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この度、王様と面会することになりました。理由はこの世で一番ヤバい自称大公断罪です。②

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私は、家に一度戻る時にジルヴィアにの部屋へ行っていくつものデータを取ってきてほしいとお願いしていた。
トライメラーかどうか分かる薬、トライメラーの匂いを判定する魔術具など様々なものを用意し、ついでに現物も持ってきてくれたようだ。有り難い。
「はい。これがトライメラー芳香調査の資料、こちらがトライメラーの薬液調査の結果、あれが父の部屋にあった資料ですよ。関係あるかは分かりませんが。けれど、こちらを見てください。」
私は、そう言ってある資料のページを指差す。
そこには、日付とヴァイトで表される重さの単位、それと名前が書いてあった。男爵家や子爵家ばかりだけではない。伯爵家や侯爵家の人の名前も書いてあった。最近のものも少なくない。そう少なくは無く、1ページに五人ほどの名前が乗っていて、それが10ページほどある。そのことを、私は説明した。
「そうですね。ここ一週間の分の名前の書いてある家に調査に行くのが一番でしょう。」
「分かった。トライメラーの調査のための文官を数人集めよう。今日中に、、、シュタウフェンベルク伯爵家、およびシェテッパン子爵家に調査に向かわせる。それで良いか?証拠が出てき次第、また呼ぼう。」
「了解いたしました、陛下。私はこれで。」
この人の執務室に来たら、なるべく早く逃げなければいけない。
なぜなら、仕事を割り振られるからである。
「ちょっと待て、、、、」
「いえ、私も急いでいますので。」
ふう、

ジルヴィアはあの王と話があるそうなので、私は外で待っていることになった。
すると、だ。
「クラウディア、久しぶりだな。、、、で、挨拶はしないのか?いくら大公だったとしてもお前は俺より下なのだから、自分から挨拶くらいしろ。」
「ルードルフ、どうなさったのです?」
「なっ、、、お前ごときが俺の名を呼び捨てにするな!」
目の前にいるのは、第三王子のルードルフ。王は私の結婚相手としたいそうだが、私は断固拒否だ。しかし、何故かすでに婚約式が行われているようだ。私としては手っ取り早く婚約破棄したい。
その理由は、まずこの王子は自分が上だと思っていることである。
本来、同じ王女・王子の中であれば何番目の子なのかであっても平等だ。ついでに、私もその王女の端くれではある。
しかし、この王子は側近が甘やかしすぎたのか何なのか、正直言ってあのと同じくらいの頭のレベルである。
おまけに、私に愚痴しか持ち込んでこない。「クラウディア、お前は俺の婚約者なのだから俺に合う服装をしろ」と言われて少し派手目の服にしたら、「クラウディア、主役は俺だからお前は着飾るな。壁の花に徹しろ。でしゃばるな。」と言ってくる。、とぜひとも聞いてみたいものである。
「クラウディア、お前は返事もしないのか。全く、一国の王女の品位も地に落ちたものだな。少しは話くらいしろ。」
あ、そうですか?良いんですね?
「そうですか。私が自由に話しても良い、と言うのですね?」
「言っただろう。耳も悪いのか?」
最後の言葉は無視。
「なら話しますわ。ところでルードルフ、貴方は王を目指すのですね?であればもう少し王位継承などについての部分の勉強が必要ですよ。私より年上のルードルフなら、私より早くその部分の勉強を終わらせられるでしょうね。羨ましいことですわ。ルードルフも、成人の折には領地を得るのでしょうから私と同じように経営学なども学ばなければいけませんから、頑張ってくださいな。兄として、婚約相手として、私より優秀であることが求められるのですから、身の丈に合った方と婚約してくださいね。それでは。」
丁度ジルヴィアが話を終えたようなので、話を切り上げた。
その私に、ルードルフのつぶやきが聞こえた。
「お前は話さなくていい、、、」
「あら、ルードルフ。貴方は前に、『前言撤回など恥ずかしくないのか!』と私に言っていましたよね?では、そう言った自分はどうなのか考えてみてくださいませ。」
私の返しに、ルードルフは頭を抱えた。
私は何食わぬ顔で、ドアの向こうから戻ってきたジルヴィアと共にルードルフの前を通り過ぎた。
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