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昭和48年編
へっくしゅん
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朝のコーヒーの香りがした。いい香り~......あっ寝すぎた?!急いで下へ行くとふぅ~良かった。まだマッチャンは来てない時間。さゆりさんがコーヒーをお上品に小指をぴんと立てて飲んでいた。
私はもう一度部屋に戻り、身なりを整え、「へっくしゅん へっくへっくしゅ」う゛さむい さむい。
「おばようございばず」
「真由!どうしましたの?その声.....」
「あ゛あ゛ずごいごえ.....がぜ?げッ」
どうしよう。本番はもうすぐなのに!!
とりあえず薬を買いに薬局へ行く。あぁ今度はぼぉっと暑い.....玉薬局の入口にあるベンチに座った。まだ開いてなかった。あぁ―――座っていられない......。
「真由ちゃん......なんでここで寝てんだ」
「あ゛わだじがぜみだいで.....ゔ」
何も言わず亮さんは私を抱えてマーガレットへ。そのまま二階のカラフルな部屋で寝かされた。あぁ部屋の趣味が恥ずかしい。私のチョイスじゃありません。このチカチカした感じ。仕方がない....かなり私は今グロッキーだ。
しばらくして戻ってきた亮さんの手には、マッチャン特製お粥と薬。どんなに無口でも人の看病が得意な亮さんはこちらの世界でも同じ。
「あ゛りょうさ゛」
「黙ってて。座れるか?.....口開けろ」
私はゆっくりと起き上がり、口を開ける.....あぁ今すごい酷い顔してるだろうな。ぼさぼさヘアが顔にまとわりつく。亮さんはその髪をパパッと払いのけスプーンを運ぶ。
「よし 少しは食べたな。 薬飲んで寝ろよ」
「あ゛い」
そうだ、私はあの歌を歌わなければ。おとなしく言われた通り黙って寝よう。
朦朧とする中、誰かが頭に冷たいものを取り替えたりしてくれている。亮さんありがとう。
「おやすみ 真由ちゃん」
ん?今のはぼっち?目の上にも濡れタオルがあって見えなかった。あれ熱下がったみたい。
ハンカチで口を抑えて下へ降りた。みんなにうつさないように。マッチャンとさゆりさんにありがとうを言った。
「降りるでない!上!上!飲み物今持ってくからねー」とマッチャンにいわれ、すぐ退散した。
翌日、朝から亮さんが来た
「どう?」
手を伸ばし私のおでこをチェックする。あぁ仕事中の亮さんみたい..... 懐かしいなぁ。
「ありがとうございます。随分良くなったみたい」
「よしっ」
カンカンに入ったのど飴を私の手に乗せて去った。
相変わらずやっぱり言葉数は少ない。
その夜、亮さんとぼっちがマーガレットで音合わせをしていた。私は見学。
音楽好きのマッチャンが、音に合わせて前でフニャフニャ踊っていた。さゆりさんも手拍子して。
「そうだわっ。いいものが」
さゆりさんが棚を開いてごそごそシャカシャカ
「みてー!思い出のタンバリンとマラカスよ」
「いりません」
あっ亮さんその即答ひどい.....。
「そうよね。悲しいような歌だもの」
そう。悲しい歌....どこかで泣いてませんか.って、君の知らない僕って悲しい。
みんなが帰ったあと、私はピアノで『泣いてませんか』を弾いた。そして小さな声で、歌う。
♪またどこかで泣いてませんか
君の知らない 僕はここにいる
弱虫になった僕 消えてしまいそうな
君をみつけたから
私は止まる。だめだっ。どうしてもここまで歌った所で泣いちゃうんだ.....。
もう一度最初から.....
はー。感情を込めたらどうしても。
♪また どこかで ないてませんか
きみの しらない......
カチャン―――
ん?ドアの音がした。誰かいた?風かな。
私は外へ飛び出した。誰もいなかった。
私はもう一度部屋に戻り、身なりを整え、「へっくしゅん へっくへっくしゅ」う゛さむい さむい。
「おばようございばず」
「真由!どうしましたの?その声.....」
「あ゛あ゛ずごいごえ.....がぜ?げッ」
どうしよう。本番はもうすぐなのに!!
とりあえず薬を買いに薬局へ行く。あぁ今度はぼぉっと暑い.....玉薬局の入口にあるベンチに座った。まだ開いてなかった。あぁ―――座っていられない......。
「真由ちゃん......なんでここで寝てんだ」
「あ゛わだじがぜみだいで.....ゔ」
何も言わず亮さんは私を抱えてマーガレットへ。そのまま二階のカラフルな部屋で寝かされた。あぁ部屋の趣味が恥ずかしい。私のチョイスじゃありません。このチカチカした感じ。仕方がない....かなり私は今グロッキーだ。
しばらくして戻ってきた亮さんの手には、マッチャン特製お粥と薬。どんなに無口でも人の看病が得意な亮さんはこちらの世界でも同じ。
「あ゛りょうさ゛」
「黙ってて。座れるか?.....口開けろ」
私はゆっくりと起き上がり、口を開ける.....あぁ今すごい酷い顔してるだろうな。ぼさぼさヘアが顔にまとわりつく。亮さんはその髪をパパッと払いのけスプーンを運ぶ。
「よし 少しは食べたな。 薬飲んで寝ろよ」
「あ゛い」
そうだ、私はあの歌を歌わなければ。おとなしく言われた通り黙って寝よう。
朦朧とする中、誰かが頭に冷たいものを取り替えたりしてくれている。亮さんありがとう。
「おやすみ 真由ちゃん」
ん?今のはぼっち?目の上にも濡れタオルがあって見えなかった。あれ熱下がったみたい。
ハンカチで口を抑えて下へ降りた。みんなにうつさないように。マッチャンとさゆりさんにありがとうを言った。
「降りるでない!上!上!飲み物今持ってくからねー」とマッチャンにいわれ、すぐ退散した。
翌日、朝から亮さんが来た
「どう?」
手を伸ばし私のおでこをチェックする。あぁ仕事中の亮さんみたい..... 懐かしいなぁ。
「ありがとうございます。随分良くなったみたい」
「よしっ」
カンカンに入ったのど飴を私の手に乗せて去った。
相変わらずやっぱり言葉数は少ない。
その夜、亮さんとぼっちがマーガレットで音合わせをしていた。私は見学。
音楽好きのマッチャンが、音に合わせて前でフニャフニャ踊っていた。さゆりさんも手拍子して。
「そうだわっ。いいものが」
さゆりさんが棚を開いてごそごそシャカシャカ
「みてー!思い出のタンバリンとマラカスよ」
「いりません」
あっ亮さんその即答ひどい.....。
「そうよね。悲しいような歌だもの」
そう。悲しい歌....どこかで泣いてませんか.って、君の知らない僕って悲しい。
みんなが帰ったあと、私はピアノで『泣いてませんか』を弾いた。そして小さな声で、歌う。
♪またどこかで泣いてませんか
君の知らない 僕はここにいる
弱虫になった僕 消えてしまいそうな
君をみつけたから
私は止まる。だめだっ。どうしてもここまで歌った所で泣いちゃうんだ.....。
もう一度最初から.....
はー。感情を込めたらどうしても。
♪また どこかで ないてませんか
きみの しらない......
カチャン―――
ん?ドアの音がした。誰かいた?風かな。
私は外へ飛び出した。誰もいなかった。
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