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第二章

第49話 佐藤孝弘の初恋

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 中学時代の佐藤孝弘は、好きなことには一直線だがそうでないことにはとことん興味関心の薄い男であった。体育の成績だけが良い通知表が、それを物語っている。
 学校には部活と体育をやりに行っているようなもので、どちらかといえば不真面目な生徒であった。
 背が高くて運動神経が良く顔も良い方とあって女子から結構モテていたのだが、悲しきかな彼にとって興味関心の薄いものの一つが恋愛であった。
 男子中学生らしい性欲は人並にあるのだが適度な自己処理で満足してしまっており、彼女を作ってどうこうしたいという欲求は希薄だった。AVの類を沢山持っておりそれを気前よく貸してくれる友人の存在も大きかっただろう。
 彼女なんか面倒だから欲しくないと言い切ったことで、件の友人こと代々木当真から大顰蹙を買ったのは言うまでもない。

 そんな彼が当真と共に進学したのが、孝弘の家から歩いて通える距離にある綿環高校。地元の子が多く通う高校であり、孝弘のいた綿環南中学校からも多くの生徒がそこに進学していた。
 桜舞う入学式の通学路、新しい制服に袖を通した孝弘は高校生活への期待に胸躍らせていた。高校は中学とは逆方向であるため、これまでとは全く違う通学路が新鮮に映った。
 自宅から暫く歩いた所にあるT字路で、孝弘はふと向かい側から歩いてくる女子三人に目線を向けた。制服の真新しい感じからして自分と同じ新入生だろうと、孝弘は思った。
 孝弘に限らず道行く男子の視線を一点に集める彼女達は三人とも実に容姿端麗であり、さながらこの地に天使が舞い降りたという印象さえ感じられた。
 だがその中でも孝弘が目を奪われたのは、三人の内の一人にであった。彼女はほっそりとしたやや小柄な体躯で色白の肌。艶やかなキューティクルの黒髪おかっぱ頭に、水色のカチューシャがよく似合っている。派手さは無いがそれこそ清楚可憐を絵に描いたような、さりげなく咲く花のような雰囲気の美少女だ。友達二人と話しながらほんのり桜色に頬を染め上品に笑うその姿に、孝弘の視線は釘付けとなっていた。

(可愛い子だな。通学路で毎日会えるならちょっとした目の保養だ)

 少し得した気持ちになっていると、視線に気付いたのか件の彼女は孝弘の方に顔を向けた。一瞬目が合うと、途端に心臓がきゅっとなる感覚を覚えた。経験したことのない奇妙な感覚に戸惑いを感じた孝弘であるが、それが何であるかまでは今はまだ気付いていなかった。

 クラス表を見た後、孝弘は一年A組の教室に入り自分の席を確かめた。孝弘の席は廊下側から二番目の列の、後ろから二番目。
 とりあえず荷物を置いて同じ中学出身の人と話をしていると、今朝の美少女三人組が揃って教室に入ってきた。どうやら三人とも同じクラスのようである。
 孝弘は自然とあの黒髪の美少女を目で追ってしまうが、すると驚くことに彼女は孝弘のすぐ後ろの席に腰を下ろした。せっかくだからと、孝弘は声をかけてみる。

「ども、これからよろしく」

 孝弘が挨拶すると、黒髪美少女は笑顔で「よろしくね」と返した。

 体育館での入学式を終えて教室に戻ると、まずは担任の挨拶から新入生達の自己紹介へ。出席番号一番は美少女三人組の一人である相川凛華。そこから一人一人順番に自己紹介してゆく。

「綿環南中出身、佐藤孝弘。小一からずっと野球やってます。右投げ右打ち、ポジションはセンター。特に野球部入る予定の人はよろしくお願いしまーす」

 簡素に自己紹介を終えて席につくと、次はいよいよ後ろの席の黒髪美少女の番だ。

「綿環東中出身、島本悠里です。裁縫が趣味で、細かい手作業と整理整頓が得意です。皆さん、これからよろしくお願いします」

 透明感のある可愛らしい声。少し緊張が見て取れるものの背筋をピンと伸ばしてはきはきと話す姿を、孝弘は後ろを振り返りながら眺めた。

(島本悠里さん、か……)

 自己紹介後ほどなくして孝弘は身長の都合により一番後ろ、即ちすぐ後ろの悠里と席を交代することになった。中学でも孝弘の席は教室の一番後ろが定位置だったため、これに関しては想定内だ。
 だけど今回に関しては、何だか特別な気持ちにさせられるのである。何といってもすぐ目の前に美少女がいて、毎日それをすぐ近くで眺められるのだから。

 今日は午前中で終わって解散となり、孝弘はクラスの別れてしまった当真と二人で下校していた。

「なあ孝弘よ。案の定クラスの男子の中で俺が一番チビだったわけだが」
「そうか、残念だったな」
「いやだがな、うちのクラス女子のレベルは高いんだ。これは視姦のしがいがあるぜ!」
「ああ、よかったな」

 素っ気ない反応を返してばかりの孝弘であるが、当真からしてみればこういう反応をされるのは慣れたものである。

「そんで、お前のクラスはどうなんだよ」
「どうって、何が」
「可愛い女子だよ可愛い女子! 他に何があるってんだ」

 そう言われて孝弘は真っ先に悠里のことが浮かんだが、何となく当真に話すのは憚った。

「あー、いや、特に気にしてなかったな」
「ケッ、どーせお前は高校でも無駄にモテるんだろうなー。そんで女を泣かせまくると」
「人聞きの悪いことを言うな」
「勿体ねーよなー、おっぱいデカくて可愛い子からも告られてたのに」
「恋愛なんかに興味が無いだけだ」

 いつものようにそう返す孝弘であったが、ふと胸の奥に刺さるものを覚えた。

(……どうなってんだ、今日の俺は)

 孝弘がその気持ちの正体に気付くのに、そう時間はかからなかった。


 本格的に高校生活が始まると、孝弘は次第に悠里の人となりを知るようになった。
 彼女はまさしく品行方正な優等生。生真面目な性格ではあるが物腰柔らかで人当たりが良く、堅苦しさは感じられない。細やかな気遣いができる優しくて親しみやすい女の子。中学の頃は学級委員長をやっていたらしく、東中出身者の一部からは「委員長」のあだ名で呼ばれていた。
 すぐ後ろの席の孝弘は、毎朝挨拶をしてもらえる役得な立場であった。話しかけられただけで嬉しい気持ちになり、いつも彼女をつい目で追ってしまう。授業中とても良い姿勢で机に向かい真剣にノートをとる後ろ姿を、孝弘は授業内容も頭に入らず常に眺めていた。

(ああ、もう完全に惚れてるな……)

 恋愛になんか興味が無いつもりだったのに、清楚な魅力にコロッと落ちた。


 入学から一週間ほどが経った頃に、学級委員長を決めることになった。
 担任が立候補者に挙手を求めると、真っ先に手を挙げたのは委員長のあだ名で呼ばれる悠里であった。

「では学級委員長は島本さんにお任せするとして、副委員長をやりたい人は……」

 すると孝弘は、自然と手を挙げていたのである。

「では副委員長は佐藤君に。いきなりで悪いのですが、二人には仕事を頼みたいので明日の朝、一時間早く登校して下さい」

 突然の頼まれ事。中学の頃にも学級委員はこういう面倒な雑用を押し付けられていて可哀想だったなと、孝弘は思い出していた。だけど悠里は嫌な顔一つせずにそれを承諾。流石慣れているのだろうなと、孝弘は思った。


 その日の放課後、孝弘は一度帰宅した後私服に着替え当真の家に行っていた。

「ふーん、お前が学級委員ねぇ。まあ向いてるんじゃねーか? お前野球道具の手入れとかグラウンドの整備とかそういうのむっちゃ丁寧だし」
「それで実はな、これから学級委員らしくなろうと思ってこういうのを買ってみたんだ」

 そう言って孝弘が鞄から取り出したのは、伊達眼鏡であった。それを掛けてみて、当真の顔を見る。

「どうだ、知的で真面目っぽく見えないか」
「……眼鏡かけたら知的に見えるってのが既にバカの発想だな。で、一体どうして突然学級委員なんか。お前そういうの部活やる時間減るからやりたがらないと思ってたわ」

 眼鏡に関してはどうでもよさそうに流し、当真は気になっていたことを尋ねる。

「まあ、それは……」

 少し頬を染め話すのを躊躇っている孝弘を見て、当真はピンときた。

「まさか……女か」
「……悪いかよ」
「マジかよお前。あんだけ恋愛興味無いっつってた癖に。で、どうなんだ。おっぱいデカいのか? AV女優でいうと誰似だ?」
「何でAV女優に例えるんだよ」
「その子に似た女優の出てるAV貸してやろうって粋な計らいじゃねーかよ」
「いや……今はまだその子のことそういう風には見たくないっていうか……」
「は? お前いつからそんなピュアなキャラになった?」

 恋をすると人は変わるというが、孝弘のこの変貌ぶりに当真はぽかんとするしかなかった。


 翌朝。孝弘は担任に言われた通り一時間早く家を出た。部活の朝練のお陰で朝早いのには慣れており、それは別に苦ではなかった。むしろ朝早くから悠里に会えることが嬉しくてたまらなかった。
 孝弘の家と悠里の家の合流地点となるT字路にて、丁度いいタイミングで悠里と鉢合わせ。孝弘の姿を見ると、悠里は笑顔で声をかけてきた。

「おはよう佐藤君」
「おはよう島本さん。今日は一人?」
「凛華と佐奈に朝早くから付き合わせるのも悪いから。佐藤君、今日は眼鏡なんだ」
「ああ、うん」
「いつもはコンタクトにしてるの?」
「いや、別に目が悪いわけじゃないんだ。ファッションで掛けてみたというか。変じゃないかな?」
「そんなことないよ。似合ってる」
(よし、明日からずっと眼鏡掛けてこよう)

 当真には馬鹿にされた伊達眼鏡だが、悠里には褒めてもらえて孝弘は内心小躍りしたい気分になった。

「俺、学級委員やるの初めてだからさ、色々教えてくれれば助かるんだけど」
「うん、任せて。私、小学校からずっとやってるから慣れてるの」


 軽く話をしながら登校した二人は、教室に鞄を置いた後職員室に行って担任から仕事の概要を聞いた。朝のホームルームで配るプリントをホッチキスで止める簡単な作業だ。

「じゃあ、これ教室まで持ってって作業お願いします」

 大量のプリントが詰められた段ボール箱を指さして担任が言うと、孝弘は少々苦い顔をした。

(何枚あるんだこれ)

 三十人弱の一クラス全員分と考えても相当に多く、ホッチキスで閉じたら一冊の本になりそうな枚数である。

「佐藤君、一緒に運ぼうか」

 悠里がそう言うと、孝弘はそれに反して一人で軽々と箱を持ち上げた。

「ああ、俺一人で大丈夫。今の俺が一番役立つ事っていったら結局力仕事になっちゃうし、重い物持つのは俺に任せてよ」

 悠里は申し訳なさそうにしつつも「じゃあお言葉に甘えさせてもらうね」と孝弘の提案を承諾した。


 教室に戻ると、悠里は自分の机を孝弘の机と向き合うように動かしぴったりとくっつけた。プリントを箱から出すと、早速作業に取り掛かる。
 慣れた手つきで早くて丁寧な仕事をしてゆく悠里を眺めていた孝弘であるが、はっとして自分も作業を始めた。悠里と向き合う形で座るというのは、もうこれだけで胸がときめいていた。
 悠里の仕事の早さは勿論のこと二人で手分けしてやったことで、大量にあるかに見えた作業は存外早く終わった。

「凄いな島本さんは。入学式の自己紹介でも細かい手作業が得意だって言ってたっけ」
「小さい頃から手芸に触れてきたから、自然とね」

 そう言う悠里は、他の生徒が登校してくるまでまだ少々時間があるので掃除道具入れから箒を取り出し教室の床を掃き始めた。

「え、今から掃除?」
「うん、せっかくだから時間を潰すのも兼ねてやっておこうかなって」

 当然昨日も午後の清掃時間に通常通り掃除はしている。その時も悠里の丁寧な仕事ぶりは、孝弘の記憶に残っていた。

「みんなが気持ちよく教室を使えるように、少しでも綺麗にしておこうと思って」
「ああ、わかるな。俺も部活で使った後のグラウンドの整備とか結構大事にしてるし」

 とりあえず悠里に倣って掃除を手伝う孝弘であったが、やはりというか掃除をしながらも自然と悠里に目が行ってしまう。ふと孝弘の視線が向けられたのは、悠里の髪飾りだ。今日の悠里はピンクのカチューシャを付けてきている。

「そういえば島本さん、毎日違うカチューシャ付けてきてるよね」

 孝弘がそう言うと、悠里はきょとんとした表情。それから程なくして口元が緩み、仄かに頬を染めた。

「カチューシャ、小さい頃から好きで沢山集めてるの」
「へぇー、凄く似合ってるよ」
「ありがとう」

 心の底から嬉しそうな笑顔。それがたまらなく可愛くて、孝弘は直視できず俯きながら床を掃く手を速めた。

「おっはよー!」

 と、その時、戸を開ける音と共に教室に響く声。登校してきたのはパイナップルヘアーに小麦色の肌の女子生徒、永井百合音であった。

「あ、島本さんも佐藤君も朝からお疲れ様ー」
「おはよう永井さん」

 他の生徒が登校してきたので、悠里は集めたゴミを片付け掃除を切り上げた。まだ顔の赤らみが止まぬ孝弘は、百合音に勘付かれぬよう顔を背け窓の外を見たのである。



 そうして二人はその後も共に学級委員の務めを続け、早十ヶ月。男子も女子も色めき立って仕方がないあの、バレンタインデーがやってきていた。
 もう進級は間近に迫ってきていたが、孝弘はまだ、愛の告白ができずにいた。これまで全く恋愛に興味関心を持たなかったが故の恋愛音痴ぶりで、関係性は一向に進展しなかったのだ。
 勿論この日孝弘は悠里からチョコが貰えるんじゃないかという期待に胸を高鳴らせていたが、そんな孝弘の所にやってきたのは見ず知らずの女子からの本命チョコであった。

「佐藤君、これ受け取って下さい!」
「ごめん、それは受け取れない」

 そして勿論きっぱり断るわけである。他の男子からしてみれば羨ましいのかもしれないが、興味の無い女子からどれだけモテたって仕方が無いのだ。
 中学の頃同様に孝弘は時々愛の告白をされていたわけであるが、そういった際に興味が無いの一点張りだった中学時代とは、また違った感情を抱いたのである。

(どうしてこう、到底実るとは思えない相手に告白できるかね)

 自分は振られるのが怖くて告白できないというのに、話したこともない相手に告白できる人の感覚が理解できなかった。
 孝弘以上にモテる悠里が他の男子から告白された時には気が気でなくなったが、悠里は全てきっぱりと断っていたので胸を撫で下ろした。だがそれと同時に、自分もそんな無残に振られる男子の一人なのだろうという感情に苛まれた。


 休み時間、悠里が鞄からチョコを取り出した。そわそわしだした男子は、孝弘に限らず。しかしそんな男子達の期待に反して、悠里は親友である凛華と佐奈とチョコを交換し合っただけで男子達には目もくれなかったのである。
 勿論そわそわしていた男子達の中には、悠里と一緒にチョコを出した凛華や佐奈にそういう感情を向けていた人も少なくなかっただろう。しかし佐奈はともかくとしても凛華はこの秋に同級生の川澄龍之介と交際を始めており、他の男子がチョコを貰える可能性は皆無であった。
 孝弘も含め、男子達は揃って落胆していた。

(まあ、そりゃそうだよな)

 一年近く一緒に学級委員をやってきて、悠里との間に信頼関係が出来てきたとは思っている。だが未だ校外で一緒に遊ぶような仲ではなく、友達と言えるかも疑わしい関係なのだ。
 義理でもいいから貰えたらいいなとは思っていたが、悠里がチョコを作ってきたのは親友二人にだけ。これでは自分が貰えることは諦めざるを得なかった。


 この日も悠里と孝弘は放課後部活に行く前に教室に残って、備品の整理や点検を行っていた。

「……佐藤君、チョコ沢山貰ってたよね」

 他の生徒が皆教室を出て行って二人きりになった所で突然悠里がそう切り出したので、孝弘はドキリとした。

「あー、それは全部断った。好きでもない相手から本命渡されても正直困るし」
「そ、そうなんだ」

 一瞬悠里が鞄から何かを出そうとして引っ込めたことに、孝弘は気付いた。

「島本さん? 今の……」

 まさかと思いながら、胸を高鳴らせて尋ねる。すると悠里は申し訳なさそうに眉尻を下げながら、おずおずと鞄からそれを取り出したのである。

「いつもお世話になってるお礼にと佐藤君にも作ってきたんだけど、迷惑だったかな?」

 透明の小袋に入れリボンで結んでラッピングした、手作りのチョコ。孝弘の心臓は、途端に爆音を立てた。

「あっ、いや、迷惑なんかじゃないよ! 島本さんのだったら喜んで受け取るから! ありがとう!!」

 挙動不審になりながら悠里のチョコを受け取った孝弘であるが、そこでふと気付いたことがある。これは包み袋も中のチョコも、今日凛華と佐奈にあげていたのと全く同じであることに。勿論メッセージカードとかそういった類の物が付いているわけでもない。

(当然、義理だよな)

 本人が「いつもお世話になってるお礼」と言っているわけだし、これを本命だと解釈するのは無理がある。
 親友二人と同等の物を貰えるというのはそれだけ悠里から信頼されている証左ではあるが、それ以上の関係にはなり得ないことの示唆とも感じられる。
 貰えるなら義理でもいいとは思っていたのに、いざ貰ってみたら思っていたよりも落胆が大きかった。

(駄目だな……告白なんてできるわけがない)

 振られて辛い思いをするくらいなら、もういっそ思いを伝えることなく今の関係を続けた方が幸せなのでは。そんな考えが、孝弘の胸中に生じていたのである。
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