上 下
73 / 107

君に溺れてしまうのは僕だから.73

しおりを挟む
 おじさま…、おじさま…。

 武彦は食事に行ったばかりだ。

 しばらくは帰ってこないだろう。

 伊織は、はしたないと思いながらも自慰を我慢することができなかった。

「あ、おじさま…、すき…、あ、ああっ…、おじさまの手で…、もっと触ってください…」

 伊織は夢中になった。



 北海道に来てからというもの、常に武彦がそばにいて、触れようと思えば触れられる距離にいる。

 もう何十回、何百回キスしたいと、触れたいと思ったことだろう。

 それをずっと我慢していたのだ。

 伊織の感情は爆発した。

 武彦のベッドの中で着ているものを全て脱ぎ、伊織は武彦との淫らな行為の空想にふけりながら、自分の身体を隅々までまさぐった。

「あ、いいっ、もっと…、あ、あんっ、もっと激しく…、ああ、きもちいい…、おじさま…、おじさま…」

 伊織は武彦がいないのをいいことに、かなり大きな声をあげていた。



 突然、開くはずなないドアが開き、武彦が部屋に入ってきた。

 武彦は少し怒っている様な表情でどんどん伊織が潜り込んでいる武彦のベッドの所までやってきた。

「私のベッドでなにをしてる」

 武彦はそう言うとバッと布団をめくってしまった。

「あっ、やめてください!」

「いつからこんなことをするようになったんだ」

 伊織は真っ赤になって体を丸め両手で体を隠そうとした。

「私がいないといつもこんなことをしているようでは困るな」

 武彦はそう言うとシャツのボタンを外し始めた。



 伊織はその気配を感じながらも、武彦の方を向くことは出来ない。

 ベルトが床に落ちた時の金属音がして、武彦がベッドに乗ったはずみで伊織の身体がかしいだ。

 武彦は伊織の丸まった身体に手をかけるとそっと開いた。

 伊織は恥ずかしくて武彦の顔を見ることが出来ず、横を向いたままだった。

 武彦は伊織のあごを掴むとゆっくと自分の方へ向けた。



「あっ、あっ…」

 それだけで、武彦と目が合っただけで、伊織の目からは再び涙が溢れた。

「よく泣くやつだ」

 武彦はそういうと伊織にくちづけた。

「んんっ!」

 伊織はパニックに陥った。

 ずっと望んでいたことだ。

 でも、あんな言い合いをしたあとでは、このキスの意味をどうとらえたらいいのだろう。



 それでも、伊織の身体は正直に反応していく。

 武彦の舌が侵入してくればそれに応えずにはいられない。

 少しでも触れられれば、もっともっと欲しくなる。
 
 ああ、好き。

 やっぱり、大好き。

 これからのことなんて考えられない。

 今、この瞬間、おじさまに抱いてもらえるしあわせ。

 伊織はそれしか考えられなかった。

 もっと、激しくしてほしい。

 もっとめちゃくちゃにしてほしい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...