エロ

星野しずく

文字の大きさ
上 下
53 / 55

エロ.53

しおりを挟む

「嬉しい!俺も大好き!!」

 ベッドの中で美世に抱きしめ、その気持ちよい肌を思う存分堪能した。



「駄目、離れられなくなる・・・」

「美世さんがそんなこと言うなんて・・・信じられない」

「言わなかっただけで、いつも思ってたよ?」



「じゃあ俺と一緒だ」

「嬉しい・・・」

「俺も・・・」



 また抱き合ってキスをした。

 求める気持ちが止まらない。



「買い出し行かなくて大丈夫?」

 離れがたい気持ちはあれど、美世は今日も仕事があるのだ。

 高広は美世が自分の店を大切に思っていることも知っている。



「そうね、そろそろ出かけなきゃね」

 そう言ってから、美世はまた高広にキスをした。



「駄目だって、美世さん。俺、また襲っちゃうよ?」

「襲って・・・」

「わぁ~、やめてくれ~!そういうの反則!!」



 高広は頭から布団をかぶった。

 美世は笑いながらベッドを出ると、シャワーを浴びて身支度を整えた。



「ご飯つくっておくから、高広君はゆっくりしていって」

 美世はテーブルの上に合鍵を置いた。



「今日もお店行っていい?」

「もちろん」

「夜も来ていい?」

「うん・・・」

 美世の頬が少し赤くなる。



「あ~、もう!!美世さん早く仕事行って」

「何でよ」

「俺の理性がもう持たないから」

「理性なんて壊れちゃえばいい」



 そう言うと美世はまた高広にキスをした。

 美世から舌をからめられて、高広は悪魔のささやきに溺れてしまいそうになる。



「駄目だろ、俺、ちゃんと夜まで我慢するから、美世さんも我慢して仕事行くの!」

「はぁ~い」



 すっかり素直になった美世は意外と高広よりも情熱的なのかもしれない。

 美世が出ていった部屋で高広はもう一度ベッドに身体を横たえた。

 そして心ゆくまで美世の香りを堪能するのだった。



 昼近くに自宅に帰った。

 朝帰りを通り越して昼の帰宅だというのに、両親からは何の連絡もなかった。

 そんな高広のことをひよりは冷ややかな眼差しで見つめている。



 美世との甘い一夜を思い出しながら、リビングでダラダラしていると『いつものファミレスでこれから会えないか?』と元貴から連絡が入った。

 さっきまで美世とあんなことをしていた手前、元貴に会うのは気恥しいが、二人の仲を修復してくれたのは誰でもない、元貴なのだ。

『すぐ行く』と返して、高広は家を出た。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編】愛することはないと、嫁ぎ先で塔に閉じ込められた。さあ。飛ぼう!

サバゴロ
恋愛
十年続いた戦争が終わり、和平の証として、両国の王子と王女が結婚することに。終戦の喜びもあり結婚式は盛大。しかし、王女の国の者が帰国すると、「あんたの国に夫は殺された」と召し使いは泣きながら王女に水をかけた。頼りの結婚相手である王子は、「そなたを愛することはない」と塔に閉じ込めてしまう。これは王女が幸せになるまでの恋物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

秋色のおくりもの

藤谷 郁
恋愛
私が恋した透さんは、ご近所のお兄さん。ある日、彼に見合い話が持ち上がって―― ※エブリスタさまにも投稿します

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

兄の悪戯

廣瀬純一
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...