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未知の力
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その時、蛇が飛びかかってきた。
その途端、体が勝手に動いた。
後ろへ飛んで、着地する。
体が宙にいる時に、蛇の体が切り刻まれ、ポトリと落ちる。
『はぁ.......これは特訓が必要そうだなぁ....』
なんて、頭の中の声がそう呟く。
『最初は僕が動かしてあげるから、それで感覚をつかんで欲しいかなぁ......』
「いや、難しすぎるでしょ!!」
『ん~、前回に比べたら、イージーだとは思うけどなぁ......』
その前回を知らない僕にとっちゃ怖すぎると思う。
というか前回なんてあんの!?
「バインド」
僕の体がそう呟く。
途端に雫の体に何かが巻きつく。
「へぇ.....魔法使ってくるとか、結構やるね。」
ははは.....
僕じゃありませんけどねぇ!!
「雫、じっとしてて。」
は???
僕の喉から、僕以外の人の声がでた。
え?何これ?
「何その声.......まさか!!」
雫が何か言う前に、禅の方が早かった。
「ご主人!!やっと会えました!!寂しかったですよぉ......」
「ごめんね。迷惑かけちゃったみたいで。」
禅の頭をそっと撫でる僕の姿。
と、思ったら、僕の姿が変化していた。
まず、目は赤くなっているし、髪も黒くなっている。
僕は茶髪に、橙色の瞳をしているのだ。
そして、目の中には十字架が描かれている。
僕の場合は火車のようなマークなのに。
(何でこんな変化が起こっているんだろう.......)
「さてと、雫を殺すのは今回が初めてかな.....」
「あはは、殺すって言ったって、僕の形を変えるだけでしょ。僕のことを殺せないからね。」
変に優しいんだもん。
なんて雫は呟く。
それは何かを諦めたようで、悲しんでいるようで。
「うん、正解だよ。僕は君を殺せないよ。」
「博愛主義っていうんだっけ?そういうの。」
「さぁ、わからないよ。」
なんて会話を交わしている。
雫はそんなことを言いながら、蛇をこちらに向けている。
「僕は嫌だけどね。そう言うのってさぁひどいと思わない?誰か一人にして、愛せばいいのに。」
「誰か一人なんて、選べないものじゃないかな?僕はそんなことできないからね。」
一瞬、何かが浮かび上がる。
人影のようなものだ。
誰かは、わからない。
「まぁ、そうだろうね。ところでさ、僕は君が消えた数年間とても悲しかったよ。」
「それは僕もだよ。......君たちと離れていた時間はとても耐え難いものだった。」
僕には何を話しているのかわからないが.....
ふと、頭の中にある情景が浮かぶ。
『今日は内臓を引きずり出してみようか。』
そんな声が聞こえたかと思えば、凄まじい苦痛と、吐き気がする。
何より気持ち悪い。
グチョグチョと音がどこかでなっている。
少し遅れてそれは自分の腹からだと理解する。
いつまで経っても痛みは引かない。
『素晴らしい!!永遠の命は本当にあったんだな!!これほど痛めつけても、どんなに壊そうとも、再生し、生き続け、新たな体になるなんて!!』
『もう、やめてよ......僕を解放してよ....』
何かを叫ぶ人。
それに対して訴える人....。
これは今僕の体を操っているやつの声だ。
その途端に、理解した。
いや、してしまったと言うべきだろうか。
これはあいつの記憶なんだ。
その途端、体が勝手に動いた。
後ろへ飛んで、着地する。
体が宙にいる時に、蛇の体が切り刻まれ、ポトリと落ちる。
『はぁ.......これは特訓が必要そうだなぁ....』
なんて、頭の中の声がそう呟く。
『最初は僕が動かしてあげるから、それで感覚をつかんで欲しいかなぁ......』
「いや、難しすぎるでしょ!!」
『ん~、前回に比べたら、イージーだとは思うけどなぁ......』
その前回を知らない僕にとっちゃ怖すぎると思う。
というか前回なんてあんの!?
「バインド」
僕の体がそう呟く。
途端に雫の体に何かが巻きつく。
「へぇ.....魔法使ってくるとか、結構やるね。」
ははは.....
僕じゃありませんけどねぇ!!
「雫、じっとしてて。」
は???
僕の喉から、僕以外の人の声がでた。
え?何これ?
「何その声.......まさか!!」
雫が何か言う前に、禅の方が早かった。
「ご主人!!やっと会えました!!寂しかったですよぉ......」
「ごめんね。迷惑かけちゃったみたいで。」
禅の頭をそっと撫でる僕の姿。
と、思ったら、僕の姿が変化していた。
まず、目は赤くなっているし、髪も黒くなっている。
僕は茶髪に、橙色の瞳をしているのだ。
そして、目の中には十字架が描かれている。
僕の場合は火車のようなマークなのに。
(何でこんな変化が起こっているんだろう.......)
「さてと、雫を殺すのは今回が初めてかな.....」
「あはは、殺すって言ったって、僕の形を変えるだけでしょ。僕のことを殺せないからね。」
変に優しいんだもん。
なんて雫は呟く。
それは何かを諦めたようで、悲しんでいるようで。
「うん、正解だよ。僕は君を殺せないよ。」
「博愛主義っていうんだっけ?そういうの。」
「さぁ、わからないよ。」
なんて会話を交わしている。
雫はそんなことを言いながら、蛇をこちらに向けている。
「僕は嫌だけどね。そう言うのってさぁひどいと思わない?誰か一人にして、愛せばいいのに。」
「誰か一人なんて、選べないものじゃないかな?僕はそんなことできないからね。」
一瞬、何かが浮かび上がる。
人影のようなものだ。
誰かは、わからない。
「まぁ、そうだろうね。ところでさ、僕は君が消えた数年間とても悲しかったよ。」
「それは僕もだよ。......君たちと離れていた時間はとても耐え難いものだった。」
僕には何を話しているのかわからないが.....
ふと、頭の中にある情景が浮かぶ。
『今日は内臓を引きずり出してみようか。』
そんな声が聞こえたかと思えば、凄まじい苦痛と、吐き気がする。
何より気持ち悪い。
グチョグチョと音がどこかでなっている。
少し遅れてそれは自分の腹からだと理解する。
いつまで経っても痛みは引かない。
『素晴らしい!!永遠の命は本当にあったんだな!!これほど痛めつけても、どんなに壊そうとも、再生し、生き続け、新たな体になるなんて!!』
『もう、やめてよ......僕を解放してよ....』
何かを叫ぶ人。
それに対して訴える人....。
これは今僕の体を操っているやつの声だ。
その途端に、理解した。
いや、してしまったと言うべきだろうか。
これはあいつの記憶なんだ。
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