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第三章
第83話 えっちなリアクションクイズ・2
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と、そこで響き渡るルシファーの一言。
「今回は両方が正解のため、両方の女子が脱ぐことになります」
「ええー、ホントに脱ぐんだ。あはー、ヤバいよこれ」
そう言いつつも桃果はあまり抵抗する様子がなく、するすると脱いで白のブラジャーを露にした。
小次郎の鼓動が早まる。今の季節透けブラは頻繁に拝ませてくれる桃果であるが、直にブラジャーを見るのはこれが初めてだ。
綺麗な谷間を作る大きな胸に纏ったブラは、清廉な純白に花柄の刺繍を彩り、小さなリボンとフリルを飾り付けている。なかなかに気合いの入った一品である。
「あー、コジローってばガン見ー」
「あっ、いや……」
完全に目を奪われていた小次郎は、それを指摘されてあたふた。とはいえ桃果も見られることをさして嫌がっている様子はなく、楽しげにからかっている調子であった。
一方の綾芽はといえば、桃果が脱ぎ終えてもまだボタンに手を掛けてもいなかった。
「むっ、無理です! 人前で脱ぐだなんて……」
「脱がないのでしたら、私の魔法で強制的に脱がせますよ」
ルシファーに訴えるも、きっぱりと突っぱねられる。
「えっ、あ、あの……じゃあ、せめてスカートからで……」
「どうぞ構いませんよ」
どの部位から脱ぐかということに関しては、ゲームのルールや進行に問題をきたさない限りは寛容なのがルシファーである。
綾芽が誠に背を向けて躊躇いながらもスカートを下ろすと、飾り気の無い白無地フルバックのショーツがお目見え。誠が胸中をざわつかせる中、綾芽は誠に正面を向けてブラウスの裾を両手で引っ張り少しでもショーツを隠そうとしていた。
(おいおいおいおい何だよこれ)
胸を隠したいあまり下から脱いだ結果、これはこれで大変やらしい姿になってしまった綾芽。しかも引っ張られた布が胸の辺りでぱつんぱつんになってその爆乳をより強調させている始末。
誠は先程まで綾芽の座っていた椅子にさっと腰を下ろし、足を組んで股間の上に両手首を重ねて置いた。できる限り自然な姿勢で勃起を隠そうという涙ぐましい努力である。
見られるのを嫌がる綾芽のために極力綾芽から目を逸らそうとするものの、内心では男の本能がもっと見せろと訴えている。
「それでは第二問を始めましょう。女子のお二人はステージへ」
ルシファーに言われても桃果はノリノリで、綾芽はそそくさとステージに上がる。
「これよりお二人には、こちらのアイスを食べて頂きます」
女子二人が腰掛ける席の前に、空中に固定された棒アイスが出現した。同じく、リリムの前にもそれは現れていた。
「食べ方はこんな風にねー」
手本として実演して見せたリリムは、ぱくっと咥えてちゅぱちゅぱとしゃぶり、さも何かを連想させるかのような動きでアイスを賞味していた。
「注意点としては、歯でアイスを齧ってはいけないということです。あくまでも舐めてアイスを溶かして下さい。このアイスは二層構造になっており、問題は外側のバニラアイスを溶かして出てきた内側の層。片方はこれが甘い練乳味、もう片方は酸っぱいレモン味ですが見た目は練乳と変わりません。男子のお二人には、一体どちらが練乳味のアイスかを食べているかを当てて頂きます。それでは女子のお二人、アイスをどうぞ」
「えーっと、じゃあ、いただきまーす」
男子二人の視線の中、桃果は少し照れながらもアイスを口に含んだ。
「ん、おいひい」
「で、では私も……いただきます」
遅れて綾芽も、渋々ながらアイスを口に含んだ。ちゅぱちゅぱと音を立てながら、アイスをしゃぶる二人。
(俺は一体何を見せられているんだ)
この光景を見せられる男子二人の心境たるや、果たしてどう表現すべきか。
やがて溶けたアイスが大きな胸にぽたぽたと垂れ、女子二人は大変けしからん恰好に。ブラウスを着ている綾芽はまだしも、生の谷間に白い液体を垂らした桃果の破壊力は凄まじい。
(桃果、頼むからそれ拭いて)
小次郎がそう思った辺りで、桃果の表情がふにゃりと柔らかくなった。アイスの味が変化したのだと、思わせるリアクションだ。
その後に綾芽も、少し苦しそうにきゅっと目をつぶる。
(今の吉田の表情……アイスが酸っぱかったのか?)
綾芽の表情からアイスの味を読み取ろうとした誠。あれは確かに酸っぱそうに見えるが、確証は持てない。
(そうだ、相手と表情を比較すれば……)
綾芽の方にばかり視線が行ってしまい、そこに気付くまで時間がかかった。だが、それはもう遅かったのである。
「そこまで! では男子のお二人、回答をどうぞ」
誠が桃果の方に視線を向ける前に、ルシファーが宣言。男子二人はそれぞれ回答札を上げた。誠はAで、小次郎はB。今回はお互い自分のパートナーを選択した。
「正解は~Bの小林桃果さん! つまり内村君のみ正解です!」
(くそっ、やっぱりさっきの表情は酸っぱかったからだったのか!)
当てずっぽうで綾芽を選んだ誠だったが、案の定不正解。
「すまん吉田。相手の方見てなかったから、相手がどういう表情してるのかわからなくって……」
「え、あ、はい」
誠が頭を下げて謝ると、綾芽は不思議とそれで納得した様子だった。
「そうそう、アイスはどうぞこのままお召し上がり下さい。ここからは普通に食べて構いませんよ」
ルシファーがそう言うと、桃果はさっそくアイスに齧りついて食べ始めた。見ていた小次郎は、一瞬股間にヒュンと来たのである。
「んー、おいしい! これどこで売ってるの?」
「そちらのアイスは、私の手作りですよ」
密かに料理が趣味なルシファーの、お手製アイス。これには桃果も舌鼓を打った。
「おいしかったよー。ごちそうさまー」
一方酸っぱいレモン味のアイスをお出しされた綾芽であるが、こちらもこれはこれで美味しく喜んで完食。
「あ、ごちそうさまでした。美味しかったです」
「それはどうも。ところで吉田さん、服を脱がなければならないこと、忘れてはいませんよね?」
「え、あ、あぅ……」
狼狽える綾芽をルシファーは視線で追い詰めると、綾芽は観念してボタンを外し始めたのである。
誠が唾を呑む。ブラウスを脱いで谷間が見えた――かに思えたがその下に着ていたのは白無地のキャミソール。
「あの、ここまでで……」
「駄目です」
「はい……」
改めてキャミソールに手を掛け、ゆっくりと捲り上げて脱ぎ捨てる。一度胸に引っかかり、持ち上がった胸が揺れて誠の精神を乱した。
綾芽のブラはショーツと同じく飾り気の無いシンプルな白無地。本来HカップだがGカップのものを使用していることもあり、柔らかそうな乳房がぎゅっと押し込められて今にもはち切れそう。
(で、でっっっっっけえ!!)
谷間に吸い込まれる視線。ド迫力のサイズ感に圧倒された誠は、思わず目を見開いた。
だが握った拳の爪を掌に食い込ませて正気を保ち、ぐっと堪えて視線を逸らす。
(見るなよ……見るんじゃないぞ俺……)
「あっ、あの……」
必死に顔を下に向ける誠であったが、綾芽から話しかけられて一度顔を上げてしまいすぐにまた俯いた。
「ん、何だ吉田」
「席、交代を……」
「あ、す、すまん……」
できるなら股間が落ち着くまで座った姿勢でいたいところだが、今の状況ではとても落ち着くことはできない。
小次郎の方は股間を押さえながら前かがみになってステージに歩いていくので、不格好だがやむを得ず誠もそれを真似ようと立ち上がった所。
「あっ、あの」
また呼び止められて、誠は焦る。好きな女の子の前でこんな格好悪い姿勢であまりいたくないのだ。
「私、このゲームの必勝法に気付いて……」
四人それぞれが所定の席に着くと、ルシファーが進行する。
「それでは三問目、参りましょう。リリム、問題を読み上げて」
「はーい」
今回はリリムが出題。股間を押さえながらステージ上の席に腰掛ける男子二人の前に、美味しそうなプリンの載せられた皿が現れた。ぷるんと揺れるその姿に、男子達はそれぞれ先程見たパートナーの胸を連想してしまう。
「こちらのプリン、片方は先生の作った超おいしいプリンでー、もう片方はボクの作った激マズプリン。問題はどっちが美味しいプリンでしょーか。では始めー」
女子二人がどちらも美味しいアイスを食べられたのに対し、男子は片方が明確なハズレ。不公平に感じざるを得ない男子二人だが、とにかく食べなければどうにもならない。スプーンを手にした二人は、意を決してプリンを口に運んだのである。
「まっっっず!!!」
途端、叫び声を上げたのは誠である。
「うわっ、まずっ……」
それから遅れて、小次郎も引き攣った声でテンションの低いリアクション。今回は二人とも、不味いというリアクションを取った。つまりどちらかは嘘をついているということだ。
「では女子のお二人、回答をお願いします」
(ど……どっちだろう……Bの人のリアクションはなんかウソっぽい気もする……)
(うーん、わざとらしさって点ではAの人だよねー)
考えた末に上がった札は、綾芽はBで桃果はA。今回もまた回答は分かれた。
「ではリリム、正解の発表を」
「はーい! 正解は~Bでした!」
つまり、小次郎は美味しいプリンを食べたにも拘らず不味いというリアクションを取ったことになる。綾芽は見事、それを見抜いていたのである。
「あーっ、せっかく作ったプリン不味いって言われたルシファー先生がヘコんでるー」
と、そこでリリムがルシファーを指差して囃し立てる。勝手なアドリブを入れられたルシファーであるが、ちゃんとヘコんだリアクションはしてあげた。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、構いませんよ」
とはいえ、不味いと言われていい気がしなかったのは事実である。
「では小林さん、服を脱いで頂きましょう」
「あちゃー……」
桃果は何だか気まずそうに、頭を掻く。
「えーっと、ブラからじゃ、駄目かな?」
まさかの提案に、ぎょっとしたのは小次郎である。
(ブラから!? 何で!?)
「構いませんよ」
勿論ルシファーはこれを承諾。しかしそう言われても、桃果は悩んでいる様子。
「やっぱ、普通にショーパンからで」
悩んだ結果、結局通常通り脱ぐことに。お尻のラインをぴっちり出したショートパンツのホックを外して下ろすと、小さなリボンとフリルに花柄の刺繍までブラとお揃いになった純白のショーツがお目見え。しかもこれが上側の丈がかなり短い、所謂ローライズ。清楚でありつつも色っぽい、男心にクリティカルヒットする一品だ。
しかも今回に関しては、それだけでは済まなかった。これだけ股上が浅いせいで、露出した下腹部にショーツから黒いものがはみ出てしまっているのである。
「ちょっ……桃果!? はみ出っ……!」
「あはは……今日のために買った下着だったんだけど、今朝初めて穿いたもので……まさかはみ出ちゃうとは思わず」
そう言いながら仄かに頬を染めつつ、はみ出ている部分をそっと掌で隠す。
普段は羞恥心をどこかに置いてきたのではと感じさせる彼女の珍しく恥じらう姿に、小次郎の情緒はますます乱されたのである。
一方、今回は脱がずに済んだ綾芽は。
「藤林君、やりましたね」
「ああ、この必勝法なら勝てるぞ」
綾芽の提案した作戦が上手く行ったことを喜び綾芽に笑顔を向ける誠であるが、綾芽の顔を見たら自然と谷間も視界に入ったので慌てて目を逸らした。
これにて勝負は五分へと戻された。いよいよ脱衣ゲームは、後半へと差し掛かる。
「今回は両方が正解のため、両方の女子が脱ぐことになります」
「ええー、ホントに脱ぐんだ。あはー、ヤバいよこれ」
そう言いつつも桃果はあまり抵抗する様子がなく、するすると脱いで白のブラジャーを露にした。
小次郎の鼓動が早まる。今の季節透けブラは頻繁に拝ませてくれる桃果であるが、直にブラジャーを見るのはこれが初めてだ。
綺麗な谷間を作る大きな胸に纏ったブラは、清廉な純白に花柄の刺繍を彩り、小さなリボンとフリルを飾り付けている。なかなかに気合いの入った一品である。
「あー、コジローってばガン見ー」
「あっ、いや……」
完全に目を奪われていた小次郎は、それを指摘されてあたふた。とはいえ桃果も見られることをさして嫌がっている様子はなく、楽しげにからかっている調子であった。
一方の綾芽はといえば、桃果が脱ぎ終えてもまだボタンに手を掛けてもいなかった。
「むっ、無理です! 人前で脱ぐだなんて……」
「脱がないのでしたら、私の魔法で強制的に脱がせますよ」
ルシファーに訴えるも、きっぱりと突っぱねられる。
「えっ、あ、あの……じゃあ、せめてスカートからで……」
「どうぞ構いませんよ」
どの部位から脱ぐかということに関しては、ゲームのルールや進行に問題をきたさない限りは寛容なのがルシファーである。
綾芽が誠に背を向けて躊躇いながらもスカートを下ろすと、飾り気の無い白無地フルバックのショーツがお目見え。誠が胸中をざわつかせる中、綾芽は誠に正面を向けてブラウスの裾を両手で引っ張り少しでもショーツを隠そうとしていた。
(おいおいおいおい何だよこれ)
胸を隠したいあまり下から脱いだ結果、これはこれで大変やらしい姿になってしまった綾芽。しかも引っ張られた布が胸の辺りでぱつんぱつんになってその爆乳をより強調させている始末。
誠は先程まで綾芽の座っていた椅子にさっと腰を下ろし、足を組んで股間の上に両手首を重ねて置いた。できる限り自然な姿勢で勃起を隠そうという涙ぐましい努力である。
見られるのを嫌がる綾芽のために極力綾芽から目を逸らそうとするものの、内心では男の本能がもっと見せろと訴えている。
「それでは第二問を始めましょう。女子のお二人はステージへ」
ルシファーに言われても桃果はノリノリで、綾芽はそそくさとステージに上がる。
「これよりお二人には、こちらのアイスを食べて頂きます」
女子二人が腰掛ける席の前に、空中に固定された棒アイスが出現した。同じく、リリムの前にもそれは現れていた。
「食べ方はこんな風にねー」
手本として実演して見せたリリムは、ぱくっと咥えてちゅぱちゅぱとしゃぶり、さも何かを連想させるかのような動きでアイスを賞味していた。
「注意点としては、歯でアイスを齧ってはいけないということです。あくまでも舐めてアイスを溶かして下さい。このアイスは二層構造になっており、問題は外側のバニラアイスを溶かして出てきた内側の層。片方はこれが甘い練乳味、もう片方は酸っぱいレモン味ですが見た目は練乳と変わりません。男子のお二人には、一体どちらが練乳味のアイスかを食べているかを当てて頂きます。それでは女子のお二人、アイスをどうぞ」
「えーっと、じゃあ、いただきまーす」
男子二人の視線の中、桃果は少し照れながらもアイスを口に含んだ。
「ん、おいひい」
「で、では私も……いただきます」
遅れて綾芽も、渋々ながらアイスを口に含んだ。ちゅぱちゅぱと音を立てながら、アイスをしゃぶる二人。
(俺は一体何を見せられているんだ)
この光景を見せられる男子二人の心境たるや、果たしてどう表現すべきか。
やがて溶けたアイスが大きな胸にぽたぽたと垂れ、女子二人は大変けしからん恰好に。ブラウスを着ている綾芽はまだしも、生の谷間に白い液体を垂らした桃果の破壊力は凄まじい。
(桃果、頼むからそれ拭いて)
小次郎がそう思った辺りで、桃果の表情がふにゃりと柔らかくなった。アイスの味が変化したのだと、思わせるリアクションだ。
その後に綾芽も、少し苦しそうにきゅっと目をつぶる。
(今の吉田の表情……アイスが酸っぱかったのか?)
綾芽の表情からアイスの味を読み取ろうとした誠。あれは確かに酸っぱそうに見えるが、確証は持てない。
(そうだ、相手と表情を比較すれば……)
綾芽の方にばかり視線が行ってしまい、そこに気付くまで時間がかかった。だが、それはもう遅かったのである。
「そこまで! では男子のお二人、回答をどうぞ」
誠が桃果の方に視線を向ける前に、ルシファーが宣言。男子二人はそれぞれ回答札を上げた。誠はAで、小次郎はB。今回はお互い自分のパートナーを選択した。
「正解は~Bの小林桃果さん! つまり内村君のみ正解です!」
(くそっ、やっぱりさっきの表情は酸っぱかったからだったのか!)
当てずっぽうで綾芽を選んだ誠だったが、案の定不正解。
「すまん吉田。相手の方見てなかったから、相手がどういう表情してるのかわからなくって……」
「え、あ、はい」
誠が頭を下げて謝ると、綾芽は不思議とそれで納得した様子だった。
「そうそう、アイスはどうぞこのままお召し上がり下さい。ここからは普通に食べて構いませんよ」
ルシファーがそう言うと、桃果はさっそくアイスに齧りついて食べ始めた。見ていた小次郎は、一瞬股間にヒュンと来たのである。
「んー、おいしい! これどこで売ってるの?」
「そちらのアイスは、私の手作りですよ」
密かに料理が趣味なルシファーの、お手製アイス。これには桃果も舌鼓を打った。
「おいしかったよー。ごちそうさまー」
一方酸っぱいレモン味のアイスをお出しされた綾芽であるが、こちらもこれはこれで美味しく喜んで完食。
「あ、ごちそうさまでした。美味しかったです」
「それはどうも。ところで吉田さん、服を脱がなければならないこと、忘れてはいませんよね?」
「え、あ、あぅ……」
狼狽える綾芽をルシファーは視線で追い詰めると、綾芽は観念してボタンを外し始めたのである。
誠が唾を呑む。ブラウスを脱いで谷間が見えた――かに思えたがその下に着ていたのは白無地のキャミソール。
「あの、ここまでで……」
「駄目です」
「はい……」
改めてキャミソールに手を掛け、ゆっくりと捲り上げて脱ぎ捨てる。一度胸に引っかかり、持ち上がった胸が揺れて誠の精神を乱した。
綾芽のブラはショーツと同じく飾り気の無いシンプルな白無地。本来HカップだがGカップのものを使用していることもあり、柔らかそうな乳房がぎゅっと押し込められて今にもはち切れそう。
(で、でっっっっっけえ!!)
谷間に吸い込まれる視線。ド迫力のサイズ感に圧倒された誠は、思わず目を見開いた。
だが握った拳の爪を掌に食い込ませて正気を保ち、ぐっと堪えて視線を逸らす。
(見るなよ……見るんじゃないぞ俺……)
「あっ、あの……」
必死に顔を下に向ける誠であったが、綾芽から話しかけられて一度顔を上げてしまいすぐにまた俯いた。
「ん、何だ吉田」
「席、交代を……」
「あ、す、すまん……」
できるなら股間が落ち着くまで座った姿勢でいたいところだが、今の状況ではとても落ち着くことはできない。
小次郎の方は股間を押さえながら前かがみになってステージに歩いていくので、不格好だがやむを得ず誠もそれを真似ようと立ち上がった所。
「あっ、あの」
また呼び止められて、誠は焦る。好きな女の子の前でこんな格好悪い姿勢であまりいたくないのだ。
「私、このゲームの必勝法に気付いて……」
四人それぞれが所定の席に着くと、ルシファーが進行する。
「それでは三問目、参りましょう。リリム、問題を読み上げて」
「はーい」
今回はリリムが出題。股間を押さえながらステージ上の席に腰掛ける男子二人の前に、美味しそうなプリンの載せられた皿が現れた。ぷるんと揺れるその姿に、男子達はそれぞれ先程見たパートナーの胸を連想してしまう。
「こちらのプリン、片方は先生の作った超おいしいプリンでー、もう片方はボクの作った激マズプリン。問題はどっちが美味しいプリンでしょーか。では始めー」
女子二人がどちらも美味しいアイスを食べられたのに対し、男子は片方が明確なハズレ。不公平に感じざるを得ない男子二人だが、とにかく食べなければどうにもならない。スプーンを手にした二人は、意を決してプリンを口に運んだのである。
「まっっっず!!!」
途端、叫び声を上げたのは誠である。
「うわっ、まずっ……」
それから遅れて、小次郎も引き攣った声でテンションの低いリアクション。今回は二人とも、不味いというリアクションを取った。つまりどちらかは嘘をついているということだ。
「では女子のお二人、回答をお願いします」
(ど……どっちだろう……Bの人のリアクションはなんかウソっぽい気もする……)
(うーん、わざとらしさって点ではAの人だよねー)
考えた末に上がった札は、綾芽はBで桃果はA。今回もまた回答は分かれた。
「ではリリム、正解の発表を」
「はーい! 正解は~Bでした!」
つまり、小次郎は美味しいプリンを食べたにも拘らず不味いというリアクションを取ったことになる。綾芽は見事、それを見抜いていたのである。
「あーっ、せっかく作ったプリン不味いって言われたルシファー先生がヘコんでるー」
と、そこでリリムがルシファーを指差して囃し立てる。勝手なアドリブを入れられたルシファーであるが、ちゃんとヘコんだリアクションはしてあげた。
「ご、ごめんなさい」
「いえ、構いませんよ」
とはいえ、不味いと言われていい気がしなかったのは事実である。
「では小林さん、服を脱いで頂きましょう」
「あちゃー……」
桃果は何だか気まずそうに、頭を掻く。
「えーっと、ブラからじゃ、駄目かな?」
まさかの提案に、ぎょっとしたのは小次郎である。
(ブラから!? 何で!?)
「構いませんよ」
勿論ルシファーはこれを承諾。しかしそう言われても、桃果は悩んでいる様子。
「やっぱ、普通にショーパンからで」
悩んだ結果、結局通常通り脱ぐことに。お尻のラインをぴっちり出したショートパンツのホックを外して下ろすと、小さなリボンとフリルに花柄の刺繍までブラとお揃いになった純白のショーツがお目見え。しかもこれが上側の丈がかなり短い、所謂ローライズ。清楚でありつつも色っぽい、男心にクリティカルヒットする一品だ。
しかも今回に関しては、それだけでは済まなかった。これだけ股上が浅いせいで、露出した下腹部にショーツから黒いものがはみ出てしまっているのである。
「ちょっ……桃果!? はみ出っ……!」
「あはは……今日のために買った下着だったんだけど、今朝初めて穿いたもので……まさかはみ出ちゃうとは思わず」
そう言いながら仄かに頬を染めつつ、はみ出ている部分をそっと掌で隠す。
普段は羞恥心をどこかに置いてきたのではと感じさせる彼女の珍しく恥じらう姿に、小次郎の情緒はますます乱されたのである。
一方、今回は脱がずに済んだ綾芽は。
「藤林君、やりましたね」
「ああ、この必勝法なら勝てるぞ」
綾芽の提案した作戦が上手く行ったことを喜び綾芽に笑顔を向ける誠であるが、綾芽の顔を見たら自然と谷間も視界に入ったので慌てて目を逸らした。
これにて勝負は五分へと戻された。いよいよ脱衣ゲームは、後半へと差し掛かる。
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