囚われの亡者

Bloody hood A

もしかして

オッドアイ。
それって先輩のことではないでしょうか？
だって先輩くらいのはずなんです。
オッドアイなんて珍しい瞳は。
女の人のように綺麗な人でしたし。
実際女の人より美人でしたし。
だからマリィが出会ったのは先輩の可能性が高いのです。
仮に先輩だとしたら普通に羨ましいですね。
街にいる先輩とか普通にレアですし。
てか先輩そんなこと言っていたんですね、本当にすみませんうちの村は先輩に酷いことばかりしましたものですしそうなるのも仕方ないとは思いますが。
それでも、村は嫌いになっても僕は嫌いにならないでください。
なんて事を思いながら僕は続きを聞くことにしました。

とりあえずあの人は街に何しに来ているのかは全くわからなかったわ。
何が目的なのか。
単純に逃げに来ていたのかもしれない。
だけど私は傍にいて眺めるだけでも幸せだったわ。
不思議ね。
本当に不思議だわ。
それから、色々な物を買って帰ったわ。
どうするのか聞いたら、後輩に渡すって言っていたの。
とても自分の事を慕ってくれていて、優しくていつも感謝しているけど彼はあの村から出られないから外の物を買って帰りたいんだって。
その時の目がまるで恋する乙女のものだったから、私は思わず聞いてしまったの。
その子のことが好きなのって。
そしたら顔を赤くしながら分かんないって返してきたの。
私はそれをみて、この人は恋してるんだな、その子にって察しちゃった。
失恋しちゃったのかもね。
ある日お母様があの人と関わっちゃいけませんなんて言ってきたの。
どうして？なんて聞けば、お別れの時になったら悲しくなるから、なんて言ってきたの。
あの人が死ぬなんて考えられなかったから私はどうしてお別れするのなんて聞けば、あの人は住んでいる所で生贄になるのが決まっているのなんて返してくる物だから、私は困ったの。
だって当時の私は生贄がどう言った物なのかを知らなかったものだから。
だからお母様に聞いたの。
だけど怖い顔して教えてくれなかったわ。
だからあの人に聞いたの。
そしたら悲しげな顔をして、私の前から姿を消したわ。
それからずっと会えていない。
生贄の意味を調べている最中、あの人が言った村の名前が出て来たし、私の祖先がこの村の関係者だったからこの村に訪れてみることにしたの。
そこに美の秘訣も載ってるって書いてあったから...

彼女の話はそこで終わりました。
それよりも、先輩が僕のことをそんなふうに思っていてくれていたなんて...