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エロ.21
しおりを挟む「まずいどころのレベルじゃないよ。俺の姉ちゃんが不倫とか、ありえない」
まだそうと決まったわけではなのに、シスコンの元貴は随分とショックを受けているようだ。
「美世さんに直接聞いてみるしかないだろ」
「そんなのまともに答えてくれるかな」
「そりゃ、弟のお前にならちゃんと本当のこと言うだろう」
そうだ、俺には言えなくても元貴になら本当のことを言うかもしれない。
だが、もし本当に服部とそういう関係だとしたら・・・。
美世は遅かれ早かれ自分との関係を終わらせるだろう。
美世は自分のような子供に本気にはならなかったということだ。
服部という男が美世のことを本気で好きなのか、それともただの遊びなのかは分からない。
「今日は早めに終わらせて、さっさと店に行こうぜ。あ~、姉ちゃんのことが気になって勉強なんて頭に入って来ないよ~」
「じゃあ、今日は予定変更で遊びに行くか?」
「え、いいの?」
「まあ、元貴次第だ。今のままでB判定まで行けそうなら俺は別に構わないよ」
「酷い、酷いよ~、そんなの無理に決まってんじゃん」
「じゃあ、やっぱり勉強しないとな」
「あ~ぁ、現実は厳しいなぁ」
「ブツブツ言ってないで、はい、やる」
「はぁ~い」
元貴はしぶしぶ問題集を広るのだった。
「しっかし、いざ聞くってなると、それはそれで緊張するな」
ファミレスから美世の店までの移動中、元貴はそんな弱気なことを言い出した。
「じゃあやめとく?」
「そんなわけにいかないだろう!俺たち家族二人だけなんだぜ。それなのに隠し事とかはなしだろ」
「そっか、そうだな」
かく言う高広は四人家族だというのに、お互いの生活にそこまで深入りしているだろうかと考える。
妹のひよりの友達が誰なのか、ましてや彼氏がいるのかなんて知らない。
高広が小さい頃、強制的に連れていかれたアウトドアで、両親の友人たちと顔を合わせることもあったが、今ではそれもない。
むしろ、元貴と美世の二人の方がよほど濃密な関係に見える。
「だけど何で不倫なんだよ。姉ちゃんなら普通に若いイケメンと釣り合うのに。あ~、わけ分かんねえ」
「だな」
若いイケメンか・・・。
弟である元貴からすれば、やはり美世と同じくらいの年齢もしくは少し年上の男を想像しているのだろうか。
高校生であり、元貴の友人でもある高広がそこに当てはまるはずもないのに。
高広は元貴に負けないくらい、モヤモヤとイライラが募ってくるのを感じていた。
しかし、元貴の様にそれを丸出しにする訳に行かず、心の中だけでのたうち回るしかない。
そうこうしているうちに、美世の店についてしまった。
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