50 / 107
君に溺れてしまうのは僕だから.50
しおりを挟む
坂口は歩いて10分ほどの所にある海水浴場へ行くと、海の家で焼きそばやフランクフルトを買った。
本当は伊織と来るはずだったこの場所も、今日は二人で来ることはできないだろう。
「あ~あ、俺の自制心どっかへ行っちゃったな」
坂口は後悔を口にしながらも、伊織と結ばれた喜びの方が勝っていて、本気で反省する気にはどうしてもなれなかった。
別荘に戻ると部屋の中はシンと静まり返っていた。
ベッドルームを覗くと伊織がスヤスヤと眠っていた。
「だいぶ無理させちゃったかな」
坂口は買ってきたものをダイニングテーブルに並べると、一人で遅い昼食をとった。
小さな寝息をたてて眠る伊織の横に寝転んで、坂口は静かに彼女のことを眺めていた。
しあわせだな。
こんなことがいつまでも続くなんて思ってない。
でも、たとえ今日だけでも十分だ。
いや、でも本当はこんな日々がずっと続いたらいいのにと心のどこかでは思っている。
「んっ…」
伊織は寝返りを打つとゆっくりと目を開けた。
「目、覚めた?」
「坂口君…」
伊織はすぐ横にいる坂口に少々驚く。
「昼飯買ってきたから、食べようぜ。って言っても村井気持ちよさそうに寝てたから、俺先に食べちゃったけど」
「う、うん」
「どうした、腹減ってない?」
「どうだろう、よくわかんない…」
「とりあえず起きてみよっか」
起き上がると身体にかかっていたタオルケットがずり落ちて、裸のままの姿が露わになる。
「あっ…」
伊織はあわててタオルケットを引っ張り上げた。
「さっきまでお互い裸だったのに、あらてめて見ると超エロいな」
「坂口君ひどい!」
「ゴメンゴメン、つい本音が」
「あっちで脱いだ服持ってきて!」
伊織はプンプン起こりながら坂口に指示した。
「は~い」
坂口は能天気に答えると素直に服を持ってきた。
「ちょっと、見ないでよ」
「何で?どうせさっきまで裸で隅から隅まで見せてもらったのに、今さら着替えるのくらいいいでしょ」
「それとこれとは気分的に違うの」
「へえ、そんなもんかな」
坂口は伊織がそう言うのならと、部屋から出て行ってくれた。
自分でも何で恥ずかしいのか分からない。
坂口の言う通り、さっきまでのほうがどれだけ恥ずかしいことをしてたか分からないというのに。
伊織は服を着るとまだおぼつかない足どりで坂口のところまで歩いた。
「もう平気?」
「まあ、怪我したわけじゃないし…」
伊織の気持ちは複雑なままだ。
「これ、買ってきたやつ。食べられそう?」
普段だったら、大好きなものばかりだ。
しかし今はあまり食べる気がしない。
本当は伊織と来るはずだったこの場所も、今日は二人で来ることはできないだろう。
「あ~あ、俺の自制心どっかへ行っちゃったな」
坂口は後悔を口にしながらも、伊織と結ばれた喜びの方が勝っていて、本気で反省する気にはどうしてもなれなかった。
別荘に戻ると部屋の中はシンと静まり返っていた。
ベッドルームを覗くと伊織がスヤスヤと眠っていた。
「だいぶ無理させちゃったかな」
坂口は買ってきたものをダイニングテーブルに並べると、一人で遅い昼食をとった。
小さな寝息をたてて眠る伊織の横に寝転んで、坂口は静かに彼女のことを眺めていた。
しあわせだな。
こんなことがいつまでも続くなんて思ってない。
でも、たとえ今日だけでも十分だ。
いや、でも本当はこんな日々がずっと続いたらいいのにと心のどこかでは思っている。
「んっ…」
伊織は寝返りを打つとゆっくりと目を開けた。
「目、覚めた?」
「坂口君…」
伊織はすぐ横にいる坂口に少々驚く。
「昼飯買ってきたから、食べようぜ。って言っても村井気持ちよさそうに寝てたから、俺先に食べちゃったけど」
「う、うん」
「どうした、腹減ってない?」
「どうだろう、よくわかんない…」
「とりあえず起きてみよっか」
起き上がると身体にかかっていたタオルケットがずり落ちて、裸のままの姿が露わになる。
「あっ…」
伊織はあわててタオルケットを引っ張り上げた。
「さっきまでお互い裸だったのに、あらてめて見ると超エロいな」
「坂口君ひどい!」
「ゴメンゴメン、つい本音が」
「あっちで脱いだ服持ってきて!」
伊織はプンプン起こりながら坂口に指示した。
「は~い」
坂口は能天気に答えると素直に服を持ってきた。
「ちょっと、見ないでよ」
「何で?どうせさっきまで裸で隅から隅まで見せてもらったのに、今さら着替えるのくらいいいでしょ」
「それとこれとは気分的に違うの」
「へえ、そんなもんかな」
坂口は伊織がそう言うのならと、部屋から出て行ってくれた。
自分でも何で恥ずかしいのか分からない。
坂口の言う通り、さっきまでのほうがどれだけ恥ずかしいことをしてたか分からないというのに。
伊織は服を着るとまだおぼつかない足どりで坂口のところまで歩いた。
「もう平気?」
「まあ、怪我したわけじゃないし…」
伊織の気持ちは複雑なままだ。
「これ、買ってきたやつ。食べられそう?」
普段だったら、大好きなものばかりだ。
しかし今はあまり食べる気がしない。
0
お気に入りに追加
207
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる