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一章
宿泊者名簿No.1 荒くれ者ザック(下)
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俺たちは寝床をそっと飛び出すと、居間へと向かった。
居間では、女が椅子に座って編み物をしていた。呑気に過ごしてやがった。油断しきっているようで、襲うには絶好の機会だった。
(改めて見てもいい女だぜぇ。くく、今から俺たちのもんにしてやるぜ)
俺たちは背後から忍びよると、女に襲い掛かった。
「きゃあッ、何をなさいますのぉ⁉」
「何ってっ、もちろんナニに決まってんだろがぁあ!」
「ヒャッハー! 大人しくナニさせろやァ!」
「いやっ、やめてくださいまし!」
か弱そうに見えて、女はすばしっこくて手ごわかった。俺たちが飛び掛るのをするりと抜け出して、部屋の中を羽虫のようにピョンピョンと動き回る。俺とパックの二人がかりでも、全然拘束できなかった。
面白い。存分に抵抗してくれなきゃつまらねえからな。
「キャー! 誰かぁ、誰か助けてくださいまし!」
「ヒャハハ! こんな森の中じゃ誰も来ねえよォ!」
「頼りにならないクソザコ旦那なら来るかもだがなぁ!」
俺たちが梃子摺るその隙に女は大声で騒ぎ立て、やがて男がやって来ることになった。
「どうしたエリザ! これは……」
現場にやって来た男は、絶句といった感じで立ち尽くしていた。
まあそりゃそうだろう。親切心で泊めた輩が嫁さん襲ってるんだからな。なんとも間抜けな面してやがるぜ。
「兄者ァ、俺に任せとけェ。兄者は女を捕まえて仲良くやってなァ」
「あぁ、悪いなパック。お前にもあとで必ずやらせてやるからよぉ」
「へへ。約束だぜェ」
パックが男をどうにかしてくれるらしい。気が利く弟だぜ。
病弱男相手だ。何の心配もいらねえ。パックは俺よりも力がある男だからな。万に一つも負けるはずもねえさ。元鉄等級冒険者の実力は伊達じゃねえ。
俺は安心して弟に任せることにした。
「お客様、どうしてこんなことを……。何かご無礼でも働きましたかね? 俺、何かしちゃいました?」
「無礼? ああ無礼だよォ、お前の存在自体が俺たちにとっちゃ大変無礼なんだよォ!」
「はい?」
「ムカつくんだよォ! お前の存在そのものがなァ! お前の存在自体が無礼でふざけてるぜェ! 死ねよォ!」
パックの言葉を聞き、男は理解できないといった表情をしていた。
理解できないだろうさ。俺たちみたいな貧しい人間の心が、恵まれた金持ちのお前にわかるはずねえ。
「お前みたいな病弱の甲斐性なしのクソザコ男が、こんないい女を手にしてるのはおかしなことだァ! この家も財産もなァ! だから全部奪わせてもらうことにしたぜェ! アンタをぶっ殺した後、奥さんの身体を楽しませてもらって金貰ってとんずらさせてもらうぜェ!」
「だから 従業員に手を出したと。なんと邪悪な……お客様、失礼ですが正気ですか?」
「正気も正気よォ! 恨むなら弱肉強食のこの世を恨むんだなァ! ヒャッハー!」
男はかなりショックを受けているようで、手で目を覆って天を仰いだ後、俯いてプルプルと震えていた。
怒りで震えているのか、それともビビって震えているのか。病弱のクソザコ男だ、後者に決まってらぁな。
「……初めてのお客さんだから酒までサービスしてやったのに。金なさそうだからお金は取らないであげようと思ったのに。異世界人に日本人流のおもてなしをしてあげようと張り切ったのに。なのにこんなクズな客だったとは……あーもう損した気分だ。こりゃ賠償してもらわないとだな。賠償決定だ、うん、そうしよう」
「あん? 何意味わかんないことブツブツと言ってやがるゥ?」
「パック、御託はいいからとっととぶちのめせ! そんなクソザコ男、ワンパンだろ!」
「おうよ兄者ァ!」
俺が急かすと、パックは拳を振り上げて男に襲い掛かった。
こんな病弱男、パックが一発殴ったらあの世逝きだろうな。
病弱のくせにこんないい奥さん貰ってたんだ、思い残すことなんてねえだろう。
あばよ、病弱クソザコ男。死んで俺たちを不快にした償いをしやがれってんだ。
「オラァア! パック様の最強パンチをくらって死にさらせぇえェ!」
――ドゴォッ。
パックの勢いのあるパンチが男の顔面を捉えた――――かに見えた。
「――へ?」
一瞬何が起こったかわからなかった。気づいたら、パックの背中から腕が生えてやがったんだ。
「あぐぅぁぅ……あ、兄者ァ……」
パックの声にならない呻き声と、背中から滴り落ちる血を見て、すぐにそれが男の腕であるとわかった。
男の腕が、パックの身体を貫通してやがったんだ。
「ば、馬鹿な……」
パックはそのままずり落ちるように地面へと倒れ伏した。数秒呻いていたものの、その後はピクリとも動かなくなった。俺はそれを呆然と見ていることしかできなかった。
「んれろっ」
男はパックの体内から腕を引き抜くと、自分の腕に纏わり付いた血液をベロリと舐めた。舐めた後、顔を酷く歪めた。そして呟くように言った。
「不味いねぇ。汚物の味がするよ。スキルもラーニングできなかったし最悪だ。最悪のお客様だよアンタら」
男は何かわけのわからぬ言葉を吐く。
(スキルらーにんぐ? いったい何のことだ?)
だがそんなことを考えている暇はないと気づき、俺は警戒して男の方へ向かっていこうとした。だが……。
「テメエ! パックに何をしたん――ガハッ!」
――ガブリッ。
視界がガクンと揺らぎ、俺は地面へと沈み込むことになった。地面に倒れ伏すと同時、首元に鋭い痛みが走った。
「――がぁああ⁉」
一瞬何が起きたかわからなかったが、ようやく気づくことになる。
女が俺の肩口に牙を突き立てていやがったんだ。
「やめっ、うぅ……」
抵抗しようとしたができなかった。全身から力が抜けていくような感覚を味わって碌な抵抗ができなかったんだ。
しばらくして血を吸われているのだと気づくことができた。
「――ぷはぁっ♡」
しばらくして女は飽きたのか、俺のことを解放した。
「ご主人様ぁ、こっちの男も不味いですわぁ。ゴブリン以下の味がします」
「そっか。最悪だな。こんなことなら会った瞬間ダンジョンマナに変えてやればよかったよ。飯代と酒代とおもてなしの心、あーマジで損したわ~」
「本当ですね。おもてなし損ですわ」
二人は俺の存在など無視するかのようにのんびりと会話をしていた。俺の存在などまるでないかの如く振舞っている。
それもそうだろう。
パックを一瞬で屠るほどの実力があったんだ。こいつらからしてみれば、俺たちなんてスライムのようなものなんだろう。俺たちなんて、あってないような存在なのだ。
(人間型で吸血する化け物。そしてこのオーラ、間違いねえ!)
会ったことはねえが聞いたことはある。少なくとも金等級以上の冒険者がチームを組んで対処しなければいけないという、あの伝説の魔物に間違いない。
「て、てめえらっ、きゅ、吸血鬼だったのか⁉」
「「ご名答」」
二人は俺の言葉に反応すると、仮初の姿を解き放ち、吸血鬼本来の姿を露にする。そして邪悪に微笑んだ。本当に恐ろしい笑顔だった。
「ひぃいっ、許してくれえ、ほんの出来心だったんだ! こいつがっ、全部パックが計画したことなんだ! 俺は乗せられただけで、だから勘弁してくれよぉおん!」
吸血鬼相手に逆立ちしたって勝てるわけねえ。だから俺は全力で命乞いをすることにした。全部弟が仕組んだってことにして見逃してもらえるように土下座した。小便垂れ流しながら必死に謝った。けども――。
「今更詫び入れたって無駄だよ。君たちは日本人の全力おもてなしを虚仮にしたんだ。日本人の全力おもてなしをここまで虚仮にしたら、もう腹切りしかないでしょ。死んで賠償してくれよお客様」
「ひぃいっ、いやだぁあ!」
「お客様は神様だが、アンタらはお客様じゃない。ただの害虫だ。なら殺すしかねえだろが」
「ひぃっ、勘弁してくれぇええ!」
吸血鬼の住処で好き勝手した俺たちは、許されるはずもなかった。
特に、男の吸血鬼の怒りは相当なものであった。青筋立ててぶちギレてやがった。「ニホンジンのおもてなし」やら「お客様は神様」がどういう意味かはまったくわからなかったが、とにかく相当怒っていることは確かだった。
「いやだぁああ! 助けてぇええ!」
俺はふらつく身体に鞭を打ち、全力で逃げ回った。部屋の中を這うようにして逃げ、開いていた窓から外へと転げるように飛び出た。
「はぁはぁッ……はぁはぁッ」」
不思議と吸血鬼たちは追ってこなかった。このまま逃げ切れるかと思ったのだが……。
「キィキィ!」
「ぐわぁあああ⁉ やめっ、やめろぉおお!」
敷地を出る前に、蝙蝠の大群が襲ってきて、俺は地面に蹲ることとなった。
「やめっ、やめろぉおおおお!」
蝙蝠たちは目や鼻を突いてくる。噛み付いて吸血してくる。全身の血が抜かれていく。
俺は徐々に弱っていき、身動きをとれなくなって、一方的に嬲られるだけとなった。
(あぁ、俺たちはエデンにも辿り着けず、ここで死ぬんだな……)
そう考えた所で、意識が薄らいでいく。
俺は全てを諦め、先にあの世で待っているであろう弟の元へと向かうのであった。
居間では、女が椅子に座って編み物をしていた。呑気に過ごしてやがった。油断しきっているようで、襲うには絶好の機会だった。
(改めて見てもいい女だぜぇ。くく、今から俺たちのもんにしてやるぜ)
俺たちは背後から忍びよると、女に襲い掛かった。
「きゃあッ、何をなさいますのぉ⁉」
「何ってっ、もちろんナニに決まってんだろがぁあ!」
「ヒャッハー! 大人しくナニさせろやァ!」
「いやっ、やめてくださいまし!」
か弱そうに見えて、女はすばしっこくて手ごわかった。俺たちが飛び掛るのをするりと抜け出して、部屋の中を羽虫のようにピョンピョンと動き回る。俺とパックの二人がかりでも、全然拘束できなかった。
面白い。存分に抵抗してくれなきゃつまらねえからな。
「キャー! 誰かぁ、誰か助けてくださいまし!」
「ヒャハハ! こんな森の中じゃ誰も来ねえよォ!」
「頼りにならないクソザコ旦那なら来るかもだがなぁ!」
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「どうしたエリザ! これは……」
現場にやって来た男は、絶句といった感じで立ち尽くしていた。
まあそりゃそうだろう。親切心で泊めた輩が嫁さん襲ってるんだからな。なんとも間抜けな面してやがるぜ。
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「あぁ、悪いなパック。お前にもあとで必ずやらせてやるからよぉ」
「へへ。約束だぜェ」
パックが男をどうにかしてくれるらしい。気が利く弟だぜ。
病弱男相手だ。何の心配もいらねえ。パックは俺よりも力がある男だからな。万に一つも負けるはずもねえさ。元鉄等級冒険者の実力は伊達じゃねえ。
俺は安心して弟に任せることにした。
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「はい?」
「ムカつくんだよォ! お前の存在そのものがなァ! お前の存在自体が無礼でふざけてるぜェ! 死ねよォ!」
パックの言葉を聞き、男は理解できないといった表情をしていた。
理解できないだろうさ。俺たちみたいな貧しい人間の心が、恵まれた金持ちのお前にわかるはずねえ。
「お前みたいな病弱の甲斐性なしのクソザコ男が、こんないい女を手にしてるのはおかしなことだァ! この家も財産もなァ! だから全部奪わせてもらうことにしたぜェ! アンタをぶっ殺した後、奥さんの身体を楽しませてもらって金貰ってとんずらさせてもらうぜェ!」
「だから 従業員に手を出したと。なんと邪悪な……お客様、失礼ですが正気ですか?」
「正気も正気よォ! 恨むなら弱肉強食のこの世を恨むんだなァ! ヒャッハー!」
男はかなりショックを受けているようで、手で目を覆って天を仰いだ後、俯いてプルプルと震えていた。
怒りで震えているのか、それともビビって震えているのか。病弱のクソザコ男だ、後者に決まってらぁな。
「……初めてのお客さんだから酒までサービスしてやったのに。金なさそうだからお金は取らないであげようと思ったのに。異世界人に日本人流のおもてなしをしてあげようと張り切ったのに。なのにこんなクズな客だったとは……あーもう損した気分だ。こりゃ賠償してもらわないとだな。賠償決定だ、うん、そうしよう」
「あん? 何意味わかんないことブツブツと言ってやがるゥ?」
「パック、御託はいいからとっととぶちのめせ! そんなクソザコ男、ワンパンだろ!」
「おうよ兄者ァ!」
俺が急かすと、パックは拳を振り上げて男に襲い掛かった。
こんな病弱男、パックが一発殴ったらあの世逝きだろうな。
病弱のくせにこんないい奥さん貰ってたんだ、思い残すことなんてねえだろう。
あばよ、病弱クソザコ男。死んで俺たちを不快にした償いをしやがれってんだ。
「オラァア! パック様の最強パンチをくらって死にさらせぇえェ!」
――ドゴォッ。
パックの勢いのあるパンチが男の顔面を捉えた――――かに見えた。
「――へ?」
一瞬何が起こったかわからなかった。気づいたら、パックの背中から腕が生えてやがったんだ。
「あぐぅぁぅ……あ、兄者ァ……」
パックの声にならない呻き声と、背中から滴り落ちる血を見て、すぐにそれが男の腕であるとわかった。
男の腕が、パックの身体を貫通してやがったんだ。
「ば、馬鹿な……」
パックはそのままずり落ちるように地面へと倒れ伏した。数秒呻いていたものの、その後はピクリとも動かなくなった。俺はそれを呆然と見ていることしかできなかった。
「んれろっ」
男はパックの体内から腕を引き抜くと、自分の腕に纏わり付いた血液をベロリと舐めた。舐めた後、顔を酷く歪めた。そして呟くように言った。
「不味いねぇ。汚物の味がするよ。スキルもラーニングできなかったし最悪だ。最悪のお客様だよアンタら」
男は何かわけのわからぬ言葉を吐く。
(スキルらーにんぐ? いったい何のことだ?)
だがそんなことを考えている暇はないと気づき、俺は警戒して男の方へ向かっていこうとした。だが……。
「テメエ! パックに何をしたん――ガハッ!」
――ガブリッ。
視界がガクンと揺らぎ、俺は地面へと沈み込むことになった。地面に倒れ伏すと同時、首元に鋭い痛みが走った。
「――がぁああ⁉」
一瞬何が起きたかわからなかったが、ようやく気づくことになる。
女が俺の肩口に牙を突き立てていやがったんだ。
「やめっ、うぅ……」
抵抗しようとしたができなかった。全身から力が抜けていくような感覚を味わって碌な抵抗ができなかったんだ。
しばらくして血を吸われているのだと気づくことができた。
「――ぷはぁっ♡」
しばらくして女は飽きたのか、俺のことを解放した。
「ご主人様ぁ、こっちの男も不味いですわぁ。ゴブリン以下の味がします」
「そっか。最悪だな。こんなことなら会った瞬間ダンジョンマナに変えてやればよかったよ。飯代と酒代とおもてなしの心、あーマジで損したわ~」
「本当ですね。おもてなし損ですわ」
二人は俺の存在など無視するかのようにのんびりと会話をしていた。俺の存在などまるでないかの如く振舞っている。
それもそうだろう。
パックを一瞬で屠るほどの実力があったんだ。こいつらからしてみれば、俺たちなんてスライムのようなものなんだろう。俺たちなんて、あってないような存在なのだ。
(人間型で吸血する化け物。そしてこのオーラ、間違いねえ!)
会ったことはねえが聞いたことはある。少なくとも金等級以上の冒険者がチームを組んで対処しなければいけないという、あの伝説の魔物に間違いない。
「て、てめえらっ、きゅ、吸血鬼だったのか⁉」
「「ご名答」」
二人は俺の言葉に反応すると、仮初の姿を解き放ち、吸血鬼本来の姿を露にする。そして邪悪に微笑んだ。本当に恐ろしい笑顔だった。
「ひぃいっ、許してくれえ、ほんの出来心だったんだ! こいつがっ、全部パックが計画したことなんだ! 俺は乗せられただけで、だから勘弁してくれよぉおん!」
吸血鬼相手に逆立ちしたって勝てるわけねえ。だから俺は全力で命乞いをすることにした。全部弟が仕組んだってことにして見逃してもらえるように土下座した。小便垂れ流しながら必死に謝った。けども――。
「今更詫び入れたって無駄だよ。君たちは日本人の全力おもてなしを虚仮にしたんだ。日本人の全力おもてなしをここまで虚仮にしたら、もう腹切りしかないでしょ。死んで賠償してくれよお客様」
「ひぃいっ、いやだぁあ!」
「お客様は神様だが、アンタらはお客様じゃない。ただの害虫だ。なら殺すしかねえだろが」
「ひぃっ、勘弁してくれぇええ!」
吸血鬼の住処で好き勝手した俺たちは、許されるはずもなかった。
特に、男の吸血鬼の怒りは相当なものであった。青筋立ててぶちギレてやがった。「ニホンジンのおもてなし」やら「お客様は神様」がどういう意味かはまったくわからなかったが、とにかく相当怒っていることは確かだった。
「いやだぁああ! 助けてぇええ!」
俺はふらつく身体に鞭を打ち、全力で逃げ回った。部屋の中を這うようにして逃げ、開いていた窓から外へと転げるように飛び出た。
「はぁはぁッ……はぁはぁッ」」
不思議と吸血鬼たちは追ってこなかった。このまま逃げ切れるかと思ったのだが……。
「キィキィ!」
「ぐわぁあああ⁉ やめっ、やめろぉおお!」
敷地を出る前に、蝙蝠の大群が襲ってきて、俺は地面に蹲ることとなった。
「やめっ、やめろぉおおおお!」
蝙蝠たちは目や鼻を突いてくる。噛み付いて吸血してくる。全身の血が抜かれていく。
俺は徐々に弱っていき、身動きをとれなくなって、一方的に嬲られるだけとなった。
(あぁ、俺たちはエデンにも辿り着けず、ここで死ぬんだな……)
そう考えた所で、意識が薄らいでいく。
俺は全てを諦め、先にあの世で待っているであろう弟の元へと向かうのであった。
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