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エロ.45
しおりを挟む「姉ちゃんも服部も嘘ついてたってことだな」
しばらく歩いたところで、元貴が険しい表情で言った。
「だけど何のためにそんな嘘ついたんだろう?」
徳馬は純粋な疑問を口にした。
美世と人に言えない関係である高広は黙ることしかできない。
「俺、家に帰ったらもう一度姉ちゃんに直接聞いてみる」
「そうだな、それがいい。きっと何か訳があったんだよ。だけど、美世さんは元貴の姉ちゃんなんだからさ、お前にはホントのこと話してくれるよ」
徳馬は無邪気に言い放った。
ショッピングモールからの帰り道、徳馬と別れ元貴と二人きりになった。
「高広、お前も一緒に来てくれないか?」
「えっ、元貴一人で聞くんじゃないのか?」
「お前も一緒にいて欲しい」
「それは・・・」
それはマズい・・・というか、自分がいるせいで余計にややこしいことになる可能性が高い。
しかし、その理由を元貴に話すわけにはいかない。
「俺一人じゃ心細いんだよ。また姉ちゃんにうまくかわされちゃいそうで」
「だけど・・・、俺がそこまで立ち入っていいのか」
「何言ってるんだよ。お前なんてもうほとんどうちの家族じゃん」
「そ、それはいくらなんでも言いすぎだろう・・・」
確かに今の自分は実の家族なんかより、村田家の姉妹と濃密な時間を過ごしている。
美世とはまた別の意味で濃密なんだけど。
「頼むよ、姉ちゃんがあの服部って男に騙されてるんじゃないか心配でしょうがないんだよ」
「わかったよ」
騙されているのか何なのかは分からないが、二人の間に秘密があることは確かだ。
しかも可愛い弟にも言えない程の秘密が・・・。
そのまま元貴の部屋に行った。
美世の店で夕飯を食べたあとは元貴の部屋で時間をつぶした。
店を閉めたあと、美世はいつも元貴に一声かけてからアパートに帰っていく。
「あら、高広君、今日は遅くまで一緒なのね」
元貴の部屋を覗いた美世が意外そうに言った。
「こんばんは」
高広はわざと少しだけ他人行儀に言った。
「姉ちゃん、ちょっと話があるんだけどいい?」
「別にいいけど、なによ改まって」
美世は元貴の部屋に入ってくるとローテーブルを挟んで対面に座った。
「今日、逸子さんに会ってきた」
「えっ・・・」
元貴はいきなり核心部分から話し始めた。
「逸子さん、彼氏もいないし結婚もしてないって」
「そう・・・」
「姉ちゃん、どういうこと?あの服部っていう人とどういう関係なの?」
「元貴・・・、どうしてそこまで・・・」
美世は明らかに困惑していた。
まさか元貴がここまでするとは思っていなかったのだろう。
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