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第五章
第145話 例のプールで石拾い・3
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水に潜った愛梨は優一のズボンのファスナーを下ろすと、慣れた手つきで竿を取り出し優しく握って手を上下させた。
どういう風にしてやれば優一が一番喜ぶかは、完璧に把握している。
今回は雑に十回しごけばそれで済むわけであるが、ちゃんと優一を気持ち良くさせてあげるよう丁寧な手コキを手癖でやってしまっていた。
対する隆二と千佳は、まっすぐ向かい合って見つめ合う。
慌てふためく千佳とは対照的に、隆二は真顔であった。
「よし、始めるぞ。かわいい、かわいい、かわいい、かわいいかわいいかわいい、かわいいかわいい、かわいい、かわいい。よし、終わり」
何の感情も籠めずに雑に十回言って、終わり。しかし千佳はそれでも嬉しいらしく、ぽーっと惚けた顔をして頭から湯気を発して固まっていた。
それこそブラが破れて消えても気付かないほどに。
同刻、手コキ十回を無事終えた愛梨も、ズボンが破れて消滅していた。フリルの付いた紫のショーツが露となった愛梨は水から顔を上げる。
「優くん、向こうも成功したみたい」
「あのデリカシー無い隆二だからな。ああいうのは余裕だろう。つか十回じゃ物足りね」
「帰ったら続きしたげるから」
愛梨は呆れて優一の額に軽くチョップを入れた。
「よし、とりあえずあと一回クリアすれば俺達の勝ちだ。気合い入れて行くぞ」
「おっけー」
一方の隆二と千佳。
「おい清水、目覚ませ。乳首見えてるぞ」
このままぼーっとしていればこちらの負けが確定する。まずは千佳をどうにかするのが先決である。
ぺったんこの胸も隠さず惚けている千佳の肩を掴んで揺さぶるが、悲しきかな胸が揺れる気配は無い。
隆二に直に身体に触れられた千佳は、びくんと身震いして我に返った。
「あっ、は、はい、先輩!」
千佳は慌てて潜って、すぐ下にあった緑の石を手に取った。
一緒に潜った隆二は、千佳が石に手を伸ばす際に胸の前から手がどけて乳首が丸見えになったのを見逃さなかった。
見てはいけないと思いつつも、ついつい視線が向いてしまう。悲しき男の性である。
目を逸らした先では、どういうわけか優一がこちらに向かって泳いでくる様子が見えた。
(兄貴? 愛梨が拾ったのと同じ石が向こうに無かったのか?)
優一の視線は隆二の足元、そこにある白い石へと向けられていた。
(こいつか。よし……)
優一の取ろうとしている石に気付いた隆二は、その石を手に取った。自分のと違う色のを拾ったことに千佳は首を傾げたが、すぐに隆二の意図は理解した。
隆二は白い石を持ったまま浮上するや、愛梨の右斜め方向にそれをぶん投げたのである。
(隆二め、これで時間稼ぎするつもりか)
弟にまんまと嵌められた優一は水中でUターンし、石の落ちた方へ泳いでいった。
その間に隆二は事前に目星を付けておいた緑の石をすぐさま拾い、千佳と共に浮上。
「よし、頼んだぞ清水」
「はい!」
潜った隆二の視線は、本人の意思に反して千佳の裸体に自然と向いた。
両手でカプセルを開けている千佳は手で裸体を隠すことができず、平たい胸とピンクの先っぽが丸見えだ。
隆二の下半身は、ギンギンにいきり立っていた。こんなぺたんこの幼児体型は全く好みではないと、そう認識していた。だけども事実身体は性的興奮を示していて、隆二の心を戸惑わせる。
見た目が幼げでも、一応なりにも二つしか歳の離れていない同年代の女子である。その裸体を見れば勃起するのは当然の反応であると、自分の中でどうにか納得する。
隆二が思っていたよりも早く、カプセルは開いた。この終盤に来て千佳も開封のコツを掴んだようだ。
もう暫く眺めていたい気持ちを堪えながら、隆二は水から顔を出した。
「清水、お題の内容は?」
隆二が千佳の顔を見ると、千佳は顔を引き攣らせて言葉に詰まっている様子。隆二は紙をつまんで取り上げ、自分も内容を確認。千佳の様子の理由を察した。
そのお題というのが『男性が女性のお尻に顔をうずめて五秒間匂いを嗅ぐ』というものであった。
「これは……まあ、しょうがねえ。清水、さっさとケツ出せ」
「嫌ですよ!」
「どの道このお題を達成できなきゃお前は全裸にされて俺らの負けだぞ!」
「それはわかってますけどぉ……」
千佳がまごついていると、痺れを切らした隆二が突然千佳の脇腹を両側から掴んだ。千佳が身を震わせてか細い悲鳴を上げたのは言うまでもない。
水に浮かんでいる千佳はあっさりと体を回転させられて隆二に背中を向ける格好となり、更にそのまま腰を引かれてお尻を突き出す姿勢にさせられた。
千佳の白パンツには、魚のバックプリントが付いていた。ただでさえ子供っぽい下着なのに、これが尚更にその印象を強めている。水に濡れて肌に貼り付いた布はお尻の割れ目に食い込んでいた。
「大丈夫だ。どうせプールの塩素の匂いしかしねーよ」
両手でお尻を掴んだ隆二は、そこまでする必要もないのにわざわざお尻を左右に広げた。そうして鼻先をお尻の割れ目の真ん中へと、近づける。
「あああああやっぱ無理ですーっ!!」
プールの天井に叫び声が響く。好きな人に肛門の匂いを嗅がれることに耐えかねた千佳は、その場でバタ足。そして千佳の踵は、隆二の鳩尾にクリーンヒットしたのである。
鈍い声を漏らしながら、プールに沈んでゆく隆二。流石にこれは、ルシファーが救出に入った。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」
「す、すいません先輩!!」
隆二がルシファーの肩を借りて引き上げられるのを見て、千佳は慌てて頭を下げて謝る。
「えー、こちらのお題は失敗となります。これにて三鷹隆二さん、清水千佳さんペアの敗北が決定致しました。ゲームは終了となります。参加者の皆さんはプールサイドに上がって下さい」
隆二をプールサイドに下ろしたルシファーは、残りの三人に向けてアナウンス。優一と愛梨は顔を見合わせると、優一が自分の身体で愛梨の下着姿を隠すようにしてプールから上がった。
一方で千佳だけは、掌で胸を覆ったまま動く様子がない。
「えー、プールから出てこない方は、私が魔法で強制的に移動させますが」
「えええ……ま、待ってください!」
そう言われてはやむを得ず、千佳はプールから上がった。胸を隠していてはプールサイドに手をつくことができず、またも平たい胸を隆二にバッチリと見られてしまった。
一方の愛梨は、優一の背中側から抱きつくようにして両手で優一の目を覆っていた。
「さて、それでは負けた清水さんには、最後の一枚を脱いで頂きましょう」
「え、あぅ……」
濡れて透けた白パン一丁でプールサイドに立たされる千佳は、涙目になっていた。両手で胸を隠しながら内股になって身をプルプルと震わせている。
「ちなみに脱がない場合は」
「わかってますよ! 魔法で脱がせるんでしょう!」
観念した千佳は隆二に背を向けると、両手でショーツを掴んで一気に下ろした。競泳水着の形に沿って日焼け跡の付いた可愛いお尻が丸見えとなる。
ショーツが消滅した後、千佳は右手で股間を、左腕で胸を隠しながらしゃがみ込んだ。
「うー……何でこんなことに……」
「はい、ではここで負けた清水先輩には罰ゲーム!」
すると千佳の前にリリムがやってきて、あざとくポーズをとりながらそう告げる。
この状況で罰ゲームと言われ、千佳の脳裏に浮かんだのはAVとかにありがちなアレである。体から血の気が引いていく中で、リリムが続けて言ったのは。
「清水先輩は、今ここで好きな人に愛の告白をして下さい! ささ、立って立って」
「え、こ、ここで!?」
リリムに腕を引かれて立ち上がらされた千佳は、そのまま体の向きも回転させられ隆二と向き合う形にさせられる。
「さあさあ心も体も包み隠さず、その手どけちゃいましょー!」
「ひぁぁぁぁ」
リリムに手を掴まれて恥ずかしい場所を強制的に公開させられた千佳は、情けない悲鳴を上げた。
ピンク色した小さな乳首。身体の中心線に沿うような細い一本線に整えられた薄めの陰毛。身体の起伏も少なく歳の割に幼さを感じさせるその裸体が、はっきりと隆二の目に晒されたのである。
「では、告白どうぞ!」
「え、あ、あの……こんなお見苦しい状態ですみません」
血走らせた目を見開いてガン見してくる隆二と目を合わせられない千佳は、リリムに両腕を封じられて身体を隠せぬまま視線を右往左往させていた。
「あの、罰ゲームでこういう話するのも何ですが……好きです」
ぼそっと呟くように想いを告げた千佳であったが、隆二は無反応。
「先輩?」
「えっ? 何か言ったか?」
意識が飛んだような状態にあった隆二に、千佳の告白は聞こえていなかった。
千佳の裸体を目に収めた隆二の心境は、己の築いてきた価値観を根っこから覆されたようなものであった。
異様に高鳴る鼓動。女体を初めて見たように激しい興奮を示す下半身。交際相手と短期間で破局を繰り返す性質上、これまでに裸を見た女性の数は多い。自分は今更こんな童貞みたいな反応をする人間ではないと思っていた。
ましてや、好みのタイプじゃないと思っていた相手の裸体を見ての反応としては、ありえないものだった。
「好きだって言ったんですよ!」
「あ、おう……じゃあ、付き合ってみるか?」
「え、いいんですか!?」
「まあ、たまにはタイプの違う女と付き合ってみるのも、な……」
これまでに様々なタイプの年上女性と付き合ってきた。それらは全て、初恋の幻影を追い求めて恋愛相手を選んできたものであった。
いつも付き合い始めは満足だった。だけども相手の裸を見られるくらいになると、いつも何かが違うと思うようになってしまうのである。
それもそのはずだった。初恋の相手が年上のお姉さんだったからと、ごく当たり前に自分は年上女性が好みなのだと思い込んでいた。
だがたった今気付かされたのだ。初恋の原体験が小学校高学年女子の裸体であるのならば、むしろ自分の本質は――。
「カップル成立、おめでとうございまーす!」
隆二が告白に応じた途端に、テンション高く祝いに来たのはブーメランパンツ姿のルシファーである。
リリムがやっと腕を離してくれたので、千佳は再び裸体を隠してしゃがみ込んだ。
「さて、ではまず勝ったお二人へのプレゼントですが、私から天使の加護を授けましょう」
愛梨の下腹部が下着越しに光ったかと思うと、そこに二枚の黒翼を象った紋章が現れてすっと消えた。なお、同時に優一にも同じ紋章が刻まれている。
「これは今後ストーカーや性犯罪等の被害を受けることがなくなるお守りみたいなものだとお考え下さい。そして今回負けたお二人ですが、カップル成立を祝しこちらにも天使の加護を」
腕の下で千佳の下腹部が同じように光った。勿論、隆二もである。
続けて女性陣の服が返還されたが、着ることまでは自分でやらねばならずまたも羞恥心を煽られることとなった。
諸々の説明を終えて四人を元の世界に帰すと、ルシファーは水着姿から一転、お馴染みのシックな黒スーツを身に纏った。言わば戦いに赴くための正装だ。
「さてリリム、これで三鷹優一の安全は確保された。次は彼を狙う存在を断つ」
「りょーかい!」
競泳水着姿のまま水面に映る自分を眺めて可愛いグラビアポーズをとっていたリリムは、一転してビシッと敬礼した。
新たなる敵は、もうすぐ側まで迫ってきていた。
どういう風にしてやれば優一が一番喜ぶかは、完璧に把握している。
今回は雑に十回しごけばそれで済むわけであるが、ちゃんと優一を気持ち良くさせてあげるよう丁寧な手コキを手癖でやってしまっていた。
対する隆二と千佳は、まっすぐ向かい合って見つめ合う。
慌てふためく千佳とは対照的に、隆二は真顔であった。
「よし、始めるぞ。かわいい、かわいい、かわいい、かわいいかわいいかわいい、かわいいかわいい、かわいい、かわいい。よし、終わり」
何の感情も籠めずに雑に十回言って、終わり。しかし千佳はそれでも嬉しいらしく、ぽーっと惚けた顔をして頭から湯気を発して固まっていた。
それこそブラが破れて消えても気付かないほどに。
同刻、手コキ十回を無事終えた愛梨も、ズボンが破れて消滅していた。フリルの付いた紫のショーツが露となった愛梨は水から顔を上げる。
「優くん、向こうも成功したみたい」
「あのデリカシー無い隆二だからな。ああいうのは余裕だろう。つか十回じゃ物足りね」
「帰ったら続きしたげるから」
愛梨は呆れて優一の額に軽くチョップを入れた。
「よし、とりあえずあと一回クリアすれば俺達の勝ちだ。気合い入れて行くぞ」
「おっけー」
一方の隆二と千佳。
「おい清水、目覚ませ。乳首見えてるぞ」
このままぼーっとしていればこちらの負けが確定する。まずは千佳をどうにかするのが先決である。
ぺったんこの胸も隠さず惚けている千佳の肩を掴んで揺さぶるが、悲しきかな胸が揺れる気配は無い。
隆二に直に身体に触れられた千佳は、びくんと身震いして我に返った。
「あっ、は、はい、先輩!」
千佳は慌てて潜って、すぐ下にあった緑の石を手に取った。
一緒に潜った隆二は、千佳が石に手を伸ばす際に胸の前から手がどけて乳首が丸見えになったのを見逃さなかった。
見てはいけないと思いつつも、ついつい視線が向いてしまう。悲しき男の性である。
目を逸らした先では、どういうわけか優一がこちらに向かって泳いでくる様子が見えた。
(兄貴? 愛梨が拾ったのと同じ石が向こうに無かったのか?)
優一の視線は隆二の足元、そこにある白い石へと向けられていた。
(こいつか。よし……)
優一の取ろうとしている石に気付いた隆二は、その石を手に取った。自分のと違う色のを拾ったことに千佳は首を傾げたが、すぐに隆二の意図は理解した。
隆二は白い石を持ったまま浮上するや、愛梨の右斜め方向にそれをぶん投げたのである。
(隆二め、これで時間稼ぎするつもりか)
弟にまんまと嵌められた優一は水中でUターンし、石の落ちた方へ泳いでいった。
その間に隆二は事前に目星を付けておいた緑の石をすぐさま拾い、千佳と共に浮上。
「よし、頼んだぞ清水」
「はい!」
潜った隆二の視線は、本人の意思に反して千佳の裸体に自然と向いた。
両手でカプセルを開けている千佳は手で裸体を隠すことができず、平たい胸とピンクの先っぽが丸見えだ。
隆二の下半身は、ギンギンにいきり立っていた。こんなぺたんこの幼児体型は全く好みではないと、そう認識していた。だけども事実身体は性的興奮を示していて、隆二の心を戸惑わせる。
見た目が幼げでも、一応なりにも二つしか歳の離れていない同年代の女子である。その裸体を見れば勃起するのは当然の反応であると、自分の中でどうにか納得する。
隆二が思っていたよりも早く、カプセルは開いた。この終盤に来て千佳も開封のコツを掴んだようだ。
もう暫く眺めていたい気持ちを堪えながら、隆二は水から顔を出した。
「清水、お題の内容は?」
隆二が千佳の顔を見ると、千佳は顔を引き攣らせて言葉に詰まっている様子。隆二は紙をつまんで取り上げ、自分も内容を確認。千佳の様子の理由を察した。
そのお題というのが『男性が女性のお尻に顔をうずめて五秒間匂いを嗅ぐ』というものであった。
「これは……まあ、しょうがねえ。清水、さっさとケツ出せ」
「嫌ですよ!」
「どの道このお題を達成できなきゃお前は全裸にされて俺らの負けだぞ!」
「それはわかってますけどぉ……」
千佳がまごついていると、痺れを切らした隆二が突然千佳の脇腹を両側から掴んだ。千佳が身を震わせてか細い悲鳴を上げたのは言うまでもない。
水に浮かんでいる千佳はあっさりと体を回転させられて隆二に背中を向ける格好となり、更にそのまま腰を引かれてお尻を突き出す姿勢にさせられた。
千佳の白パンツには、魚のバックプリントが付いていた。ただでさえ子供っぽい下着なのに、これが尚更にその印象を強めている。水に濡れて肌に貼り付いた布はお尻の割れ目に食い込んでいた。
「大丈夫だ。どうせプールの塩素の匂いしかしねーよ」
両手でお尻を掴んだ隆二は、そこまでする必要もないのにわざわざお尻を左右に広げた。そうして鼻先をお尻の割れ目の真ん中へと、近づける。
「あああああやっぱ無理ですーっ!!」
プールの天井に叫び声が響く。好きな人に肛門の匂いを嗅がれることに耐えかねた千佳は、その場でバタ足。そして千佳の踵は、隆二の鳩尾にクリーンヒットしたのである。
鈍い声を漏らしながら、プールに沈んでゆく隆二。流石にこれは、ルシファーが救出に入った。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」
「す、すいません先輩!!」
隆二がルシファーの肩を借りて引き上げられるのを見て、千佳は慌てて頭を下げて謝る。
「えー、こちらのお題は失敗となります。これにて三鷹隆二さん、清水千佳さんペアの敗北が決定致しました。ゲームは終了となります。参加者の皆さんはプールサイドに上がって下さい」
隆二をプールサイドに下ろしたルシファーは、残りの三人に向けてアナウンス。優一と愛梨は顔を見合わせると、優一が自分の身体で愛梨の下着姿を隠すようにしてプールから上がった。
一方で千佳だけは、掌で胸を覆ったまま動く様子がない。
「えー、プールから出てこない方は、私が魔法で強制的に移動させますが」
「えええ……ま、待ってください!」
そう言われてはやむを得ず、千佳はプールから上がった。胸を隠していてはプールサイドに手をつくことができず、またも平たい胸を隆二にバッチリと見られてしまった。
一方の愛梨は、優一の背中側から抱きつくようにして両手で優一の目を覆っていた。
「さて、それでは負けた清水さんには、最後の一枚を脱いで頂きましょう」
「え、あぅ……」
濡れて透けた白パン一丁でプールサイドに立たされる千佳は、涙目になっていた。両手で胸を隠しながら内股になって身をプルプルと震わせている。
「ちなみに脱がない場合は」
「わかってますよ! 魔法で脱がせるんでしょう!」
観念した千佳は隆二に背を向けると、両手でショーツを掴んで一気に下ろした。競泳水着の形に沿って日焼け跡の付いた可愛いお尻が丸見えとなる。
ショーツが消滅した後、千佳は右手で股間を、左腕で胸を隠しながらしゃがみ込んだ。
「うー……何でこんなことに……」
「はい、ではここで負けた清水先輩には罰ゲーム!」
すると千佳の前にリリムがやってきて、あざとくポーズをとりながらそう告げる。
この状況で罰ゲームと言われ、千佳の脳裏に浮かんだのはAVとかにありがちなアレである。体から血の気が引いていく中で、リリムが続けて言ったのは。
「清水先輩は、今ここで好きな人に愛の告白をして下さい! ささ、立って立って」
「え、こ、ここで!?」
リリムに腕を引かれて立ち上がらされた千佳は、そのまま体の向きも回転させられ隆二と向き合う形にさせられる。
「さあさあ心も体も包み隠さず、その手どけちゃいましょー!」
「ひぁぁぁぁ」
リリムに手を掴まれて恥ずかしい場所を強制的に公開させられた千佳は、情けない悲鳴を上げた。
ピンク色した小さな乳首。身体の中心線に沿うような細い一本線に整えられた薄めの陰毛。身体の起伏も少なく歳の割に幼さを感じさせるその裸体が、はっきりと隆二の目に晒されたのである。
「では、告白どうぞ!」
「え、あ、あの……こんなお見苦しい状態ですみません」
血走らせた目を見開いてガン見してくる隆二と目を合わせられない千佳は、リリムに両腕を封じられて身体を隠せぬまま視線を右往左往させていた。
「あの、罰ゲームでこういう話するのも何ですが……好きです」
ぼそっと呟くように想いを告げた千佳であったが、隆二は無反応。
「先輩?」
「えっ? 何か言ったか?」
意識が飛んだような状態にあった隆二に、千佳の告白は聞こえていなかった。
千佳の裸体を目に収めた隆二の心境は、己の築いてきた価値観を根っこから覆されたようなものであった。
異様に高鳴る鼓動。女体を初めて見たように激しい興奮を示す下半身。交際相手と短期間で破局を繰り返す性質上、これまでに裸を見た女性の数は多い。自分は今更こんな童貞みたいな反応をする人間ではないと思っていた。
ましてや、好みのタイプじゃないと思っていた相手の裸体を見ての反応としては、ありえないものだった。
「好きだって言ったんですよ!」
「あ、おう……じゃあ、付き合ってみるか?」
「え、いいんですか!?」
「まあ、たまにはタイプの違う女と付き合ってみるのも、な……」
これまでに様々なタイプの年上女性と付き合ってきた。それらは全て、初恋の幻影を追い求めて恋愛相手を選んできたものであった。
いつも付き合い始めは満足だった。だけども相手の裸を見られるくらいになると、いつも何かが違うと思うようになってしまうのである。
それもそのはずだった。初恋の相手が年上のお姉さんだったからと、ごく当たり前に自分は年上女性が好みなのだと思い込んでいた。
だがたった今気付かされたのだ。初恋の原体験が小学校高学年女子の裸体であるのならば、むしろ自分の本質は――。
「カップル成立、おめでとうございまーす!」
隆二が告白に応じた途端に、テンション高く祝いに来たのはブーメランパンツ姿のルシファーである。
リリムがやっと腕を離してくれたので、千佳は再び裸体を隠してしゃがみ込んだ。
「さて、ではまず勝ったお二人へのプレゼントですが、私から天使の加護を授けましょう」
愛梨の下腹部が下着越しに光ったかと思うと、そこに二枚の黒翼を象った紋章が現れてすっと消えた。なお、同時に優一にも同じ紋章が刻まれている。
「これは今後ストーカーや性犯罪等の被害を受けることがなくなるお守りみたいなものだとお考え下さい。そして今回負けたお二人ですが、カップル成立を祝しこちらにも天使の加護を」
腕の下で千佳の下腹部が同じように光った。勿論、隆二もである。
続けて女性陣の服が返還されたが、着ることまでは自分でやらねばならずまたも羞恥心を煽られることとなった。
諸々の説明を終えて四人を元の世界に帰すと、ルシファーは水着姿から一転、お馴染みのシックな黒スーツを身に纏った。言わば戦いに赴くための正装だ。
「さてリリム、これで三鷹優一の安全は確保された。次は彼を狙う存在を断つ」
「りょーかい!」
競泳水着姿のまま水面に映る自分を眺めて可愛いグラビアポーズをとっていたリリムは、一転してビシッと敬礼した。
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