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エロ.11
しおりを挟む「高広もいっつもうちの店の定食じゃ飽きるだろ。たまには昨日みたいにどっか違う店に行くのも気晴らしになっていいよな」
「別に、俺は毎日おまえんちの定食でも全然問題ないけど」
「そうか~?」
他愛もない話をしながら、ファミレスで昼食をとり、そのあとはいつも通り勉強をした。
コンビニに寄ってアイスを買ってかじりながら美世の店に向かう。
店の暖簾をくぐると、いつもと変わりない様子で美世は二人を迎えてくれた。
美世の顔を見た瞬間、昨日あいつと会っていたのはどういうことだと、問い詰めたい衝動に駆られた。
もちろんそんなことが出来るはずはない。
しかもそんなことをすれば高広が隠れて見張っていたことがバレてしまう。
元貴には悪いが、今日の自分はほとんど上の空だろう。
そしていつもの時間になると例のごとくあの男がやってきた。
二人は何食わぬ顔で世間話をし、ビールと定食を平らげ、男は帰っていった。
店での勉強を終え、元貴と別れた高広は家に帰った。
美世の店が終わるまではまだ時間があったが、家にいても落ち着かなくて、早々に美世のアパートへ行き美世の帰りを待った。
「ごめんね、待たせちゃった」
「ううん、別に。それより、早くしたい」
昨日あの男とそういうことがあったのなら、一刻も早く自分のものを美世の中にぶち込んで、あいつの痕跡を美世の身体から消し去ってしまいたかった。
「ごめんね、今日始まっちゃったの」
「別にかまわない」
「えっ・・・」
ドラマなどで男性に迫られた時「今日女の子の日なんだ」というセリフでセックスを免れるという場面をよく目にする。
だから、美世も同じように思っていたに違いない。
「・・・分かった」
それでも美世は断ることはなかった。
「汚れるから、風呂でしよう」
「うん・・・」
鮮血にまみれながらするセックスは野性的で高広はいつもより興奮した。
しかし、そんな感情も一瞬の後には消え去ることになった。
背中をおおっていた美世の長い髪が、挿入の律動で少しずつ前に落ちていった。
すると肩甲骨の辺りにキスマークらしきものが現れたのだ。
高広はキスマークなどつけない。
ほとんど毎日セックスをするのに、この女は自分のものだというしるしであるマークをつける必要などなかったから。
昨日あの男と美世の間でそういうことが行われたことにほぼ間違いない。
「やっぱやめた」
「えっ・・・」
高広は美世の中から自身を引き抜いた。
鮮血が床にポタポタと落ちた。
「俺、先に出るから、ゆっくり入って」
高広はざっとシャワーを浴びると風呂を出た。
高広が服を着てスマホをいじっていると美世が風呂から出てきた。
「じゃあ帰るわ」
「うん、気をつけて」
美世はホッとしたような、少し困った様な顔で言った。
あんなしるしを見つけたって、今の自分には何もできやしない。
美世があの男、もしくはそれ以外の男とセックスをしたという確たる証拠などない。
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