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放課後の魔術師は恋ができない
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「恋さん……ですよね? 相談に乗って頂きたいのですが……」
放課後の教室。『2-1』には魔術師がいる。
そんな噂が立つようになったのは、三ヶ月前くらいからだろうか。
名前に恋がついてるから、恋ちゃんに相談してみようかな?
そんな軽いノリで話しかけてきたクラスメートの恋愛相談に真摯に対応した恋。見事に恋が成就したらしく、それからひっきりなしに相談者がやって来る。
今までに六組のカップルが成立し、その確率は脅威の百パーセント。
いつしか恋は、放課後の魔術師と呼ばれるようになっていた。
「えっと、お名前は?」
「一年の伊藤美鈴です。恋さんに相談したら、本当に敦君と付き合えるんですか!?」
恋は、ただ相談に乗っているだけ。自分から絶対に恋人にしてあげると言った事は一度もない。
お金も取らないし、なんなら自分の時間を犠牲にしているボランティア活動のようなもの。
授業が終わればすぐに帰宅してもいいのだが、なんだが悪い気がして少しだけ教室に残っている。それだけのこと。
「約束はできませんけど、相談には乗りますよ?」
「えぇ!? 絶対カップルになれるって聞いてたのに……。でも、せっかくだしお願いしてもいいですか?」
恋する乙女はみな平等に可愛らしい。一肌脱ぐのもやぶさかではない。
恋という女の子は、よく言えば姉御肌。悪く言えば優しすぎるのだ。
「では、始めましょうか」
恋の魔術が始まった。
放課後の教室。『2-1』には魔術師がいる。
そんな噂が立つようになったのは、三ヶ月前くらいからだろうか。
名前に恋がついてるから、恋ちゃんに相談してみようかな?
そんな軽いノリで話しかけてきたクラスメートの恋愛相談に真摯に対応した恋。見事に恋が成就したらしく、それからひっきりなしに相談者がやって来る。
今までに六組のカップルが成立し、その確率は脅威の百パーセント。
いつしか恋は、放課後の魔術師と呼ばれるようになっていた。
「えっと、お名前は?」
「一年の伊藤美鈴です。恋さんに相談したら、本当に敦君と付き合えるんですか!?」
恋は、ただ相談に乗っているだけ。自分から絶対に恋人にしてあげると言った事は一度もない。
お金も取らないし、なんなら自分の時間を犠牲にしているボランティア活動のようなもの。
授業が終わればすぐに帰宅してもいいのだが、なんだが悪い気がして少しだけ教室に残っている。それだけのこと。
「約束はできませんけど、相談には乗りますよ?」
「えぇ!? 絶対カップルになれるって聞いてたのに……。でも、せっかくだしお願いしてもいいですか?」
恋する乙女はみな平等に可愛らしい。一肌脱ぐのもやぶさかではない。
恋という女の子は、よく言えば姉御肌。悪く言えば優しすぎるのだ。
「では、始めましょうか」
恋の魔術が始まった。
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