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昭和48年編
しびれた夜明け
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ん?明るい。夜が明けてきた。私は......あーっそのまま亮さんのお腹辺りによだれを垂らしフロアに座りながら寝ていた。足がしびれて動けない。ひょぉじんじんする。
あっ私の頭を撫でる手。
亮さんが手を伸ばしてた。起きてる?.....亮さん。
「亮さん 私 すいません よだれ」
しびれた足で一か八か立ち上がる。見事にまだしびれてました。
くにゃっとなった私は あ―――――っ亮さんが寝転ぶ上に乗っかります。
私....最低 悲惨です。
亮さんの胸に頭を突っ伏した私はそのまま潰れた鼻で変な声で
「ずいません ほんとに.....足が.....」
決してわざとじゃありません。ほんとに......足です。
亮さんは私を抱えてそのままにした。背中を亮さんがぎゅっとした。
「.....真由」
また真由って言った この人。ちゃん忘れてない?
もうお酒ぬけてますよね?
また頭を撫でる。とても優しくゆっくり。きっとちょっと臭うであろう頭を.....。
「くさっ」
コラー!っ。口に出しましたね。くさって!
私は感覚が戻った足で立ち
「もう!だって昨日お風呂やさん行けなかったし汗かいたし!」思わず騒いだ。
「ははははは 俺もだろ」
亮さんが笑った。良かった。
私はコーヒーを淹れた。昨日からおかしな亮さんと私の分のコーヒーを。
なんだろう。気のせいか亮さんの私を見る目が.....。
しかも、あの抱擁といい。
何を話そう。昨日のステージも、酔っぱらった時も、さっきのも、全部触れにくい。何話そう.....。
「亮さんブラックなんですね。私は牛乳入れたい派ですけど、ブラックでも....」
「真由」
また来た!なんか取り憑いたの??
「好きになっていいか?」
このセリフ.....前回は言えなかった『はい』
「.......はい」今回は言った......時代は違うけど。
亮さんはまた私を強く抱きしめた。私はとろけてしまいそう、手がキュンキュンする。胸もキュンキュンした。現代に戻りたくないとすら思った。
―――あっ、ぼっちが言ってた手が早いって話が急に頭をよぎった。え.....。
今度は頭の後ろに手を添えられ......亮さんの綺麗な顔が近づいてくる.....私は顔を逸らした。
ほんとは、亮さんにならチューでもなんでもされたい.....でも。
「ごめん。俺は真由が好きだから......ずっと前から」
真剣な顔。
ずっと前から?
亮さんは帰った。私は複数回に分けて放たれる亮さんの攻撃に完全に放心状態。
開店時間から1時間くらいして、ぼっちがスーツ姿でやって来た。
「昨日亮、大丈夫だった?真由ちゃんに何もしなかった?」
来ましたこの純粋な目のぼっちが。何もしなかった訳でもないけど、なんかした訳でもない.....
「特には何も。ちょっと変なくらいで」
私の怪しい返しにぼっちの顔が曇った....。
「何かあったんだね?もー亮のやつ可愛い真由ちゃんを!!」
ふざけて言うぼっちが頭をカリカリかきながら店を出ていった。と思ったらまた戻って来たぼっちが
「そうだ!気晴らしにボウリング行こうよ。ね?マッチャンもさゆりさんも」
ボウリング.....あぁ平成の職場で毎回ボウリング大会あります。1等は米。2等はなんだっけ。
「景品考えとくから~」
景品が思いつかないからと、結局マッチャンに委ねられた。マッチャンに.....。
店を閉めようと私はテーブルを拭いて回り、看板を端っこに寄せてメニューも吹いて。ん?マッチャンが紙にお絵かき?
「何描いてるんですか?」
「ん?景品よっ。スペシャルな うふっ」
私は幼稚園児がもらうような、メダルでも作ってるのかと覗き込んだ。なぬっ?!マッチャンの無茶ブリです。彼の得意分野。
愛らしいハートの枠に書かれた文字が
『マッチャンと行く浅草デート』
『さゆりと行く浅草デート』
『ぼっちとの行く浅草デート』
『亮と行く浅草デート』
『真由と行く浅草デート』
「マッチャン!これみんな結局浅草いくってなりますよ?」
「あら ほんとッ。まぁいいじゃな~い!作っちゃったし。あっどれが1等なのよこれ.....」
「それは.....人によるのでは.....分かりませんっ」
さゆりさんが最終調整する
「そうねぇ。これじゃ1等賞だけね。1等の人が好きなの選んで残ったメンバーは行きたきゃ勝手に浅草行けば良いんじゃないかしら。」
「じゃ2等はお酒にしましょか。」
+++
―――ボウリング場
景品を見せられ絶句の二人
ああ やっぱりね。ぼっちはしばらくハートに囲まれたマッチャン作カードを見つめてるし、亮さんは知らない顔して首をポキポキ鳴らしてる。
「ジュース買いに行きましょ真由」それにしてもすごい混みよう。人気なんだなボウリング。
私はさゆりさんと売店へ。
戻ると既にボールを持つ亮さん、ぼっちは.....まさかのマイボール!!
さゆりさんも、なぜかユニフォームチックなポロシャツに短パン。なんなんだみんなボウリングって国技なの?
あっ私の頭を撫でる手。
亮さんが手を伸ばしてた。起きてる?.....亮さん。
「亮さん 私 すいません よだれ」
しびれた足で一か八か立ち上がる。見事にまだしびれてました。
くにゃっとなった私は あ―――――っ亮さんが寝転ぶ上に乗っかります。
私....最低 悲惨です。
亮さんの胸に頭を突っ伏した私はそのまま潰れた鼻で変な声で
「ずいません ほんとに.....足が.....」
決してわざとじゃありません。ほんとに......足です。
亮さんは私を抱えてそのままにした。背中を亮さんがぎゅっとした。
「.....真由」
また真由って言った この人。ちゃん忘れてない?
もうお酒ぬけてますよね?
また頭を撫でる。とても優しくゆっくり。きっとちょっと臭うであろう頭を.....。
「くさっ」
コラー!っ。口に出しましたね。くさって!
私は感覚が戻った足で立ち
「もう!だって昨日お風呂やさん行けなかったし汗かいたし!」思わず騒いだ。
「ははははは 俺もだろ」
亮さんが笑った。良かった。
私はコーヒーを淹れた。昨日からおかしな亮さんと私の分のコーヒーを。
なんだろう。気のせいか亮さんの私を見る目が.....。
しかも、あの抱擁といい。
何を話そう。昨日のステージも、酔っぱらった時も、さっきのも、全部触れにくい。何話そう.....。
「亮さんブラックなんですね。私は牛乳入れたい派ですけど、ブラックでも....」
「真由」
また来た!なんか取り憑いたの??
「好きになっていいか?」
このセリフ.....前回は言えなかった『はい』
「.......はい」今回は言った......時代は違うけど。
亮さんはまた私を強く抱きしめた。私はとろけてしまいそう、手がキュンキュンする。胸もキュンキュンした。現代に戻りたくないとすら思った。
―――あっ、ぼっちが言ってた手が早いって話が急に頭をよぎった。え.....。
今度は頭の後ろに手を添えられ......亮さんの綺麗な顔が近づいてくる.....私は顔を逸らした。
ほんとは、亮さんにならチューでもなんでもされたい.....でも。
「ごめん。俺は真由が好きだから......ずっと前から」
真剣な顔。
ずっと前から?
亮さんは帰った。私は複数回に分けて放たれる亮さんの攻撃に完全に放心状態。
開店時間から1時間くらいして、ぼっちがスーツ姿でやって来た。
「昨日亮、大丈夫だった?真由ちゃんに何もしなかった?」
来ましたこの純粋な目のぼっちが。何もしなかった訳でもないけど、なんかした訳でもない.....
「特には何も。ちょっと変なくらいで」
私の怪しい返しにぼっちの顔が曇った....。
「何かあったんだね?もー亮のやつ可愛い真由ちゃんを!!」
ふざけて言うぼっちが頭をカリカリかきながら店を出ていった。と思ったらまた戻って来たぼっちが
「そうだ!気晴らしにボウリング行こうよ。ね?マッチャンもさゆりさんも」
ボウリング.....あぁ平成の職場で毎回ボウリング大会あります。1等は米。2等はなんだっけ。
「景品考えとくから~」
景品が思いつかないからと、結局マッチャンに委ねられた。マッチャンに.....。
店を閉めようと私はテーブルを拭いて回り、看板を端っこに寄せてメニューも吹いて。ん?マッチャンが紙にお絵かき?
「何描いてるんですか?」
「ん?景品よっ。スペシャルな うふっ」
私は幼稚園児がもらうような、メダルでも作ってるのかと覗き込んだ。なぬっ?!マッチャンの無茶ブリです。彼の得意分野。
愛らしいハートの枠に書かれた文字が
『マッチャンと行く浅草デート』
『さゆりと行く浅草デート』
『ぼっちとの行く浅草デート』
『亮と行く浅草デート』
『真由と行く浅草デート』
「マッチャン!これみんな結局浅草いくってなりますよ?」
「あら ほんとッ。まぁいいじゃな~い!作っちゃったし。あっどれが1等なのよこれ.....」
「それは.....人によるのでは.....分かりませんっ」
さゆりさんが最終調整する
「そうねぇ。これじゃ1等賞だけね。1等の人が好きなの選んで残ったメンバーは行きたきゃ勝手に浅草行けば良いんじゃないかしら。」
「じゃ2等はお酒にしましょか。」
+++
―――ボウリング場
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ああ やっぱりね。ぼっちはしばらくハートに囲まれたマッチャン作カードを見つめてるし、亮さんは知らない顔して首をポキポキ鳴らしてる。
「ジュース買いに行きましょ真由」それにしてもすごい混みよう。人気なんだなボウリング。
私はさゆりさんと売店へ。
戻ると既にボールを持つ亮さん、ぼっちは.....まさかのマイボール!!
さゆりさんも、なぜかユニフォームチックなポロシャツに短パン。なんなんだみんなボウリングって国技なの?
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