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勇者追放編
マルティネとの対決(後編)
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勇者が初心者冒険者に負けた。初心者とはいえ、俺に挑んできたらそらそうなるのが当たり前である。
その噂は街中に知れ渡った。町行くレディーですら、お茶の一杯のネタにするくらいである。
それまでマルティネは勇者と称えられていたが、実はただのお山の大将だったのである。俺は対決しない方がいいと言ったけどね。
まあ俺には関係ないからどうでもよいかな、俺をバカにしてきた茶髪の男はどうしてるのかな。その辺に倒れてないといいけど。
まあ、天才の俺と比べるのはちょっとかわいそうである。
マルティネのプライドはズタボロだろうなぁ……。
「あのクソ男、許さん! 絶対に殺す!」
一人マルティネは宿の一室で叫ぶ。彼のイライラした声からは、いつもの余裕さが完全に消え去っているようだ。
「くそっ、あの男のせいで僕の輝かしい未来が無くなってしまった!」
ちなみに俺は隣の部屋で聞いています。盗聴でもなんでもないです。壁が薄いだけなのです。
「あんなヤツより僕の方が強いんだぞ?! なのに、みんなしてなんで僕をバカにするんだぁ……ッ」
そんなこと言っても負けちゃったもんねー。仕方がないねー。
「ああもう! ムカつく!!」
そうか、そうか。そりゃ悔しいよなぁ。わかるわー。
勇者様なのに「天才」とはいえ初心者冒険者に負けたら超悔しいだろう。
「……こうなったら、アレを使うしかないかな?」
おおっとぉ!? なんだか不穏なことを言い始めたぞォ!!
「ふふっ、大丈夫だよ。僕ならできるさ。この屈辱を晴らすためにも……」
そして、俺はこの場から立ち去った。単に酒が飲みたくなったのだ。決して聞き苦しくなったわけではない。
もはやどうでもよくなっただけである。
ガヤガヤ、ワイワイ。
そうして勝負から日数が経った頃、活気溢れる酒場にて有益な情報を得た。情報元は冒険から帰って酒を浴びるように飲んだくれている、いつものおっちゃん。
飲み過ぎは体によくないぞ、といいつつ俺も飲むのだけれど。少しくらいならいいのだ。
「おい聞いたか? マルティネの話。仲間にも見捨てられてパーティ解散だってよ」
「 アイツの話なんてどうでもいいだろ。それよりもこの街に――」
「巨大ゴーレムが襲来してくるって!? まじかよ、こりゃ早く王都に避難した方がいいかもな」
何でもない会話を聞き流しながら、俺は仲間と一緒に遅めの朝食を食べていた。
カナデの傷は思ったよりも深く、おまけにこの街、カナイでは薬草しか手に入らないらしい。
本当は俺が治してあげたいんだけど、いいタイミングがないのだ。ガツガツ行って引かれるのは嫌なので、女の子の気持ちを汲み取って適切な時にアプローチしたいのである。
決してやましい心なんてもってないから!
ムシャムシャ、ゴックン。
「んー? 巨大化ゴーレムが来るの?。それじゃあ避難しないといけないね」
マイナが香ばしい匂いを発する焼き鳥を、とろりと二度漬けしたくなるような独特なソースをべったりと塗りつけて、美味しそうにモシャモシャ食べています。
「うむ。それがいいと思うぞ」
クピ、クピ、ゴクッ――――、
カナデは傷が痛むのか、ビールをちびちびとしか飲んでいない。大丈夫かな、心配だなあ。
カナデとマイナは二人で仲良く酒を飲んでいる。二人は姉妹のように仲が良い。本当は姉妹なのかな?
「リュウ、またこんなにお酒飲んでる! 飲み過ぎはダメだって言ってるじゃん!」
マイナが心配そうに俺を覗きこんできた。さらさらの金髪の髪が一本くせ毛になっているところがチャープポイントで可愛かった。
「いいんだよ、別に。俺は飲んでも酔わないタイプなんだ」
グビグビ、グビグビ――
「もぅ……しょうがないなぁ……」
マイナは呆れたようにため息をつくと、俺の隣に引っ付くように腰掛ける。金髪のツインテールが揺れて、シャンプーの良い匂いが漂ってくる。
カナデは俺の手から奪うようにして酒の入ったグラスを取り上げた。取られたショックよりもイチャイチャしているような気持ちが大いに勝ったのである。
あらゆるフルーツの果実をギュッと濃密に絞りこんだような酸味の強いビールであった。
「リュウ、今日はもう終わりだからね」
「えぇ~……まだ全然飲めるんだけどなぁ……」
「ダーメ! これ以上飲むと体に悪いよ?」
「ちぇっ、わかったよ……」
しぶしぶ了承すると、マイナがはじけるように笑った。
不覚にもドキッとしてしまった。あまりにも純粋な笑顔だったから。
「そういえば、二人とも明日は暇?」
マイナがなんともなしに尋ねた。
「私は特に予定は無いが、どうかしたのか?」
「いやぁ、最近運動不足気味だったから久しぶりに体を動かそうと思ってね」
確かにあれからモンスターと戦っていない。
ギルドの仕組みやこの街の一般常識を学んだり、さらにはマルティネとのいざこざと色々あったせいだろう。
「一緒にダンジョンに行かないかなって」
「ダンジョンかよ……他のとこにしよう」
「えぇー!? どうしてよ! 」
マイナは不満げに頬を膨らませている。
いや、だってダンジョンは狭いじゃないか。もっと広々とした所で戦いたいよ……。
俺がそう伝えると、
「仕方ないじゃない! 他に良いところが無いんだもの」
「でもなぁ……」
「それに、私たちは最強よ? 心配することは何も無いわ」
やれやれ。正直いうとマイナやカナデはまだまだFランククラスである。
ギルドにはクエストの実績や、王都へと貢献度に応じてランクが存在する。
始めはFランクからで、これは薬草
の採取とかそういう簡単な内容ばかりだ。Eランクも基本はFランクと同じくらいだ。
次にDランクになると、今度は討伐系の依頼が多くなる。
そして、Cランク以上は昇格試験があるらしい。これが何なのかまでは俺にはまだ分からない。
模擬戦なのか、はたまた何なのか。
一応俺たちは今、Bランクを目指している。
Bランクになれば王都の緊急依頼時の予備兵力と扱われる。
緊急依頼とは、国の危機的状況に陥った時に国から直々に出される特別な任務のことだ。
報酬は勿論のこと、多額の報奨金もあるという。
その特別要請兵になるのを冒険者は目指すのだ。
Bランクの上にA、Sランクとある。
俺がソロパーティならSランクは当たり前だが、今は仲間がいる。
のんびりスローライフを送りたいのでしばらく上は目指さない。マイナやカナデが充分にSランクとしてやっていけるまで見守っていくつもりだ。
「まってくれみんな。クエストを受ける前に、まだ私達には足りないものがあるぞ」
トン。
ビールを落ち着いた様子で床に置いて、カナデが問いかける。なんだろう?
「そうよ、回復職がいないわ! 私たち三人では、強くても倒せない敵が出てくるわ!」
正解だといわんばかりに、うんうんとカナデが意味深にうなずいた。
「その通り。私は剣士」
「私は魔法使いー」
「俺は魔法と剣士両方できるから、魔剣士かな」
「ヒーラーがいない!」
まるで名探偵が謎を暴いたかのようにカナデがビシッと指を指す。
俺はそれを横目に、顔を上げずに答えた。
「ヒーラー?」
「そう! ヒーラーだよリュウ」
マイナは俺の足に座り込むと、甘えるように足をパタつかせ始めた。やめてくれ、何気ない仕草でも男は意識してしまいます。
「必要ないって、俺は回復魔法使えるぞ?」
「「嘘っ!?」」
二人は信じられないといった様子で目を丸くして驚いた。そんなに驚くことかな。ヒーラーくらい普通だと思っていましたが。
マイナがキラキラした尊敬の眼差しで俺を見つめてくる。あれ、また常識を越えてしまいましたか。ううん、一般人を装うのは難しいな。
「すごいわ! これでもう安心ね!」
マイナは嬉しそうに俺の手を握ってきた。手のひらの柔らかさがやはりゴツゴツした男とは違う。
まるで泡立て過ぎた石鹸の泡でつるりと滑って転んでしまうような、ツルツルしたマイナの手のひらがやけに気持ちよい。
「ふむ、ならば問題はないな」
カナデは納得すると、恥ずかしそうにちょこんと手を伸ばしてきた。
「すまないが、モンスターに飛ばされた時の傷がまだ癒えなくてな。薬草では気休めにしかならんし、その私も女だ。いつまでも傷をつけたままというのもだな」
「分かった、やってみるよ」
俺はゆっくりと体を起こすと、右手を前に出して集中する。
「ヒール」
白い光が手のひらから発せられ、カナデの体全体を包み込んだ。
「おぉ……手の痛みが軽くなっていく」
「そうか、良かった」
「すまないな、こんなことをさせて」
順調にみえたが突然カナデが苦しみだした。
「くぅ……! ダメだ……! まだ痛い……」
「おい! 大丈夫か!」
苦しそうな表情を浮かべる彼女に、俺は慌てて駆け寄ると肩を抱き寄せて顔を覗きこむ。
「はぁ……はぁ……だめかも……体が熱い……」
まさか魔力が強すぎるのか? 一般的な魔力量を持ったヒーラーにしか直せないということだろうか。
俺が魔力放出をやめるとカナデは落ち着きを取り戻した。
これはヒーラーを探さないといけないな。でも田舎のカナイにヒーラーはいるのだろうか。
その噂は街中に知れ渡った。町行くレディーですら、お茶の一杯のネタにするくらいである。
それまでマルティネは勇者と称えられていたが、実はただのお山の大将だったのである。俺は対決しない方がいいと言ったけどね。
まあ俺には関係ないからどうでもよいかな、俺をバカにしてきた茶髪の男はどうしてるのかな。その辺に倒れてないといいけど。
まあ、天才の俺と比べるのはちょっとかわいそうである。
マルティネのプライドはズタボロだろうなぁ……。
「あのクソ男、許さん! 絶対に殺す!」
一人マルティネは宿の一室で叫ぶ。彼のイライラした声からは、いつもの余裕さが完全に消え去っているようだ。
「くそっ、あの男のせいで僕の輝かしい未来が無くなってしまった!」
ちなみに俺は隣の部屋で聞いています。盗聴でもなんでもないです。壁が薄いだけなのです。
「あんなヤツより僕の方が強いんだぞ?! なのに、みんなしてなんで僕をバカにするんだぁ……ッ」
そんなこと言っても負けちゃったもんねー。仕方がないねー。
「ああもう! ムカつく!!」
そうか、そうか。そりゃ悔しいよなぁ。わかるわー。
勇者様なのに「天才」とはいえ初心者冒険者に負けたら超悔しいだろう。
「……こうなったら、アレを使うしかないかな?」
おおっとぉ!? なんだか不穏なことを言い始めたぞォ!!
「ふふっ、大丈夫だよ。僕ならできるさ。この屈辱を晴らすためにも……」
そして、俺はこの場から立ち去った。単に酒が飲みたくなったのだ。決して聞き苦しくなったわけではない。
もはやどうでもよくなっただけである。
ガヤガヤ、ワイワイ。
そうして勝負から日数が経った頃、活気溢れる酒場にて有益な情報を得た。情報元は冒険から帰って酒を浴びるように飲んだくれている、いつものおっちゃん。
飲み過ぎは体によくないぞ、といいつつ俺も飲むのだけれど。少しくらいならいいのだ。
「おい聞いたか? マルティネの話。仲間にも見捨てられてパーティ解散だってよ」
「 アイツの話なんてどうでもいいだろ。それよりもこの街に――」
「巨大ゴーレムが襲来してくるって!? まじかよ、こりゃ早く王都に避難した方がいいかもな」
何でもない会話を聞き流しながら、俺は仲間と一緒に遅めの朝食を食べていた。
カナデの傷は思ったよりも深く、おまけにこの街、カナイでは薬草しか手に入らないらしい。
本当は俺が治してあげたいんだけど、いいタイミングがないのだ。ガツガツ行って引かれるのは嫌なので、女の子の気持ちを汲み取って適切な時にアプローチしたいのである。
決してやましい心なんてもってないから!
ムシャムシャ、ゴックン。
「んー? 巨大化ゴーレムが来るの?。それじゃあ避難しないといけないね」
マイナが香ばしい匂いを発する焼き鳥を、とろりと二度漬けしたくなるような独特なソースをべったりと塗りつけて、美味しそうにモシャモシャ食べています。
「うむ。それがいいと思うぞ」
クピ、クピ、ゴクッ――――、
カナデは傷が痛むのか、ビールをちびちびとしか飲んでいない。大丈夫かな、心配だなあ。
カナデとマイナは二人で仲良く酒を飲んでいる。二人は姉妹のように仲が良い。本当は姉妹なのかな?
「リュウ、またこんなにお酒飲んでる! 飲み過ぎはダメだって言ってるじゃん!」
マイナが心配そうに俺を覗きこんできた。さらさらの金髪の髪が一本くせ毛になっているところがチャープポイントで可愛かった。
「いいんだよ、別に。俺は飲んでも酔わないタイプなんだ」
グビグビ、グビグビ――
「もぅ……しょうがないなぁ……」
マイナは呆れたようにため息をつくと、俺の隣に引っ付くように腰掛ける。金髪のツインテールが揺れて、シャンプーの良い匂いが漂ってくる。
カナデは俺の手から奪うようにして酒の入ったグラスを取り上げた。取られたショックよりもイチャイチャしているような気持ちが大いに勝ったのである。
あらゆるフルーツの果実をギュッと濃密に絞りこんだような酸味の強いビールであった。
「リュウ、今日はもう終わりだからね」
「えぇ~……まだ全然飲めるんだけどなぁ……」
「ダーメ! これ以上飲むと体に悪いよ?」
「ちぇっ、わかったよ……」
しぶしぶ了承すると、マイナがはじけるように笑った。
不覚にもドキッとしてしまった。あまりにも純粋な笑顔だったから。
「そういえば、二人とも明日は暇?」
マイナがなんともなしに尋ねた。
「私は特に予定は無いが、どうかしたのか?」
「いやぁ、最近運動不足気味だったから久しぶりに体を動かそうと思ってね」
確かにあれからモンスターと戦っていない。
ギルドの仕組みやこの街の一般常識を学んだり、さらにはマルティネとのいざこざと色々あったせいだろう。
「一緒にダンジョンに行かないかなって」
「ダンジョンかよ……他のとこにしよう」
「えぇー!? どうしてよ! 」
マイナは不満げに頬を膨らませている。
いや、だってダンジョンは狭いじゃないか。もっと広々とした所で戦いたいよ……。
俺がそう伝えると、
「仕方ないじゃない! 他に良いところが無いんだもの」
「でもなぁ……」
「それに、私たちは最強よ? 心配することは何も無いわ」
やれやれ。正直いうとマイナやカナデはまだまだFランククラスである。
ギルドにはクエストの実績や、王都へと貢献度に応じてランクが存在する。
始めはFランクからで、これは薬草
の採取とかそういう簡単な内容ばかりだ。Eランクも基本はFランクと同じくらいだ。
次にDランクになると、今度は討伐系の依頼が多くなる。
そして、Cランク以上は昇格試験があるらしい。これが何なのかまでは俺にはまだ分からない。
模擬戦なのか、はたまた何なのか。
一応俺たちは今、Bランクを目指している。
Bランクになれば王都の緊急依頼時の予備兵力と扱われる。
緊急依頼とは、国の危機的状況に陥った時に国から直々に出される特別な任務のことだ。
報酬は勿論のこと、多額の報奨金もあるという。
その特別要請兵になるのを冒険者は目指すのだ。
Bランクの上にA、Sランクとある。
俺がソロパーティならSランクは当たり前だが、今は仲間がいる。
のんびりスローライフを送りたいのでしばらく上は目指さない。マイナやカナデが充分にSランクとしてやっていけるまで見守っていくつもりだ。
「まってくれみんな。クエストを受ける前に、まだ私達には足りないものがあるぞ」
トン。
ビールを落ち着いた様子で床に置いて、カナデが問いかける。なんだろう?
「そうよ、回復職がいないわ! 私たち三人では、強くても倒せない敵が出てくるわ!」
正解だといわんばかりに、うんうんとカナデが意味深にうなずいた。
「その通り。私は剣士」
「私は魔法使いー」
「俺は魔法と剣士両方できるから、魔剣士かな」
「ヒーラーがいない!」
まるで名探偵が謎を暴いたかのようにカナデがビシッと指を指す。
俺はそれを横目に、顔を上げずに答えた。
「ヒーラー?」
「そう! ヒーラーだよリュウ」
マイナは俺の足に座り込むと、甘えるように足をパタつかせ始めた。やめてくれ、何気ない仕草でも男は意識してしまいます。
「必要ないって、俺は回復魔法使えるぞ?」
「「嘘っ!?」」
二人は信じられないといった様子で目を丸くして驚いた。そんなに驚くことかな。ヒーラーくらい普通だと思っていましたが。
マイナがキラキラした尊敬の眼差しで俺を見つめてくる。あれ、また常識を越えてしまいましたか。ううん、一般人を装うのは難しいな。
「すごいわ! これでもう安心ね!」
マイナは嬉しそうに俺の手を握ってきた。手のひらの柔らかさがやはりゴツゴツした男とは違う。
まるで泡立て過ぎた石鹸の泡でつるりと滑って転んでしまうような、ツルツルしたマイナの手のひらがやけに気持ちよい。
「ふむ、ならば問題はないな」
カナデは納得すると、恥ずかしそうにちょこんと手を伸ばしてきた。
「すまないが、モンスターに飛ばされた時の傷がまだ癒えなくてな。薬草では気休めにしかならんし、その私も女だ。いつまでも傷をつけたままというのもだな」
「分かった、やってみるよ」
俺はゆっくりと体を起こすと、右手を前に出して集中する。
「ヒール」
白い光が手のひらから発せられ、カナデの体全体を包み込んだ。
「おぉ……手の痛みが軽くなっていく」
「そうか、良かった」
「すまないな、こんなことをさせて」
順調にみえたが突然カナデが苦しみだした。
「くぅ……! ダメだ……! まだ痛い……」
「おい! 大丈夫か!」
苦しそうな表情を浮かべる彼女に、俺は慌てて駆け寄ると肩を抱き寄せて顔を覗きこむ。
「はぁ……はぁ……だめかも……体が熱い……」
まさか魔力が強すぎるのか? 一般的な魔力量を持ったヒーラーにしか直せないということだろうか。
俺が魔力放出をやめるとカナデは落ち着きを取り戻した。
これはヒーラーを探さないといけないな。でも田舎のカナイにヒーラーはいるのだろうか。
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