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二日目
ばっちゃの家(二階南側の部屋)
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ばっちゃの家に戻った陽向と月琉は、風呂に入り、寝る支度を済ませる。
本当はばっちゃに大杉の事件のことを色々と聞きたい二人だったが、そういった雰囲気ではなく、詳しいことは聞けずじまいだった。
仕方無しに、二人は風呂上りの水分補給も兼ねて、スーパーで買ったアイスとジュースを楽しむことにした。二階南側の部屋(月琉に割り当てられている)で、寝る前のお喋りタイムと決め込む。
「ばっちゃが本気で怒ってるところ、久しぶりに見たわね」
「ああそうだな」
話題はバーベキューの時のばっちゃのことだった。昨晩屋根に上って騒いでいた二人を怒った時の比ではなく怒っているといった感じだった。竹上の倅とやらが侮蔑されていたことが、とても不愉快だったのだろう。
「どっちが正しいのかしら? お隣さんの話と、ばっちゃの話。竹上の倅さんって本当は良い人なの?」
「うーん、これだけの情報じゃよくわからんな。どちらの情報もバイアスかかってると思うし。お隣さんは海人君がちょっかい出されたりしてトラブルになって不信感を持ってて、その上に飼い猫が不審死したことで、完全にその竹上の倅ってのに疑心を持っているわけだ。負のバイアスかかってる。対するばっちゃは、その竹上の倅ってのに昔世話になったこともあるわけだ。裏の竹林の整理して貰うついでに、畑の雑草を刈り取ってもらったりさ。だから良い人だって、正のバイアスかかってる。慎重に吟味する必要があるね」
月琉は冷静に分析する。どちらの言い分も完全に信用するわけにはいかないようだ。これだけの情報で判断するには時期尚早すぎると言う。
「ばっちゃは基本的に人を信用しすぎな所もあるしな。あんまり説得力ないぜ」
「まあ確かにね」
ばっちゃは夜間でも玄関の鍵をフリーオープンにしているくらいの人間だ。人を信じすぎな面がある。草取りを手伝ってくれたからって、その人間が善良だと思うのは人が良すぎる。
何かしらの思惑などがあって手伝ってくれた可能性だってあるのだ。完全な善意と判断するのは早計だろう。
「温厚で人の良いお隣さんがあれほど警戒しているんだ。何かあるのは確かだろうね」
月琉は顎に手を当てて考え込みながら言う。
「ばっちゃの話から考えても、竹上の倅が逮捕されて精神病院に長期入院したってのは揺るがぬ事実みたいだしな」
「そうなのよねぇ」
竹上の倅とやらが刃物を持って暴れて逮捕され、精神病院に長期入院した――それは事実らしい。
「人間ってのは過去のことから未来のことを予測する思考法をするからね。帰納法って言うんだけど。過去にある事実は、未来を予測する上で大きい材料なんだよなあ」
過去にあれだけのことをしたのだから、未来もする可能性があるだろう。そう帰納的に予測するのが、一般的な人間の考え方だ。過去に負の材料が多ければ多いほど、未来の予測も悲観的なものになる。
過去の出来事を無視して未来だけは違うなどとどうして言えるのだろうか。三つ子の魂百までという諺もある。
ばっちゃの言い分は、やはり人が良すぎるようにも感じる。
「ばっちゃは良い薬ができたから病気は完全に治ったとか言ってたわね。そんなことってあり得るの?」
「さあねどんな病気か詳しくは知らないし俺は医者じゃないからなんとも。ばっちゃも他人の病状なんて詳しい事情は知らないだろ。おそらく竹上の親爺さんか誰かに聞いたことをそのまま信じているんだろう。でもあり得ない話ではないよ。医術は日進月歩しているわけだしな。特定の精神病が、良い薬のおかげで小康状態になるのは十分あり得る話だよ」
月琉は、ばっちゃの言う、新薬のおかげで竹上の倅の精神病がすっかり良くなった、という話も十分あり得ることだと語る。
「結局、竹上の倅さんは良い人なの、ヤバい奴なの?」
「さあね。今の材料だけで判断はできないよ」
話は堂々巡りだ。はっきりした答えがないというのは、すっきりせず気持ち悪い。
白黒つけたい性質の陽向としてはとても歯痒いようだ。そんな陽向に、月琉は「世の中そんなもんだ。答えのないことの方が多い。世界は灰色だよ」とやたら格好つけて偉そうなことを言った。
「うーん、はっきりしないなんて気持ち悪いわね」
「相変わらず、すぐに白黒つけたがるよな陽向は。単細胞め」
「うるさいのよ」
陽向はもやもやとしたものを抱えながら唸る。ああでもないこうでもないと考えていると、閃くものがあった。
「ねえ、そう言えば、竹上の倅さんが戻ってきたのって三年前の話よね?」
「ああ。若旦那さんはそう言ってたな。俺たちが竹上の倅さんの顔を知らなかったのも無理ないな。俺たちが小学校の時は彼は入院してたわけだし」
「三年前って、神社のお堀の蛙が死んだり、この集落で怪事件が多発し始めたのも、その時からじゃなかったっけ?」
「ん、そう言えばそうだな……」
陽向の鋭い指摘に、月琉も真剣になって考え込む。
「つまり、竹上の倅さんが退院して集落に戻ってきてから、怪事件が多発しているってことになるのよね?」
「……そうだな。偶然の一致か、さてまたは」
二人の背にヒヤリとしたものが走る。
「ねえ、もし竹上の倅さんの病気が治ってなかったとしたら、それってヤバくない?」
「ああ。集落に戻ってきてからお堀の蛙やザリガニなどの小動物を殺し、大じっちゃの家の鶏を殺し、お隣さんの飼い猫を殺し、そして女の子を自殺に見せかけて殺した――そうとも考えられるな」
小動物から手をかけていき、行く行くは人間を。猟奇殺人犯が辿りそうな経過である。
二人はぞっとして肝が冷えるような気持ちになる。だがそこで待てよと、月琉は思いとどまる。
「女の子の首吊り事件は人が死んでるし、警察がきっちり捜査したらしいんだよな。だったらやはり竹上の倅は白じゃないか?」
「ああそっか」
警察とて無能ではない。当然過去に問題のある竹上の倅の周辺を洗い、白だと断定したはずである。
「ってことは、大杉集落の怪事件の数々は、竹上の倅とは無関係ってこと?」
「大じっちゃの鶏は獣の仕業。お隣さんの猫が殺されたのは、お隣さんはああ言ってるけど、それも獣の可能性が高いだろ。警察もそう言ってるみたいだし。お堀の件は不明だけど……。となると、お堀の事件以外は竹上の倅さんが関わってるとは思えないよ」
「そっかぁ」
竹上の倅が猟奇的な犯罪者であるという説が生じたものの、それを証明できる手立ては、今の二人にはなかった。自然と落ち着いた結論となる。
「まあこれ以上あれこれ考えても結論は出ないよ。新しい材料が得られない限りな。ひとまず、ばっちゃの言う通り、竹上の倅とやらが良い人であることを祈ろうぜ」
「そうよね……」
月琉は「俺たちはばっちゃの孫だしばっちゃの言うことを信じよう」などと、理論派の彼にしては珍しいことを言い出す。
対する陽向は、自身が思いついた“竹上の倅猟奇犯罪者説”を捨てきれず、なおも考え込む素振りを見せる。
陽向とてばっちゃの言うことを信じたい気持ちがあったし、月琉の言うことも尤もだと思った。だが気がかりなことがあった。夢で出てきたあの女の子のことだ。
頭ではなくて本能で感じた。あれは単なる夢なんかじゃない。
女の子の霊、それが何かを必死に訴えようとしていた。現世と霊界を繋ぐ理の影響で要点よく訴えることはできなかったものの、どうにかして己の無念さを訴えようとしていた。
女の子の死には絶対に何かある。女の子が成仏できない何かが隠されているのだ。
陽向の中にある第六感とも呼べる感覚がそう訴えていた。
(やっぱあの子、殺されて無念を訴えてるんじゃ……)
オカルト的な考えに頭が支配されて青ざめる陽向。そんな陽向を見て、月琉はにやりと意地悪そうに笑った。
「おいおいまたなんか怖いこと考えてるな陽向? そんなことばっか考えてっと、また漏らしちまうぞ」
「っ!? う、うるさいわね!」
茶化すように言われ、陽向はもうこれ以上考えても良いことはないと思ったのか、寝ることにしたようだ。
二人は歯磨きをし直すと、それぞれの部屋に戻って床に就いた。
当然、部屋を仕切る襖は熱中症予防のため、陽向によって完全に開けられての就寝となったのは、言うまでもないことである。
本当はばっちゃに大杉の事件のことを色々と聞きたい二人だったが、そういった雰囲気ではなく、詳しいことは聞けずじまいだった。
仕方無しに、二人は風呂上りの水分補給も兼ねて、スーパーで買ったアイスとジュースを楽しむことにした。二階南側の部屋(月琉に割り当てられている)で、寝る前のお喋りタイムと決め込む。
「ばっちゃが本気で怒ってるところ、久しぶりに見たわね」
「ああそうだな」
話題はバーベキューの時のばっちゃのことだった。昨晩屋根に上って騒いでいた二人を怒った時の比ではなく怒っているといった感じだった。竹上の倅とやらが侮蔑されていたことが、とても不愉快だったのだろう。
「どっちが正しいのかしら? お隣さんの話と、ばっちゃの話。竹上の倅さんって本当は良い人なの?」
「うーん、これだけの情報じゃよくわからんな。どちらの情報もバイアスかかってると思うし。お隣さんは海人君がちょっかい出されたりしてトラブルになって不信感を持ってて、その上に飼い猫が不審死したことで、完全にその竹上の倅ってのに疑心を持っているわけだ。負のバイアスかかってる。対するばっちゃは、その竹上の倅ってのに昔世話になったこともあるわけだ。裏の竹林の整理して貰うついでに、畑の雑草を刈り取ってもらったりさ。だから良い人だって、正のバイアスかかってる。慎重に吟味する必要があるね」
月琉は冷静に分析する。どちらの言い分も完全に信用するわけにはいかないようだ。これだけの情報で判断するには時期尚早すぎると言う。
「ばっちゃは基本的に人を信用しすぎな所もあるしな。あんまり説得力ないぜ」
「まあ確かにね」
ばっちゃは夜間でも玄関の鍵をフリーオープンにしているくらいの人間だ。人を信じすぎな面がある。草取りを手伝ってくれたからって、その人間が善良だと思うのは人が良すぎる。
何かしらの思惑などがあって手伝ってくれた可能性だってあるのだ。完全な善意と判断するのは早計だろう。
「温厚で人の良いお隣さんがあれほど警戒しているんだ。何かあるのは確かだろうね」
月琉は顎に手を当てて考え込みながら言う。
「ばっちゃの話から考えても、竹上の倅が逮捕されて精神病院に長期入院したってのは揺るがぬ事実みたいだしな」
「そうなのよねぇ」
竹上の倅とやらが刃物を持って暴れて逮捕され、精神病院に長期入院した――それは事実らしい。
「人間ってのは過去のことから未来のことを予測する思考法をするからね。帰納法って言うんだけど。過去にある事実は、未来を予測する上で大きい材料なんだよなあ」
過去にあれだけのことをしたのだから、未来もする可能性があるだろう。そう帰納的に予測するのが、一般的な人間の考え方だ。過去に負の材料が多ければ多いほど、未来の予測も悲観的なものになる。
過去の出来事を無視して未来だけは違うなどとどうして言えるのだろうか。三つ子の魂百までという諺もある。
ばっちゃの言い分は、やはり人が良すぎるようにも感じる。
「ばっちゃは良い薬ができたから病気は完全に治ったとか言ってたわね。そんなことってあり得るの?」
「さあねどんな病気か詳しくは知らないし俺は医者じゃないからなんとも。ばっちゃも他人の病状なんて詳しい事情は知らないだろ。おそらく竹上の親爺さんか誰かに聞いたことをそのまま信じているんだろう。でもあり得ない話ではないよ。医術は日進月歩しているわけだしな。特定の精神病が、良い薬のおかげで小康状態になるのは十分あり得る話だよ」
月琉は、ばっちゃの言う、新薬のおかげで竹上の倅の精神病がすっかり良くなった、という話も十分あり得ることだと語る。
「結局、竹上の倅さんは良い人なの、ヤバい奴なの?」
「さあね。今の材料だけで判断はできないよ」
話は堂々巡りだ。はっきりした答えがないというのは、すっきりせず気持ち悪い。
白黒つけたい性質の陽向としてはとても歯痒いようだ。そんな陽向に、月琉は「世の中そんなもんだ。答えのないことの方が多い。世界は灰色だよ」とやたら格好つけて偉そうなことを言った。
「うーん、はっきりしないなんて気持ち悪いわね」
「相変わらず、すぐに白黒つけたがるよな陽向は。単細胞め」
「うるさいのよ」
陽向はもやもやとしたものを抱えながら唸る。ああでもないこうでもないと考えていると、閃くものがあった。
「ねえ、そう言えば、竹上の倅さんが戻ってきたのって三年前の話よね?」
「ああ。若旦那さんはそう言ってたな。俺たちが竹上の倅さんの顔を知らなかったのも無理ないな。俺たちが小学校の時は彼は入院してたわけだし」
「三年前って、神社のお堀の蛙が死んだり、この集落で怪事件が多発し始めたのも、その時からじゃなかったっけ?」
「ん、そう言えばそうだな……」
陽向の鋭い指摘に、月琉も真剣になって考え込む。
「つまり、竹上の倅さんが退院して集落に戻ってきてから、怪事件が多発しているってことになるのよね?」
「……そうだな。偶然の一致か、さてまたは」
二人の背にヒヤリとしたものが走る。
「ねえ、もし竹上の倅さんの病気が治ってなかったとしたら、それってヤバくない?」
「ああ。集落に戻ってきてからお堀の蛙やザリガニなどの小動物を殺し、大じっちゃの家の鶏を殺し、お隣さんの飼い猫を殺し、そして女の子を自殺に見せかけて殺した――そうとも考えられるな」
小動物から手をかけていき、行く行くは人間を。猟奇殺人犯が辿りそうな経過である。
二人はぞっとして肝が冷えるような気持ちになる。だがそこで待てよと、月琉は思いとどまる。
「女の子の首吊り事件は人が死んでるし、警察がきっちり捜査したらしいんだよな。だったらやはり竹上の倅は白じゃないか?」
「ああそっか」
警察とて無能ではない。当然過去に問題のある竹上の倅の周辺を洗い、白だと断定したはずである。
「ってことは、大杉集落の怪事件の数々は、竹上の倅とは無関係ってこと?」
「大じっちゃの鶏は獣の仕業。お隣さんの猫が殺されたのは、お隣さんはああ言ってるけど、それも獣の可能性が高いだろ。警察もそう言ってるみたいだし。お堀の件は不明だけど……。となると、お堀の事件以外は竹上の倅さんが関わってるとは思えないよ」
「そっかぁ」
竹上の倅が猟奇的な犯罪者であるという説が生じたものの、それを証明できる手立ては、今の二人にはなかった。自然と落ち着いた結論となる。
「まあこれ以上あれこれ考えても結論は出ないよ。新しい材料が得られない限りな。ひとまず、ばっちゃの言う通り、竹上の倅とやらが良い人であることを祈ろうぜ」
「そうよね……」
月琉は「俺たちはばっちゃの孫だしばっちゃの言うことを信じよう」などと、理論派の彼にしては珍しいことを言い出す。
対する陽向は、自身が思いついた“竹上の倅猟奇犯罪者説”を捨てきれず、なおも考え込む素振りを見せる。
陽向とてばっちゃの言うことを信じたい気持ちがあったし、月琉の言うことも尤もだと思った。だが気がかりなことがあった。夢で出てきたあの女の子のことだ。
頭ではなくて本能で感じた。あれは単なる夢なんかじゃない。
女の子の霊、それが何かを必死に訴えようとしていた。現世と霊界を繋ぐ理の影響で要点よく訴えることはできなかったものの、どうにかして己の無念さを訴えようとしていた。
女の子の死には絶対に何かある。女の子が成仏できない何かが隠されているのだ。
陽向の中にある第六感とも呼べる感覚がそう訴えていた。
(やっぱあの子、殺されて無念を訴えてるんじゃ……)
オカルト的な考えに頭が支配されて青ざめる陽向。そんな陽向を見て、月琉はにやりと意地悪そうに笑った。
「おいおいまたなんか怖いこと考えてるな陽向? そんなことばっか考えてっと、また漏らしちまうぞ」
「っ!? う、うるさいわね!」
茶化すように言われ、陽向はもうこれ以上考えても良いことはないと思ったのか、寝ることにしたようだ。
二人は歯磨きをし直すと、それぞれの部屋に戻って床に就いた。
当然、部屋を仕切る襖は熱中症予防のため、陽向によって完全に開けられての就寝となったのは、言うまでもないことである。
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