機械と人間

月夜

文字の大きさ
上 下
6 / 13

蛇の毒に蝕まれて

しおりを挟む
「あ……自己紹介って、まだでしたよね。僕は禅っていいます。」
そう言って禅はペコリと頭を下げる。
「僕はリンカ。よろしく、禅。」
僕が手を差し出すと、一瞬ビクッとしてから、おずおずと握る。
なにか手に対して恐怖を感じる要素があるのか?
トラウマを持ってるとか……
周りには、黄色のバラ、カーネーション、トリカブト、アサガオ、マリーゴールド、オキナグサ、ホオズキ、ヒヤシンス、ハナズオウ………そしてトリカブト。
花には赤黒いものがこびりついていたりして、どこか、現実実のない光景が広がっていた。
「僕ら以外、全滅したの?」
「はい、もしかしたら生き残ってる人も何人かいるかもしれません。」
「状況を詳しく説明してもらえるかな?」
禅は話始めた。

大体、30人くらいの人数でした。
最初の内は、ですけど。
フロアボスを探そう、と言うことで、みんなバラバラになって探してたんです。
そのうちに、誰かが蛇を見つけたんです。
蛇は一人に噛みついて、そしたら、その人は……

「説明するより、みて貰った方が早いですね。」
しばらく歩くと、倒れている人を見つけた。
その人は虫の息のようだ。
口からヒュウ、ヒュウ、と呼吸が漏れている。
「あぁ、蛇が、俺を、殺すんだ。」
虚ろな目でそんな風に呟く彼に、
「えっと、リンカさんって蛇を素手で掴める派ですか?」
「別に問題ないけど?」
「なら、この人に近づけて下さい。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誓い

時和 シノブ
現代文学
登山に訪れ、一人はぐれてしまった少年の行方は…… (表紙写真はPhoto AC様よりお借りしています)

【完結】忘れてください

仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。 貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。 夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。 貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。 もういいの。 私は貴方を解放する覚悟を決めた。 貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。 私の事は忘れてください。 ※6月26日初回完結  7月12日2回目完結しました。 お読みいただきありがとうございます。

Bathtub mermaid〜浴槽の人魚〜

うしとらよう
現代文学
かすかに潮においが香る東京の一角。 友人二人と家に帰る途中の少年、サファイアは、 前までにはなかったはずの『窓』を見つけた。 まるで光に吸い寄せられる羽虫のよう、サファイアは妖しげな魔力を放つ窓に夢中になってしまった。 その先に『謎の男』がいるとも知らずに…… 果たしてそれは悪魔か妖か。 『その男に魅入られると、死にますよ。』 (この作品は小説家になろうに掲載されています)

甘夏と青年

宮下
現代文学
病気が発覚し、仕事と恋人を失い人生に失望した日々を送る女性、律。 深い傷を抱え、田舎を訪れ己の正解を求める少年、智明。 そして二人と交わる、全てが謎に包まれた『マキ』と名乗る青年。 これは、海の見える土地で、ひと夏を全力で生きた、彼女彼らの物語。

向日葵

エル
現代文学
家族を殺した兄妹の、逃避行

名前のないその感情に愛を込めて

にわ冬莉
現代文学
幼い頃の記憶。 古びた鳥居と、小さな男の子。 その山で出会ったヒトは、ヒトならざる者だった。

私のことを愛していなかった貴方へ

矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。 でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。 でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。 だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。 夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。 *設定はゆるいです。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...