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8   〜マルセリナ視点〜

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ついに追放できた。
あんな腐れ貴族を王子から離せた。今日からあたしは貴族よ!(注・聖女になると、貴族位がもらえます。by作者)
もちろん仕事がたくさんあるのは分かっているけれど、あの女ができたのだからあたしにだってできるはずだわ。というか、神殿で働く者たちにさせるのが一番だもの。あたしがする必要ないわ。そうだ、ベニートが貴族街の店に連れて行ってくれると言っていたから準備しなきゃね。

「マルセリナ様、お待ち下さい!聖典を得なければ、聖女式が終わっていないので正式な聖女として認められません!」
はぁ?いきなり、わたしに声をかけてくるとか何様のつもり?
「うっさいバーカ!あたしは生まれつきの聖女なのよ!聖典なんてなくてもできるわ!」
「しかし、業務もできませんから、、、」
そんなとこに、ベニートがやって来た。良いこと考えた。
「ベニートぉ。コイツ、あたしに命令してきたんですぅ!理解できないわ。つーか、聖典って何?」
あたしはそんな事聞いたことがない。
「マルセリナ。ブリセイダに教えるよう頼んでおいたはずなのに、何故知らないのか?ああ、アイツがわざと教えなかったのか。それはアイツが悪い。けど、聖典って言ったか?そんなん聞いたことないぞ!」
またあの女?愛想がバカみたいに悪かったあの女?信じらんない!
あたしを平民だからって蔑むのは良くないわ!ベニートに殺してもらえばよかったのにぃ。

「マルセリナ様、本日は城下の見回りです。外出用の服に着替えますので、一度部屋へ戻りましょう。」
質素な昼食を食べた後、あたしは神殿での侍女としてつけられたこの女に言われた。
そこまでは、あたしが寛大だから許してあげられる。そこまでは、ね。
けど、この女が差し出してきたのは質素どころかこれが服なのかと思うくらいの飾り気のない服。
、、、この聖女様のあたしにこんなものを着させるなんて!
マルセリナが平民だった頃は、もちろんこれかそれ以下の服を着ていたが、そんなことをとっくに忘れているらしい。
「着ないわよ!せめてサテンかシルクの生地の服にして!」
「それは我儘です。ブリセイダ様は貴族ですが、このような服でも全く文句を言われませんでした。マルセリナ様にもこれが着られるはずです。」
あの女、ここでも出てきやがった!全く!
「そんなの知らないわ!あの女はあの女、あたしはあたしよ!平民なんかに指図されてたまりますか!」
「わたくしはエステベス伯爵家出身ですが?」
「知らないわよ!少なくとも今のあんたはあたしに従う侍女でしょう?主の言うことに逆らう侍女なんていらないわ!」

それから無能なこの侍女に城下へ連れ出された。
臭くて汚くて、体に汚れがついちゃう。こんなのおかしい。
どうせ、あの女は公爵家出身だから実家の地位を使って功績を作っているだけなんだもの。実際にやってなんかいないわ。さ、今日は他国の方がいらっしゃる夜会があるらしいから前に買ってもらったドレスを着て、準備しなきゃ。

✁✂✃✄はさみハサミ鋏ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブリセイダはちゃんと仕事してます。ついでに、この聖典は後から出てきます。(たぶん)
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