エロ

星野しずく

文字の大きさ
上 下
16 / 55

エロ.16

しおりを挟む

「凄い偶然だね」

 釈然としない様子で元貴が言った。

 言いたかったことを言ってくれて、高広は心の中で元貴に思いきりありがとうと言った。



「今のはたまたま知り合いだったからよかったけど、姉ちゃん気をつけろよ」

 そう言うと元貴は美世の肩にタオル地のパーカーを掛けた。



「暑いのに・・・」

「我慢するの」

「は~い」



 ふくれっ面で答える美世が可愛いい。

 せっかく綺麗な肌を露出しているというのに、それをわざわざ隠してしまうのはもったいないことだ。
 


 だが、美世のエロいビキニ姿を他の男が見るのは許せない。

 高広は心の中で地団太を踏んだ。

 声に出して言いたいことが何も言えないのは、かなり苦しい。



「俺たち徳馬にかき氷おごってもらうんだ」

「あら、いいわね。私も行こうかな」

「姉ちゃんは動いちゃだめだ」



「何でよ~、せっかく海に来たのにずっと座ってなきゃいけないの?」

「そんな恰好でウロウロされたら、今度こそ変な男にナンパされるに決まってる」

「私も何か食べたい」

「俺が買ってきてやるから、そうだ、高広と二人で待ってて」



「えっ、何で俺?」

「だって、おごるの徳馬だし、俺姉ちゃんの分買ってくるから」

「あ、ああ、そうか」

「姉ちゃんもかき氷でいい?あ、蜜は何にする?」



「練乳イチゴ」

「そんなのあるかな?まあいいや、なかったら普通のイチゴにするからね」

「分かりました」

 元貴と徳馬は海の家の売店へ行った。



「さっきの人、本当に偶然?」

「高広君まで・・・、偶然だよ」

「ねえ、ちょっと来て」

「えっ、何?」



 高広は元貴たちが向かった海の家とは逆方向に美世を引っ張って歩き出した。

 美世は訳もわからず高広に続いた。



 しばらく歩くと、かつては海の家だったであろう建物が見えてきた。

 古くなったそれは修理されることもなく、朽ち果てるのを待つだけのようにそこに立っていた。

 高広はその建物の裏側まで美世を連れて行った。



「ねえ、ここでしたい」

「えっ、高広君・・・、何言ってるの?」

「すぐ終わるから」

「だ、ダメだよ、誰かに見られたらどうするの」



「大丈夫だよ、こっちは遊泳禁止だし、向こうは崖しかないから誰も来ないよ」

「だ、だけど・・・」

「早くしないと、あいつら帰ってきちゃうから」

「そ、そんなこと言ったって・・・、あっ」

 美世の了解を得るまでもなく、高広は行為を強行した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...