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呪い
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誰とも結婚する気なんてなかった。
何故なら、呪いが全てを奪うから。
僕を強く、独りでも生きられるようにするかわりに、一番大切になったものを奪うのだ。
だから僕は結婚する気もないし、したいとも思えない。
無くしてしまうなら、手に入れない方が良い。
少なくとも、今はそう思えた。
「ところでなんで急にお兄さんを紹介しようと思ったの?」
絶対兄を紹介したいとか、そんな理由じゃないだろう。
颯太はそんな奴じゃない。
「あぁ、まぁそうですね………」
「僕はこれからかなり忙しくなります。」
「その際、先輩はきっと独りになってしまうでしょうから、美空に代わりをたのもうかな……なんて。」
「………颯太の代わりなんて、いないよ。」
自然と、口から零れた言葉。
颯太は一瞬目を見開き、苦しげな表情をしたあと、
「………そんなこと、ほんとは思ってないくせに。」
なんて呟いた。
「先輩は、あいつの代わりに僕を傍に置いているくせに。僕のことを心配したりするのも、僕を通してあいつを見るための癖に。」
「颯太?どうしたの?」
「あ………別に、なんでもないですよ。忘れてください。」
誤魔化すように笑う。
絶対嘘だ。
そうわかっているくせに、聞いたら颯太が僕から離れてしまう気がして、僕は聞き出せなかった。
「.......じゃあ、他には何もないの?」
そんな風に颯太と話していれば、
「.......××。俺のこと、覚えて、ない?」
縋るような瞳でその子が聞いてくる。
「いや、君とは初対面だと思うよ?むしろ誰かと間違えているんじゃない?」
そういうと、その子は苦しげな表情をした。
「......そっか。そうかもね。変なこと言ってすみません。」
なんて言ってあやまってきた。
「え?別に謝らなくてもいいよ!!というか僕と同じような名前の子っているんだね。」
「そんなことよりも、先輩。そろそろ本題に入らせていただきます。」
「本題って?」
「僕の兄である美空の解呪をお願いしたいんです。」
「そう言うことね~~ふざけてないでそれを最初に言ってくれれば.....」
「あ、ちなみに美空の呪いは、『15歳になると死亡する呪い』なので、早くしないと危ないかもです。」
「いや、それを早く言ってよ!!!!!!」
気づくと、森の中に居た。
きっと、彼のことだから速攻で解呪したのかもしれないけど。
解呪っていったいなんなの??
訳がわからないことが多すぎる。
取り敢えず、あたりを見回すと、多分ここは颯太と美空と話していた場所かもしれないと思った。
ひとまず、状況を整理しようとすれば、
「アハッハハッハハハッハッハハッハッハッッハ!!!!!!!!」
というとち狂ったかのような声とともに、大量の音符が私に襲いかかってきた!!
いや、まじでどうすんのこの状況!!
何故なら、呪いが全てを奪うから。
僕を強く、独りでも生きられるようにするかわりに、一番大切になったものを奪うのだ。
だから僕は結婚する気もないし、したいとも思えない。
無くしてしまうなら、手に入れない方が良い。
少なくとも、今はそう思えた。
「ところでなんで急にお兄さんを紹介しようと思ったの?」
絶対兄を紹介したいとか、そんな理由じゃないだろう。
颯太はそんな奴じゃない。
「あぁ、まぁそうですね………」
「僕はこれからかなり忙しくなります。」
「その際、先輩はきっと独りになってしまうでしょうから、美空に代わりをたのもうかな……なんて。」
「………颯太の代わりなんて、いないよ。」
自然と、口から零れた言葉。
颯太は一瞬目を見開き、苦しげな表情をしたあと、
「………そんなこと、ほんとは思ってないくせに。」
なんて呟いた。
「先輩は、あいつの代わりに僕を傍に置いているくせに。僕のことを心配したりするのも、僕を通してあいつを見るための癖に。」
「颯太?どうしたの?」
「あ………別に、なんでもないですよ。忘れてください。」
誤魔化すように笑う。
絶対嘘だ。
そうわかっているくせに、聞いたら颯太が僕から離れてしまう気がして、僕は聞き出せなかった。
「.......じゃあ、他には何もないの?」
そんな風に颯太と話していれば、
「.......××。俺のこと、覚えて、ない?」
縋るような瞳でその子が聞いてくる。
「いや、君とは初対面だと思うよ?むしろ誰かと間違えているんじゃない?」
そういうと、その子は苦しげな表情をした。
「......そっか。そうかもね。変なこと言ってすみません。」
なんて言ってあやまってきた。
「え?別に謝らなくてもいいよ!!というか僕と同じような名前の子っているんだね。」
「そんなことよりも、先輩。そろそろ本題に入らせていただきます。」
「本題って?」
「僕の兄である美空の解呪をお願いしたいんです。」
「そう言うことね~~ふざけてないでそれを最初に言ってくれれば.....」
「あ、ちなみに美空の呪いは、『15歳になると死亡する呪い』なので、早くしないと危ないかもです。」
「いや、それを早く言ってよ!!!!!!」
気づくと、森の中に居た。
きっと、彼のことだから速攻で解呪したのかもしれないけど。
解呪っていったいなんなの??
訳がわからないことが多すぎる。
取り敢えず、あたりを見回すと、多分ここは颯太と美空と話していた場所かもしれないと思った。
ひとまず、状況を整理しようとすれば、
「アハッハハッハハハッハッハハッハッハッッハ!!!!!!!!」
というとち狂ったかのような声とともに、大量の音符が私に襲いかかってきた!!
いや、まじでどうすんのこの状況!!
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