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放課後の魔術師は恋ができない
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第三者から、ターゲットに気持ちを伝える。それが匂わせよりも強力な魔術『囲い込み』の正体。
美鈴は、親友の明子と真希に力を協力してもらい、敦にアプローチをかけた。
『美鈴が敦君のこと好きらしいよ? なんか最近敦君さぁ、美鈴避けてね? ちゃんと向き合って欲しいんだけど?』
『おっす敦! 彼女いなかったよね? いい子紹介してやるよ。美鈴っていうゲロ可愛い女子なんだけどさ笑笑 こっちはかなりマジだから。親友のウチから言うのもあれだけど、ほんとオススメ。ちょっと考えてみ?』
直接誘い出して問いただすのではなく、メッセージアプリを使用して伝える。
匂わせは、『もしかして俺の事が好きなのか?』と日常に存在を滑り込ませる魔術。
囲い込みは、『俺の事が好きなんだ』と強く意識せざるを得ない状況を作る諸刃の剣。
月曜の放課後に魔女と初めて会ってから4日間。言いつけを守った美鈴は、敦と口を聞かなかった。
囲い込みの魔術を授けられてから3日が経った金曜日。魔女と面会予定だった放課後のことである。
「美鈴、ちょっと時間いいか?」
「う、うん……」
敦が美鈴をグラウンドに呼び出す。いつも美鈴が昼食をとっている木陰だった。
「まず謝らせてくれ。ちょっと噂を聞いてしまって、変に意識しちまった。ごめんな?」
美鈴の瞳に決意が宿る。
「いいの。気にしてない。その噂……本当だから!」
美鈴は、親友の明子と真希に力を協力してもらい、敦にアプローチをかけた。
『美鈴が敦君のこと好きらしいよ? なんか最近敦君さぁ、美鈴避けてね? ちゃんと向き合って欲しいんだけど?』
『おっす敦! 彼女いなかったよね? いい子紹介してやるよ。美鈴っていうゲロ可愛い女子なんだけどさ笑笑 こっちはかなりマジだから。親友のウチから言うのもあれだけど、ほんとオススメ。ちょっと考えてみ?』
直接誘い出して問いただすのではなく、メッセージアプリを使用して伝える。
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囲い込みは、『俺の事が好きなんだ』と強く意識せざるを得ない状況を作る諸刃の剣。
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「う、うん……」
敦が美鈴をグラウンドに呼び出す。いつも美鈴が昼食をとっている木陰だった。
「まず謝らせてくれ。ちょっと噂を聞いてしまって、変に意識しちまった。ごめんな?」
美鈴の瞳に決意が宿る。
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