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第五章

第156話 日本最強のエクソシスト

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 今から七年前、魔界最強種族たる魔王族の青年が腕試しと称して不法にゲートを通り人間界へ渡った。
 その際にたった一人でそれを討伐したのが、当時弱冠十七歳にして日本最強のエクソシストと称された八剱大和であった。
 尤もそれは魔王族出現の一件に関する全ての手柄を討魔会が得て協会には一切の手柄を渡してはならないという、討魔会上層部の命令による結果という部分が大きい。
 討魔会のエクソシスト達は個人の考えはどうあれ組織の一員としてこの命令に従い、魔王族討伐に向かう協会のエクソシストを全力で邪魔したのである。
 業界からの反応はといえば、結果論として足手纏いや犠牲者を出すことなくこの事態を終わらせることができたという意見もあれば、複数人で戦っていればもっと楽に終わらせられていたという意見もある。
 たった一つの事実は、大和は満身創痍になりながら誰の助けも得ることなくたった一人で大激戦の末に魔王族の青年を討ったこと。ただそれだけだ。

 ルシファーと大和の交戦は、その一年後のことであった。
 日本に巣食う最強最悪の淫魔“寝取りのルシファー”討伐命令が、大和に下されたのである。
 高校卒業と共に日本を離れ海外の魔族と戦うことを決めていた大和にとって、それは日本在住中の最後の任務であった。
 その圧倒的な力と技を以ってルシファーを追い詰めた大和。しかしあと一歩のところでルシファーの逃亡を許してしまい、最後の任務が歯切れの悪い結果に終わったまま大和は日本を去ることになったのである。

 海外での大和は、エクソシスト協会本部のあるバチカンを拠点に世界各国の強大な魔族を討つ八面六臂の活躍をしていた。
 だが今日に至るまでの六年間一度も日本に帰ることはなく、それ故にルシファーも今回の彼の出現には相当驚かされていたのである。



「俺はもう二度と会いたくなかったよ、八剱大和。六年前の不始末を今になって取り戻しに来たか? 或いは……」

 ルシファーが視線を鉄二に向ける。
 鉄二自身が言っていた。人類を裏切った自分にどんな報復が待っているかと。
 大和は討魔会で鉄二は協会日本支部、属する組織は違うが、現在の大和は実質協会本部の所属に近い立場でもある。彼が始末しに来た対象は鉄二である可能性も大いにあるのだ。
 鉄二が背筋に酷く寒いものを感じたのは言うまでもない。

 ここにいるエクソシスト達は、誰も大和と直接の面識はない。鉄二は大和と同い年だが別の組織の所属であるし、同じ組織の義郎も入隊したのは大和が日本を離れた後だ。
 だからこそこの伝説的なエクソシストの突然の出現に、ただ戸惑うばかりの様相を見せていた。

「あの、八剱大和さん、ですよね。それが一体どうしてここに……」
「君は討魔会の隊員だね。とりあえず……そちらの彼女に服を着せてやってくれないか」

 義郎が尋ねると、大和は質問に答えることはなく全裸の聖奈から目を逸らすようにして言った。

「ルシファー、彼女の服はお前が預かっているのだろう?」
「ああ、今返そう」

 大和に訊かれたルシファーは素直に従い、聖奈とミランダから奪った服と、ついでにエクソシスト三名の聖剣を本人の前に出現させた。聖奈は義郎の背中に隠れるようにして、慌てて服を着始めた。
 見たい気持ちを堪えて、義郎は背後から聞こえる衣擦れの音に悶々とさせられる。
 すると無言でいるのが気まずかったのか、聖奈の方から小声で話しかけてきた。

「えっと、斑鳩君」
「何だ」
「今聞くようなことじゃないかもしれないけど……私のこと、どう思ってるの?」
「んだよ藪から棒に」
「だって……気になっちゃって」
「負けたことは別に気にしちゃいねーよ。それにあの八剱さんも来てくれたんだ、あの人に任せておけばここからの脱出くらいどうとでも……」
「そうじゃなくって! 異性としてどうかな、と……」

 そう言われた途端、義郎は黙りこくってしまった。大変エロい体でしたとは、たとえ思っても口には出せない。

「斑鳩君?」
「あー……裸を見たことへの責任は、とるつもりだ」
「そういう義務感で好いてくれるのなら、別にいらない」
「すまん。こういうの慣れてねーんだ。お前のことは……綺麗だと思ってる。高校ん時から思ってた。お前が協会のエクソシストになったって知った時は正直ショックだったよ」
「私は高校の時から……悪霊に助けられた時から、斑鳩君のことが気になってた。組織同士の対立もあって暫く忘れてたけど、こうして昔と変わらない斑鳩君と再会して、やっぱり今も好きなんだって思った」
「……そうか」

 義郎は返事を濁した。日本でエクソシストの職務に従事する者にとって、組織同士の対立というのはそれほどにまで大きな影響を与えているのだ。
 ここで聖奈が服を着終えて、会話は打ち切られた。身なりを整えた聖奈は義郎の背後から姿を現すが、顔の赤みはまだ引いていない。

「えーと……八剱さん。先程はお見苦しいものをお見せしてすみません……」
「ああ、いや、こちらこそ失礼。お気になさらず」

 大和はルシファーへの警戒を解かぬまま、視線をミランダの方に向けた。こちらも服を着終えたようである。
 ミランダは怯えた表情で、鉄二の腕をぎゅっと抱き寄せた。

(ミラちゃんが怖がってる……だが相手は日本最強の八剱大和だ。俺の力ではミラちゃんを守ることなんて、とても……)
「エクソシストとサキュバスが愛し合う、か」
「ま、待ってくれ! ミラちゃんはもう人を襲っていないんだ!」
「そうなのか?」

 鉄二が苦し紛れに懇願すると、大和はその正誤をルシファーに尋ねた。ルシファーの眼には、他者の性交履歴が視えるのである。

「ああ、彼の言っていることは本当だ。その淫魔ミランダは三年前から現在に至るまで、そこにいるエクソシストの石崎鉄二としか性行為をしていない」
「そうか」

 大和は一言だけ言うと、自分のポケットに手を入れて何かを取り出した。鉄二の警戒心が最大限に高まる。
 それは紙とペンであった。だがまだ油断はできない。討魔会のエクソシストである大和は神道由来の術式を備えた呪符を扱うこともできる。
 大和はそのメモ用紙にペンで何かを書くと、それを鉄二に手渡した。

「君達は俺と一緒にバチカンに来るといい。君達と同じように異種族間で愛し合う人間と魔族が、エクソシスト協会本部の保護の下でその気持ちを尊重され暮らしている」
「え……」
「人間と淫魔が愛し合うのはたまにあることだ。かつての協会は改心しようが人を愛そうが問答無用で淫魔を斬っていたが、今はそうじゃない」
「そんな話、一度も……」
「日本支部の上役が末端の隊員に伝えていないのだろう。あそこはそういうことをする組織だ」

 大和は一応なりにも討魔会の所属である。協会日本支部に悪印象を持っているのも無理はない。と、誰もが思った。しかし大和は続ける。

「それについては討魔会も同じだ。あそこは日本支部以上に悪質な連中が上でふんぞり返ってる」

 自分の属する組織を、それ以上に誹った。思いもよらない発言に、エクソシスト一同は唖然。

「そちらの君達も、組織同士のしがらみが原因で困っているのなら俺と来るといい」

 義郎と聖奈は顔を見合わせると、頷いて大和の方に歩み寄った。
 この状況に何より唖然としていたのはリリムである。

「何なのあの人。突然出てきて勝手に仕切り出したよ」
「まあ、だがあの男に嘘をついている様子は見られない。やっていることも俺の希望と一致しているようだ」

 そう言うとルシファーは、翼を広げて飛び立ち大和の横に降りた。

「どちらのペアもカップル成立ということで宜しいかな?」

 そう尋ねると、四人は少し間を置いた後互いにパートナーと顔を見合わせて意思の合致を確認。そして改めてルシファーの方を向き、頷いた。

「では諸君らに、天使の加護を。これはエクソシストの業務でも役立つだろう」

 いつもの流れで四人の下腹部にルシファーの紋章を刻み眷属とした。大和がこれに反対してくる可能性も危惧していたが、特に何かしてくる様子は見られなかった。

「さて、八剱大和。キューピッド活動の手伝いご苦労だった。それで、お前がここに来た本当の目的はそれではあるまい」
「ああ。まずそもそも俺が帰国した理由は、既に人間界を去ったとされていた強大な淫魔、触手王ヴェゾットが日本に現れたという知らせを受けてのことだった。討魔会上役連中の言いなりになるのは癪だが、祖国の危機とあってはな」
「ヴェゾットならこの前俺がぶち殺したぞ」
「それについては感謝する。俺も既に奴が何者かに斃されている可能性は考えていた。それで今日の話だが、ヴェゾットの魔力の残照を追ってこの付近に来た際に淫魔領域が展開された反応をキャッチしてな。それでここに侵入してみれば、噂に聞いた通りあのルシファーがキューピッド活動をしていた、というわけだ」
「お前は俺がキューピッドになったという話を手放しに信じるのだな」
「疑っていないわけではないさ。現にこうしてお前を警戒している。だが個人的な本音を言うならば、お前は本当に改心し人類のために活動しているのだと信じたいと思っている」
「……そうか。まあそれは俺にとっては都合の良い話だが」

 とりあえずは味方だ。だが完全には信用できない。ルシファーから見た大和はそういう認識であり、大和から見たルシファーもおおよそそれに当たるだろう。

「それにしても、随分と印象が変わったものだ。あの血気盛んで好戦的な若者がこうも落ち着くとはな」

 ルシファーと戦った当時の大和は、ルシファーが黒羽崇として受け持つ生徒達に近い年齢だった。自分の生徒達がこのように成長した姿を見る日もいつか来るのだろうかと、つい考えてしまう。

「海外で色々あったんだ。色々な人間や魔族と出会い、自分の視野がいかに狭かったかを思い知らされた」
「……その話、聞かせてはもらえないか。お前のスカウトしたエクソシスト達に聞かせることも兼ねてな」
「ああ、構わないさ。元より機会があれば彼らにも聞いて欲しいと思っていた。俺が向こうで受け持ってきた任務の多くは、淫魔以外の魔族――サタン四世の時代に人間界に来て、そのまま魔界に帰ることなく留まっていた強大な魔族の討伐だった。だが彼らの中には人間に危害を加えることなく、人間界で平穏に暮らすことを望んでいた者もいたのだ。最初にそのような魔族と相対した時、俺は有無を言わさず斬り殺した。だが心の中には酷くもやがかかり、後味の悪さを感じたんだ」

 鉄二とミランダは顔を見合わせる。ミランダ自身もまた、大和の言うような人間に危害を加えることなく人間界で平穏に暮らすことを望む魔族そのものだ。

「そしてもう一人同じような魔族に出会った俺は、何年もかけて彼を調査した。その過程で彼と交流をしていき、魔族は全て斬らねばならないという考えを改めるに至ったんだ。そして、これまであまりにも多くの魔族を何の気なしに斬り殺してきた自分を許せなくなった」
(似ているな……俺と)

 ルシファーは思った。自分もまた人間から愛の概念を教えられ、己を嫌悪して考えを改めた身だ。彼もまた同じような経緯を辿って、今の価値観に辿り着いたのだろうと。

「だが今なお多くの魔族が人間に害なす存在である以上、俺はそれらを斬らねばならない。ルシファー、お前のような積極的に人間と友好関係になろうとする魔族が増えることを、俺は望んでいる」
「……そうだな。そうなればいいと、俺も思っているよ」

 そう言いながらルシファーが大和の顔をじっと見つめていると、大和は目を細め少々不快そうな顔をした。

「ルシファー……何を視て、何を読んでいる?」
「いやすまない、自然と視えてしまうのでな。八剱大和、君は海外の女性とのロマンスは微塵も無かったと見えるな」
「……下世話な話だな」

 大和のルックスはルシファーとも戦えるレベルであり、女性の方から寄ってきて然るべき傑物だ。にも拘らず、この大和という男はまさかの童貞であった。

「そういえば、六年前に戦った時に心配そうにお前の側にいたあの少女。今はあちらの平沢聖奈と同じくらいの歳になっているか。彼女との進展も無かったのか?」
「……ずっと日本に帰っていなかったからな。まあ連絡は取り合っていたが……」

 あまり話したくない様子が、少し荒げた声色から伝わった。
 だが程なくして、そこから一転して大和は真剣な眼差しでルシファーと目を合わせてきた。

「ルシファー、あの日お前は飛鳥あすかに手を出さなかった。そうすることによって俺の心を乱す手段が使えたにも拘らずだ」
「何、子供に手を出す趣味が無かっただけだ。あれが成人だったならばそうしていたかもしれなかったがな」
「……まったく、淫魔を本気で恐ろしいと思ったのはあの日のお前が初めてだよ」
「俺はエクソシストを本気で恐ろしいと思ったのはお前で九十五人目だ」
「意外と多いな」
「まあ、長く生きているからな」

 ルシファーと大和は、つい笑みがこぼれた。圧倒的な力を有する絶対者同士、こうして平和に軽口を言い合えることが無性に可笑しくなったのだ。

「どうだ八剱大和、その飛鳥という女性と共に、脱衣ゲームに参加するつもりはないか」
「断る。飛鳥をそんなもの参加させられるわけがないだろう。それに俺は、飛鳥とそういう関係になるつもりはない」
「ほう」

 ルシファーは意外そうに首を傾げた。

「飛鳥は討魔会を統べる総督の孫だ。あの老害は自分の血筋に俺の血を入れようとしている。あいつの利のための政略結婚に使われるなんざ、まっぴらごめんなんだよ」
「一個人としては、その飛鳥という女性のことを憎からず想っているのだろう?」

 大和は答えなかった。だがルシファーは知っている。六年前のあの日、大和はあの場にいた飛鳥という少女のことを、総督の孫としてではなく一個人として特別大切に思っている様子が見て取れたのだ。

「まあ、お前にその気がないなら無理強いはしないさ」
「他の人にはあんなこと言っといて、自分が一番組織のしがらみに縛られてんじゃん」

 ぼそっとリリムが本質を突いたことを言うと、ルシファーは立てた人差し指を口元に当てて黙っとけのジェスチャー。

「では八剱大和、今回の参加者四人はお前に任せていいな」
「ああ、俺が責任を持って預かろう」

 大和に目配せをされた四人の参加者は、大和の周りに集まった。
 大和は改めてルシファーと目線を合わせ、右手を差し出した。

「ルシファー、俺は人に危害を加える魔族には容赦しない。俺とお前が再び刃を交える日が来ないことを願っているよ」
「ああ、まったくだ」

 固い握手を交わした後、大和はルシファーに背を向けて数歩前進。太刀筋が見えぬ程の速度で剣道場の壁に切れ目を入れると、そこを通って四人の参加者と共に堂々と領域から脱出していった。
 ルシファーは緊張が解けたように、身に纏っていた魔力を体内に戻した。瞬間、身体からどっと汗が噴き出す。

「先生?」

 不安げに見上げるリリムに、ルシファーは笑顔を向ける。

「俺達も帰ろうか、リリム。少なくとも現状、八剱大和は敵ではない」

 ルシファーは自分の右掌に目線を向ける。そこには折り畳まれた一枚のメモ用紙が残されていた。先程の握手の際に手渡されたものだ。

(あえてこのような形で伝えねばならないメッセージ……か。厄介事を持ち込んでくれたものだな)
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