○○日記

月夜

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勇者とガラクタ

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「僕は、彼にとってガラクタに等しい存在に違いない。」
「それは誰よりも僕が一番分かってる。」
「でも、僕は彼の事がやっぱり好きだった。」
「いとおしいと思ってたけど、呪いや性別から無理だった。」
「だから、大嫌いになった。」
「世界で一番大嫌いな人にした。」

「先輩?起きてます?」
「寝てるよぉ....」
「それ絶対起きてますよね。」
勇者はやれやれといった風にため息をつく。
「僕と一緒に今日はお出かけしてくれるって約束しましたよね?」
「………忘れた。」
「むぅ………良いから行きますよ!」
外は良い天気だ。
僕の心と大違い‼
僕はこいつが大嫌いだ。
勇者………神風 颯太の事が。
僕の心をかきみだすその存在全てが!
でも、僕は彼を拒絶出来ない。
あぁ。
僕はおかくなったのか。
金色の髪が風になびく。
「せっかくの良い天気なのに、外にでないとか勿体ないですよ。」
「いーやーだ。というか颯太は格好いいし、他のやつと遊べば良いじゃないか?」
何で僕なんかと。
「先輩が良いんですよ……他の誰よりも…ね。」
「ほーら、早くしましょ?それに先輩に紹介したい人がいるんですよ。」

森のなか。
僕は塔の窓から身を投げる。
体が宙を舞う。
僕の体は地面に叩きつけられるが、砕けた瞬間から再生する。
これも呪いの効果。
それに、僕はこうでもしないと外には出られないし。
結界が無いのってここぐらいなんだよね。
だから、颯太と出かけるのは嫌い。
部屋で二人きりはもっと嫌い。
大嫌いなんだ。
てか、僕は7歳、颯太は6歳。
森に来て良いのか?
颯太に手を引かれ、森の奥へと向かう。
木漏れ日のなか、二人きりで。
こうゆうのは女の子とするべきだ。
まぁ、颯太はかわいい外見だから、女の子みたいだし、ある意味そうかもしれない。
本人にいうと僕の事褒めてくるから言わないけど。
誤解するし。
遠くから何か音がする。
おかしいなぁ。

辺りを見回す。
颯太は鼻歌を歌っている。
呑気な奴だなぁ。
よし。
魔物が来そうだし、この際こいつを使うか。
「ねぇねぇ颯太?」
「どうしたんですか?先輩。」
「魔物が来てるんだよね。」
「え?」
「僕、怖いよ………だから、颯太に倒して欲しいんだよね。」
「だめ、かな?」
僕の頼みは颯太は一回も断った事がない。
「任せてください!今すぐやっちゃいましょう!」
颯太は駆けていき、すぐ戻ってきた。
「音の原因はこれみたいですね。」
颯太が取り出したのは、
確か魔王の配下の四天王とか言うやつらの首だった。

「いやいやいや!」
6歳で四天王全員やっちゃったの?
どんなチート野郎だよ!
バランス以前の問題だよ!
勝てねぇよ!
ふぅふぅ。
そして私は今、森のなかにいる。
足首普通に聞こえるし。
最強6歳児がいるわけでもない。
オワタ………
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