2 / 10
2
しおりを挟む
美桜はいつも笑顔の明るい女の子だ。よく笑い、よくしゃべる子で、男女問わず人気がある。名前の通り、美しい桜のような笑顔に、俺はいつもドキドキさせられていた。
自分の恋心に気づいたのは1年生の夏休み頃だったか。美桜を含め、数人のグループで海に遊びに行ったとき、男の間で誰が可愛いと思うか、の評論会を繰り広げていた。
「大樹は誰が1番いいと思う?やっぱ美桜ちゃん?」
言い出しっぺの友人が、にやにやしながら俺にそう言ってきた。確かにそうなんだが、こう即答で俺の選択を決めつけるのもどうかと思う。
「まぁ、そうだな。一番最初に仲良くなったってのもあるし」
「お前、ずっと美桜のこと見てるもんな。ぶっちゃけ好きだろ、美桜ちゃんのこと」
「なんでそうなるんだよ。美桜はいい子だとは思ってるが、そんな感情はねぇよ」
そう言いながらも、俺の中で、別の俺が脳内に問いかける。本当にそうか?と。
もし、彼女に告白されたらどうするだろうか。答えはもちろん、OKだ。きっと即答すると思う。じゃあもし、別のあの子に告白されたら?それは多分....断るかもしれない。だったら、この感情は、美桜に対するこの感情はなんなのか........。
「いやいや大樹、それはさすがに無理があるぞ?」
悶々とした俺の中の自問自答を、別の友人がやぶった。
「無理がある?どういう事だよ」
「いやだって、お前美桜ちゃんのこと見すぎだからな?俺たちと話しながら、視界に美桜ちゃん入った瞬間、お前ずっとそっちみてんじゃん」
その友人の発言に、周りがそーだそーだとはやし立てる。
「は........?マジで?」
「うーわ、こいつ自覚ねぇぞ」
「あぁ、全然自覚、ねぇわ.........」
「ま、つまりはそういうことだ。認めろよ、美桜ちゃんが好きだってさ!」
そんなやり取りがあって、俺は今一度美桜に対する気持ちを整理してみた。結果、俺は美桜が好きなんだ、とはっきり自覚したのであった。
それから約半年間、俺は美桜への想いを秘めながらも、彼女へそれとなくアピールしてきた。
大勢で遊びに行くときや、飲み会では、できる限り美桜の隣をキープしたし、連絡もこまめにとって、お互いの事をもっと知れるようたくさんの話をした。
そして2年生になる前の3月。俺は美桜に告白した。桜が咲き始めていたのを覚えている。
「うんっ!大樹、私を好きになってくれてありがとう!私も大樹のこと、大好きだよ!これから、恋人として、よろしくね!」
まだ花びらが散るには早い桜の木の下で、満開の桜のような笑顔で美桜はそう言ってくれた。
幸せいっぱいの、素敵な笑顔だった。
自分の恋心に気づいたのは1年生の夏休み頃だったか。美桜を含め、数人のグループで海に遊びに行ったとき、男の間で誰が可愛いと思うか、の評論会を繰り広げていた。
「大樹は誰が1番いいと思う?やっぱ美桜ちゃん?」
言い出しっぺの友人が、にやにやしながら俺にそう言ってきた。確かにそうなんだが、こう即答で俺の選択を決めつけるのもどうかと思う。
「まぁ、そうだな。一番最初に仲良くなったってのもあるし」
「お前、ずっと美桜のこと見てるもんな。ぶっちゃけ好きだろ、美桜ちゃんのこと」
「なんでそうなるんだよ。美桜はいい子だとは思ってるが、そんな感情はねぇよ」
そう言いながらも、俺の中で、別の俺が脳内に問いかける。本当にそうか?と。
もし、彼女に告白されたらどうするだろうか。答えはもちろん、OKだ。きっと即答すると思う。じゃあもし、別のあの子に告白されたら?それは多分....断るかもしれない。だったら、この感情は、美桜に対するこの感情はなんなのか........。
「いやいや大樹、それはさすがに無理があるぞ?」
悶々とした俺の中の自問自答を、別の友人がやぶった。
「無理がある?どういう事だよ」
「いやだって、お前美桜ちゃんのこと見すぎだからな?俺たちと話しながら、視界に美桜ちゃん入った瞬間、お前ずっとそっちみてんじゃん」
その友人の発言に、周りがそーだそーだとはやし立てる。
「は........?マジで?」
「うーわ、こいつ自覚ねぇぞ」
「あぁ、全然自覚、ねぇわ.........」
「ま、つまりはそういうことだ。認めろよ、美桜ちゃんが好きだってさ!」
そんなやり取りがあって、俺は今一度美桜に対する気持ちを整理してみた。結果、俺は美桜が好きなんだ、とはっきり自覚したのであった。
それから約半年間、俺は美桜への想いを秘めながらも、彼女へそれとなくアピールしてきた。
大勢で遊びに行くときや、飲み会では、できる限り美桜の隣をキープしたし、連絡もこまめにとって、お互いの事をもっと知れるようたくさんの話をした。
そして2年生になる前の3月。俺は美桜に告白した。桜が咲き始めていたのを覚えている。
「うんっ!大樹、私を好きになってくれてありがとう!私も大樹のこと、大好きだよ!これから、恋人として、よろしくね!」
まだ花びらが散るには早い桜の木の下で、満開の桜のような笑顔で美桜はそう言ってくれた。
幸せいっぱいの、素敵な笑顔だった。
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる