16 / 17
この度、お披露目会に行くことになりました。①
しおりを挟む
「さて、ここで少し重苦しい話をしよう。先月の星の月に、トライメラー関連の大事件が起きた。その中で多くの貴族が捕らえられ、爵位剥奪など様々な刑を受けたことは知っていると思う。今ここにいない者は、そうなったと考えてもらって結構だ。」
秋の中頃、暑さも和らぎ少し寒くなって来た今日に、月一度の夜会と合わせ私のお披露目が行われる事となった。
それまでの日々は、おじゃま虫大公がいなくなったので楽になると考えていた。
しかし、そうではなかった。
城にもらえることになった私の部屋の準備のために、家具系の商会のフリーデル商会や、美術品系商会のブルーメ=ガルバー商会などいくつもの商会に行き、時には呼んだ。その合間に王の養女としての作法を学ばされて、メイドなどを斡旋してくれる商会を呼んで探し、騎士会から護衛を担ってくれる人を探す。無論、領地の執務もする。
正直、無能大公がいた頃とはまた違って大変だった。効力は高いけれど、恐ろしく苦い体力回復ポーションをがぶ飲みした。
今話しているのは、私の叔父にしてこの国の最高権力者の王、ベルンハルトだ。
私を養女にする為の建前を話している。
「その中で、ユング大公代理も捕らえられた。」
会場がざわついた。
「そうだ。そしてその娘で、本来のユング大公、それから私の姪で王女でもあるクラウディアを、この国の利益となるであろうと考えた私は彼女を養女として引き取り、正式に王族として迎え入れることとした。そして、私が後見人となる。クラウディアは実の父親から暴力を振るわれていた。聞くに堪えない方法でな。しかし、その中でもめげずにいた。この忍耐の心は、実に素晴らしい。」
前から思っていたが、この王の話はどれも素晴らしく聞こえてくるのである。どこの人間のこと?と聞きたいほど口達者だ。普段はあんななのに。
「クラウディア、上がれ。」
こう言われたら、舞台のすぐ近くのわたしの席から階段を上がり舞台へ行くように言われている。
「皆様。この度王の養女になることが決定いたしました、ユング大公改めシュヴィアース大公のクラウディア・ヴィルヘミーナ・パトリアッツィ・グローセッソ・シュヴィアース・ケーニッヒリ・トータ・ニヒテ・マルレーンです。国の利益となるよう、上に立つものとしてふさわしい振る舞いを身に着け、公務に臨んでいきます。」
このお披露目会で、一番大変だったのは正式名称が長すぎる自分の名前を覚えることだった。通称でもクラウディア・パトリアッツィ・グローセッソ・シュヴィアースだから、長い。とにかく長い。
「だそうだ。ではこれより、王族としての登録を行う。」
すると、ベルンハルトは大きな本を開いた。何をするのかと見ていたら、私の名前が書いてあるページを開いた。
そして、そのページに白の四角の何かを押し当てた。
「、、、、!」
キリトリキリトリ✁ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クラウディアの名前は馬鹿長かったです。本人も驚き。
正式名称で私が考えていたのは、シュヴィアース大公家の当主、王族の娘で王の姪のマルレーン、クラウディア・ヴィルへミーナです。
名前のマルレーンは、王から見て姪の立場にある人の襲名だと思ってください。
秋の中頃、暑さも和らぎ少し寒くなって来た今日に、月一度の夜会と合わせ私のお披露目が行われる事となった。
それまでの日々は、おじゃま虫大公がいなくなったので楽になると考えていた。
しかし、そうではなかった。
城にもらえることになった私の部屋の準備のために、家具系の商会のフリーデル商会や、美術品系商会のブルーメ=ガルバー商会などいくつもの商会に行き、時には呼んだ。その合間に王の養女としての作法を学ばされて、メイドなどを斡旋してくれる商会を呼んで探し、騎士会から護衛を担ってくれる人を探す。無論、領地の執務もする。
正直、無能大公がいた頃とはまた違って大変だった。効力は高いけれど、恐ろしく苦い体力回復ポーションをがぶ飲みした。
今話しているのは、私の叔父にしてこの国の最高権力者の王、ベルンハルトだ。
私を養女にする為の建前を話している。
「その中で、ユング大公代理も捕らえられた。」
会場がざわついた。
「そうだ。そしてその娘で、本来のユング大公、それから私の姪で王女でもあるクラウディアを、この国の利益となるであろうと考えた私は彼女を養女として引き取り、正式に王族として迎え入れることとした。そして、私が後見人となる。クラウディアは実の父親から暴力を振るわれていた。聞くに堪えない方法でな。しかし、その中でもめげずにいた。この忍耐の心は、実に素晴らしい。」
前から思っていたが、この王の話はどれも素晴らしく聞こえてくるのである。どこの人間のこと?と聞きたいほど口達者だ。普段はあんななのに。
「クラウディア、上がれ。」
こう言われたら、舞台のすぐ近くのわたしの席から階段を上がり舞台へ行くように言われている。
「皆様。この度王の養女になることが決定いたしました、ユング大公改めシュヴィアース大公のクラウディア・ヴィルヘミーナ・パトリアッツィ・グローセッソ・シュヴィアース・ケーニッヒリ・トータ・ニヒテ・マルレーンです。国の利益となるよう、上に立つものとしてふさわしい振る舞いを身に着け、公務に臨んでいきます。」
このお披露目会で、一番大変だったのは正式名称が長すぎる自分の名前を覚えることだった。通称でもクラウディア・パトリアッツィ・グローセッソ・シュヴィアースだから、長い。とにかく長い。
「だそうだ。ではこれより、王族としての登録を行う。」
すると、ベルンハルトは大きな本を開いた。何をするのかと見ていたら、私の名前が書いてあるページを開いた。
そして、そのページに白の四角の何かを押し当てた。
「、、、、!」
キリトリキリトリ✁ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クラウディアの名前は馬鹿長かったです。本人も驚き。
正式名称で私が考えていたのは、シュヴィアース大公家の当主、王族の娘で王の姪のマルレーン、クラウディア・ヴィルへミーナです。
名前のマルレーンは、王から見て姪の立場にある人の襲名だと思ってください。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
平凡なピピルと氷雪の王子の四年間
碧りいな
恋愛
ピピルは15歳だった一年前、自分が転生した事に気が付いた。しかも前世の記憶では母親よりも歳上の良いお年。今生は長めの人生経験を活用し地道に堅実に安定した人生を送ろうと計画するが、訳もわからぬまま王子の側室候補になってしまう。
見た目よりも多めの経験値と割り切りと要領の良さで順調にやり過ごして行くけれど、肝心の王子に放置され続けて早一年。社交界デビューを卒無くこなしたピピルは怒りを含んだ冷たい視線を感じる。その視線の主こそが……
小説家になろう様でも投稿させて頂いています。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【完結】SS級の冒険者の私は身分を隠してのんびり過ごします
稲垣桜
恋愛
エリザベス・ファロンは黎明の羅針盤(アウローラコンパス)と呼ばれる伝説のパーティの一員だった。
メンバーはすべてS級以上の実力者で、もちろんエリザベスもSS級。災害級の事案に対応できる数少ないパーティだったが、結成してわずか2年足らずでその活動は休眠となり「解散したのでは?」と人は色々な噂をしたが、今では国内散り散りでそれぞれ自由に行動しているらしい。
エリザベスは名前をリサ・ファローと名乗り、姿も変え一般冒険者として田舎の町ガレーヌで暮らしている。
その町のギルマスのグレンはリサの正体を知る数少ない人物で、その彼からラリー・ブレイクと名乗る人物からの依頼を受けるように告げられる。
それは彼女の人生を大きく変えるものだとは知らずに。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義なところもあります。
※えっ?というところは軽くスルーしていただけると嬉しいです。
断罪シーンを自分の夢だと思った悪役令嬢はヒロインに成り代わるべく画策する。
メカ喜楽直人
恋愛
さっきまでやってた18禁乙女ゲームの断罪シーンを夢に見てるっぽい?
「アルテシア・シンクレア公爵令嬢、私はお前との婚約を破棄する。このまま修道院に向かい、これまで自分がやってきた行いを深く考え、その罪を贖う一生を終えるがいい!」
冷たい床に顔を押し付けられた屈辱と、両肩を押さえつけられた痛み。
そして、ちらりと顔を上げれば金髪碧眼のザ王子様なキンキラ衣装を身に着けたイケメンが、聞き覚えのある名前を呼んで、婚約破棄を告げているところだった。
自分が夢の中で悪役令嬢になっていることに気が付いた私は、逆ハーに成功したらしい愛され系ヒロインに対抗して自分がヒロインポジを奪い取るべく行動を開始した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる