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第一章
第10話 ベリショ娘の競泳水着
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リリムが編入してきてから、一週間が経った。リリムはその明るさと人懐っこい性格故に、元からこの学校の生徒であったかの如くクラスに馴染んでいた。
一方でルシファーはこの一週間、愛天使領域の改装とゲーム制作に没頭していた。
「これだけの魔力があれば、新しいゲームをいくらでも作れるぞ! ずっと使い回していたセットも新調できる!」
ルシファーは興奮気味にそう語っていた。リリムと毎日頑張ったことで、全盛期までとは言わずとも相当に魔力は回復した。
そして今朝、ルシファーは本日の脱衣ゲーム開催をリリムに宣言したのである。
黒羽先生の化学が終わって、二時間目は体育。女子が教室を出て行くと、男子達は早速とばかりに女子の前ではしにくい話を始めた。
「あーあ、俺らが熱と湿気の籠った体育館で過ごす間、女子は水着でキャッキャウフフかー」
話題を切り出したのは、山本大地である。
「俺らもプール行きたいよなー。つーか見たいよなー、女子の水着姿」
「マジ同意。可愛い女子しかいないうちのクラスでプールの授業とかマジ天国だわ」
「倉掛の水着姿とか絶対凄そうじゃね? Gくらいあんだろあいつ」
「須崎もでかいぞ。あと渡とか」
「でも渡って乳首黒いぜ? 胸の形はいいけど」
渡乃々可の話題が出たところで反応したのは、乃々可とセフレの関係にある大山寺茂徳。
「流石実際見てきた奴は違うな」
「実際見てきたといえば大地、須崎の乳首何色だったよ」
「えっ」
猥談を始めたのが自分からとはいえ、茂徳から思わぬ話題を振られ大地の瞳が小さくなった。
「いやー……そいつは教えらんねーな。大事な彼女だからよ」
仄かに頬を染めつつ、ニヤニヤと照れ笑いしながらの返答。その様子はどこか自慢げであり、独り身の男子達をイラッとさせた。
同じく自分の彼女の乳首の色を知る男子である佐藤孝弘と二階堂篤は、不意にそれを思い出してしまい掌で顔を覆った。
「このヤロー前まで俺らの同類だったくせに、彼女ができた途端紳士ぶりやがって」
風間純一が大地の背中を掌で叩く。
「あと巨乳女子といえば高梨。背小さいのに乳でかい、いわゆるトランジスタグラマーってやつだろあれ」
「ひなをそういう目で見るのはやめろ」
猥談に加わらず一人黙々と体操服に着替えていた篤が素早く反応し、発言の主である代々木当真に睨みを利かせる。
「過保護なオカンが付き合いだしてからますます過保護に……あ、でかいといえば三鷹のケツもすげーよな」
気まずくなった当真が即座に話題を変える。三鷹佐奈の話題が出たことで、星影刃がピクリと反応した。
「あのケツはマジ凶器ってレベルじゃね?」
当真の発言に、刃は黙って三回頷く。比嘉健吾がそれを見て苦笑いしたので、刃は顔を赤くして俯いた。
胸の話題が終わったかと思ったら、今度は尻の話題で盛り上がりだした。男子高校生の性欲というものは底無しである。
「須崎とか倉掛とか渡とか、乳でかい女子大体ケツもでかい説」
「てかうちのクラス、ケツでかい女子多くね? 桃井とか恋咲とか委員長とかも胸小さい割にケツはそこそこあるし」
「島本さんをそういう目で見るのはやめてくれ」
今度は孝弘が言う。
「何だ副委員長、俺らの話聞いてたんだな。せっかくだから加われよ。エロい話しようぜ」
孝弘が意外とムッツリなことを知る大地は、ニッと笑って言う。孝弘は気まずそうに顔を背けた。
「信司は尻派だよなー。お前の推してるアイドルも尻でかいし」
純一が何気なく矢島信司に声をかけると、何かのスイッチが入ったかのように信司の眼鏡が光った。
「確かに彩夏ちゃんのお尻は大きいというのが彩夏ちゃんヲタの中での一般的な見解であることは否定しようがない。だが彩夏ちゃんはスリーサイズ非公表であり、本当に大きいかどうかは一ファンの立場としては知り得ないことなのだ。だが個人的に言わせて貰えば彩夏ちゃんのお尻は非常に魅力的であり、それをメインにグラビアでもやっていけるのではという思いはある。だがしかし忘れてはならないのが、彩夏ちゃんは水着グラビアすらやっていない清純派アイドルであることだ。これまで出した写真集においてもお尻を強調したようなセクシーショットは皆無。残念だと思う感情もある反面、あえてセクシー要素を出さず女の子の憧れのアイドルとしての姿を体現している彼女に対して僕は尊敬の念も抱いているのだ。だがそれはそれとして彩夏ちゃんが実はお尻が大きいことを気にしているのはそれはそれで萌えるわけであり……」
「お……おう」
彩夏ちゃんは決してお尻で売っているようなアイドルではないのだと説明するためだけに長々と語るオタクの姿に、他の男子一同はドン引きしていた。
一人のオタクが盛り上がりに水を差したお陰で猥談の流れが一時止んだところで、一人の男子がこの状況に笑いを堪えきれずプッと吹き出した。皆が一斉にそちらを見ると、吹き出したのはいつも誰とも喋ろうとしない男子、木場流斗である。
「何だ木場ー、お前も聞いてたのか」
「どうせならお前も加わりゃいいのに。歓迎するぜ」
大地が流斗を猥談に誘うと、流斗は大地に背を向けそそくさと教室を出て行った。
「相っ変わらず壁作ってんなあいつ。なんか横田先輩みてー」
「誰だそれ?」
純一の発言に、茂徳が尋ねた。
「サッカー部の先輩。サッカーむちゃ上手いのに協調性無さすぎていつも一人でいんの。あ、何故か野村には懐かれてるけどな」
「コミュ力は無いけどサルを飼い慣らす才能はあるってか」
「大山寺お前その言い方はいくらなんでも失礼すぎだろ……特に野村に対して」
茂徳からサル呼ばわりされていた野村菊花は、そんなこと露知らずプールで楽しく泳いでいた。
髪の短い女子に対してサル呼ばわりするのは、心無い男子が言う悪口としては定番である。菊花は実際クラスの女子の中では一番髪が短く、それどころか男子含めても野球部員の孝弘とどちらがより短いかというほどに短く刈り込んでいる。低い背丈やラフでボーイッシュなファッションも相まって、私服でいると男子小学生に間違われることもあるくらいである。
「やっほー、菊花ちゃん」
一泳ぎしてプールから上がる菊花に、白の旧型スクール水着を着たリリムが声をかけた。
「菊花ちゃんって、意外とセクシーな水着着るんだね」
足だけ水に浸けてプールサイドに座った菊花の腰の辺りに目線を向けながら、リリムは言う。
菊花の着ている水着は、ハイレグ状の競泳水着である。泳ぐための水着としての実用性もさることながら、セクシー水着としての人気も高い一品。
「セクシーかなこれ? これが一番着易くて泳ぎ易いんだけどなー」
肌の露出を微塵も気にしていない様子で、菊花はきょとんとした表情をした。
「それよりあたしは凛々夢のその水着が一体どこで売ってるものなのか気になるよ」
そう言って菊花はリリムの隣に腰を下ろす。白スクなんて代物、少なくともスポーツショップで見かけるようなものではない。だがリリムの褐色の肌とのコントラストは実に映えるものであり、彼女のためにあるとばかりにしっくり来る水着であった。
「菊花ちゃんもおっぱいちっちゃいよね。ボクと同じくらい……いやギリギリボクが勝ってる?」
菊花の質問に答えるでもなく、リリムは菊花の胸をじっと見つめて言った。
リリムと菊花は、身体的特徴に似ている部分が多い。褐色の肌、低い身長、そして貧乳。ただし髪の長さは正反対であり、リリムはクラスで一番髪が長い。
「世の中って不公平だと思わない? 見てよ里緒ちゃんのあのおっぱい。それにひなちゃんなんて、ボクより背が低いのにおっぱいはあんなおっきいんだよ!」
巨乳の女子達に視線を向けながら、リリムは羨ましそうな顔をした。
「別に小さくてもよくない? 大きいと走る時とか邪魔そうだし」
「よく言った菊花。まさにその通りだ! 部活や体育でこの胸にどんだけ悩まされたことか!」
強く同意するのはFカップのスポーツ女子、須崎美奈。着ている水着は紺の競泳型スクール水着である。
綿環高校の水泳の授業では、スクール水着・競泳水着の範囲内ならばある程度自由に水着を選べる。新スク、競スク、スパッツ型、それにハイレグ。周りを見ても水着のデザインは多種多様である。だからといって白スクだなんてスクール水着の範疇に入れていいのか微妙な代物を着ているのはリリムくらいなものであるが。
「あ、やっぱそうなんだ。あたしにはその気持ちわかんないけどさ」
菊花は揺れる胸も無いが故に、スポーツをする上では楽な体型である。
「むー……」
リリムは納得がいかない様子で、頬を膨らませながら自分の胸を手で押さえた。
「でも美奈ちゃんだって巨乳でよかったって思うこともあるでしょ。特に山本君周りのこととかさ」
大地の話題を出されると、美奈は軽く頬を染め口元を緩めながらリリムから目を逸らした。
付き合い始めてから二度目の週末を迎え、昨日もまたしこたま揉まれたのである。
「うんまあ……否定はしない、かな」
リリムはそんな美奈の様子を悪戯な目つきで見た後、表情を変えぬまま菊花に顔を向ける。
「ところで菊花ちゃんはー、彼氏とかって作る気ないのー? 顔はすっごく可愛いんだし、髪伸ばしたら絶対モテると思うんだよね」
美奈の彼氏の話題から、自然な流れで菊花の恋愛話へ。突然そんな話を振られてたじろぐ菊花より先に、美奈が反応を返した。
「あー、それあたしも思った! ノーメイクでこのアイドル顔とかさー、天性の才能だよ! それなのにお洒落にも髪型にも全然興味ないの勿体無さすぎでしょ!」
「髪なんてスポーツするのに邪魔なだけだし……」
胸の時と全く同じ答えが返ってくるも、先程の彼氏がどうとかという話のせいか表情と声色がしおらしい。
「それに……髪なんか伸ばさなくてもちゃんと見て欲しい人には可愛いって思ってもらえてるし……」
頬を染め俯き気味で言った、まさかの爆弾発言。いつになく乙女チックな表情と台詞に、周りの女子達も色めき立つ。
「えっ、何何? 菊花そういう相手いるの!? 初耳なんだけど!」
「かっ、彼氏じゃないよ! あたしの片思いってだけで……もういいだろそんな話!」
恥ずかしさのあまり水面に足をばたつかせ飛沫を上げる菊花を、他の女子達は微笑ましげに見ていた。
その日の放課後。菊花は鞄に荷物を纏めると、早々に教室を出て行く。
「山本ー、風間ー、あたし先行ってるねー」
いつものように美奈と宏美を交えて四人で話しているサッカー部男子二人に声をかけ手を振った後、菊花は廊下を駆けていった。
「んじゃ俺らも行くか、美奈」
大地が鞄を担いでそう言うと、美奈は頷いた。
「俺らはもうちょいここで話してるわ」
二人が一緒に教室を出て行った辺りで、純一と宏美も席を立つ。
「なんかさ、あの二人が付き合いだしてから、あたし達も二人きりになること増えたよね」
純一と目を合わせないようにしながら、宏美が呟くように言った。
「そうだなー、あいつらに気を遣って二人きりにさせてやってたけど、たまにはまた四人で遊びたいよな」
純一がそう言うと、宏美は目を細めて一度純一を見た後、純一に聞こえるか聞こえないかくらいの声量で「バカ」と囁き純一を置いて教室を出て行ってしまった。
美奈と大地は校舎を出た後部室棟まで移動し、それぞれサッカー部と女子テニス部の部室に入っていった。
女子テニス部の部室からは、サッカー部のユニフォームに着替えた菊花が入れ違いになるように出て行った。現在サッカー部の女子部員とマネージャーは、女子テニス部の部室にロッカーを置いているのである。
美奈が部室に入ると、サッカー部マネージャーの秋月穂乃可が部室の備品を補充していた。
「すいません秋月先輩、私達の分まで色々してもらっちゃって」
「気にしないでいいのよ。私はここを間借りさせて貰ってる身だから、このくらいはしてあげないと」
仕事を終えた穂乃可が部室を出て行くと、美奈は穂乃可に頭を下げた。
サッカー部員達は今日も練習に励んでいる。
唯一の女子部員である菊花は、男子達と同じ練習メニューを軽々とこなしていた。見た目が見た目なので彼女が男子に混ざっていても違和感は薄いが、どちらかといえばむしろ男子高校生の中に男子小学生が混ざっているという方向の違和感はある。
背の小さな女子がここまでやれるというのは本来初見の人には驚かれることだが、それ以前にまず彼女が女の子であることに驚かれるのだ。
彼女は部活動としては公式戦に出場できないものの、学校外では女子サッカーの強豪クラブチームに所属。そちらでは選手としてその実力を遺憾なく発揮しており、プロからも注目される有望株である。
女子がそれだけ頑張っているのは男子のやる気にも影響し、菊花には負けたくないと男子達を張り切らせた。
「おう大地、調子いいな!」
鮮やかなドリブルで三角コーナーの列を抜ける大地に、キャプテンの香坂直樹が声をかけた。直樹はチームの精神的支柱であり、部員達から慕われる熱血キャプテンである。
「いやー、昨日彼女とセックスしたからッスかね? へへ……」
ここぞとばかりに惚気る大地に他の部員――とりわけ独り身の部員達はイラッとさせられた。
「ああ、恋人と仲が良いのは良いことだ! 大切な人の存在はパフォーマンスにも影響するからな!」
だが彼自身も一応独り身である直樹は、素直に大地を賞賛。
「香坂先輩、山本のウザノロケ聞いて何であんな平気でいられるんだ?」
「まあ、あの人には実質いるからな、相手が」
そう言った二年生は、直後に舌打ちをした。
練習がひと段落ついた所で、穂乃可の呼ぶ声がグラウンドに響いた。
「みんなー、スポドリ持ってきたわよー」
ストレートロングの茶髪をなびかせながら穂乃可がクーラーボックスを下ろすと、部員達は一斉に集まってくる。
「待ってました秋月さん!」
「あたしいちばーん!」
菊花は真っ先に駆け寄り、ペットボトルを一本取った。キャップを捻りスポーツドリンクを飲みつつ、デレデレした表情の男子達を観察する。
秋月穂乃可は、サッカー部のアイドル的存在である。見目麗しい容姿に加えて穏やかで人当たりの良い性格もあって、多くの部員から好意を向けられていた。
キャプテン香坂直樹が遅れてやってくると、穂乃可は彼にだけは自分からペットボトルを手渡す。
「お疲れ様、香坂君」
「ああ、いつもありがとう」
穂乃可から他の男子には向けないようなはにかみ顔を向けられた直樹は、こちらも笑顔を返す。
まるで二人だけの世界に、他の部員達は大地の惚気を聞いた時と同じ表情。
「あれで付き合ってないってんだから不思議だよな」
一通り全員にドリンクを配り終えたかに見えたが、まだ一本ドリンクは余っている。穂乃可が視線を向けたのは、他の部員の練習に混ざらず離れた位置で一人黙々とシュート練習をしている三年生。
あいつまた一人でやってるよ、というひそひそ声が部員達の中から聞こえた。
「あたしが渡しに行きますね」
「お願いするわ」
穂乃可が最後の一本を取り出したところで菊花がそれを受け取り、件の先輩の所に駆けていった。
「せんぱーい」
菊花の呼ぶ声が聞こえたので、横田健輔はシュート練習を止めて振り返る。
丁度その時蹴ったボールがポストに当たって跳ね返ってきたので、菊花はそれを見るや跳躍しオーバーヘッドキックでゴールにぶち込んだ。
「いぇい決まった! あ、先輩スポドリどうぞ」
さらっと凄いプレーを見せた後平然とした態度でペットボトルを手渡してくる菊花に対し、健輔は礼も言わずキャップを開けて飲み始める。
人だかりの方を見ると、直樹と穂乃可が楽しそうに話していた。健輔の眉間に皺が寄る。
穂乃可は誰にでも優しく、それ故に無自覚に男を勘違いさせてしまうタイプの女子だ。健輔もまたそうやって落とされた男の一人である。
だがそんな誰にでも優しい穂乃可にとっても、直樹だけは特別なのだということは見ていればわかる。健輔に限らず他の部員達は、付き合いそうで付き合わないあの二人を、付き合っていない以上はもしかしたら自分にもチャンスがあるかもしれないという不毛な思いを抱きながら黙って見ていることしかできないのだ。
「先輩練習頑張ってますね!」
菊花から声をかけられ、健輔は我に帰る。
「……どいつもこいつも香坂ばかり注目してやがるが、本当に凄いのはこの俺だ。インターハイに俺の名を轟かせてやる」
自信に満ちたビッグマウスを聞かされると、菊花のぱっちりとした目が輝きだした。
「凄いです先輩! 応援してます!」
「別にお前に応援されてもな……」
そう言いながらも健輔は菊花の頭に手を置き、わしゃわしゃと撫で繰り回した。短く刈り揃えた髪の触り心地はなかなかよく、掌にちくちく来る感覚が癖になる。
撫でられている間の菊花は恍惚とまではいかずとも大層ご機嫌であり、うっすら頬を染めながらにっこにこの満点の笑みを浮かべていた。
「……ちっ、休憩は終わりだ。練習に戻るぞ」
菊花の頭から手を離し、ゴールに落ちているボールを拾いに行く。
と、その時だった。健輔は踏み込んだ足の感覚に違和感を覚えた。これは校庭の砂の感覚ではない。まるで芝の張られたグラウンドを踏んだかのような――
そう、確かに目の前にはサッカーゴールがある。だがいつの間にか足元の砂は緑の芝に変わっており、健輔は校庭ではなく見知らぬサッカースタジアムにいたのである。
(えっ? 何だ?)
わけのわからない状況に困惑する健輔。熱中症で倒れて見ている夢だと疑い頬をつねるも、痛みはある。
振り返ってみると、菊花が自分と同じように困惑していた。更にその後ろには、直樹と穂乃可の姿も。他の部員の姿は見えない。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
突然聞こえてきた声に驚き、四人は一斉に同じ方向を向いた。そこには見ていたら吸い込まれそうなほど魅惑的で美しい顔をした銀髪の男と、トリコロールカラーのチア衣装を着て黄色いポンポンを持った赤髪ツインテールで褐色肌の少女が立っていた。
一方でルシファーはこの一週間、愛天使領域の改装とゲーム制作に没頭していた。
「これだけの魔力があれば、新しいゲームをいくらでも作れるぞ! ずっと使い回していたセットも新調できる!」
ルシファーは興奮気味にそう語っていた。リリムと毎日頑張ったことで、全盛期までとは言わずとも相当に魔力は回復した。
そして今朝、ルシファーは本日の脱衣ゲーム開催をリリムに宣言したのである。
黒羽先生の化学が終わって、二時間目は体育。女子が教室を出て行くと、男子達は早速とばかりに女子の前ではしにくい話を始めた。
「あーあ、俺らが熱と湿気の籠った体育館で過ごす間、女子は水着でキャッキャウフフかー」
話題を切り出したのは、山本大地である。
「俺らもプール行きたいよなー。つーか見たいよなー、女子の水着姿」
「マジ同意。可愛い女子しかいないうちのクラスでプールの授業とかマジ天国だわ」
「倉掛の水着姿とか絶対凄そうじゃね? Gくらいあんだろあいつ」
「須崎もでかいぞ。あと渡とか」
「でも渡って乳首黒いぜ? 胸の形はいいけど」
渡乃々可の話題が出たところで反応したのは、乃々可とセフレの関係にある大山寺茂徳。
「流石実際見てきた奴は違うな」
「実際見てきたといえば大地、須崎の乳首何色だったよ」
「えっ」
猥談を始めたのが自分からとはいえ、茂徳から思わぬ話題を振られ大地の瞳が小さくなった。
「いやー……そいつは教えらんねーな。大事な彼女だからよ」
仄かに頬を染めつつ、ニヤニヤと照れ笑いしながらの返答。その様子はどこか自慢げであり、独り身の男子達をイラッとさせた。
同じく自分の彼女の乳首の色を知る男子である佐藤孝弘と二階堂篤は、不意にそれを思い出してしまい掌で顔を覆った。
「このヤロー前まで俺らの同類だったくせに、彼女ができた途端紳士ぶりやがって」
風間純一が大地の背中を掌で叩く。
「あと巨乳女子といえば高梨。背小さいのに乳でかい、いわゆるトランジスタグラマーってやつだろあれ」
「ひなをそういう目で見るのはやめろ」
猥談に加わらず一人黙々と体操服に着替えていた篤が素早く反応し、発言の主である代々木当真に睨みを利かせる。
「過保護なオカンが付き合いだしてからますます過保護に……あ、でかいといえば三鷹のケツもすげーよな」
気まずくなった当真が即座に話題を変える。三鷹佐奈の話題が出たことで、星影刃がピクリと反応した。
「あのケツはマジ凶器ってレベルじゃね?」
当真の発言に、刃は黙って三回頷く。比嘉健吾がそれを見て苦笑いしたので、刃は顔を赤くして俯いた。
胸の話題が終わったかと思ったら、今度は尻の話題で盛り上がりだした。男子高校生の性欲というものは底無しである。
「須崎とか倉掛とか渡とか、乳でかい女子大体ケツもでかい説」
「てかうちのクラス、ケツでかい女子多くね? 桃井とか恋咲とか委員長とかも胸小さい割にケツはそこそこあるし」
「島本さんをそういう目で見るのはやめてくれ」
今度は孝弘が言う。
「何だ副委員長、俺らの話聞いてたんだな。せっかくだから加われよ。エロい話しようぜ」
孝弘が意外とムッツリなことを知る大地は、ニッと笑って言う。孝弘は気まずそうに顔を背けた。
「信司は尻派だよなー。お前の推してるアイドルも尻でかいし」
純一が何気なく矢島信司に声をかけると、何かのスイッチが入ったかのように信司の眼鏡が光った。
「確かに彩夏ちゃんのお尻は大きいというのが彩夏ちゃんヲタの中での一般的な見解であることは否定しようがない。だが彩夏ちゃんはスリーサイズ非公表であり、本当に大きいかどうかは一ファンの立場としては知り得ないことなのだ。だが個人的に言わせて貰えば彩夏ちゃんのお尻は非常に魅力的であり、それをメインにグラビアでもやっていけるのではという思いはある。だがしかし忘れてはならないのが、彩夏ちゃんは水着グラビアすらやっていない清純派アイドルであることだ。これまで出した写真集においてもお尻を強調したようなセクシーショットは皆無。残念だと思う感情もある反面、あえてセクシー要素を出さず女の子の憧れのアイドルとしての姿を体現している彼女に対して僕は尊敬の念も抱いているのだ。だがそれはそれとして彩夏ちゃんが実はお尻が大きいことを気にしているのはそれはそれで萌えるわけであり……」
「お……おう」
彩夏ちゃんは決してお尻で売っているようなアイドルではないのだと説明するためだけに長々と語るオタクの姿に、他の男子一同はドン引きしていた。
一人のオタクが盛り上がりに水を差したお陰で猥談の流れが一時止んだところで、一人の男子がこの状況に笑いを堪えきれずプッと吹き出した。皆が一斉にそちらを見ると、吹き出したのはいつも誰とも喋ろうとしない男子、木場流斗である。
「何だ木場ー、お前も聞いてたのか」
「どうせならお前も加わりゃいいのに。歓迎するぜ」
大地が流斗を猥談に誘うと、流斗は大地に背を向けそそくさと教室を出て行った。
「相っ変わらず壁作ってんなあいつ。なんか横田先輩みてー」
「誰だそれ?」
純一の発言に、茂徳が尋ねた。
「サッカー部の先輩。サッカーむちゃ上手いのに協調性無さすぎていつも一人でいんの。あ、何故か野村には懐かれてるけどな」
「コミュ力は無いけどサルを飼い慣らす才能はあるってか」
「大山寺お前その言い方はいくらなんでも失礼すぎだろ……特に野村に対して」
茂徳からサル呼ばわりされていた野村菊花は、そんなこと露知らずプールで楽しく泳いでいた。
髪の短い女子に対してサル呼ばわりするのは、心無い男子が言う悪口としては定番である。菊花は実際クラスの女子の中では一番髪が短く、それどころか男子含めても野球部員の孝弘とどちらがより短いかというほどに短く刈り込んでいる。低い背丈やラフでボーイッシュなファッションも相まって、私服でいると男子小学生に間違われることもあるくらいである。
「やっほー、菊花ちゃん」
一泳ぎしてプールから上がる菊花に、白の旧型スクール水着を着たリリムが声をかけた。
「菊花ちゃんって、意外とセクシーな水着着るんだね」
足だけ水に浸けてプールサイドに座った菊花の腰の辺りに目線を向けながら、リリムは言う。
菊花の着ている水着は、ハイレグ状の競泳水着である。泳ぐための水着としての実用性もさることながら、セクシー水着としての人気も高い一品。
「セクシーかなこれ? これが一番着易くて泳ぎ易いんだけどなー」
肌の露出を微塵も気にしていない様子で、菊花はきょとんとした表情をした。
「それよりあたしは凛々夢のその水着が一体どこで売ってるものなのか気になるよ」
そう言って菊花はリリムの隣に腰を下ろす。白スクなんて代物、少なくともスポーツショップで見かけるようなものではない。だがリリムの褐色の肌とのコントラストは実に映えるものであり、彼女のためにあるとばかりにしっくり来る水着であった。
「菊花ちゃんもおっぱいちっちゃいよね。ボクと同じくらい……いやギリギリボクが勝ってる?」
菊花の質問に答えるでもなく、リリムは菊花の胸をじっと見つめて言った。
リリムと菊花は、身体的特徴に似ている部分が多い。褐色の肌、低い身長、そして貧乳。ただし髪の長さは正反対であり、リリムはクラスで一番髪が長い。
「世の中って不公平だと思わない? 見てよ里緒ちゃんのあのおっぱい。それにひなちゃんなんて、ボクより背が低いのにおっぱいはあんなおっきいんだよ!」
巨乳の女子達に視線を向けながら、リリムは羨ましそうな顔をした。
「別に小さくてもよくない? 大きいと走る時とか邪魔そうだし」
「よく言った菊花。まさにその通りだ! 部活や体育でこの胸にどんだけ悩まされたことか!」
強く同意するのはFカップのスポーツ女子、須崎美奈。着ている水着は紺の競泳型スクール水着である。
綿環高校の水泳の授業では、スクール水着・競泳水着の範囲内ならばある程度自由に水着を選べる。新スク、競スク、スパッツ型、それにハイレグ。周りを見ても水着のデザインは多種多様である。だからといって白スクだなんてスクール水着の範疇に入れていいのか微妙な代物を着ているのはリリムくらいなものであるが。
「あ、やっぱそうなんだ。あたしにはその気持ちわかんないけどさ」
菊花は揺れる胸も無いが故に、スポーツをする上では楽な体型である。
「むー……」
リリムは納得がいかない様子で、頬を膨らませながら自分の胸を手で押さえた。
「でも美奈ちゃんだって巨乳でよかったって思うこともあるでしょ。特に山本君周りのこととかさ」
大地の話題を出されると、美奈は軽く頬を染め口元を緩めながらリリムから目を逸らした。
付き合い始めてから二度目の週末を迎え、昨日もまたしこたま揉まれたのである。
「うんまあ……否定はしない、かな」
リリムはそんな美奈の様子を悪戯な目つきで見た後、表情を変えぬまま菊花に顔を向ける。
「ところで菊花ちゃんはー、彼氏とかって作る気ないのー? 顔はすっごく可愛いんだし、髪伸ばしたら絶対モテると思うんだよね」
美奈の彼氏の話題から、自然な流れで菊花の恋愛話へ。突然そんな話を振られてたじろぐ菊花より先に、美奈が反応を返した。
「あー、それあたしも思った! ノーメイクでこのアイドル顔とかさー、天性の才能だよ! それなのにお洒落にも髪型にも全然興味ないの勿体無さすぎでしょ!」
「髪なんてスポーツするのに邪魔なだけだし……」
胸の時と全く同じ答えが返ってくるも、先程の彼氏がどうとかという話のせいか表情と声色がしおらしい。
「それに……髪なんか伸ばさなくてもちゃんと見て欲しい人には可愛いって思ってもらえてるし……」
頬を染め俯き気味で言った、まさかの爆弾発言。いつになく乙女チックな表情と台詞に、周りの女子達も色めき立つ。
「えっ、何何? 菊花そういう相手いるの!? 初耳なんだけど!」
「かっ、彼氏じゃないよ! あたしの片思いってだけで……もういいだろそんな話!」
恥ずかしさのあまり水面に足をばたつかせ飛沫を上げる菊花を、他の女子達は微笑ましげに見ていた。
その日の放課後。菊花は鞄に荷物を纏めると、早々に教室を出て行く。
「山本ー、風間ー、あたし先行ってるねー」
いつものように美奈と宏美を交えて四人で話しているサッカー部男子二人に声をかけ手を振った後、菊花は廊下を駆けていった。
「んじゃ俺らも行くか、美奈」
大地が鞄を担いでそう言うと、美奈は頷いた。
「俺らはもうちょいここで話してるわ」
二人が一緒に教室を出て行った辺りで、純一と宏美も席を立つ。
「なんかさ、あの二人が付き合いだしてから、あたし達も二人きりになること増えたよね」
純一と目を合わせないようにしながら、宏美が呟くように言った。
「そうだなー、あいつらに気を遣って二人きりにさせてやってたけど、たまにはまた四人で遊びたいよな」
純一がそう言うと、宏美は目を細めて一度純一を見た後、純一に聞こえるか聞こえないかくらいの声量で「バカ」と囁き純一を置いて教室を出て行ってしまった。
美奈と大地は校舎を出た後部室棟まで移動し、それぞれサッカー部と女子テニス部の部室に入っていった。
女子テニス部の部室からは、サッカー部のユニフォームに着替えた菊花が入れ違いになるように出て行った。現在サッカー部の女子部員とマネージャーは、女子テニス部の部室にロッカーを置いているのである。
美奈が部室に入ると、サッカー部マネージャーの秋月穂乃可が部室の備品を補充していた。
「すいません秋月先輩、私達の分まで色々してもらっちゃって」
「気にしないでいいのよ。私はここを間借りさせて貰ってる身だから、このくらいはしてあげないと」
仕事を終えた穂乃可が部室を出て行くと、美奈は穂乃可に頭を下げた。
サッカー部員達は今日も練習に励んでいる。
唯一の女子部員である菊花は、男子達と同じ練習メニューを軽々とこなしていた。見た目が見た目なので彼女が男子に混ざっていても違和感は薄いが、どちらかといえばむしろ男子高校生の中に男子小学生が混ざっているという方向の違和感はある。
背の小さな女子がここまでやれるというのは本来初見の人には驚かれることだが、それ以前にまず彼女が女の子であることに驚かれるのだ。
彼女は部活動としては公式戦に出場できないものの、学校外では女子サッカーの強豪クラブチームに所属。そちらでは選手としてその実力を遺憾なく発揮しており、プロからも注目される有望株である。
女子がそれだけ頑張っているのは男子のやる気にも影響し、菊花には負けたくないと男子達を張り切らせた。
「おう大地、調子いいな!」
鮮やかなドリブルで三角コーナーの列を抜ける大地に、キャプテンの香坂直樹が声をかけた。直樹はチームの精神的支柱であり、部員達から慕われる熱血キャプテンである。
「いやー、昨日彼女とセックスしたからッスかね? へへ……」
ここぞとばかりに惚気る大地に他の部員――とりわけ独り身の部員達はイラッとさせられた。
「ああ、恋人と仲が良いのは良いことだ! 大切な人の存在はパフォーマンスにも影響するからな!」
だが彼自身も一応独り身である直樹は、素直に大地を賞賛。
「香坂先輩、山本のウザノロケ聞いて何であんな平気でいられるんだ?」
「まあ、あの人には実質いるからな、相手が」
そう言った二年生は、直後に舌打ちをした。
練習がひと段落ついた所で、穂乃可の呼ぶ声がグラウンドに響いた。
「みんなー、スポドリ持ってきたわよー」
ストレートロングの茶髪をなびかせながら穂乃可がクーラーボックスを下ろすと、部員達は一斉に集まってくる。
「待ってました秋月さん!」
「あたしいちばーん!」
菊花は真っ先に駆け寄り、ペットボトルを一本取った。キャップを捻りスポーツドリンクを飲みつつ、デレデレした表情の男子達を観察する。
秋月穂乃可は、サッカー部のアイドル的存在である。見目麗しい容姿に加えて穏やかで人当たりの良い性格もあって、多くの部員から好意を向けられていた。
キャプテン香坂直樹が遅れてやってくると、穂乃可は彼にだけは自分からペットボトルを手渡す。
「お疲れ様、香坂君」
「ああ、いつもありがとう」
穂乃可から他の男子には向けないようなはにかみ顔を向けられた直樹は、こちらも笑顔を返す。
まるで二人だけの世界に、他の部員達は大地の惚気を聞いた時と同じ表情。
「あれで付き合ってないってんだから不思議だよな」
一通り全員にドリンクを配り終えたかに見えたが、まだ一本ドリンクは余っている。穂乃可が視線を向けたのは、他の部員の練習に混ざらず離れた位置で一人黙々とシュート練習をしている三年生。
あいつまた一人でやってるよ、というひそひそ声が部員達の中から聞こえた。
「あたしが渡しに行きますね」
「お願いするわ」
穂乃可が最後の一本を取り出したところで菊花がそれを受け取り、件の先輩の所に駆けていった。
「せんぱーい」
菊花の呼ぶ声が聞こえたので、横田健輔はシュート練習を止めて振り返る。
丁度その時蹴ったボールがポストに当たって跳ね返ってきたので、菊花はそれを見るや跳躍しオーバーヘッドキックでゴールにぶち込んだ。
「いぇい決まった! あ、先輩スポドリどうぞ」
さらっと凄いプレーを見せた後平然とした態度でペットボトルを手渡してくる菊花に対し、健輔は礼も言わずキャップを開けて飲み始める。
人だかりの方を見ると、直樹と穂乃可が楽しそうに話していた。健輔の眉間に皺が寄る。
穂乃可は誰にでも優しく、それ故に無自覚に男を勘違いさせてしまうタイプの女子だ。健輔もまたそうやって落とされた男の一人である。
だがそんな誰にでも優しい穂乃可にとっても、直樹だけは特別なのだということは見ていればわかる。健輔に限らず他の部員達は、付き合いそうで付き合わないあの二人を、付き合っていない以上はもしかしたら自分にもチャンスがあるかもしれないという不毛な思いを抱きながら黙って見ていることしかできないのだ。
「先輩練習頑張ってますね!」
菊花から声をかけられ、健輔は我に帰る。
「……どいつもこいつも香坂ばかり注目してやがるが、本当に凄いのはこの俺だ。インターハイに俺の名を轟かせてやる」
自信に満ちたビッグマウスを聞かされると、菊花のぱっちりとした目が輝きだした。
「凄いです先輩! 応援してます!」
「別にお前に応援されてもな……」
そう言いながらも健輔は菊花の頭に手を置き、わしゃわしゃと撫で繰り回した。短く刈り揃えた髪の触り心地はなかなかよく、掌にちくちく来る感覚が癖になる。
撫でられている間の菊花は恍惚とまではいかずとも大層ご機嫌であり、うっすら頬を染めながらにっこにこの満点の笑みを浮かべていた。
「……ちっ、休憩は終わりだ。練習に戻るぞ」
菊花の頭から手を離し、ゴールに落ちているボールを拾いに行く。
と、その時だった。健輔は踏み込んだ足の感覚に違和感を覚えた。これは校庭の砂の感覚ではない。まるで芝の張られたグラウンドを踏んだかのような――
そう、確かに目の前にはサッカーゴールがある。だがいつの間にか足元の砂は緑の芝に変わっており、健輔は校庭ではなく見知らぬサッカースタジアムにいたのである。
(えっ? 何だ?)
わけのわからない状況に困惑する健輔。熱中症で倒れて見ている夢だと疑い頬をつねるも、痛みはある。
振り返ってみると、菊花が自分と同じように困惑していた。更にその後ろには、直樹と穂乃可の姿も。他の部員の姿は見えない。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
突然聞こえてきた声に驚き、四人は一斉に同じ方向を向いた。そこには見ていたら吸い込まれそうなほど魅惑的で美しい顔をした銀髪の男と、トリコロールカラーのチア衣装を着て黄色いポンポンを持った赤髪ツインテールで褐色肌の少女が立っていた。
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