もう君を絶対に離さない

星野しずく

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もう君を絶対に離さない.08

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 瑠璃子は今までに二人の男性とつきあったことがある。

 相手のせいばかりには出来ないけれど、結局二人とも瑠璃子の身体、つまりは巨乳が目的だった。

 どちらの男性も、最初はそんな素振りなど全く見せなかった。

 しかし、つきあっていくうちに化けの皮ははがれていくものである。

 二人とも瑠璃子の内面になど興味はなく、豊満なその身体にだけ惹かれているということが、遅かれ早かれ露呈する。

 と言っても、どちらもかなり早い段階でバレて別れることになったのだけれど。



 そんなこともあって、瑠璃子は人一倍恋愛には臆病になってしまった。

 高校時代がそんなだったから、大学に入ったばかりの今、瑠璃子には彼氏は勿論、好きな男の子もいない。

 そんな矢先の野崎との出会いだ。

 そして、野崎は明らかに今まで出会った男の子とは違っていて・・・。



「お待たせ」

 落ちかけたメイクを直して、野崎のところに戻った。

「次は、三時からだから、昼飯行こうか」

「うん!」



 野崎君と二人でご飯なんて、まるでデートみたい。

 そんなことを考えたせいで、さっきよりもさらに野崎のことを意識してしまう。

 バカだな・・・自分だけが勝手に盛り上がってどうすんの。

 野崎君は私のことなんて何とも思ってないのに・・・。



 会場を出て少し歩くと、本格ピザのお店があった。

 ちょうどイタリア映画を見てるんだし、ということでその店に入ることにした。

 注文を済ませ、さっき見た映画の感想を話した。



「ねえ、ちょっと変な質問だけど・・・、あの、嫌だったら答えなくていいから・・・」

 瑠璃子は他の男の子だったらきっと聞かなかったと思うその質問を、野崎にはしてみたくなった。

「私ね、その、見た通り、む、胸が大きいんだけど、野崎君って・・・、やっぱり大きい方が好き?」

「う~ん、あんまりそういうこと考えたことないけど・・・、どちらかと言えば小さい方が好きかな・・・」

 野崎は少し恥ずかしそうに、でもちゃんと答えてくれた。



「そ、そうなんだ・・・。ごめん、私いつも胸のことでからかわれるから・・・。コンプレックスなんだ・・・。変なこと聞いてごめんね」

「いいよ別に・・・」

 野崎はうつむいたまま答えたが、その耳は真っ赤に染まっていた。



 小さい方が好きなんだ・・・。

 今までほとんどの男の人から大きな胸に異常な興味を示されてきたせいで、小さい胸が好みの人がいるということがにわかに信じられない。

 だけど、野崎が嘘をつくとも思えなくて・・・。



 自分に興味を持つ人はそれが目的で、野崎の様に瑠璃子が気になる男の子は逆がタイプだと言う。

 どうして世の中はこうままならないのかと思う。

 そして、瑠璃子が変な質問をしたせいで、二人の間にはまた変な空気が流れる。



「お待たせしました、ピッツァマルゲリータとクアトロフォルマッジです」

 絶妙のタイミングでピザが運ばれてきて、瑠璃子は救われた思いだった。

「うわぁ、おいしそう」

「いい香りだな」

 二人はアツアツのピザをほおばった。
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