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第二章
第46話 B組女子全員参加☆リリムのすぺしゃる脱衣ゲーム
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「全員、ブラとパンツだけの格好で集合ー!」
脱衣所に響き渡る声。二年B組の入浴時間、皆が服を脱いでいると突然リリムがそんなことを言い出した。
「え、何?」
「いいからみんな早くー。もう脱いじゃった人はまた着てー」
強引に召集され、興味津々の人も渋々の人もいるがとりあえず全員言われた通りの格好でリリムの周りに集まる。
「いやー、クラスの女の子全員揃って下着姿だと壮観だねー」
色とりどり個性豊かな下着姿をざっと眺めて、リリムはニヤニヤする。ちなみに本日のリリムの下着は白と水色のストライプ。所謂縞パンというやつである。これが幼児体型のリリムには実にハマっているのだ。
「で、何なの? 下着を見せ合いたかっただけ?」
「フフン、よくぞ聞いてくれました! それではこれより、ゲームを始めます! ルールは簡単。いっせーのーせ、の掛け声と同時にグーチョキパーのどれかを出し、その中で同じ手の形が一番多かった人達が負けです。負けた人は服を一枚脱がなければなりません。一回目でブラ、二回目でパンツを脱ぎ全裸になったら脱落。これを残り一人になるまで続けて、最後まで残った人が優勝です。一番多い手が二種類以上同数ならやり直し、最後まで残ったのが二人になった場合は普通のジャンケンで決着をつけます。以上!」
「ええー……それやんなきゃダメ?」
楽しげにゲームのルールを説明するリリムであったが、宏美が微妙な反応。
「クラスの親睦を深めるレクリエーションだよぉー。どうせここには女の子しかいないんだしー、どうせこの後みんなすっぽんぽんになるんだから。せっかくだしみんなで楽しもうよー。と、いうわけでゲームスタート! みんな準備してー!」
リリムが強引にゲームを始めると、何だかんだで皆準備をしてくれる。
「いっせーのーせ!」
リリムが掛け声を上げると、全員一斉にジャンケンの手を出した。
グー:島本悠里、須崎美奈、野村菊花、三鷹佐奈、宮田麗、桃井宏美、渡乃々可、恋咲凛々夢:計八人
チョキ:相川凛華、高梨比奈子、神埼彩夏:計三人
パー:倉掛里緒、田村響子、富岡櫻、永井百合音、目黒冬香:計五人
「グーの人の負けー!」
そう言いながら、リリムは縞模様のブラを脱いでぺったんこの胸を曝け出す。自分から始めといて真っ先に自分が負けるポンコツぶりであるが、本人はそれすらも楽しそうであった。
「あちゃー、負けちゃったかー」
黒のシンプルなスポーツブラを菊花がさらりと脱ぐ。男子の前ではまだしも、女子だけの時は本当に恥じらいの無い子である。胸のサイズはリリムとどっこいだ。
「まあ、別にいいけど」
次に脱いだのは人前で脱ぎなれている乃々可。青のレースのブラをはらりと脱ぐ。彼女とセフレの関係にある茂徳曰く乳首が黒いとのことだが、本人はそれを特に気にしている様子も無い堂々とした脱ぎっぷり。
「ったくもー、見たけりゃ見ろあたしの胸!」
続けて美奈も派手な赤色に薔薇の刺繍がされた色っぽいブラを堂々と脱ぎ、Fカップの巨乳を見せびらかす。
「美奈、大地と付き合い出してから下着セクシー寄りになったよねえ。以前は安いの使ってること多かったのに」
宏美が黄緑の花柄が可愛らしいブラを脱ぎながら言う。
「あいつ学校帰りとかにもすぐやりたがるからさー、気が抜けないっていうか」
(羨ましい……)
同じく彼氏ができてから下着をセクシー寄りに変えた凛華が、心の中でそんなことを呟く。凛華の彼氏である龍之介は、あまりにもヘタレすぎてそんなスケベな主張は一向にしてくれないのである。いつかそういう行為をする時のための準備を念入りにしているのは、凛華の方だけなのだ。
「うひー、彼氏持ちは大変だ」
そう言いながら脱ぐ麗のブラは、ショーツとは色が不揃いな水色地に白の水玉柄。
「さーさー、いいんちょと佐奈ちゃんも脱いで脱いでー」
そこでまだ脱いでいない二人に、リリムが脱ぐことを促す。
「どうする佐奈?」
「もう脱ぐしかなくない? どうせこの後素っ裸になるんだし」
佐奈は照れつつもこの状況を楽しんでいるような表情で、フリルの付いたピンクの花柄ブラを外し始めた。
悠里はそれを見て、凄く恥ずかしそうにしながら自分も純白にリボンをあしらったブラのホックに手をかける。
「そういえば凛華ちゃんも佐奈ちゃんもいいんちょも、前にランジェリーショップで会った時に買ってた下着だよね、それ」
「実はそうなんだよねー。特に示し合わせたわけでもないんだけど、なんかたまたまいい感じに三人ともそれで揃っちゃったみたい」
ブラを脱ぎ終えた佐奈が、両掌で胸を隠しながら言う。
これで一回戦で負けた人は全員トップレスに。堂々としているのはリリム、美奈、菊花、乃々可で、胸を手で隠しているのが悠里、佐奈、麗、宏美。綺麗に半分ずつに分かれた。
(負けたら服を脱ぐゲームって……何だかあの時を思い出しちゃう)
小さな胸をぎゅっと掌で押さえながら悠里の思い出したあの時とは、勿論孝弘と恋人同士になったあの時のことだ。
「あ、脱いだブラはこちらの籠に。ゲームが終わったらそれぞれ自分のロッカーに持ってってね」
そう言ってリリムは一人一人の足下に籠を配る。これは愛天使領域で行うゲームではないので、脱いだ服が魔法で消えたりはしないのである。
「それじゃ二回戦行くよー! いっせーのーせ!」
グー:島本悠里、須崎美奈、永井百合音、野村菊花、三鷹佐奈、桃井宏美:計六人
チョキ:相川凛華、倉掛里緒、高梨比奈子、富岡櫻、宮田麗、目黒冬香、渡乃々可、恋咲凛々夢:計八人
パー:田村響子、神埼彩夏:計二人
「チョキの人の負けー! って、ボク脱落じゃん!」
主催者がまさかの二連敗。勿論わざと負けたわけではなく、本当に運が悪かったのである。
「しょーがない! 見よボクのおけけ!」
縞パンを一気に下ろし、一糸纏わぬ姿に。以前は自身の幼げな見た目に合わせて生えかけ風に僅かだけ残す形に整えていたが、ルシファーが基本的に子供っぽいのを好まないため現在は自然な感じに整えている。
そしてそのまま、リリムは己の裸体を一切隠すことなくゲームの進行役を続けるのである。
「さーさー、同じく二敗目の麗ちゃんと乃々可ちゃんも、パンツ脱いじゃおー!」
「えー……もう、しょうがないなー……」
乃々可が青のショーツを下ろすと、リリムが「わぁお」と声を上げる。
「乃々可ちゃん、赤ちゃんみたいにつるつるだぁ」
「別に今時珍しくもないでしょ」
綺麗に全部無くしてしまっている乃々可に、他の皆も驚いた表情であった。
「うわー……渡さんの後に脱ぐのはハードル上がる……」
麗のショーツは彼女の拘り、ガールズブリーフ。オレンジ色に白の星柄を散りばめたクールなデザインである。
それを急いで脱いだ麗は、すぐさま股間に当ててアンダーヘアを隠す。
「はい、パンツで隠さない! 脱いだ下着は足元の籠へ」
渋々とガールズブリーフを籠に入れた麗は、両手で胸と股間を隠しながらしゃがみ込んだ。
「ヤバいこれすっごい恥ずかしい」
「あ、ちなみにここで脱落した三人は浴室にタオル持ち込み禁止ね」
「え、そういう罰ゲームあるの!? ていうか二人とも堂々としすぎだから実質罰ゲームになってるのあたしだけなんだけど!?」
「ねえ、髪の毛纏めるタオルも持ち込んじゃ駄目なわけ?」
そう尋ねる乃々可は髪がとても長く、彼女にとっては死活問題である。
「あ、それはオッケー。ただしそれで体隠すのは禁止ね!」
リリム自身も乃々可に劣らず非常に長い髪の持ち主であるため、その辺りは十分に理解しているのである。
「で、他のチョキ出した子達もブラ脱ごっか」
麗のことはさておきリリムはゲームを進行。
(なんかこういうの今日二回目だなー)
そう思いながら里緒がベージュのシンプルなブラを脱ぎ、Gカップの爆乳を露にする。
「本当でかいな里緒の乳!」
二連勝した三人のうちの一人である百合音が、それを見て声を上げた。
「岡本君はこれを揉んで吸ったわけか……」
日焼けしていない部分に付いたキスマークのお陰で里緒が清彦と何かしらやらしいことをしていたのはバレバレであり、その話をされた里緒はばつが悪そうな顔。
(倉掛さんはいいわね、お胸が凄く大きくて)
冬香がシックな黒レースのブラを脱ぐ。Cカップである冬香は特別小さいわけでもないのだが、今日の肝試しでその胸に顔をうずめた当真が若干物足りなさそうな顔をしていたことを気にしているようだ。
「なんだか恥ずかしいですわ……」
社会人の彼氏にプレゼントされたセクシーランジェリーを愛用している櫻の今日の下着は、白の透けレース。色気の中に清楚さを併せ持った、櫻らしさを感じさせる一品だ。
「女子高生にエロ下着を贈る櫻の彼氏は間違いなく変態だろうけどさ、櫻に似合う下着選びのセンスに関してはホントにいいんだよねぇ」
いつも部活の着替えで櫻の下着姿を見慣れている麗が、苦笑いしつつ言った。
「あはは……普通にお風呂の前に脱ぐなら別に全然平気なのに、ゲームって形で脱ぐんだと思うと途端に恥ずかしくなるよね」
凛華が紫のレースブラを脱ぎながら照れ笑い。
(私、前にもこういうのやったことあるよぉー。それであっくんと恋人同士になれたから結果オーライとはいえ、やっぱりあれは恥ずかしすぎたよー)
比奈子が小さな体と不釣合いなカップサイズをした、クリーム色のフリル付きブラを脱ぐ。
「わはー、ひなちゃん乳首の色綺麗!」
「えー、あんまり見ないでよー」
恥ずかしい所をリリムに褒められて、比奈子はほんのり薄いピンク色を両掌で隠した。
二回戦終了時点で、十六名中三名が全裸になり脱落、十名がトップレス、残りの三名がブラ健在となっている。まだ脱いでいないのは響子、百合音、彩夏である。
「うーむ……彩夏ちゃん強いなぁ。アイドルのおっぱいが見られると思ったのに」
リリムはじっと彩夏を見ながら言った。
「そういえば彩夏ちゃん、所属プロダクションのアイドルジャンケン大会で優勝してたよね」
「ええ、ジャンケンは昔から得意なの」
麗の言葉を彩夏が肯定。彩夏の意外な特技であった。
「ぐぬぬ……これは強敵だ。よーし、三回戦行くよ! いっせーのーせ!」
グー:島本悠里、須崎美奈、高梨比奈子:計三人
チョキ:相川凛華、倉掛里緒:計二人
パー:田村響子、富岡櫻、永井百合音、野村菊花、三鷹佐奈、目黒冬香、桃井宏美、神埼彩夏:計八人
「パーの人の負けー! おおっ、彩夏ちゃんも負けてる!?」
先程ジャンケンが得意と言ったばかりながら、意外にも彩夏は一番多いパーを出していた。
「まあこういうのは運だから」
にこやかに笑う彩夏の下着は、緑のチェック柄。
リリムの言うとおりアイドルのおっぱいが見られるとあって、他の皆もついドキドキしてしまう。水泳の授業でも今日の海水浴でも水着に着替える際はガッチリガードで隠していた彩夏が、遂にブラの下を同級生女子達の目に映す。
「別にみんなと同じ普通の胸だよー?」
Cカップという大きくも小さくもないサイズに、茶色というごくありふれた色の乳首。人気アイドルのおっぱいというのは、本人の言葉通り案外と普通の胸であった。
そうして一度見せた後、彩夏はすぐに両掌で隠す。
「はいはい、彩夏ちゃんにばかり注目してないでみんなも脱ごっか。ちなみに今回脱落したのは櫻ちゃん、菊花ちゃん、佐奈ちゃん、冬香ちゃん、宏美ちゃんの五名でーす!」
二回負けたら脱落のシビアなルールということもあり、ここで一気に五人が脱落である。
「ああ、負けてしまったわ……」
両サイドの紐をするりと解いて、冬香が黒レースの紐パンを脱ぐ。
「ちなみにここで脱落した人には、ミニタオル一枚を支給します」
リリムはハンカチサイズのミニタオルを冬香に手渡す。冬香はそれを股間に当てて葉っぱ型の茂みを隠した。
「へー、そういうルールなんだ。てことは……」
「そう、もっと勝ち進めば普通のタオルやバスタオルにランクアップしてくよ!」
百合音の質問にリリムが答え、このゲームの趣旨がようやく明かされた。これは勝てば勝つほど裸体を隠せる範囲が増えるゲームなのである。
「あたし案外とジャンケン運とか悪いんだよねー」
菊花は黒地にピンクのラインが入ったボクサーショーツを下ろすと、縦一直線の狭い範囲に整えたアンダーヘアがお目見え。リリムに手渡されたミニタオルは胸に当ててリリムとどっこいの洗濯板を隠したが、下は丸出しのままである。
「やっぱ菊花も胸を隠す派かぁ」
黄緑の花柄ショーツを脱いだ宏美は、こちらもミニタオルを胸に当てる。胸か下かどちらを優先して隠すかで胸を選択するのは、胸にコンプレックスのある子にとっては共感を覚えることのようだ。だがこちらは、菊花と違って股間も掌で隠していた。
「私だったらお尻隠すなー」
キュートなピンクのフリル付きショーツを脱いだ佐奈は、お尻の割れ目を隠すような形でミニタオルを当てていた。やや茶色寄りの乳首もハイレグ用に狭い範囲に整えた下の毛も丸出しである。体のどこが一番恥ずかしいと思うかというのは人それぞれなのだ。
「わたくしはやはりこちらですね」
お尻側がTバック状になったセクシーな白レースのショーツを下ろした櫻は、最もオーソドックスであろう股間に当てて隠した。
「そんじゃ、あたしらも脱ぐかー」
百合音がグレーのスポーツブラを脱ぐと、そこは意外や陥没乳首。けろっとしている風を装っているがどうもそれが結構恥ずかしいらしく、脱いですぐ掌で隠した。
「ほらほらまだ脱いでないの響子ちゃんだけだよー」
「う、うん……」
最後に残った響子は白無地の質素なブラを躊躇い気味に外し、リリムよりはまだ多少あるくらいの小さな胸を出してすぐ隠した。
三回戦終了時点で全体の半数が全裸になり脱落、残りの半分がトップレスとなりもうブラをしている者は一人もいない。
「さーて、盛り上がってきたよー! 四回戦! いっせーのーせ!」
手を出す寸前、一瞬彩夏の目が鋭くなった。
そして皆の出した手は。
グー:倉掛里緒、島本悠里、須崎美奈、田村響子、永井百合音:計五人
チョキ:高梨比奈子:計一人
パー:相川凛華、神埼彩夏:計二人
「グーの人の負けー!」
前回に続き、一気に五人脱落。だがリリムは、それよりも気になることがあった。
(さっき彩夏ちゃんの目つきが……もしや一回負けたことでジャンケンガチ勢の魂に火が点いた!?)
既に彩夏はアイドルらしい笑顔に戻っており、リリム以外でそれに気付いた様子の人も見当たらない。
「で、今回負けた人は?」
「あ、今回負けた人には普通のサイズのタオルを支給ね」
リリムが白いタオルを手に取ると、美奈が受け取ろうと手を伸ばす。
「ストップ! タオルをあげるのはパンツ脱いでから!」
「ええー……」
「しゃーない、脱ぐか」
美奈は潔い脱ぎっぷりで艶やかな赤いショーツを下ろすと、今朝多少整えたとはいえ相当ワイルドな密林がお目見え。リリムから受け取ったタオルは、胸は出したままで男子のように腰に巻いた。
「おおっ、美奈ちゃん男らしい巻き方。それで百合音ちゃんは……」
シンプルなグレーのショーツを脱いだ百合音は、タオルを胸にきゅっと巻いて逆に下を出したままにしていた。
「こういうのもアリでしょ?」
「うんうん、それはそれでセクシーだよ!」
百合音のアンダーヘアは一番下の辺りで小さな逆三角形に手入れされており、なかなか見栄えの良い形である。陥没乳首よりもこちらの方が全然人に見せられるという感覚のようだ。
一方で悠里も、ここまで来たら覚悟を決めて純白のショーツを脱いだ。タオルを受け取ると、オーソドックスに胸から垂らすようにして胴の前面全体が隠れるようにする。
「いいんちょの隠し方は王道だねー」
「もう、そういうこと言われるのも恥ずかしいんだから……」
そんな悠里の脱ぐ姿を見ながら、美奈はふと思った。
(今回は委員長とは同時に脱落かー)
自分と悠里が同時に全裸になると、どうしてもあの日のことを思い出してしまう。
あの時は一人だけ全裸にさせられて恥ずかしそうな悠里に同情し、勝った自分もショーツを脱いで全裸になるという行動に出た。そうして大地に剛毛を見られてしまったわけであるが、結果として大地の前で脱ぐことへの抵抗感が薄れ、付き合って日の浅い内から初体験をするに至ったのである。
「ムフフ、いいんちょのお尻すべすべー」
普段ガードの固い悠里がこれほど脱いだ姿が物珍しく調子に乗ったリリムは、悠里の後ろに回り込みつるんとして柔らかそうなお尻を観賞。このタオルの使い方は前面のガードは固いが、後ろは何も隠せていない完全な丸見えなのである。悠里は右手でタオルを押さえたまま左手でお尻の割れ目を隠す。
「もう、恋咲さんっ」
あまりやりすぎると本気で不機嫌にさせてしまうので、リリムはこの辺りで止めておく。
続けて、里緒もベージュのショーツを脱ぐ。脱衣ゲームで全裸にされるのは本日二度目である。タオルは悠里と同じように胸から垂らして胸と股間を同時に隠す。
「わぁお、里緒ちゃん超えっち!」
が、そんな里緒を見てリリムが声を上げる。里緒の胸が大きすぎるあまり垂らしたタオルと胴体の間に大きな隙間ができ、下の毛がほぼ丸見え。単に本人は隠せてるつもりでも隠せていないというだけでもエロいのに、それが爆乳故にというのが尚更に艶めかしい印象を与えるのである。
リリムに股間を指差されて気付いた里緒は、慌ててタオルを押さえて隠した。
「あはは、恥ずかしー」
照れ笑いする里緒は、何だかんだでこれを楽しんでいる様子。
一方先程は脱ぐのを躊躇っていた響子であるが、流石に今度は覚悟を決めており飾り気の無い白無地のショーツを潔く脱いだ。彼女も美奈と同様に下は殆ど未処理であるが、美奈とは違って範囲は狭め。リリムから渡されたタオルは、これまた美奈と同じ巻き方である。
「あ、響子ちゃんも腰に巻く派なんだ」
「やっぱり、お尻も隠れてないと心もとなくて……」
それに加えて掌で胸を隠し、見られて恥ずかしい部分は一通り隠せている。
「よし、これで全員脱いだね。決勝戦に残ったのは……相川凛華ちゃん! 高梨比奈子ちゃん! 神埼彩夏ちゃん! 以上三名!」
まだパンツを穿いている三人は、揃ってリリムを見る。
「ところで恋咲さん、これ優勝したらどうなるの?」
「え? んー……」
彩夏が尋ねると、リリムは考え込むような様子。
「とりあえず決勝まで残った子には全員バスタオルあげるつもりだけど、優勝の賞品は特に考えてなかったや。まあとりあえず何かいいものあげるよ」
「何かいいもの、ね……」
いよいよ始まった決勝戦。リリムはすっぽんぽんのまま腰を振って鼻歌を歌い、これを盛り上げる。
「いっくよー……いっせーのーせ!!」
グー:高梨比奈子:計一人
パー:相川凛華、神埼彩夏:計二人
「パーの人の負けー! そして優勝は……高梨比奈子ちゃーん!」
「やったぁ」
比奈子は喜びに胸を揺らしながら両手でガッツポーズ。
「というわけで、凛華ちゃんと彩夏ちゃんにはおパンツ脱いで頂きましょー! 人気アイドル彩夏ちゃん、遂にヘア解禁です!!」
「そういう言い方はいい気がしないんだけど……」
そう言いつつも彩夏は緑のチェックのショーツを下ろし、案外と濃い方な黒い逆三角を見せた。
「ムフフ、みーちゃった、みーちゃった」
「私だってこのクラスの一員なんだから、裸の付き合いくらいするわよ。ほら、早くバスタオル頂戴」
すぐに掌で隠しながら、もう一方の手をリリムに差し出す。リリムがバスタオルをあげると、素早くそれを体に巻いた。
「神埼さん、本当肌綺麗……」
「委員長さんにそう言って貰えるなんて光栄ね」
「ほんとだよ彩夏ちゃん!」
リリムがずいと彩夏に顔を近づける。
「そんな綺麗な体してるのに水着グラビアとか一切やらないの勿体無さ過ぎるよぉ!」
「私には私なりのアイドル哲学があるの。そういう売り方してる子やそういう仕事が好きな子を否定するつもりはないけれど、そうやって気安く肌見せるのは神崎彩夏のキャラじゃないから」
きっぱり堂々と言う彩夏の姿には、強い矜持を感じさせる。皆が感心させられる中、リリムは凛華の方に視線を向ける。
「あ、凛華ちゃんも脱いでねー」
「わかってる。私だってヌードには自信あるんだから」
大人っぽい紫レースのショーツを下ろした凛華の裸体は、いつでも龍之介に見せる準備は万端とばかり。さっとタオルを巻いて隠してしまったものの、皆息を呑む美麗なヌードであった。
「凛華ほんとスタイルいいなー」
佐奈が羨ましそうに言う。凛華は美奈や里緒のような爆乳グラマー体型とはまた違った、すらっとしていて均整の取れた言うなれば女性が憧れるタイプのスタイルの良さだ。それでいて胸もそこそこあるので本当に見応えのある裸体である。
「これがあっという間にパーカーに隠されちゃったの、勿体無いなー」
佐奈の指摘に、凛華は溜息。それは凛華自身が一番思っていることであった。
「さて、それじゃ優勝したひなちゃんには、パンツ脱ぐ前にバスタオルを進呈します」
「わーい」
バスタオルを巻いた比奈子はその下で、フリルの付いたクリーム色のショーツを脱ぐ。
「おめでとうひなちゃん。今はまだ何も思いつかないけど、後で何かいいものプレゼントするね!」
「えへへ、うれしー」
そう言ってはにかんだ比奈子であったが、バスタオルの固定が緩く途端にポトリと落ちる。優勝はしたものの、結局その赤ちゃんの髪の毛みたいな可愛らしい毛が丸見えになったのである。
「ひゃあっ」
慌ててバスタオルを拾う比奈子。先程までゲームを楽しんでいた面々は、脱いだ下着を入れた籠をそれぞれのロッカーに持っていった。
「さーて、楽しいゲームも済んだことだし、お風呂入るぞー!」
一切包み隠さぬすっぽんぽんのまま、リリムは一番乗りで大浴場へと駆けていった。
だがそんなお気楽なリリムにも、実は一つ気がかりなことがあった。
四回戦だけでなく、決勝戦においても彩夏は一瞬だけ目を鋭くしていた。だが結果は御覧のとおり、凛華と同じ手を出し優勝を比奈子に譲ったのである。
(もしかしてわざと負けた? だとしても何で?)
疑問に暮れるリリムの背後で、バスタオル姿の彩夏はその背中を見つめていた。
(ここは負けといて正解ね。淫魔の言う『いいもの』なんて、どうせ禄でもないものに決まってるんだもの)
彩夏が心の中でそう言ったことを、リリムには知る由も無かった。
脱衣所に響き渡る声。二年B組の入浴時間、皆が服を脱いでいると突然リリムがそんなことを言い出した。
「え、何?」
「いいからみんな早くー。もう脱いじゃった人はまた着てー」
強引に召集され、興味津々の人も渋々の人もいるがとりあえず全員言われた通りの格好でリリムの周りに集まる。
「いやー、クラスの女の子全員揃って下着姿だと壮観だねー」
色とりどり個性豊かな下着姿をざっと眺めて、リリムはニヤニヤする。ちなみに本日のリリムの下着は白と水色のストライプ。所謂縞パンというやつである。これが幼児体型のリリムには実にハマっているのだ。
「で、何なの? 下着を見せ合いたかっただけ?」
「フフン、よくぞ聞いてくれました! それではこれより、ゲームを始めます! ルールは簡単。いっせーのーせ、の掛け声と同時にグーチョキパーのどれかを出し、その中で同じ手の形が一番多かった人達が負けです。負けた人は服を一枚脱がなければなりません。一回目でブラ、二回目でパンツを脱ぎ全裸になったら脱落。これを残り一人になるまで続けて、最後まで残った人が優勝です。一番多い手が二種類以上同数ならやり直し、最後まで残ったのが二人になった場合は普通のジャンケンで決着をつけます。以上!」
「ええー……それやんなきゃダメ?」
楽しげにゲームのルールを説明するリリムであったが、宏美が微妙な反応。
「クラスの親睦を深めるレクリエーションだよぉー。どうせここには女の子しかいないんだしー、どうせこの後みんなすっぽんぽんになるんだから。せっかくだしみんなで楽しもうよー。と、いうわけでゲームスタート! みんな準備してー!」
リリムが強引にゲームを始めると、何だかんだで皆準備をしてくれる。
「いっせーのーせ!」
リリムが掛け声を上げると、全員一斉にジャンケンの手を出した。
グー:島本悠里、須崎美奈、野村菊花、三鷹佐奈、宮田麗、桃井宏美、渡乃々可、恋咲凛々夢:計八人
チョキ:相川凛華、高梨比奈子、神埼彩夏:計三人
パー:倉掛里緒、田村響子、富岡櫻、永井百合音、目黒冬香:計五人
「グーの人の負けー!」
そう言いながら、リリムは縞模様のブラを脱いでぺったんこの胸を曝け出す。自分から始めといて真っ先に自分が負けるポンコツぶりであるが、本人はそれすらも楽しそうであった。
「あちゃー、負けちゃったかー」
黒のシンプルなスポーツブラを菊花がさらりと脱ぐ。男子の前ではまだしも、女子だけの時は本当に恥じらいの無い子である。胸のサイズはリリムとどっこいだ。
「まあ、別にいいけど」
次に脱いだのは人前で脱ぎなれている乃々可。青のレースのブラをはらりと脱ぐ。彼女とセフレの関係にある茂徳曰く乳首が黒いとのことだが、本人はそれを特に気にしている様子も無い堂々とした脱ぎっぷり。
「ったくもー、見たけりゃ見ろあたしの胸!」
続けて美奈も派手な赤色に薔薇の刺繍がされた色っぽいブラを堂々と脱ぎ、Fカップの巨乳を見せびらかす。
「美奈、大地と付き合い出してから下着セクシー寄りになったよねえ。以前は安いの使ってること多かったのに」
宏美が黄緑の花柄が可愛らしいブラを脱ぎながら言う。
「あいつ学校帰りとかにもすぐやりたがるからさー、気が抜けないっていうか」
(羨ましい……)
同じく彼氏ができてから下着をセクシー寄りに変えた凛華が、心の中でそんなことを呟く。凛華の彼氏である龍之介は、あまりにもヘタレすぎてそんなスケベな主張は一向にしてくれないのである。いつかそういう行為をする時のための準備を念入りにしているのは、凛華の方だけなのだ。
「うひー、彼氏持ちは大変だ」
そう言いながら脱ぐ麗のブラは、ショーツとは色が不揃いな水色地に白の水玉柄。
「さーさー、いいんちょと佐奈ちゃんも脱いで脱いでー」
そこでまだ脱いでいない二人に、リリムが脱ぐことを促す。
「どうする佐奈?」
「もう脱ぐしかなくない? どうせこの後素っ裸になるんだし」
佐奈は照れつつもこの状況を楽しんでいるような表情で、フリルの付いたピンクの花柄ブラを外し始めた。
悠里はそれを見て、凄く恥ずかしそうにしながら自分も純白にリボンをあしらったブラのホックに手をかける。
「そういえば凛華ちゃんも佐奈ちゃんもいいんちょも、前にランジェリーショップで会った時に買ってた下着だよね、それ」
「実はそうなんだよねー。特に示し合わせたわけでもないんだけど、なんかたまたまいい感じに三人ともそれで揃っちゃったみたい」
ブラを脱ぎ終えた佐奈が、両掌で胸を隠しながら言う。
これで一回戦で負けた人は全員トップレスに。堂々としているのはリリム、美奈、菊花、乃々可で、胸を手で隠しているのが悠里、佐奈、麗、宏美。綺麗に半分ずつに分かれた。
(負けたら服を脱ぐゲームって……何だかあの時を思い出しちゃう)
小さな胸をぎゅっと掌で押さえながら悠里の思い出したあの時とは、勿論孝弘と恋人同士になったあの時のことだ。
「あ、脱いだブラはこちらの籠に。ゲームが終わったらそれぞれ自分のロッカーに持ってってね」
そう言ってリリムは一人一人の足下に籠を配る。これは愛天使領域で行うゲームではないので、脱いだ服が魔法で消えたりはしないのである。
「それじゃ二回戦行くよー! いっせーのーせ!」
グー:島本悠里、須崎美奈、永井百合音、野村菊花、三鷹佐奈、桃井宏美:計六人
チョキ:相川凛華、倉掛里緒、高梨比奈子、富岡櫻、宮田麗、目黒冬香、渡乃々可、恋咲凛々夢:計八人
パー:田村響子、神埼彩夏:計二人
「チョキの人の負けー! って、ボク脱落じゃん!」
主催者がまさかの二連敗。勿論わざと負けたわけではなく、本当に運が悪かったのである。
「しょーがない! 見よボクのおけけ!」
縞パンを一気に下ろし、一糸纏わぬ姿に。以前は自身の幼げな見た目に合わせて生えかけ風に僅かだけ残す形に整えていたが、ルシファーが基本的に子供っぽいのを好まないため現在は自然な感じに整えている。
そしてそのまま、リリムは己の裸体を一切隠すことなくゲームの進行役を続けるのである。
「さーさー、同じく二敗目の麗ちゃんと乃々可ちゃんも、パンツ脱いじゃおー!」
「えー……もう、しょうがないなー……」
乃々可が青のショーツを下ろすと、リリムが「わぁお」と声を上げる。
「乃々可ちゃん、赤ちゃんみたいにつるつるだぁ」
「別に今時珍しくもないでしょ」
綺麗に全部無くしてしまっている乃々可に、他の皆も驚いた表情であった。
「うわー……渡さんの後に脱ぐのはハードル上がる……」
麗のショーツは彼女の拘り、ガールズブリーフ。オレンジ色に白の星柄を散りばめたクールなデザインである。
それを急いで脱いだ麗は、すぐさま股間に当ててアンダーヘアを隠す。
「はい、パンツで隠さない! 脱いだ下着は足元の籠へ」
渋々とガールズブリーフを籠に入れた麗は、両手で胸と股間を隠しながらしゃがみ込んだ。
「ヤバいこれすっごい恥ずかしい」
「あ、ちなみにここで脱落した三人は浴室にタオル持ち込み禁止ね」
「え、そういう罰ゲームあるの!? ていうか二人とも堂々としすぎだから実質罰ゲームになってるのあたしだけなんだけど!?」
「ねえ、髪の毛纏めるタオルも持ち込んじゃ駄目なわけ?」
そう尋ねる乃々可は髪がとても長く、彼女にとっては死活問題である。
「あ、それはオッケー。ただしそれで体隠すのは禁止ね!」
リリム自身も乃々可に劣らず非常に長い髪の持ち主であるため、その辺りは十分に理解しているのである。
「で、他のチョキ出した子達もブラ脱ごっか」
麗のことはさておきリリムはゲームを進行。
(なんかこういうの今日二回目だなー)
そう思いながら里緒がベージュのシンプルなブラを脱ぎ、Gカップの爆乳を露にする。
「本当でかいな里緒の乳!」
二連勝した三人のうちの一人である百合音が、それを見て声を上げた。
「岡本君はこれを揉んで吸ったわけか……」
日焼けしていない部分に付いたキスマークのお陰で里緒が清彦と何かしらやらしいことをしていたのはバレバレであり、その話をされた里緒はばつが悪そうな顔。
(倉掛さんはいいわね、お胸が凄く大きくて)
冬香がシックな黒レースのブラを脱ぐ。Cカップである冬香は特別小さいわけでもないのだが、今日の肝試しでその胸に顔をうずめた当真が若干物足りなさそうな顔をしていたことを気にしているようだ。
「なんだか恥ずかしいですわ……」
社会人の彼氏にプレゼントされたセクシーランジェリーを愛用している櫻の今日の下着は、白の透けレース。色気の中に清楚さを併せ持った、櫻らしさを感じさせる一品だ。
「女子高生にエロ下着を贈る櫻の彼氏は間違いなく変態だろうけどさ、櫻に似合う下着選びのセンスに関してはホントにいいんだよねぇ」
いつも部活の着替えで櫻の下着姿を見慣れている麗が、苦笑いしつつ言った。
「あはは……普通にお風呂の前に脱ぐなら別に全然平気なのに、ゲームって形で脱ぐんだと思うと途端に恥ずかしくなるよね」
凛華が紫のレースブラを脱ぎながら照れ笑い。
(私、前にもこういうのやったことあるよぉー。それであっくんと恋人同士になれたから結果オーライとはいえ、やっぱりあれは恥ずかしすぎたよー)
比奈子が小さな体と不釣合いなカップサイズをした、クリーム色のフリル付きブラを脱ぐ。
「わはー、ひなちゃん乳首の色綺麗!」
「えー、あんまり見ないでよー」
恥ずかしい所をリリムに褒められて、比奈子はほんのり薄いピンク色を両掌で隠した。
二回戦終了時点で、十六名中三名が全裸になり脱落、十名がトップレス、残りの三名がブラ健在となっている。まだ脱いでいないのは響子、百合音、彩夏である。
「うーむ……彩夏ちゃん強いなぁ。アイドルのおっぱいが見られると思ったのに」
リリムはじっと彩夏を見ながら言った。
「そういえば彩夏ちゃん、所属プロダクションのアイドルジャンケン大会で優勝してたよね」
「ええ、ジャンケンは昔から得意なの」
麗の言葉を彩夏が肯定。彩夏の意外な特技であった。
「ぐぬぬ……これは強敵だ。よーし、三回戦行くよ! いっせーのーせ!」
グー:島本悠里、須崎美奈、高梨比奈子:計三人
チョキ:相川凛華、倉掛里緒:計二人
パー:田村響子、富岡櫻、永井百合音、野村菊花、三鷹佐奈、目黒冬香、桃井宏美、神埼彩夏:計八人
「パーの人の負けー! おおっ、彩夏ちゃんも負けてる!?」
先程ジャンケンが得意と言ったばかりながら、意外にも彩夏は一番多いパーを出していた。
「まあこういうのは運だから」
にこやかに笑う彩夏の下着は、緑のチェック柄。
リリムの言うとおりアイドルのおっぱいが見られるとあって、他の皆もついドキドキしてしまう。水泳の授業でも今日の海水浴でも水着に着替える際はガッチリガードで隠していた彩夏が、遂にブラの下を同級生女子達の目に映す。
「別にみんなと同じ普通の胸だよー?」
Cカップという大きくも小さくもないサイズに、茶色というごくありふれた色の乳首。人気アイドルのおっぱいというのは、本人の言葉通り案外と普通の胸であった。
そうして一度見せた後、彩夏はすぐに両掌で隠す。
「はいはい、彩夏ちゃんにばかり注目してないでみんなも脱ごっか。ちなみに今回脱落したのは櫻ちゃん、菊花ちゃん、佐奈ちゃん、冬香ちゃん、宏美ちゃんの五名でーす!」
二回負けたら脱落のシビアなルールということもあり、ここで一気に五人が脱落である。
「ああ、負けてしまったわ……」
両サイドの紐をするりと解いて、冬香が黒レースの紐パンを脱ぐ。
「ちなみにここで脱落した人には、ミニタオル一枚を支給します」
リリムはハンカチサイズのミニタオルを冬香に手渡す。冬香はそれを股間に当てて葉っぱ型の茂みを隠した。
「へー、そういうルールなんだ。てことは……」
「そう、もっと勝ち進めば普通のタオルやバスタオルにランクアップしてくよ!」
百合音の質問にリリムが答え、このゲームの趣旨がようやく明かされた。これは勝てば勝つほど裸体を隠せる範囲が増えるゲームなのである。
「あたし案外とジャンケン運とか悪いんだよねー」
菊花は黒地にピンクのラインが入ったボクサーショーツを下ろすと、縦一直線の狭い範囲に整えたアンダーヘアがお目見え。リリムに手渡されたミニタオルは胸に当ててリリムとどっこいの洗濯板を隠したが、下は丸出しのままである。
「やっぱ菊花も胸を隠す派かぁ」
黄緑の花柄ショーツを脱いだ宏美は、こちらもミニタオルを胸に当てる。胸か下かどちらを優先して隠すかで胸を選択するのは、胸にコンプレックスのある子にとっては共感を覚えることのようだ。だがこちらは、菊花と違って股間も掌で隠していた。
「私だったらお尻隠すなー」
キュートなピンクのフリル付きショーツを脱いだ佐奈は、お尻の割れ目を隠すような形でミニタオルを当てていた。やや茶色寄りの乳首もハイレグ用に狭い範囲に整えた下の毛も丸出しである。体のどこが一番恥ずかしいと思うかというのは人それぞれなのだ。
「わたくしはやはりこちらですね」
お尻側がTバック状になったセクシーな白レースのショーツを下ろした櫻は、最もオーソドックスであろう股間に当てて隠した。
「そんじゃ、あたしらも脱ぐかー」
百合音がグレーのスポーツブラを脱ぐと、そこは意外や陥没乳首。けろっとしている風を装っているがどうもそれが結構恥ずかしいらしく、脱いですぐ掌で隠した。
「ほらほらまだ脱いでないの響子ちゃんだけだよー」
「う、うん……」
最後に残った響子は白無地の質素なブラを躊躇い気味に外し、リリムよりはまだ多少あるくらいの小さな胸を出してすぐ隠した。
三回戦終了時点で全体の半数が全裸になり脱落、残りの半分がトップレスとなりもうブラをしている者は一人もいない。
「さーて、盛り上がってきたよー! 四回戦! いっせーのーせ!」
手を出す寸前、一瞬彩夏の目が鋭くなった。
そして皆の出した手は。
グー:倉掛里緒、島本悠里、須崎美奈、田村響子、永井百合音:計五人
チョキ:高梨比奈子:計一人
パー:相川凛華、神埼彩夏:計二人
「グーの人の負けー!」
前回に続き、一気に五人脱落。だがリリムは、それよりも気になることがあった。
(さっき彩夏ちゃんの目つきが……もしや一回負けたことでジャンケンガチ勢の魂に火が点いた!?)
既に彩夏はアイドルらしい笑顔に戻っており、リリム以外でそれに気付いた様子の人も見当たらない。
「で、今回負けた人は?」
「あ、今回負けた人には普通のサイズのタオルを支給ね」
リリムが白いタオルを手に取ると、美奈が受け取ろうと手を伸ばす。
「ストップ! タオルをあげるのはパンツ脱いでから!」
「ええー……」
「しゃーない、脱ぐか」
美奈は潔い脱ぎっぷりで艶やかな赤いショーツを下ろすと、今朝多少整えたとはいえ相当ワイルドな密林がお目見え。リリムから受け取ったタオルは、胸は出したままで男子のように腰に巻いた。
「おおっ、美奈ちゃん男らしい巻き方。それで百合音ちゃんは……」
シンプルなグレーのショーツを脱いだ百合音は、タオルを胸にきゅっと巻いて逆に下を出したままにしていた。
「こういうのもアリでしょ?」
「うんうん、それはそれでセクシーだよ!」
百合音のアンダーヘアは一番下の辺りで小さな逆三角形に手入れされており、なかなか見栄えの良い形である。陥没乳首よりもこちらの方が全然人に見せられるという感覚のようだ。
一方で悠里も、ここまで来たら覚悟を決めて純白のショーツを脱いだ。タオルを受け取ると、オーソドックスに胸から垂らすようにして胴の前面全体が隠れるようにする。
「いいんちょの隠し方は王道だねー」
「もう、そういうこと言われるのも恥ずかしいんだから……」
そんな悠里の脱ぐ姿を見ながら、美奈はふと思った。
(今回は委員長とは同時に脱落かー)
自分と悠里が同時に全裸になると、どうしてもあの日のことを思い出してしまう。
あの時は一人だけ全裸にさせられて恥ずかしそうな悠里に同情し、勝った自分もショーツを脱いで全裸になるという行動に出た。そうして大地に剛毛を見られてしまったわけであるが、結果として大地の前で脱ぐことへの抵抗感が薄れ、付き合って日の浅い内から初体験をするに至ったのである。
「ムフフ、いいんちょのお尻すべすべー」
普段ガードの固い悠里がこれほど脱いだ姿が物珍しく調子に乗ったリリムは、悠里の後ろに回り込みつるんとして柔らかそうなお尻を観賞。このタオルの使い方は前面のガードは固いが、後ろは何も隠せていない完全な丸見えなのである。悠里は右手でタオルを押さえたまま左手でお尻の割れ目を隠す。
「もう、恋咲さんっ」
あまりやりすぎると本気で不機嫌にさせてしまうので、リリムはこの辺りで止めておく。
続けて、里緒もベージュのショーツを脱ぐ。脱衣ゲームで全裸にされるのは本日二度目である。タオルは悠里と同じように胸から垂らして胸と股間を同時に隠す。
「わぁお、里緒ちゃん超えっち!」
が、そんな里緒を見てリリムが声を上げる。里緒の胸が大きすぎるあまり垂らしたタオルと胴体の間に大きな隙間ができ、下の毛がほぼ丸見え。単に本人は隠せてるつもりでも隠せていないというだけでもエロいのに、それが爆乳故にというのが尚更に艶めかしい印象を与えるのである。
リリムに股間を指差されて気付いた里緒は、慌ててタオルを押さえて隠した。
「あはは、恥ずかしー」
照れ笑いする里緒は、何だかんだでこれを楽しんでいる様子。
一方先程は脱ぐのを躊躇っていた響子であるが、流石に今度は覚悟を決めており飾り気の無い白無地のショーツを潔く脱いだ。彼女も美奈と同様に下は殆ど未処理であるが、美奈とは違って範囲は狭め。リリムから渡されたタオルは、これまた美奈と同じ巻き方である。
「あ、響子ちゃんも腰に巻く派なんだ」
「やっぱり、お尻も隠れてないと心もとなくて……」
それに加えて掌で胸を隠し、見られて恥ずかしい部分は一通り隠せている。
「よし、これで全員脱いだね。決勝戦に残ったのは……相川凛華ちゃん! 高梨比奈子ちゃん! 神埼彩夏ちゃん! 以上三名!」
まだパンツを穿いている三人は、揃ってリリムを見る。
「ところで恋咲さん、これ優勝したらどうなるの?」
「え? んー……」
彩夏が尋ねると、リリムは考え込むような様子。
「とりあえず決勝まで残った子には全員バスタオルあげるつもりだけど、優勝の賞品は特に考えてなかったや。まあとりあえず何かいいものあげるよ」
「何かいいもの、ね……」
いよいよ始まった決勝戦。リリムはすっぽんぽんのまま腰を振って鼻歌を歌い、これを盛り上げる。
「いっくよー……いっせーのーせ!!」
グー:高梨比奈子:計一人
パー:相川凛華、神埼彩夏:計二人
「パーの人の負けー! そして優勝は……高梨比奈子ちゃーん!」
「やったぁ」
比奈子は喜びに胸を揺らしながら両手でガッツポーズ。
「というわけで、凛華ちゃんと彩夏ちゃんにはおパンツ脱いで頂きましょー! 人気アイドル彩夏ちゃん、遂にヘア解禁です!!」
「そういう言い方はいい気がしないんだけど……」
そう言いつつも彩夏は緑のチェックのショーツを下ろし、案外と濃い方な黒い逆三角を見せた。
「ムフフ、みーちゃった、みーちゃった」
「私だってこのクラスの一員なんだから、裸の付き合いくらいするわよ。ほら、早くバスタオル頂戴」
すぐに掌で隠しながら、もう一方の手をリリムに差し出す。リリムがバスタオルをあげると、素早くそれを体に巻いた。
「神埼さん、本当肌綺麗……」
「委員長さんにそう言って貰えるなんて光栄ね」
「ほんとだよ彩夏ちゃん!」
リリムがずいと彩夏に顔を近づける。
「そんな綺麗な体してるのに水着グラビアとか一切やらないの勿体無さ過ぎるよぉ!」
「私には私なりのアイドル哲学があるの。そういう売り方してる子やそういう仕事が好きな子を否定するつもりはないけれど、そうやって気安く肌見せるのは神崎彩夏のキャラじゃないから」
きっぱり堂々と言う彩夏の姿には、強い矜持を感じさせる。皆が感心させられる中、リリムは凛華の方に視線を向ける。
「あ、凛華ちゃんも脱いでねー」
「わかってる。私だってヌードには自信あるんだから」
大人っぽい紫レースのショーツを下ろした凛華の裸体は、いつでも龍之介に見せる準備は万端とばかり。さっとタオルを巻いて隠してしまったものの、皆息を呑む美麗なヌードであった。
「凛華ほんとスタイルいいなー」
佐奈が羨ましそうに言う。凛華は美奈や里緒のような爆乳グラマー体型とはまた違った、すらっとしていて均整の取れた言うなれば女性が憧れるタイプのスタイルの良さだ。それでいて胸もそこそこあるので本当に見応えのある裸体である。
「これがあっという間にパーカーに隠されちゃったの、勿体無いなー」
佐奈の指摘に、凛華は溜息。それは凛華自身が一番思っていることであった。
「さて、それじゃ優勝したひなちゃんには、パンツ脱ぐ前にバスタオルを進呈します」
「わーい」
バスタオルを巻いた比奈子はその下で、フリルの付いたクリーム色のショーツを脱ぐ。
「おめでとうひなちゃん。今はまだ何も思いつかないけど、後で何かいいものプレゼントするね!」
「えへへ、うれしー」
そう言ってはにかんだ比奈子であったが、バスタオルの固定が緩く途端にポトリと落ちる。優勝はしたものの、結局その赤ちゃんの髪の毛みたいな可愛らしい毛が丸見えになったのである。
「ひゃあっ」
慌ててバスタオルを拾う比奈子。先程までゲームを楽しんでいた面々は、脱いだ下着を入れた籠をそれぞれのロッカーに持っていった。
「さーて、楽しいゲームも済んだことだし、お風呂入るぞー!」
一切包み隠さぬすっぽんぽんのまま、リリムは一番乗りで大浴場へと駆けていった。
だがそんなお気楽なリリムにも、実は一つ気がかりなことがあった。
四回戦だけでなく、決勝戦においても彩夏は一瞬だけ目を鋭くしていた。だが結果は御覧のとおり、凛華と同じ手を出し優勝を比奈子に譲ったのである。
(もしかしてわざと負けた? だとしても何で?)
疑問に暮れるリリムの背後で、バスタオル姿の彩夏はその背中を見つめていた。
(ここは負けといて正解ね。淫魔の言う『いいもの』なんて、どうせ禄でもないものに決まってるんだもの)
彩夏が心の中でそう言ったことを、リリムには知る由も無かった。
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