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前準備はしっかりと
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アレクが部屋を出て、ちょっと落ち着いた頃に肝心の『前世の話』が殆ど話せていないことに気付いてしまった私はアレクが戻るまでに話さなきゃいけないこと、前世特有の言葉や文化をまとめておこうと机に向かいましたの。
ちょうどそこに『どうしてもしなければいけない仕事』を終えた侍女のカレンがお茶とお菓子を持ってきてくれました。
「シャルロットお嬢様、本日はお勉強をお休みしても良いのでは?」
カレンがお茶を入れながらそう言ってくれます。うん、ごめんね。お勉強ではないのよ(; ̄∀ ̄)
「ぁ、これはお勉強じゃないからそんなに疲れてはいないわ。でも丁度そろそろ休憩しようとは思っていたから嬉しいわ。ありがとう♡」
そう言うとカレンは「何にせよあまりお疲れが出ませんようにお気を付けください」と言ってにっこり笑ってくれた。優しい♡
カレンは私が伯母様に引き取られ、王城に住むようになってからずっと私の専属として世話をしてくれている。それにただの侍女ではないのよ。引き取られて直ぐの頃は、私もまだ幼かったのと両親を亡くした悲しみ、広くて慣れない場所で一人になる不安なんかでちょっと情緒不安定気味だったんだけど、カレンはいつも私の傍にいてくれて、時には本当のお姉様みたいに私を可愛がり、また間違ったことをしてしまったりただただ癇癪を起してしまった時なんかはちゃんと叱ってくれたのよ。だからこそ私は、少なくとも他人に迷惑をかけるような事もなく、ちゃんと淑女として評価される程度には正しく育ったと思ってるわ。
「ねぇ、カレンもお茶に付き合ってくれる?」
いつものようにちょっと上目遣いでにっこりとお願いしてみる。もちろん返ってくる答えはいつも一緒なんだけどね。
「まったく…私がその表情に弱い事を知っていてそんなお強請りをするんですから、いつまで経っても甘えん坊さんですね」
ね?そう言ってもうひとつお茶をいれると私の前に座ってくれるのよ❁
「ところでお嬢様、先程お勉強ではないと仰ってましたけど、どなたかにお手紙でも…?」
ん~~~……カレンならきっと笑ったりバカにしたりはしないだろうし、何より私が一番信頼してる人だし、言っちゃおうかな?言っちゃっていいよね?…うん!言っちゃお♡
「あのね、さっきアレクにも言ったんだけど、私『前世の記憶』を思い出したの」
うん、笑ったりバカにしたりはしないけどポッカ~~ンとはなってるわね(; ̄∀ ̄)
「えっ……と、前世というのは、たしか教会の教えにある『人はこの世を離れると次代に魂を託す。その魂が清ければ幸せに、汚れてしまえば不幸な人生を送ってしまう。だからこそ日々正しく生き、魂を磨きましょう。次代に生きる我々の世界がより良い世界になるように』という教義に出てくるアレですか?」
「まぁ、そんな感じかしら?私の前世はこことは違う世界で、国はもちろん、言葉も文化も考え方も社会自体が違う世界だったの。それでそのことを今日、アレクといるときに不意に思い出したから慌てて伝えようとしたんだけど、そもそもこの世界にはない文化や言葉もあるし、上手く説明できなかったの。だからちゃんとアレクに教えられるようにこの世界との違いや前世の文化や独特な言葉をとりあえずは書き出して、それからまとめていこうかなって……」
「まぁ…大変なお仕事ですわね。やっぱりあまりご無理はなさらないでくださいね。何も今日一日で全てを伝える必要もありませんでしょう?毎日少しずつお話しなさった方が殿下も楽しめるのでは?」
さすがカレンだわ!私のダメなところもアレクの困ったところも理解した上でのアドバイス!
「そうね!とりあえず今日はざっくりとだけ纏めてそこからひとつづつ話をしていくことにするわ。その時はもちろんカレンも聞いてね♡」
私がそう言うといつもの優しい微笑みを浮かべながら「私にも聞かせて下さるんですか?光栄ですわ」と答えてくれた。
その後は今日アレクにされたお仕置きのことを話しているとアレクが仕事を終えて部屋に来たのでカレンは改めてお茶の準備のために一旦部屋を後にしたの。ぁ、だからって勿論部屋に二人きりなんていう危険な状況ではないわよ?カレンが戻るまでは護衛騎士のコンラッド卿とセドリック様も一緒よ。
まぁ、その二人がいるにもかかわらずいつの間にか私はまたアレクのお膝の上に座らされているのだけどね?(๑´꒪ㅿ꒪`๑)アレレ~??
ちょうどそこに『どうしてもしなければいけない仕事』を終えた侍女のカレンがお茶とお菓子を持ってきてくれました。
「シャルロットお嬢様、本日はお勉強をお休みしても良いのでは?」
カレンがお茶を入れながらそう言ってくれます。うん、ごめんね。お勉強ではないのよ(; ̄∀ ̄)
「ぁ、これはお勉強じゃないからそんなに疲れてはいないわ。でも丁度そろそろ休憩しようとは思っていたから嬉しいわ。ありがとう♡」
そう言うとカレンは「何にせよあまりお疲れが出ませんようにお気を付けください」と言ってにっこり笑ってくれた。優しい♡
カレンは私が伯母様に引き取られ、王城に住むようになってからずっと私の専属として世話をしてくれている。それにただの侍女ではないのよ。引き取られて直ぐの頃は、私もまだ幼かったのと両親を亡くした悲しみ、広くて慣れない場所で一人になる不安なんかでちょっと情緒不安定気味だったんだけど、カレンはいつも私の傍にいてくれて、時には本当のお姉様みたいに私を可愛がり、また間違ったことをしてしまったりただただ癇癪を起してしまった時なんかはちゃんと叱ってくれたのよ。だからこそ私は、少なくとも他人に迷惑をかけるような事もなく、ちゃんと淑女として評価される程度には正しく育ったと思ってるわ。
「ねぇ、カレンもお茶に付き合ってくれる?」
いつものようにちょっと上目遣いでにっこりとお願いしてみる。もちろん返ってくる答えはいつも一緒なんだけどね。
「まったく…私がその表情に弱い事を知っていてそんなお強請りをするんですから、いつまで経っても甘えん坊さんですね」
ね?そう言ってもうひとつお茶をいれると私の前に座ってくれるのよ❁
「ところでお嬢様、先程お勉強ではないと仰ってましたけど、どなたかにお手紙でも…?」
ん~~~……カレンならきっと笑ったりバカにしたりはしないだろうし、何より私が一番信頼してる人だし、言っちゃおうかな?言っちゃっていいよね?…うん!言っちゃお♡
「あのね、さっきアレクにも言ったんだけど、私『前世の記憶』を思い出したの」
うん、笑ったりバカにしたりはしないけどポッカ~~ンとはなってるわね(; ̄∀ ̄)
「えっ……と、前世というのは、たしか教会の教えにある『人はこの世を離れると次代に魂を託す。その魂が清ければ幸せに、汚れてしまえば不幸な人生を送ってしまう。だからこそ日々正しく生き、魂を磨きましょう。次代に生きる我々の世界がより良い世界になるように』という教義に出てくるアレですか?」
「まぁ、そんな感じかしら?私の前世はこことは違う世界で、国はもちろん、言葉も文化も考え方も社会自体が違う世界だったの。それでそのことを今日、アレクといるときに不意に思い出したから慌てて伝えようとしたんだけど、そもそもこの世界にはない文化や言葉もあるし、上手く説明できなかったの。だからちゃんとアレクに教えられるようにこの世界との違いや前世の文化や独特な言葉をとりあえずは書き出して、それからまとめていこうかなって……」
「まぁ…大変なお仕事ですわね。やっぱりあまりご無理はなさらないでくださいね。何も今日一日で全てを伝える必要もありませんでしょう?毎日少しずつお話しなさった方が殿下も楽しめるのでは?」
さすがカレンだわ!私のダメなところもアレクの困ったところも理解した上でのアドバイス!
「そうね!とりあえず今日はざっくりとだけ纏めてそこからひとつづつ話をしていくことにするわ。その時はもちろんカレンも聞いてね♡」
私がそう言うといつもの優しい微笑みを浮かべながら「私にも聞かせて下さるんですか?光栄ですわ」と答えてくれた。
その後は今日アレクにされたお仕置きのことを話しているとアレクが仕事を終えて部屋に来たのでカレンは改めてお茶の準備のために一旦部屋を後にしたの。ぁ、だからって勿論部屋に二人きりなんていう危険な状況ではないわよ?カレンが戻るまでは護衛騎士のコンラッド卿とセドリック様も一緒よ。
まぁ、その二人がいるにもかかわらずいつの間にか私はまたアレクのお膝の上に座らされているのだけどね?(๑´꒪ㅿ꒪`๑)アレレ~??
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