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一日目
ばっちゃの家(縁側)
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「ふむ、意外と汚れているな。こりゃ夕飯前に全部は終わらんな。とりあえず居間と廊下と風呂とトイレだな。あとは夕飯後にでもやるとしよう」
月琉はひとまずぐるりと家の中を見て回る。そして一気に全部終わらせることは不可能だと悟ると、すぐに使う場所の掃除だけをやることにした。
「よし漂白剤のセット完了。今の内に他の場所の掃除をやろう」
まず風呂床や便所の汚れに漂白剤や洗剤をつけておき、その間、他の場所の掃除を行う。そうやって効率的に仕事をしていく。
流石はオール5の秀才である。無駄のない動きだ。
「普通に掃除するのも何だし、筋トレしながらするか。よっと」
訂正しよう。月琉は優秀であるがゆえ、他のこともやろうとして非常に無駄の多い動きをしていた。
「ふん、ふん!」
月琉は抱えた掃除機の本体をダンベルのように動かして筋トレする。そうやって片腕を酷使しながら掃除を行う。
掃除をやりつつ筋トレもこなしているので時間的にはまったく無駄がないのであるが、端から見ると非常に無駄な動きをしているように見えた。エネルギーの浪費である。
「はぁはぁ、ふぅふぅ、あー、疲れるぅ!」
無駄に動き回り汗だくになって掃除をする月琉は、まさしく奇人であった。罰ゲームによって額にかかれた肉文字もあるので、余計に変な人にしか見えなかった。
「あー、疲れたぁ」
「月琉、どうしたのよ! 汗まみれじゃない! そんなに掃除大変だったの?」
夕飯の野菜カレーと付け合わせのサラダが完成し、陽向が食卓にそれらを運んでいる時、汗だくの月琉が居間にやってくる。大量の汗をかいた月琉はTシャツを脱ぎ、それをタオル代わりにしていた。
そんな月琉を見て、陽向は目を丸くさせる。
「普通に掃除するのもつまらないから、筋トレしながら掃除してたんだよ」
「それで異常に汗かいてるってわけ? ホント、馬鹿ねアンタ」
「いや賢いだろ。時間をまったく無駄にしてないんだぞ?」
「いや馬鹿よ馬鹿。さっさと着替えて来なさいよ。半裸でご飯食べるなんてやめてよね。額に肉文字書いてる変態だしさ」
「肉文字書いたのはお前だろが。まあいいや了解了解」
月琉は素直に踵を返す。月琉が居間に再びやって来る頃になると、配膳作業が完全に終わる。
「月琉、早くご飯にしましょ」
「待て待て。クーラーつけてないなら、せめて戸を開けさせてくれ」
居間にあるクーラーはお茶をしていた際はついていたものの、今は省エネのためか消してあった。今は夜なので昼間よりは過ごしやすく、陽向とばっちゃは何も問題なさそうにしていたが、月琉は違う。掃除だけではなく余計な筋トレまでしていた月琉は、火照った身体の熱が冷めていなかった。だから縁側の戸を開けることで風通しをよくしようとする。
「えー、虫が入ってくるからやめなさいよ」
「蚊取り線香つけるから大丈夫だって。ばっちゃ、蚊取りつけてもいい?」
「いいよぉ」
月琉は居間の南側にある縁側に向かうと、ガラス戸を開き、網戸の状態にした。戸を開けた途端、さっと夜風が通り抜けていく。
「おー、最高。夜の山は涼しいぜ」
山の頂上から運ばれてきた風なのか、ひんやりとした風だった。火照った身体には丁度いい。月琉はそれを全身で浴びるようにして、大きく背伸びした。
「すっかり夜だ。田舎の夜は静かなもんだ」
蚊取り線香をセットした月琉はそんなことを呟きつつ、縁側から見える景色にしばし見入る。
夏ゆえに日は長いとはいえ、流石にこの時刻になると、夜の帳が下りている。電灯の少ないこの辺りではセミが狂って夜鳴きすることもなく、昼間とは一転して静かとなる。
周囲に見える明かりといえば、少し離れた所にある隣家の佐藤さん(屋号竹下)宅のものか、遠く離れた場所にある雲虹山稲荷神社の赤くライトアップされた光のみである。
自分の家以外の明かりがあんな遠くにある。隣家の騒音も一切聞こえてこない。周囲の生きとし生けるものの痕跡をほとんど全て呑み込んだかのような、そんな静寂とした世界が広がっている。
人などそこらへんにいる獣と変わらない。この大自然の中ではちっぽけな存在でしかないのだと思える。
センチな人が見れば不気味にも感じる光景である。田舎の夜は怖い。近くの山々には生き物ではない何かが潜んでいてもおかしくはない気がしてくる。人智を超えた何かがいる気がする。人ではない何かが。
そこまで考えて、月琉は「馬鹿馬鹿しい」と内心で自嘲した。自分も陽向と同じで、あのバスの運転手の戯言に少し影響されているのかと苦笑した。
月琉は心の中に一瞬だけ湧いたオカルトめいた考えを捨て、唯物的に物事を見ることにした。静かであれば他人に干渉されずによく眠れそうだし、勉強や作業をするにしても捗りそうだと、ポジティブな考えだけを浮かべることにした。そうして自分の世界に入り込んでいく。
その時。
「……ゥゥウウウ」
昼間に月琉が触っていた南側畑にある電柱の根元辺りから、白い煙がもくもくと湧き出る。そして呻き声を上げながら、次元の壁を超えて何かの存在がひょっこりと現れる。見る者が見ればすぐにわかるくらいの異常な光景だ。
たが月琉はそれにまったく気づかない。自分の世界に入り込んでいて気づかない――いや気づけない。
存在を感じられるとは、存在を感じ取れる感覚器官があり、なおかつそれが正常に働いてこそ成り立つ現象だ。
例えば貴方の目の前には酸素がある。間違いなくある。でも人間には酸素そのものを感じとれる感覚器官など備わっていないから、酸素があること自体には気づけない。科学的知識があるから存在していることがわかるだけである。
つまり、何が言いたいかというと、目に見えなくても存在しているものはあるということだ。オカルト的存在にも同じことが言えよう。普通の人には感じ取れないだけで、それを感じ取れる人は必ずいるのだ。
「……オニイチャン」
白い何かは人型となって這い寄る。小さな女の子の形をとりて月琉の方に寄って来る。そして何かを必死に訴えようとしていた。
「……タスケテ」
だが残念ながら、月琉は気づけなかった。彼にはそれを感じ取れる才能も感覚器官もない。文武両道でやろうと思えば何でもできる月琉であるが、その才能にかけてはまったくといっていいほどなかった。
「……オニイチャン……オニイチャン……」
人ならざる何かが、月琉の目の前までやって来る。そして彼の足元に縋りつくようにして訴える。必死に訴える。
「……タスケテ」
「良い夜だ。月も凄く綺麗だ。今度来る時は天体観察の道具でも持ってこようかなぁ」
「……オニイチャン……タスケテ」
「田舎の夜はいいなぁ。マジ最高」
見る人が見れば、とんでもなく酷い光景が広がっていた。足元に縋りついて哀願する女児を完全無視する男子高校生という、とんでもない光景だった。
だが誰もそれに気づくことはない。女の子の苦しみに気づけない。
「……オニイチャン……タスケテ……タスケ……タス……ケ……タ……」
やがて女児は霧のように崩れていき、その形を保てなくなった。彼女らの世界における何かしら制約でもあるのか、元の世界へと強制帰還していったのだ。
「田舎の夜は風流だねぇ」
月琉は女児の訴えにまったく気づくことなく、静かな田舎の夜をただ満喫していた。
月琉はひとまずぐるりと家の中を見て回る。そして一気に全部終わらせることは不可能だと悟ると、すぐに使う場所の掃除だけをやることにした。
「よし漂白剤のセット完了。今の内に他の場所の掃除をやろう」
まず風呂床や便所の汚れに漂白剤や洗剤をつけておき、その間、他の場所の掃除を行う。そうやって効率的に仕事をしていく。
流石はオール5の秀才である。無駄のない動きだ。
「普通に掃除するのも何だし、筋トレしながらするか。よっと」
訂正しよう。月琉は優秀であるがゆえ、他のこともやろうとして非常に無駄の多い動きをしていた。
「ふん、ふん!」
月琉は抱えた掃除機の本体をダンベルのように動かして筋トレする。そうやって片腕を酷使しながら掃除を行う。
掃除をやりつつ筋トレもこなしているので時間的にはまったく無駄がないのであるが、端から見ると非常に無駄な動きをしているように見えた。エネルギーの浪費である。
「はぁはぁ、ふぅふぅ、あー、疲れるぅ!」
無駄に動き回り汗だくになって掃除をする月琉は、まさしく奇人であった。罰ゲームによって額にかかれた肉文字もあるので、余計に変な人にしか見えなかった。
「あー、疲れたぁ」
「月琉、どうしたのよ! 汗まみれじゃない! そんなに掃除大変だったの?」
夕飯の野菜カレーと付け合わせのサラダが完成し、陽向が食卓にそれらを運んでいる時、汗だくの月琉が居間にやってくる。大量の汗をかいた月琉はTシャツを脱ぎ、それをタオル代わりにしていた。
そんな月琉を見て、陽向は目を丸くさせる。
「普通に掃除するのもつまらないから、筋トレしながら掃除してたんだよ」
「それで異常に汗かいてるってわけ? ホント、馬鹿ねアンタ」
「いや賢いだろ。時間をまったく無駄にしてないんだぞ?」
「いや馬鹿よ馬鹿。さっさと着替えて来なさいよ。半裸でご飯食べるなんてやめてよね。額に肉文字書いてる変態だしさ」
「肉文字書いたのはお前だろが。まあいいや了解了解」
月琉は素直に踵を返す。月琉が居間に再びやって来る頃になると、配膳作業が完全に終わる。
「月琉、早くご飯にしましょ」
「待て待て。クーラーつけてないなら、せめて戸を開けさせてくれ」
居間にあるクーラーはお茶をしていた際はついていたものの、今は省エネのためか消してあった。今は夜なので昼間よりは過ごしやすく、陽向とばっちゃは何も問題なさそうにしていたが、月琉は違う。掃除だけではなく余計な筋トレまでしていた月琉は、火照った身体の熱が冷めていなかった。だから縁側の戸を開けることで風通しをよくしようとする。
「えー、虫が入ってくるからやめなさいよ」
「蚊取り線香つけるから大丈夫だって。ばっちゃ、蚊取りつけてもいい?」
「いいよぉ」
月琉は居間の南側にある縁側に向かうと、ガラス戸を開き、網戸の状態にした。戸を開けた途端、さっと夜風が通り抜けていく。
「おー、最高。夜の山は涼しいぜ」
山の頂上から運ばれてきた風なのか、ひんやりとした風だった。火照った身体には丁度いい。月琉はそれを全身で浴びるようにして、大きく背伸びした。
「すっかり夜だ。田舎の夜は静かなもんだ」
蚊取り線香をセットした月琉はそんなことを呟きつつ、縁側から見える景色にしばし見入る。
夏ゆえに日は長いとはいえ、流石にこの時刻になると、夜の帳が下りている。電灯の少ないこの辺りではセミが狂って夜鳴きすることもなく、昼間とは一転して静かとなる。
周囲に見える明かりといえば、少し離れた所にある隣家の佐藤さん(屋号竹下)宅のものか、遠く離れた場所にある雲虹山稲荷神社の赤くライトアップされた光のみである。
自分の家以外の明かりがあんな遠くにある。隣家の騒音も一切聞こえてこない。周囲の生きとし生けるものの痕跡をほとんど全て呑み込んだかのような、そんな静寂とした世界が広がっている。
人などそこらへんにいる獣と変わらない。この大自然の中ではちっぽけな存在でしかないのだと思える。
センチな人が見れば不気味にも感じる光景である。田舎の夜は怖い。近くの山々には生き物ではない何かが潜んでいてもおかしくはない気がしてくる。人智を超えた何かがいる気がする。人ではない何かが。
そこまで考えて、月琉は「馬鹿馬鹿しい」と内心で自嘲した。自分も陽向と同じで、あのバスの運転手の戯言に少し影響されているのかと苦笑した。
月琉は心の中に一瞬だけ湧いたオカルトめいた考えを捨て、唯物的に物事を見ることにした。静かであれば他人に干渉されずによく眠れそうだし、勉強や作業をするにしても捗りそうだと、ポジティブな考えだけを浮かべることにした。そうして自分の世界に入り込んでいく。
その時。
「……ゥゥウウウ」
昼間に月琉が触っていた南側畑にある電柱の根元辺りから、白い煙がもくもくと湧き出る。そして呻き声を上げながら、次元の壁を超えて何かの存在がひょっこりと現れる。見る者が見ればすぐにわかるくらいの異常な光景だ。
たが月琉はそれにまったく気づかない。自分の世界に入り込んでいて気づかない――いや気づけない。
存在を感じられるとは、存在を感じ取れる感覚器官があり、なおかつそれが正常に働いてこそ成り立つ現象だ。
例えば貴方の目の前には酸素がある。間違いなくある。でも人間には酸素そのものを感じとれる感覚器官など備わっていないから、酸素があること自体には気づけない。科学的知識があるから存在していることがわかるだけである。
つまり、何が言いたいかというと、目に見えなくても存在しているものはあるということだ。オカルト的存在にも同じことが言えよう。普通の人には感じ取れないだけで、それを感じ取れる人は必ずいるのだ。
「……オニイチャン」
白い何かは人型となって這い寄る。小さな女の子の形をとりて月琉の方に寄って来る。そして何かを必死に訴えようとしていた。
「……タスケテ」
だが残念ながら、月琉は気づけなかった。彼にはそれを感じ取れる才能も感覚器官もない。文武両道でやろうと思えば何でもできる月琉であるが、その才能にかけてはまったくといっていいほどなかった。
「……オニイチャン……オニイチャン……」
人ならざる何かが、月琉の目の前までやって来る。そして彼の足元に縋りつくようにして訴える。必死に訴える。
「……タスケテ」
「良い夜だ。月も凄く綺麗だ。今度来る時は天体観察の道具でも持ってこようかなぁ」
「……オニイチャン……タスケテ」
「田舎の夜はいいなぁ。マジ最高」
見る人が見れば、とんでもなく酷い光景が広がっていた。足元に縋りついて哀願する女児を完全無視する男子高校生という、とんでもない光景だった。
だが誰もそれに気づくことはない。女の子の苦しみに気づけない。
「……オニイチャン……タスケテ……タスケ……タス……ケ……タ……」
やがて女児は霧のように崩れていき、その形を保てなくなった。彼女らの世界における何かしら制約でもあるのか、元の世界へと強制帰還していったのだ。
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