リンカネーション

月夜

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探索

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まずは周囲の探索から始めた方が良いと思って、早速探索を開始した。
すると、宝物庫を見つけた。
見つけたのだが...
「なんでこんなにゾンビうようよしてんだよ!世紀末か?世界の終わりか?それとも感染的なのなのか!?」
「...とりあえず殲滅しますね」
ゼンが地面に手をつく。
「部屋の外に出るか、仮面を装着してください」
部屋の床が徐々に濡れてきている。
とりあえず仮面をつけておくか。
仮面をつけて見ていると、床が水浸しになった。
水浸し、といっても、足首くらいまで水が満たされている感じだ。
ドアは閉まっている。
「...行きます。目を開いているか閉じるかはお任せします」
そう言うと、ピカッとゼンの指先が光る。
まさか、こいつ...
床が一際激しく光る。
電流が水を通ってひたすら地面を駆け巡る。
水に浸された足から電流が駆け上がり、脳を電気で壊していく。
「...しってますか?人間って50mAの電流が流れると1秒で、100mAなら0.5秒で死ぬんです」
電気信号で出来ているから当然ですよね、この世界のゾンビだって、脳みそ自体は腐り落ちて死んでいますが、代わりの機能を使って動かしてるんです。
どっち道電気じゃないとダメですけど。
それを聞きながら、俺は思った。
もしかして今、化学の勉強してる...?
「あと精製水...純粋な水だと電気を通しにくいので...少し細工をしました」
まぁ、即死でしょうね。
そう言って、水を無くした。
魔法を組み合わせるとこんなことも出来るんだ。
何気に普段の勉強って役に立つんだなと思った瞬間だった。
「ところでなんで俺仮面つけてたら無事なの?」
「あ...その仮面は電気関係に強いので...その...余計な電流を即吸収してくれます」
魔法について説明してた時はスラスラ話せてたのに、仮面の話になると言い淀むんだなと思った。
この仮面に何か秘密があるのだろうか。
わからないけれど。
とにかく宝物庫の宝箱の中身を漁って見れば、見事に空だった。
「何もないのかよ!完全無駄足じゃねぇか!」
「まぁ...ここ、一階ですし...お、奥に行けば多分お宝いっぱいです...」
多分...と最後に小さく付け足したのもちゃんと聞こえていたが、そこについて突っ込む気力を失っていたから、その部屋から出ることにした。
とりあえず、ゾンビには電流攻撃を仕掛ければ良いと言うことだけがわかっただけ収穫か。
「...ところでボス部屋ってなんか特徴あるの?」
「...さぁ...」
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