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もう君を絶対に離さない.05
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大通りから少し入ったところの路地の角にある小さな喫茶店に二人は入っていった。
「イタリア映画は好き?」
「う~ん、イタリア映画はストーリー重視だから、どちらかと言えば、君の好きなジャンルだよね。僕は、派手なアクションやミステリーが好きだからね。もちろん、名作ならジャンルを問わず見るけどね。だから、君が中心に選んでくれていいよ」
「そっか・・・。まあ、アクションは製作費もかかるから、どうしてもアメリカとかイギリスになっちゃうよね」
映画の話になると、野崎も饒舌になる。
どうしてそれをみんなの前でもしないのかと、言いたかったけれど、やめておいた。
彼の人生に踏み込む権利など瑠璃子にはないのだから。
野崎とは違うけれど、自分も散々容姿のことで、他人から言われて嫌な思いをしてきたのだ。
そんな自分が彼の持って生まれたものに対して、人と違うという理由だけでとやかく言うことは、瑠璃子のことを容姿だけで判断してくる他人と同じだ。
それに、野崎は瑠璃子に対して、容姿のことなど一言も言わない。
同好会のメンバーの男子は少なくとも一度は瑠璃子の胸のことを冗談であっても、からかってきた。
それは、瑠璃子と仲良くなりたいという、ただのきっかけづくりのためだったかもしれない。
だけど、そんな些細な一言が瑠璃子を傷つけるということを彼らは知らない。
もちろん、そんなことはずっと前から何度も経験してるから、いちいち落ち込んだりはしない。
でも、この人もそういう目で自分を見てるんだなと思うと、やっぱり嫌な気持ちになるのは仕方のないことだった。
そんな瑠璃子だから、野崎という存在が異質であっても、いや、異質だからこそ興味が湧いた。
「じゃあ、私の見たいのももちろん候補にするけど、野崎君の興味があるのも教えてね」
「あ、ああ、分かった」
「あの・・・、LINE交換してもいい?」
瑠璃子の問いかけに、野崎はギョッとした表情になる。
「嫌だったらいいから、無理しないで・・・。その方が何かと便利かなと思っただけで・・・」
「い、いや、別に・・・嫌じゃないけど・・・。ただ、こういうことするの初めてだから・・・」
ええっ!と言いそうになるのを瑠璃子は必死でこらえた。
だけど、落ち着いて考えてみても、それがどうなのだという気持ちになる。
野崎という人間は、こうして話してみても、全く変な人じゃないし、見た目と違って本当は暗くもない。
「じゃあ、私が初めてになるんだね。何だか嬉しいな」
言ってみたら、なんだか意味深な言葉になってしまって、瑠璃子は思わず顔を赤らめた。
しかし、目の前の野崎はそれ以上に真っ赤になっていて・・・。
なにこれ・・・。
瑠璃子の胸はうるさい程に騒ぎ出す。
何とか連絡先を交換したものの、二人の間に流れる空気が何だかおかしくなってしまった。
「明日授業が終わったら会える?」
「あ、ああ、大丈夫だと思う」
喫茶店を出て、二人はそこで別れた。
家に帰った瑠璃子は、今日一日で、自分の中に住みついてしまった野崎のことがやっぱり頭から離れなくて、その日は終始、彼のうつむき加減の顔を何度も何度も思い浮かべてしまうのだった。
「イタリア映画は好き?」
「う~ん、イタリア映画はストーリー重視だから、どちらかと言えば、君の好きなジャンルだよね。僕は、派手なアクションやミステリーが好きだからね。もちろん、名作ならジャンルを問わず見るけどね。だから、君が中心に選んでくれていいよ」
「そっか・・・。まあ、アクションは製作費もかかるから、どうしてもアメリカとかイギリスになっちゃうよね」
映画の話になると、野崎も饒舌になる。
どうしてそれをみんなの前でもしないのかと、言いたかったけれど、やめておいた。
彼の人生に踏み込む権利など瑠璃子にはないのだから。
野崎とは違うけれど、自分も散々容姿のことで、他人から言われて嫌な思いをしてきたのだ。
そんな自分が彼の持って生まれたものに対して、人と違うという理由だけでとやかく言うことは、瑠璃子のことを容姿だけで判断してくる他人と同じだ。
それに、野崎は瑠璃子に対して、容姿のことなど一言も言わない。
同好会のメンバーの男子は少なくとも一度は瑠璃子の胸のことを冗談であっても、からかってきた。
それは、瑠璃子と仲良くなりたいという、ただのきっかけづくりのためだったかもしれない。
だけど、そんな些細な一言が瑠璃子を傷つけるということを彼らは知らない。
もちろん、そんなことはずっと前から何度も経験してるから、いちいち落ち込んだりはしない。
でも、この人もそういう目で自分を見てるんだなと思うと、やっぱり嫌な気持ちになるのは仕方のないことだった。
そんな瑠璃子だから、野崎という存在が異質であっても、いや、異質だからこそ興味が湧いた。
「じゃあ、私の見たいのももちろん候補にするけど、野崎君の興味があるのも教えてね」
「あ、ああ、分かった」
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瑠璃子の問いかけに、野崎はギョッとした表情になる。
「嫌だったらいいから、無理しないで・・・。その方が何かと便利かなと思っただけで・・・」
「い、いや、別に・・・嫌じゃないけど・・・。ただ、こういうことするの初めてだから・・・」
ええっ!と言いそうになるのを瑠璃子は必死でこらえた。
だけど、落ち着いて考えてみても、それがどうなのだという気持ちになる。
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「じゃあ、私が初めてになるんだね。何だか嬉しいな」
言ってみたら、なんだか意味深な言葉になってしまって、瑠璃子は思わず顔を赤らめた。
しかし、目の前の野崎はそれ以上に真っ赤になっていて・・・。
なにこれ・・・。
瑠璃子の胸はうるさい程に騒ぎ出す。
何とか連絡先を交換したものの、二人の間に流れる空気が何だかおかしくなってしまった。
「明日授業が終わったら会える?」
「あ、ああ、大丈夫だと思う」
喫茶店を出て、二人はそこで別れた。
家に帰った瑠璃子は、今日一日で、自分の中に住みついてしまった野崎のことがやっぱり頭から離れなくて、その日は終始、彼のうつむき加減の顔を何度も何度も思い浮かべてしまうのだった。
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