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ドM王子が婚約破棄してくれないのですが!
4(アシュレイ視点)
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アイネ嬢の射殺さんばかりの目つきが忘れられない。俺の脳裏に焼きついて離れない。
あの衝撃でフラフラと歩いていたら、騎士たちに心配されて王城に送り返されてしまった。
気づけばベッドの中だったというわけだ。
はぁ、もっとあの美しいアイネ嬢を見ていたかったのだが……。
そうか、城に呼べばいい。
こちらには、感謝を伝えるという大義名分があるのだからな。
「おい誰か! ベルベット公爵家に遣いを送れ! 剣術を見学させてもらった礼をしたいと伝えろ! 急げ、一刻も早く!」
頭とはこういうときに使うものだ。
……いや、体を使うべきだったか?
一刻も早く会いたいのだから、俺が直接向かえばいいのでは?
いやいや、それは流石に王子としてどうなのかという話になるな。
遣いをやって、返事がきて、アイネ嬢が来るのは早くとも二日か三日後。なんと待ち遠しい。
――邪魔です!
あのときの光景を夢の中でも味わいながら、三日が経過した。
「ついにきたか……この日が!」
目覚めると同時に飛び起きる。
鏡を見れば、お父様譲りのいい男がそこにいる。
湯浴みをして、服を着替えて、準備は完璧だ。
アイネ嬢が飛び上がって喜びそうなプレゼントも準備してあるからな。
あぁ、楽しみで楽しみで仕方がない。
法の勉強でもしながら待つとしよう。
……まずは感謝を述べる。
プレゼントを渡す。
その次はどうするかな。
お茶会でも開くか?
それとも、剣術の稽古に付き合ってもらうとか?
いかんいかん、勉強だ勉強。
……アイネ嬢は、どんな格好でくるのだろう。
まったく文字が頭に入らないまま、約束の時間がきてしまった。
応接室へと向かい、ソワソワしながらアイネ嬢を待つ。
するとすぐに、扉が叩かれる。
「アイネ・ベルベット様がお越しになりました」
「入れ」
自分のものとは思えない少し高い声が出てしまった。
部屋の中を見回しながら、アイネ嬢が入ってくる。
……なるほどなるほど、今日も美しいな。
「あの、王子? ご用件を教えていただきたいのですが。剣の稽古がありますので、何もないようでしたら帰りますけど」
「うおっ! そ、そうだな。まずは感謝を伝えたい。俺も将来的に、戦争へ赴くこともあるだろうと思い、剣術を学び始めたのだが、アイネ嬢の技は大変参考になった。そこで……ビンス、あれを」
おっと危ない、凝視していたのがバレるところだった。
しかし、アイネ嬢には驚かされる。
令嬢たちはみな、俺と目が合った瞬間に頬を赤く染めるというのに、まさか帰ろうとするとは最高だ。頭がクラクラしてしまう。
さて、勝負はここから。きっと手を叩いて喜んでくれるはず。
「アイネ嬢に、このレイピアを授けよう! 王家の紋章が入ったこの……」
「お受け取りできません。お気持ちだけで十分です。ベルベット公爵家には、専属の鍛治士がおります。幼少より手に馴染んだ武器でないと、剣筋がブレてしまいますので。例え国王に命じられましても、他の剣を握ることはないでしょう」
うひょー!
王家の紋章入りレイピアを持ち帰ろうともせず、一瞥しただけで終わらせるとは。
あの凛とした態度が素晴らしい。
「で、では、この後にお茶会でも開いて……」
「お茶のお誘いは全てお断りしております。剣の道を極めるとお父様に伝えてからは、茶を飲む暇があるなら剣を振れと言われてますから。そろそろ失礼します」
まずい、アイネ嬢が帰ってしまう。
なんとか引き止めねば!
どうすれば、どうすればいい?
「え、あ、ちょ……」
「まだ何か?」
これを待っていた!
この細剣の切先みたいな鋭い目!
もっと俺を睨みつけてくれ!
「いや、ありがとう」
「どういたしまして……?」
……眼福だ。
これには次期国王として、感謝をせずにはいられなかった。
あの衝撃でフラフラと歩いていたら、騎士たちに心配されて王城に送り返されてしまった。
気づけばベッドの中だったというわけだ。
はぁ、もっとあの美しいアイネ嬢を見ていたかったのだが……。
そうか、城に呼べばいい。
こちらには、感謝を伝えるという大義名分があるのだからな。
「おい誰か! ベルベット公爵家に遣いを送れ! 剣術を見学させてもらった礼をしたいと伝えろ! 急げ、一刻も早く!」
頭とはこういうときに使うものだ。
……いや、体を使うべきだったか?
一刻も早く会いたいのだから、俺が直接向かえばいいのでは?
いやいや、それは流石に王子としてどうなのかという話になるな。
遣いをやって、返事がきて、アイネ嬢が来るのは早くとも二日か三日後。なんと待ち遠しい。
――邪魔です!
あのときの光景を夢の中でも味わいながら、三日が経過した。
「ついにきたか……この日が!」
目覚めると同時に飛び起きる。
鏡を見れば、お父様譲りのいい男がそこにいる。
湯浴みをして、服を着替えて、準備は完璧だ。
アイネ嬢が飛び上がって喜びそうなプレゼントも準備してあるからな。
あぁ、楽しみで楽しみで仕方がない。
法の勉強でもしながら待つとしよう。
……まずは感謝を述べる。
プレゼントを渡す。
その次はどうするかな。
お茶会でも開くか?
それとも、剣術の稽古に付き合ってもらうとか?
いかんいかん、勉強だ勉強。
……アイネ嬢は、どんな格好でくるのだろう。
まったく文字が頭に入らないまま、約束の時間がきてしまった。
応接室へと向かい、ソワソワしながらアイネ嬢を待つ。
するとすぐに、扉が叩かれる。
「アイネ・ベルベット様がお越しになりました」
「入れ」
自分のものとは思えない少し高い声が出てしまった。
部屋の中を見回しながら、アイネ嬢が入ってくる。
……なるほどなるほど、今日も美しいな。
「あの、王子? ご用件を教えていただきたいのですが。剣の稽古がありますので、何もないようでしたら帰りますけど」
「うおっ! そ、そうだな。まずは感謝を伝えたい。俺も将来的に、戦争へ赴くこともあるだろうと思い、剣術を学び始めたのだが、アイネ嬢の技は大変参考になった。そこで……ビンス、あれを」
おっと危ない、凝視していたのがバレるところだった。
しかし、アイネ嬢には驚かされる。
令嬢たちはみな、俺と目が合った瞬間に頬を赤く染めるというのに、まさか帰ろうとするとは最高だ。頭がクラクラしてしまう。
さて、勝負はここから。きっと手を叩いて喜んでくれるはず。
「アイネ嬢に、このレイピアを授けよう! 王家の紋章が入ったこの……」
「お受け取りできません。お気持ちだけで十分です。ベルベット公爵家には、専属の鍛治士がおります。幼少より手に馴染んだ武器でないと、剣筋がブレてしまいますので。例え国王に命じられましても、他の剣を握ることはないでしょう」
うひょー!
王家の紋章入りレイピアを持ち帰ろうともせず、一瞥しただけで終わらせるとは。
あの凛とした態度が素晴らしい。
「で、では、この後にお茶会でも開いて……」
「お茶のお誘いは全てお断りしております。剣の道を極めるとお父様に伝えてからは、茶を飲む暇があるなら剣を振れと言われてますから。そろそろ失礼します」
まずい、アイネ嬢が帰ってしまう。
なんとか引き止めねば!
どうすれば、どうすればいい?
「え、あ、ちょ……」
「まだ何か?」
これを待っていた!
この細剣の切先みたいな鋭い目!
もっと俺を睨みつけてくれ!
「いや、ありがとう」
「どういたしまして……?」
……眼福だ。
これには次期国王として、感謝をせずにはいられなかった。
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