エロ

星野しずく

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エロ.48

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 そのまま玄関の扉を開けて・・・、そのあとのことはあまりよく憶えていていない。

 気がついたら自分の部屋にいた。

 そのままベッドにダイブして高広は意識を手放した。



 次の日起きたのは夕方近くだった。

 何もやる気が起きず、外にも出ない日がニ、三日続いた。

 今が昼なのか夜なのかも分からず、生活はすっかり乱れた。



「お兄ちゃん、お兄ちゃんてば、いつまで寝てんの!友達が来たよ、起きて」

 父と母はとっくに仕事に出かけ、家にいるのは高校受験を終えたばかりのひよりと高広だけだ。



「誰だよ~、俺はまだ眠いんだよ」

「村田君だよ?起きないの」

 元貴か・・・、徳馬なら絶対に起きないんだけど・・・。

 高広はのろのろとベッドから這い出し玄関の扉を開けた。



「よう!そんな顔してるってことは、どうやらこの間の話し合いはうまくいかなかったみたいだな」

「お前が勝手に俺たちのこと追い出しただけだろう・・・」

「あがってもいい?」



 高広の質問には答えることなく元貴は強引に家に入ってきた。

 いつも元貴の家に入り浸っている手前、断る理由が見つからない。



「入れよ」

「おじゃましまーす」



「お前大丈夫か?」

 高広の部屋に入るなり、元貴は声色を変えた。



 そう言われて改めて自分の顔を鏡で見た。

 きっと知らないうちに泣いていたのだろう。

 まぶたが悲惨なくらいに腫れている。



「はぁ~・・・」

 高広は頭を抱えて床に座り込んだ。



「姉ちゃん、何だって?」

「何って、何だよ・・・」

 言えるわけないだろ、俺のことも、服部さんとのことも・・・。

 どっちも、元貴に言えるはずがない。



「仲直りしたのかって聞くつもりだったけど・・・、どうやらそう言う訳にはいかなかったみたいだから」

「仲直りってなんだよ」

 高広は元貴が何と言おうとしらばっくれるつもりだ。



「よく分かった。じゃ俺帰るわ」

「何だよ、急に来たと思ったら、すぐ帰るって」

「帰って姉ちゃんに聞く」

「はあ?ちょっと待てよ、元貴!」

 元貴は高広の言葉を無視して部屋を飛び出した。



「も、元貴!」

 高広は急いで服に着替えると元貴のあとを追った。
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