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予感のオマケ
リチャード、兄になる
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テリアとイルマの愛の結晶であるリチャードが3歳になる頃、プライム家には愛の結晶がもうひとつ輝いていた。
それはとても小さいけれど夜の闇さえも明るく照らすほどの輝き……。
リチャードは新しい家族で自身の妹だと引き合わされたその小さくぷにぷにとした物体をとてつもなく可愛いと思うのと同じぐらいに暗澹たる気持ちというものを感じていた。
勿論当時はただ『いもうとはかわいい、だけどぼくのおかあさんをひとりじめしてズルい』と思う気持ちなのだと思っていた。
暗澹たる気持ち⋯⋯。幼い子供にそんな気持ちを抱かせたプライム家の小さな宝珠が後にまさか自分にあんな思いを抱かせる事になるとは夢にも思うことはなかった。
*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*
「にいたま!きょおからにいたまはシアのごえいにしてあげるのですわ!」
リチャードが6歳になり剣術を習い始めると、あと半年もすると3歳になるフェリシアが左手を腰にあて右手でリチャードを指差して宣言した。
「ごえい…?」
「そう!パパはママのおーじさまでごえいしきさまでしょ!でもママだけごえいしきがいゆなんてズルいでしょ!だからにいたまをシアのごえいしきにしてあげうのですわ!」
フェリシアは歳の割には言葉をよく理解しているものの自分の名前もまだ上手く言えず、『き』『し』『ひ』が上手く発音できないために本人は『護衛騎士』と言っているつもりなのだが聞いてる側としては『護衛きき』『護衛しき』『護衛ひし』などと微妙な聴こえ方をしてしまう事が多々ある。そして本人は『る』と言っているつもりなのだがそれも残念ながら『う』と『ゆ』が混ざった様な音にしか聴こえない。とは言えそこは3年近くも妹の世話をしている兄にはちゃんとフェリシアの言葉が理解できており、癇癪を起こさないように適度に相手をしてやることでフェリシアを満足させていた。リチャードは自他ともに認める『出来る兄』なのだ。
「わかったよ。今日からぼくがシアの護衛騎士になってまもってあげる。でもぼくはまだ父さまみたいに大きくないからぼくの補佐としてぼくの従者も一緒に護衛につくね」
「うん!スタン、にいたまのいうことをよ~くきいていいこにするのよ!」
「承知しました」
フェリシアがイルマを真似てリチャードの従者であるスタンリーにも声をかけ、それに応えてスタンリーが恭しく頭をさげてくれる。不快には感じずにいてくれているようでリチャードは安心する。いや、むしろちょっと口元が緩んでないか?
『スタンはぼくと同じようにシアのことも可愛いと思ってくれてるんだな…』
そんな風に思いながらリチャードはテリアにスタンの手当てを上げて貰わなきゃ⋯などと考えていた。
『○○の言う事をよ~く聞いていい子にするのよ』…これは母がシアを邸の外に連れて行く時やリチャードと一緒に留守番をさせる時によく言う言葉だ。
フェリシアはとにかく母の真似をしたがる。それも偏にいつかは父のような素敵な騎士様と出会うための自分磨きらしい。そしてそんな妹が護衛騎士に任命したということは、現段階では兄が一番大好きと言われたようなものなので、リチャードは単純に嬉しいと喜んでいた。
「あ、そうだ。シア、人を指さすのは良くないことだよ。母さまみたいな素敵な淑女になりたいなら気をつけてね」
「はっ!そうだったわ!シアはママみたいなレリーだからそんなことはしちゃダメだった!にいたま、ごめんね」
「うん、いいよ。まちがった時にちゃんとごめんなさいが出来てえらいね」
生意気なところも素直なところもリチャードにとってはフェリシアの長所であり、我儘を言っても癇癪を起してもただただ可愛いとしか思えなかった。
「ほめられた!(*≧艸≦)」
そう言ってスタンに「にいたまにほめられたのよ!すごいでしょ~(*≧∀≦)ノシ スタンもがんばったらにいたまがほめてくれるからね!がんばってね!(*≧∀≦)ノシ」と付きまとっている姿も『スタンにも良いご褒美をあげられた』などと思っている程度にはリチャードは兄バカだった。
*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*
リチャード達がフェリシアの護衛につく様になってから1年程が過ぎたある日、プライム家にまた新たな宝が産まれたのだった。
「ちいさ~い♡ かわい~♡ かあさまシアもだっこする~」
リチャードとスタンは産まれてくる子がもしも『妹』だったら、今まで自分が邸内の中心にいたのにその場所を譲る事を嫌がって癇癪を起こすんじゃないかと危惧していたのだけれど、予想に反して『妹』を気に入り、可愛がり、むしろイルマが抱っこしている時にはそれほど文句は言わないもののテリアやリチャードが抱っこをすると途端に機嫌が悪くなりアリアナを奪い取ろうとする。
「にぃさま!アィアナはにぃさまよりねぇさまがだいすきっていってます!だからシアがだっこしてあげなきゃなんです!」
早口になると未だ呂律が怪しくなるフェリシアは『姉』という立場が『母』に近付いたみたいで嬉しいらしい。
「は~い、ねぇさまがあ~んしてあげましょぉね~」
「ねぇさまがアリアナをすてきなレディーにしてあげますからね~」
「ほら♡ ねぇさまとおろそいよ♡ かわいいでしょ~」
…と、毎日ご機嫌なフェリシア。特に機嫌が良い時ならリチャードにも「ちょっとだけなら触っていいわ」と指先でツンと触らせてもらえる。
怒っちゃダメだ…怒っちゃダメだ……そう思うものの、あまりにもフェリシアがアリアナに近付けさせてくれないせいでリチャードは可愛い可愛い妹に対してついに声を荒げてしまう。
「アリアナはシアだけの妹じゃないんだよ、僕にとっても妹なのに…独り占めはダメだと思うな……」
声を『荒げた』と言うにはあまりにも小さな声で、その声を拾ったのは傍にいたスタンリーとアリアナに乳をあげに来た乳母だけだった。
「フェリシアお嬢様、リチャードお坊ちゃま、そろそろお食事のお時間ですからフェリシアお嬢様はお着替えをなさってくださいませ。ぁ、申し訳ございませんがリチャードお坊ちゃまには少しお手伝いをしていただけますか?」
乳母が声をかけるとフェリシアを着替えさせるためにメイドも数人入ってくる。と同時にスタンリーはフェリシアに気付かれないように部屋を出てある場所へと向かった。
フェリシアの護衛が離れたことに気付かれないようにメイド達がフェリシアを囲んで「今日は何色のお召し物になさいますか?」「髪飾りはどうしましょう?」「今日のデザートは…」などと気を逸らす。
「リチャードお坊っちゃま、アリシアお嬢様がお食事を終えたら軽く汗を拭いて差し上げたいので着替えを用意する間だけアリシアお嬢様を抱っこしてあげてくださいませんか?」
フェリシアの気が完全に逸れたところで乳母がリチャードにそう告げる。
「いいのか?」
「はい。プライム伯爵家の跡取りであるリチャードお坊ちゃまにお手伝いなんてさせてしまって心苦しいのですが、メイドのどなたかに頼むにも今日は侯爵夫妻を招いての昼餐の準備に忙しくしておられますから…」
「…そうだな。うん、僕はまだ準備の手伝いも出来ないしシアは着替えなきゃいけないから、シアより早く着替えられる僕がちょっとお手伝いするぐらいは出来るよ!」
理由がある。本来なら必要のない理由ではあるけれど、窘めてくれる母もいない場所ではフェリシアが独占しているアリアナに触れるには理由が必要だと思い込んでいるリチャード。この時の乳母の言葉が後々リチャードの心を軽くしていくことには乳母でさえ気付いていなかった。
それはとても小さいけれど夜の闇さえも明るく照らすほどの輝き……。
リチャードは新しい家族で自身の妹だと引き合わされたその小さくぷにぷにとした物体をとてつもなく可愛いと思うのと同じぐらいに暗澹たる気持ちというものを感じていた。
勿論当時はただ『いもうとはかわいい、だけどぼくのおかあさんをひとりじめしてズルい』と思う気持ちなのだと思っていた。
暗澹たる気持ち⋯⋯。幼い子供にそんな気持ちを抱かせたプライム家の小さな宝珠が後にまさか自分にあんな思いを抱かせる事になるとは夢にも思うことはなかった。
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リチャードが6歳になり剣術を習い始めると、あと半年もすると3歳になるフェリシアが左手を腰にあて右手でリチャードを指差して宣言した。
「ごえい…?」
「そう!パパはママのおーじさまでごえいしきさまでしょ!でもママだけごえいしきがいゆなんてズルいでしょ!だからにいたまをシアのごえいしきにしてあげうのですわ!」
フェリシアは歳の割には言葉をよく理解しているものの自分の名前もまだ上手く言えず、『き』『し』『ひ』が上手く発音できないために本人は『護衛騎士』と言っているつもりなのだが聞いてる側としては『護衛きき』『護衛しき』『護衛ひし』などと微妙な聴こえ方をしてしまう事が多々ある。そして本人は『る』と言っているつもりなのだがそれも残念ながら『う』と『ゆ』が混ざった様な音にしか聴こえない。とは言えそこは3年近くも妹の世話をしている兄にはちゃんとフェリシアの言葉が理解できており、癇癪を起こさないように適度に相手をしてやることでフェリシアを満足させていた。リチャードは自他ともに認める『出来る兄』なのだ。
「わかったよ。今日からぼくがシアの護衛騎士になってまもってあげる。でもぼくはまだ父さまみたいに大きくないからぼくの補佐としてぼくの従者も一緒に護衛につくね」
「うん!スタン、にいたまのいうことをよ~くきいていいこにするのよ!」
「承知しました」
フェリシアがイルマを真似てリチャードの従者であるスタンリーにも声をかけ、それに応えてスタンリーが恭しく頭をさげてくれる。不快には感じずにいてくれているようでリチャードは安心する。いや、むしろちょっと口元が緩んでないか?
『スタンはぼくと同じようにシアのことも可愛いと思ってくれてるんだな…』
そんな風に思いながらリチャードはテリアにスタンの手当てを上げて貰わなきゃ⋯などと考えていた。
『○○の言う事をよ~く聞いていい子にするのよ』…これは母がシアを邸の外に連れて行く時やリチャードと一緒に留守番をさせる時によく言う言葉だ。
フェリシアはとにかく母の真似をしたがる。それも偏にいつかは父のような素敵な騎士様と出会うための自分磨きらしい。そしてそんな妹が護衛騎士に任命したということは、現段階では兄が一番大好きと言われたようなものなので、リチャードは単純に嬉しいと喜んでいた。
「あ、そうだ。シア、人を指さすのは良くないことだよ。母さまみたいな素敵な淑女になりたいなら気をつけてね」
「はっ!そうだったわ!シアはママみたいなレリーだからそんなことはしちゃダメだった!にいたま、ごめんね」
「うん、いいよ。まちがった時にちゃんとごめんなさいが出来てえらいね」
生意気なところも素直なところもリチャードにとってはフェリシアの長所であり、我儘を言っても癇癪を起してもただただ可愛いとしか思えなかった。
「ほめられた!(*≧艸≦)」
そう言ってスタンに「にいたまにほめられたのよ!すごいでしょ~(*≧∀≦)ノシ スタンもがんばったらにいたまがほめてくれるからね!がんばってね!(*≧∀≦)ノシ」と付きまとっている姿も『スタンにも良いご褒美をあげられた』などと思っている程度にはリチャードは兄バカだった。
*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*-=-*
リチャード達がフェリシアの護衛につく様になってから1年程が過ぎたある日、プライム家にまた新たな宝が産まれたのだった。
「ちいさ~い♡ かわい~♡ かあさまシアもだっこする~」
リチャードとスタンは産まれてくる子がもしも『妹』だったら、今まで自分が邸内の中心にいたのにその場所を譲る事を嫌がって癇癪を起こすんじゃないかと危惧していたのだけれど、予想に反して『妹』を気に入り、可愛がり、むしろイルマが抱っこしている時にはそれほど文句は言わないもののテリアやリチャードが抱っこをすると途端に機嫌が悪くなりアリアナを奪い取ろうとする。
「にぃさま!アィアナはにぃさまよりねぇさまがだいすきっていってます!だからシアがだっこしてあげなきゃなんです!」
早口になると未だ呂律が怪しくなるフェリシアは『姉』という立場が『母』に近付いたみたいで嬉しいらしい。
「は~い、ねぇさまがあ~んしてあげましょぉね~」
「ねぇさまがアリアナをすてきなレディーにしてあげますからね~」
「ほら♡ ねぇさまとおろそいよ♡ かわいいでしょ~」
…と、毎日ご機嫌なフェリシア。特に機嫌が良い時ならリチャードにも「ちょっとだけなら触っていいわ」と指先でツンと触らせてもらえる。
怒っちゃダメだ…怒っちゃダメだ……そう思うものの、あまりにもフェリシアがアリアナに近付けさせてくれないせいでリチャードは可愛い可愛い妹に対してついに声を荒げてしまう。
「アリアナはシアだけの妹じゃないんだよ、僕にとっても妹なのに…独り占めはダメだと思うな……」
声を『荒げた』と言うにはあまりにも小さな声で、その声を拾ったのは傍にいたスタンリーとアリアナに乳をあげに来た乳母だけだった。
「フェリシアお嬢様、リチャードお坊ちゃま、そろそろお食事のお時間ですからフェリシアお嬢様はお着替えをなさってくださいませ。ぁ、申し訳ございませんがリチャードお坊ちゃまには少しお手伝いをしていただけますか?」
乳母が声をかけるとフェリシアを着替えさせるためにメイドも数人入ってくる。と同時にスタンリーはフェリシアに気付かれないように部屋を出てある場所へと向かった。
フェリシアの護衛が離れたことに気付かれないようにメイド達がフェリシアを囲んで「今日は何色のお召し物になさいますか?」「髪飾りはどうしましょう?」「今日のデザートは…」などと気を逸らす。
「リチャードお坊っちゃま、アリシアお嬢様がお食事を終えたら軽く汗を拭いて差し上げたいので着替えを用意する間だけアリシアお嬢様を抱っこしてあげてくださいませんか?」
フェリシアの気が完全に逸れたところで乳母がリチャードにそう告げる。
「いいのか?」
「はい。プライム伯爵家の跡取りであるリチャードお坊ちゃまにお手伝いなんてさせてしまって心苦しいのですが、メイドのどなたかに頼むにも今日は侯爵夫妻を招いての昼餐の準備に忙しくしておられますから…」
「…そうだな。うん、僕はまだ準備の手伝いも出来ないしシアは着替えなきゃいけないから、シアより早く着替えられる僕がちょっとお手伝いするぐらいは出来るよ!」
理由がある。本来なら必要のない理由ではあるけれど、窘めてくれる母もいない場所ではフェリシアが独占しているアリアナに触れるには理由が必要だと思い込んでいるリチャード。この時の乳母の言葉が後々リチャードの心を軽くしていくことには乳母でさえ気付いていなかった。
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