耶とは対照的に、直はごく普通に話しかけてくる。
「しっかし今さらだけど、お前がマネージャーやるなんてどういう風の吹きまわしだ。」
直は未だに女心には疎いらしい。特にバスケが好きでもなくて、人の世話をするよりも世話を焼かれる方が多い自分がマネージャーをやるなんて、何か別の目的が(つまりはお目当ての男子がいる=直)あるということには思い至らないらしい。沙耶は作り話をするのもいやだったので、半分本当の話をした。
「瞬ちゃんが、やってみたらってアドバイスしてくれたんだ。」
「兄貴が?どういうこと?」
「私、瞬ちゃんに家庭教師してもらってるでしょ。それで、くるみがマネージャーをするって話したら、慣れないうちは一人じゃ大変だろうって。どうせ私が暇人だって瞬ちゃんにはバレてるし。」
「ふうん。兄貴は沙耶のことになると変に面倒見がいいからな。弟の俺より、お前の方が絶対大事にされてるよ。」
「そ、そんなことないよ。」
沙耶は瞬ちゃんとレッスンしたあれこれを思い出してアタフタしてしまう。
「それにしても、くるみちゃんってすごいなー。めちゃくちゃ頼りになる。代理のつもりで頼んだんだけど、このままマネージャー続けてくれないかな。なあ、沙耶からも聞いてみてくれよ。」
「べ、べつにいいけど。私たち一応テニス部なんだよ。」
バスケ部の練習を見た後でどの口が言っているのかとは思うけれど。
「掛け持ちってのでもいいぜ。テニス部ってゆるいんだろ?」
そう言われると返す言葉がない。練習風景を直接目にしたあとの今となってはなおさらだ。
「い、一応聞いといてあげる。」
「おー、サンキュー助かるよ。」
未だにドキドキが止まらない沙耶とは反対に、直は鼻歌を歌って上機嫌だ。
「そ、それにしても、くるみと健太君付き合ってるなんてびっくりしちゃった。」
何気ない振りをよそおい、そういう話題にもっていってみる。
「ああ、あれな。俺は今は生活がバスケ中心に動いてるから、あんな風にあれもこれもってできるやつは器用だなって思うわ。」
「ふ、ふーん。でも直は好きな子とかいないの?」
沙耶は久しぶりに話せたこのチャンスを逃すまいと、ダメもとで尋ねた。
「はあ、何でお前にそんなこと言わなくちゃいけないんだよ。」
え、ちょっと待って、その言い方はつまり、好きな子はいるけど、私には言えないって、そういうこと?
「そういうお前はどうなんだよ。」
まさかそう来るとは思っていなかった。
「わ、私?私は、い、いるよ。」
「へえ、じゃあ教えてよ?」
直が急にイジワルになる。
「だ、誰が。教える訳ないでしょ。」
「なんだよ、ひとには聞いといて、サイテー。」
「ううーっ。」
浅はかすぎるこの性格が恨めしい。
「じゃあなー。」
あっという間に家に着いてしまった。バスケ部のマネージャーになったというだけで、現状、沙耶の恋に関しては一歩も進んではいない。直との関係を進展させることが出来なければ、マネージャーになったことは沙耶にとっては、ただの時間の無駄遣いだ。
しかし、どうやって二人の関係を今までと違ったものにすればいいのか皆目見当がつかない。
これまで頼りにしていた瞬ちゃんにはあんな態度をとってしまったし…。
沙耶は地獄の様な暑さの中、明日から毎日汗だくで洗濯や掃除、メンバーのサポートもろもろを行わなければならないことに、早くもへこたれそうになっていた。
「じゃあ、また明日。」
「おう、よろしく頼むな!」
そう言ってニコッと笑った直の八重歯が、やっぱり沙耶の胸をキュンとさせる。
「う、うん。任せといて。」
などと、心にも無いことを思わず言ってしまった。
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